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製造業のホームページ制作|問い合わせ・採用につながる作り方と費用の考え方

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • 製造業のホームページが担う役割と、見に来る人ごとの知りたいこと
  • 作る前に整理しておく強み(加工・材質・精度・ロット・納期・設備・認証)
  • 載せるべきページと、それぞれに書く項目、写真の撮り方
  • 見積もり・問い合わせを増やすフォームと事例の書き方、図面を受け取るときの注意
  • 検索で見つけてもらう言葉の組み立て方、スマホ・英語ページ・Googleビジネスプロフィール
  • 費用の項目、持続化補助金(第20回)で確かめた条件、進め方と公開後の運用
目次
  1. 製造業のホームページの役割
  2. 新しい取引先に見つけてもらう
  3. 取引の前に確認される
  4. 採用で見られる
  5. 海外の取引先に見られる
  6. 見に来る人・知りたいこと
  7. 発注先が選ばれるまでの流れ
  8. 製造業のサイトがうまくいかない理由
  9. 作る前に決めること
  10. 目的に優先順位をつける
  11. いまのサイトを診断する
  12. 同業のサイトを見て、基準をつくる
  13. 見てほしい相手を具体的に決める
  14. 強みを棚卸しする
  15. 棚卸しの進め方
  16. 載せてよい情報の線引き
  17. 社内の合意を取る
  18. 社内の体制を決める
  19. 載せるページと内容
  20. トップページ
  21. 技術・加工内容
  22. 加工の種類ごとに、書く項目は変わる
  23. 加工ページの構成例
  24. 設備一覧
  25. 自社製品を持つメーカーの場合
  26. 加工事例・製品紹介
  27. 品質管理・認証
  28. 会社概要・アクセス
  29. 採用情報
  30. よくある質問
  31. 写真で伝える
  32. 撮影の日の段取り
  33. 動画を使うとき
  34. 最初に公開する範囲を決める
  35. 問い合わせを増やす工夫
  36. 問い合わせの入口を整理する
  37. 見積もりフォームの項目
  38. 図面を受け取るときの注意
  39. フォームで取得する個人情報
  40. 図面・データのファイル形式・容量
  41. フォームの画面・送信後の流れ
  42. 見積もりに必要な情報を、案内しておく
  43. 問い合わせを受け取ってからの社内の流れ
  44. 展示会・名刺・カタログと連携する
  45. 小ロット・試作の受付をはっきり書く
  46. 電話・メール・FAXも併記する
  47. 返信の目安を伝える
  48. 事例の書き方
  49. 技術資料のダウンロード
  50. 問い合わせのあとの対応
  51. 検索で見つけてもらう工夫
  52. 加工名・材質・地域で言葉を組み立てる
  53. ページごとのタイトル・説明文
  54. 技術コラム・事例を増やす
  55. 地域名を入れるときの考え方
  56. URLとページのつながりを決める
  57. 会社の基本情報を、構造化データで伝える
  58. 技術コラムのテーマの探し方
  59. 画像の代替テキスト・ファイル名
  60. スマホでも見やすくする
  61. 常時HTTPSにする
  62. 英語ページを作る
  63. 会社名で検索して、確かめる
  64. Googleビジネスプロフィール
  65. Search Consoleで確かめる
  66. 費用の考え方・補助金
  67. 費用の項目
  68. 費用が変わるポイント
  69. 自社で用意するもの、頼むもの
  70. 社内の時間も、費用のうち
  71. 見積もりで確認すること
  72. 小規模事業者持続化補助金
  73. 製造業で気をつけたい点
  74. 補助金を使う場合の時期の考え方
  75. ほかの補助金との関係
  76. 制作の進め方・公開後の運用
  77. 制作の流れ
  78. 制作会社に最初に伝えること
  79. 制作会社の選び方
  80. 公開後の更新
  81. 数字の見方
  82. 保守で確認すること
  83. 公開前のチェックリスト
  84. 公開後の最初の3か月
  85. 作り直しを考えるとき
  86. よくある質問
  87. まとめ

「仕事はこれまで紹介が中心だったが、取引先の数が減ってきた」「ホームページはあるが、10年前に作ったままで問い合わせがほとんど来ない」「求人を出しても応募が来ない」。町工場や中小メーカーの経営者・担当者から、こうした相談はよく聞かれます。

製造業のホームページは、お店や一般の会社のホームページとは、見る人も知りたいことも違います。見に来るのは、設計・開発、購買・調達、品質保証といった、仕事で「この会社に頼めるか」を判断する人たちです。知りたいのは、どんな加工ができるか、材質やサイズの範囲、ロットと納期、設備、品質の確認方法、見積もりの出し方といった具体的な情報です。「高い技術力」「お客様第一」といった言葉だけでは、判断の材料になりません。

この記事では、製造業のホームページを作る(作り直す)ときに、何を決め、何を載せ、どう問い合わせにつなげるかを、実務の順に整理します。ホームページ制作の一般的な進め方、SEO、費用、制作会社の選び方は別の記事で詳しく説明しているため、ここでは製造業に固有の部分を中心に書きます。内容は2026年10月時点の公式情報にもとづいています。制作費の相場は公的な統計がないため、金額は書かず、項目と変動要因で説明します。

製造業のホームページの役割

工場の事務所で、担当者がノートPCに表示した自社サイトを見ながら、机の上に置いた図面と照らし合わせている

製造業のホームページは、営業担当者が1人増えるようなものと考えると、役割が整理しやすくなります。営業担当者が訪問先で説明することを、24時間、見に来た人に代わって伝える仕事です。紹介や展示会で出会った相手にも、ホームページは必ず見られます。

新しい取引先に見つけてもらう

新しい加工先を探している設計・開発の担当者や購買担当者は、まず検索します。「アルミ 切削 試作」「ステンレス 溶接 小ロット」のように、加工の種類と材質、条件を組み合わせて調べることが多いでしょう。この検索結果に出てこなければ、加工の技術があっても、候補に入る機会がありません。

一方で、既存の取引先の紹介だけで仕事が回っている会社でも、取引先の担当者が替わったり、取引先の事業が縮小したりすれば、仕事の入口は細くなります。ホームページは、紹介に頼らない入口をつくる手段のひとつです。

取引の前に確認される

紹介や展示会の名刺交換のあと、相手は会社名で検索して、ホームページを開きます。確認されるのは、会社が実在するか、所在地と規模、持っている設備、加工できる範囲、認証の有無といった、取引を始める前の基本情報です。

ここで情報が少ない、更新が何年も止まっている、会社の名前や住所が名刺と違うといった状態だと、相手は判断に迷います。紹介してくれた人の信頼を損なわないためにも、「確認に使われる」ことを前提に、必要な情報をそろえておくことが大切です。

採用で見られる

求人サイトやハローワークの求人を見た求職者も、応募する前に会社のホームページを見ます。仕事の内容、職場の様子、設備、働いている人、勤務条件、会社の将来性など、求人票に書ききれない情報を確かめるためです。学校の先生や、求職者の家族が見ることもあります。

製造業では、「どんなものを作っているか」「どんな機械を使うか」が写真で見えるだけでも、仕事のイメージがつかみやすくなります。採用情報のページは、取引先向けのページとは別に、仕事の中身を知りたい人に向けて書きます。

海外の取引先に見られる

海外の取引先や、海外から部品を調達する会社とやり取りがある場合は、英語のページが確認先になります。展示会に出展した後の問い合わせや、商社経由の紹介でも、相手は会社名でサイトを探します。英語ページを作る場合の考え方は、検索の章(「英語ページ」)で説明します。

見に来る人・知りたいこと

同じホームページでも、見る人によって、探す情報と見るページが違います。どの人に向けたページかを意識しておくと、構成が考えやすくなります。

見に来る人知りたいこと主に見るページ
設計・開発の担当者加工できる材質・サイズ・精度、試作に対応できるか、図面の相談ができるか技術・加工内容、設備一覧、加工事例
購買・調達の担当者ロット・納期・価格の目安、見積もりの方法、供給の安定性、品質管理トップ、設備一覧、品質管理、見積もりフォーム
品質保証・監査の担当者検査の体制、測定機器、認証、トレーサビリティ、不具合の対応品質管理・認証、設備一覧
紹介元・営業の相手会社の概要、紹介された内容と合っているかトップ、会社概要
取引先の管理部門会社名、所在地、代表者、設立、事業内容(取引開始時の確認)会社概要・アクセス
求職者・学校関係者仕事の内容、職場の様子、勤務条件、応募の方法採用情報、トップ、設備紹介
海外の取引先会社の概要、加工の範囲、連絡先(英語)英語ページ

発注先が選ばれるまでの流れ

製造業の取引は、1回の購入で終わる買い物とは違い、担当者が社内で比較し、上司や関係部署に説明したうえで決まることが多くあります。担当者は、ホームページを見て自分で判断するだけでなく、社内に説明するための材料としても使います。流れを段階に分けると、ホームページに必要な情報が見えてきます。

段階相手がしていることホームページに必要なもの
探す加工名や材質で検索する。紹介や展示会で名前を知った会社を調べる検索で使われる言葉を含むページ、会社名で検索したときに出る正しい情報
絞る数社の候補を、サイトの印象と内容で選ぶ何ができる会社かが数秒で分かるトップ、対応範囲の表
確かめる設備、実績、品質管理、会社の概要を見て、取引してよいかを確かめる設備一覧、事例、品質管理・認証、会社概要
問い合わせる図面を添えて見積もりを依頼する。まず電話で確認することもある見積もりフォーム、電話番号、受付の条件
社内で比較・説明する見積もりと会社の情報を比べ、上司や関係部署に説明する印刷やPDFで共有しやすいページ、会社案内や設備リストの資料
取引を始める取引先として登録する。管理部門が会社の情報を確認する名刺や契約書と一致した会社概要

社内で説明する段階では、ホームページの画面を印刷したり、PDFにして共有したりすることがあります。設備一覧や対応範囲の表が、印刷しても読める形になっているか、PDFの資料が用意されているかが、意外に効いてきます。

製造業のサイトがうまくいかない理由

製造業のホームページで、よく見られる状態を整理します。ひとつでも当てはまれば、見直す余地があります。

状態何が起きるか直し方の方向
技術が伝わらない「高い技術力で、お客様の要望に応えます」とだけ書かれ、何ができるのか分からない。相手は他社のサイトに移る材質・サイズ・精度・ロットなどの数字と、事例の写真で書く
更新が止まっているお知らせが数年前で止まっている。会社が動いているのか不安になる更新できる体制と、更新する項目を先に決める
問い合わせしにくい電話番号しかない、フォームの項目が多すぎる、図面が送れない見積もりフォームに図面の添付欄を作り、受付の条件を書く
自社の言葉で書かれている社内でしか通じない工程名や型番だけで書かれ、検索にも出てこない取引先が使う加工名・材質名で書き、社内の呼び方は補足にする
スマホで見づらい表や図が画面からはみ出る。外出先で確認する人が離れるスマホでの表示を確かめ、表は横にスクロールできるようにする
見る人を決めていない取引先向けと求職者向けの情報が混ざり、どちらにも中途半端になるトップから、見る人ごとの入口を分ける

ホームページだけで受注が増えるわけではありません

ホームページは、問い合わせの入口をつくる道具です。問い合わせへの返信の早さ、見積もりの出し方、実際の加工の品質まで含めて、取引が決まります。「作れば注文が来る」という期待ではなく、「見た人が安心して問い合わせられる状態にする」ことを目標にしてください。

作る前に決めること

会議室で社長と担当者がホワイトボードに自社の加工技術と設備を書き出して整理している

ホームページは、デザインから考え始めると失敗しやすくなります。先に、誰に何を伝えるかを決めておけば、載せるページも、写真の撮り方も、制作会社への依頼内容も決まります。製造業の場合、とくに重要なのは「強みの棚卸し」です。

目的に優先順位をつける

製造業のホームページには、新規の問い合わせ、取引前の確認、採用、海外対応など、複数の役割があります。すべてを同じ重さで作ろうとすると、どれも中途半端になります。いま、いちばん解決したいことを1つ決め、その次に何を優先するかを順に並べます。

目的主に見てほしい人成果の見方
新しい取引先からの見積もり・相談を増やす設計・開発、購買の担当者見積もりフォームからの問い合わせ数、検索で見られたページ
紹介や展示会後の確認に応える紹介された相手、取引先の管理部門会社概要・設備のページが見られているか、「ホームページを見た」という声
採用の応募を増やす求職者、学校関係者採用ページの閲覧数、応募の数と、応募者の「何を見たか」
海外の取引先への対応海外のバイヤー、商社英語ページからの問い合わせ

一般的な「目的を1つに絞る」考え方は、ホームページ制作の基本を説明した記事でも書いています。製造業では、取引先向けと採用向けで、載せる写真も言葉も変わるため、優先順位がはっきりしているほど、構成を決めやすくなります。

いまのサイトを診断する

すでにホームページがある場合は、作り直す前に、いまのサイトの状態を確認します。何が足りないかが分かれば、作り直しで直す範囲と、そのまま使える部分を分けられます。

確認すること見る方法見直しの方向
何屋か、数秒で分かるか知らない人に、トップを10秒だけ見せて、何の会社か聞く加工名・材質・対応範囲を、画面の上に出す
加工の範囲が分かるか材質、サイズ、公差、ロットが書かれているか確認する対応範囲の表を作る
設備が分かるか機種と台数、加工範囲が書かれているか設備一覧を作る、または更新する
事例があるか、新しいか事例の件数と、最新の更新日を見る事例を足し、古い内容を整理する
会社の情報が正しいか名刺・登記・契約書の内容と見比べる会社名、住所、代表者、電話番号を直す
スマホで見られるか実際のスマホで、トップと表のページを開く表示の崩れを直す
HTTPSで表示されるかアドレスバーの表示を見る常時HTTPSにする
問い合わせの入口が分かりやすいかトップから、フォームまで何回の操作で着くか数えるヘッダーにボタンを固定する
問い合わせが来ているか過去1年のフォーム・電話・メールの数と内容を整理する来ている内容に合わせて、ページを足す
検索でどう見つかっているかSearch Consoleで、検索の言葉と表示の状況を見る(未登録なら先に登録)見つかっている言葉のページを残し、強める

同業のサイトを見て、基準をつくる

自社の強みを書き出す前に、同業や、取引先が比較しそうな会社のサイトを数社見ておくと、書き方の基準がつかめます。真似をするためではなく、見る人が比べたときに、自社が見劣りしないか、違いが出ているかを確認するためです。次の観点で見ます。

  • 検索で上位に出てくる会社は、どんなページ(加工ごと、材質ごと、事例)を持っているか
  • 設備、対応範囲、ロット、納期を、どこまで具体的に書いているか
  • 事例を、どんな項目で、何件載せているか
  • 見積もりフォームの項目と、図面の扱い(NDAの案内など)
  • 写真の撮り方と、会社の雰囲気
  • 更新の頻度(お知らせや事例の日付)

見たうえで、自社が書けて同業が書いていないこと(できないことの明記、試作の条件、納期の目安など)を探します。そこが、選ばれる理由の候補になります。

見てほしい相手を具体的に決める

「取引先」とひとくくりにせず、誰が見るかを具体的にしておくと、書く内容が変わります。たとえば、次のように考えます。

  • 設計・開発の担当者:試作や相談を探している。材質、サイズ、公差、1個から対応できるかを知りたい
  • 購買・調達の担当者:量産の発注先を探している。ロット、納期、供給の安定、品質の保証を知りたい
  • 品質保証の担当者:取引先として監査する。検査の仕組み、記録の残し方、認証を確認したい
  • 求職者:どんな仕事か、どんな職場かを知りたい

全員に向けて書くと、誰にも刺さらない文章になります。「試作を探す設計担当者」を主な読者にするなら、1個から受けられること、図面がなくても相談できること、納期の目安を、トップページの目立つ場所に置きます。「量産の購買担当者」なら、月産の対応量、検査の体制、複数拠点の有無を前に出します。

強みを棚卸しする

次に、自社が何をどこまでできるかを、数字と事実で書き出します。社内では当たり前のことでも、取引先にとっては、発注先を選ぶ重要な判断材料です。次の表の項目を、現場の担当者と一緒に埋めていきます。

項目書き出すこと書き方の例(数字は仮のもの)
加工の種類旋盤、マシニング、板金、溶接、プレス、研削、成形、組立など。工程ごとにNC旋盤加工、5軸マシニング、レーザー加工、TIG溶接
材質扱える材質と、扱った実績の多い材質アルミ(A5052、A6061)、ステンレス(SUS304、SUS316)、鉄、真ちゅう
精度・公差通常の公差と、対応できる最も厳しい公差一般公差は±0.05mm、条件により±0.01mmまで
サイズ・重量加工できる最大・最小のサイズと重量最大500×300×200mm、最小φ3mm、最大重量30kg
ロット受けられる最小の数量と、量産の対応量1個から。月産は数千個まで
納期標準の納期と、急ぎのときの対応標準で図面確定から2週間。特急は要相談
設備機種、台数、加工範囲、導入年○○社 NC旋盤 ○台、○○社 マシニングセンタ ○台
検査・測定測定機器と、検査の方法、出せる検査書類三次元測定機、投影機、検査成績表の発行
認証・規格取得している認証、取得年、対象の範囲ISO 9001(対象事業所・登録範囲を明記)
一貫対応材料の調達、表面処理、組立、梱包までの対応範囲材料手配から、協力工場での表面処理、組立まで一括で対応
対応業界これまでに加工してきた分野(社名は出さなくてよい)産業機械、医療機器、半導体製造装置、自動車部品
対応できないことできないこと、苦手なこと大型の溶接構造物、熱処理(協力工場に外注)など

表の数字は、書き方の例として置いた仮のものです。自社の実際の数字に置き換えてください。ここで大切なのは、「できないこと」も書き出す点です。対応できない相談が来ると、双方の時間が無駄になります。範囲をはっきり書いておけば、問い合わせの質が上がり、返信の手間も減ります。

棚卸しの進め方

棚卸しは、社長や営業担当者だけで行うと、現場の実態とずれます。次の順で、現場の担当者も入れて進めます。

  1. 過去の見積依頼と受注を並べる直近数年分の見積依頼や受注の記録から、依頼の多かった加工・材質・業界を拾います。「自社がこうありたい」ではなく、「実際にどんな依頼が来ているか」から始めます。
  2. 受けた案件と断った案件を分ける断った案件の理由(サイズが大きい、公差が厳しい、数量が少ないなど)が、「対応できないこと」の材料になります。
  3. 営業・現場・品質の3者で確認する営業が思う強みと、現場が実際にできることには差があります。加工の範囲は現場、検査の体制は品質、取引先の評価は営業が、それぞれ確認します。
  4. 数字と写真を集める公差、サイズ、台数などの数字と、設備や製品の写真を集めます。数字が曖昧なものは、書かずに保留にして構いません。
  5. 取引先から見て分かる言葉に直す社内の呼び方や略称を、取引先が検索や図面で使う言葉に直します。

載せてよい情報の線引き

製造業では、取引先との間に守秘義務がある情報が多くあります。載せる前に、何を載せ、何を載せないかを決めておきます。

情報考え方確認すること
取引先の社名・ロゴ原則として、書面での許可を得たものだけ載せる契約書・NDAに、社名の公表の制限がないか
製品の写真取引先の製品は、形状そのものが機密のことがある許可を得る。許可が得られない場合は、形状が分からない撮り方や、社内の試作品を使う
図面原則として載せない。サンプルを載せる場合は、自社で作ったものだけ取引先の図面を、そのままの形で載せていないか
価格具体的な単価は載せないことが多い。目安を書くかは方針を決める価格の表記が、取引先との契約に影響しないか
設備の機種・台数能力を伝える情報として、載せる方が有利なことが多い古い機種や、すでに手放した機械を残していないか
従業員の顔写真・氏名採用ページでは有効。本人の同意が前提退職後の掲載の扱いを決めておく
工場内部の写真工場の様子は信頼につながる。他社製品や図面が写り込まないようにする撮影前に、作業台や掲示物の整理を行う

社内の合意を取る

ホームページの内容には、営業、現場、品質、経営者のそれぞれの考え方が入ります。作り始めてから意見がぶつかると、公開が遅れます。次の点を、先に決めておきます。

  • 最終的に決める人:意見が分かれたときに、判断する人を1人決める
  • 確認する範囲:数字の確認は現場、取引先名の確認は営業、会社情報の確認は総務など、確認の役割を分ける
  • 確認の期限:原稿や写真の確認に、期限を決める。期限を決めないと、確認が止まる
  • 載せる基準:迷ったときに、「取引先が判断するために必要か」を基準にする

全員の希望をすべて載せる必要はありません。載せたい情報と、見る人が知りたい情報は、必ずしも同じではないため、見る人の立場で優先順位をつけます。

社内の体制を決める

公開した後に、問い合わせに答える人、原稿と写真を用意する人、更新する人がいなければ、ホームページは放置されてしまいます。制作の前に、次の役割を決めておきます。

役割決めること決めておくと困らないこと
問い合わせの窓口フォームと電話を、誰が見るか。不在のときの代わりの人返信が遅れる、誰も見ていないフォームが放置される
原稿・写真の担当現場から情報を集めて、まとめる人。現場の協力の取り方制作が進まない。現場の忙しさで原稿が止まる
更新の担当お知らせ・事例・採用情報を更新する人。更新の頻度公開後に誰も触らなくなる
内容を確認する責任者公開前の最終確認、取引先に関わる情報の許可の確認機密情報や、事実と違う内容が公開される

「どこにでもある言葉」を、数字と事例に置き換える

「高品質」「短納期」「ご要望に柔軟に対応」といった言葉は、どの会社のサイトにも書かれているため、判断の材料になりません。「公差±0.01mmの加工に対応」「図面確定から最短3営業日で出荷(条件あり)」のように、数字と条件で書くと、相手は自社の案件に合うかを判断できます。数字が出せないときは、事例の写真と、使った設備・工程の説明に置き換えます。

載せるページと内容

担当者がPCに表示したサイトの構成図を見ながら、ページの一覧を作っている様子を肩越しに見た場面

強みの棚卸しができたら、それをどのページに載せるかを決めます。製造業のホームページの基本構成は、次の表のとおりです。すべてを最初から作る必要はなく、小さく始めて足していく進め方もできます(後述)。

ページ載せる内容主に見る人
トップページ何を作っている会社か、強み、事例への入口、問い合わせの入口、お知らせ全員
技術・加工内容加工の種類ごとに、対応範囲、工程、得意なこと、設備設計・開発、購買
設備一覧機種、台数、加工範囲、写真設計・開発、購買、品質保証
加工事例・製品紹介課題、提案、結果、材質、数量、写真設計・開発、購買
品質管理・認証検査の体制、測定機器、認証、書類の発行品質保証、購買
会社概要・アクセス会社名、所在地、代表者、設立、沿革、地図、受付時間取引先の管理部門、紹介された相手
採用情報仕事の内容、職場の様子、勤務条件、応募の方法求職者
よくある質問試作・小ロット、図面、納期、見積もりの流れ設計・開発、購買
お問い合わせ・見積もり見積もりフォーム、電話、メール、受付の条件全員
お知らせ設備の導入、展示会の出展、休業日、認証の取得取引先、求職者
資料ダウンロード(任意)会社案内、設備リスト、加工範囲の一覧(PDF)購買、品質保証
英語ページ(任意)会社概要、加工内容、設備、連絡先海外の取引先

トップページ

トップページは、見に来た人が数秒で「この会社に自分の案件を相談できそうか」を判断する場所です。画面の最初に表示される範囲に、次の4つを置きます。

  • 何を作っている会社か:加工の種類と材質、対応範囲(例:アルミ・ステンレスの切削加工、試作から量産まで)
  • 強み:数字で書いた3つ程度(精度、ロット、納期、設備、一貫対応など)
  • 事例への入口:写真つきで、具体的な加工が見えるもの
  • 問い合わせの入口:見積もり・相談のボタンと、電話番号

社長のあいさつや、会社の理念を一番上に大きく置くホームページもありますが、取引先の担当者が最初に知りたいのは、自分の案件に対応できるかどうかです。あいさつや理念は、会社概要のページに置き、トップでは短い一文にとどめる方が、見る人にとっては分かりやすくなります。

書き方の違いを、例で示します。

見直す前見直した後
確かな技術で、お客様のものづくりを支えますアルミ・ステンレスの精密切削加工。試作1個から量産まで、図面をお送りいただければ見積もりします
高精度・短納期・低コストを実現公差±0.01mmまで対応。標準納期は図面確定から2週間、急ぎは相談(数字は例)
お気軽にご相談ください図面がなくても、用途と数量が分かれば相談できます。見積もりフォームへ

見直した後の例は、数字を自社のものに置き換えて使います。数字が確かでないものは、書かずに、「条件により異なります。ご相談ください」とする方が誠実です。

技術・加工内容

技術・加工内容は、製造業のサイトの中心になるページです。加工の種類が複数ある場合は、「1つの加工につき1ページ」を基本にします。理由は2つあります。1つは、見る人が「旋盤加工」「溶接」のように、加工名で探すこと。もう1つは、検索でも、加工名ごとのページの方が、探している人に届きやすいことです(検索の章で説明します)。

各加工のページには、次の項目を入れます。

項目書くこと書き方のポイント
概要何を加工するか。どんな用途の部品が多いか2〜3文で、加工名と材質を入れる
対応範囲の表材質、サイズ、公差、ロット、納期表で、一目で分かるように。例外や条件は注記に
工程の流れ図面を受けてから、出荷までの流れ見積もり、段取り、加工、検査、梱包の順に。所要日数の目安も
得意なこと・苦手なこと得意な形状や材質。対応が難しいもの苦手なことも書くと、相談の質が上がる
使用する設備この加工に使う機械の機種と台数設備一覧のページにリンクする
加工事例この加工の事例を2〜3件事例のページにリンクする
問い合わせ見積もりフォームへのボタンページの終わりと、途中にも置く

工程の説明は、専門用語をそのまま並べるのではなく、「図面を見て加工の方法を決め、材料を手配し、機械にセットし、加工し、寸法を測って確認し、出荷する」のように、設計担当者が読んで流れを追える言葉で書きます。購買担当者や、異業種から転職してきた担当者が読むことも想定しておきます。

加工の種類ごとに、書く項目は変わる

対応範囲の表は、加工の種類によって、見る人が知りたい数字が違います。同じ項目をすべての加工に当てはめるのではなく、加工ごとに、設計者が判断に使う数字を選びます。

加工の種類対応範囲として書く項目の例あわせて書きたいこと
旋盤・切削加工加工できる最大径・最大長さ、軸数、材質、公差、表面粗さ棒材からの加工か、鋳物・鍛造品の仕上げか。ロットの範囲
マシニング・フライス加工加工できる最大寸法(X・Y・Z)、軸数、材質、公差、治具の対応多品種少量か、量産か。5軸が必要な形状の対応
板金・レーザー加工板厚の範囲、最大の板のサイズ、材質、曲げの長さと角度溶接や塗装までの対応、図面がなく現物からの対応
溶接溶接の方法(TIG、MIG、スポットなど)、材質、板厚、溶接できる構造物の大きさ溶接の資格者の有無、検査(外観・寸法)の方法
プレス加工プレス機の能力(トン数)、板厚、材料、型の製作の対応型の保管、量産の対応量、型の修理
研削・研磨加工できる寸法、精度、材質、表面の仕上げ他の加工との組み合わせ、検査の方法
樹脂成形成形機の能力(トン数)、材料の種類、ショットの大きさ、金型の対応金型の製作・保管、成形後の加工、組立
組立・加工後の仕上げ組立の範囲、部品の点数、検査・梱包の対応調達する部品の扱い、トレーサビリティの記録

自社に当てはまる加工の行を使い、数字は、実際の現場の担当者が確認したものを入れます。この表は、書く項目の例を挙げたもので、実際の対応範囲は会社ごとに異なります。

加工ページの構成例

1つの加工のページを、上から順に読んだときの流れを、例で示します。文章は、自社の内容に置き換えて使います。

  1. 見出しと概要「アルミ・ステンレスの切削加工」。何を加工する会社か、どんな部品が多いかを、2〜3文で書く。
  2. 対応範囲の表材質、サイズ、公差、ロット、納期を1つの表にまとめる。条件が変わるものは注記に書く。
  3. 得意な加工・苦手な加工「薄肉の部品や、複雑な形状の加工が得意です。大型の溶接構造物は対応していません」など。
  4. 工程の流れ図面を受けてから、出荷までの流れを、順を追って書く。
  5. 事例への案内この加工の事例を、写真つきで2〜3件。
  6. 見積もりのお願い「図面をお送りください」のボタンと、図面がない場合の相談の案内。

文章は、はじめて読む人が、前提の知識なしに追えるように書きます。専門用語を使うときは、初めて出るところで簡単に説明します。専門家向けの内容は、折りたたみや、別のページにして、全体の読みやすさを保ちます。

設備一覧

設備一覧は、設計・開発や品質保証の担当者が、自社の図面が加工できるかを判断する資料になります。機械の種類や台数だけでなく、メーカーと型式、加工できる範囲まで書くと、役立つページになります。

項目書くこと書き方の例(仮のもの)
設備名機械の種類NC旋盤、マシニングセンタ、ワイヤ放電加工機、三次元測定機
メーカー・型式機械のメーカーと型式○○社 ○○-○○○
台数稼働している台数3台
仕様・加工範囲加工できる最大の寸法、軸数、精度最大加工径φ300mm、5軸、位置決め精度 ±○μm
導入年(任意)導入した年。新しい設備の導入を伝えたいとき2024年導入
用途・特徴どんな加工に使っているか小物の精密部品、長尺ものの加工
写真機械の外観と、加工中の様子機械全体と、加工している部分の2枚

設備は、古いものでも、メンテナンスして使っていれば、載せて構いません。取引先は、新しさよりも、必要な加工ができるか、安定して使えるかを見ています。ただし、すでに手放した設備や、実際には使っていない設備を載せたままにするのは避けます。導入や入れ替えがあったときは、設備一覧とお知らせの両方を更新します。

自社製品を持つメーカーの場合

受託加工が中心の会社と、自社の製品(装置、部品、資材など)を販売している会社では、ホームページの中心になるページが違います。自社製品を持つ場合は、製品ごとのページ(製品情報)が、技術・加工内容のページに代わる中心になります。見る人は、製品の仕様を調べ、自社の設備や設計に合うかを確認して、カタログや図面を取り寄せます。

項目書くこと書き方のポイント
製品名・型式製品名と、型式の体系(型番の読み方)型番は、正確に。検索でも使われる
特長・用途何ができる製品か。どんな業界や工程で使うか用途ごとの使い方を、写真や図で示す
仕様表寸法、重量、能力、材質、電源など、型式ごとの数値表で書く。単位を明記し、スマホでも横にスクロールして読める形に
寸法図・図面外形寸法図、取付寸法PDFで取得できるようにする。CADデータを配る場合は、形式と使用条件も書く
カタログ・取扱説明書最新版のPDF版の日付を入れ、古い版を残さない
適合する規格・認証製品が適合する規格や、取得した認証対象の型式と、認証の範囲を正確に
納入先の業界・導入事例どんな分野で使われているか社名を出せない場合は、業界と用途で書く
購入・問い合わせの方法見積もりの依頼先、代理店・販売店、納期の目安型式を選んだ状態で、見積もりの依頼に進めると、入力の手間が減る
保守・サポート部品の供給、修理、問い合わせの窓口、保証補修部品の問い合わせ先と、必要な情報(型式、製造番号)を書く

図面やCADデータをダウンロードできるようにする場合は、取引先が設計に使えるよう、形式と、使用の条件(設計への使用に限る、再配布は不可など)を書きます。誰でも取得できるようにするか、メールアドレスなどの入力を求めるかは、目的に応じて決めます。取扱説明書や、補修部品の情報は、既存の顧客が検索して探すため、検索で見つけやすい場所に置きます。

受託の加工と、自社製品の両方を持つ会社では、トップページで、「加工を依頼したい人」と「製品を探している人」の入口を分けます。入口を分けないと、どちらの人も、目的のページにたどり着けません。

加工事例・製品紹介

事例は、加工の説明が実際に役立つことを示す、いちばん説得力のある内容です。「どんな部品を、どんな条件で、どう加工したか」が見えると、見る人は自分の案件と重ねて考えられます。1件ごとに、次の項目を入れます。

項目書くこと書けないときの対応
タイトル加工の内容と材質が分かる題名社名や製品名は入れず、加工名と用途で書く
用途・業界どんな分野の、どんな部品か「産業機械の部品」「医療機器の筐体」など、特定できない程度に
材質・サイズ・数量材質、寸法、ロット寸法は範囲で書く
課題依頼のときに、難しかったこと「薄肉で、加工中にゆがみやすい」など、加工上の課題として書く
提案・工夫加工の方法、治具、工程の組み方ノウハウの核心は書かなくてよい
結果達成した精度、納期、コスト面の効果数字が出せないときは、事実を文章で
使用設備・工程使った機械と工程の流れ設備一覧へのリンク
写真完成品、加工中、検査の様子図面が写っていないか確認する

事例の書き方は、問い合わせを増やす工夫の章で、書き方の例とあわせて説明します。

品質管理・認証

品質保証や購買の担当者は、「品質が安定しているか」「問題が起きたときに追跡できるか」を確認します。品質管理のページには、検査の体制と、取得している認証を書きます。

項目書くこと
検査の体制受入検査、工程内検査、出荷検査のうち、実施しているもの。担当の人数
測定機器三次元測定機、投影機、ハイトゲージなどの名称と台数
出せる書類検査成績表、材料証明書(ミルシート)、寸法の検査記録など。対応できる書類を書く
トレーサビリティロットごとの記録を、どの期間残しているか
不具合への対応不具合が出たときの連絡と、原因の調査・再発防止の流れ
認証・規格取得している認証の名称、取得年、登録の範囲

認証を載せるときは、次の点に注意します。ISOの公式ページによると、ISOは規格を作る組織で、ISO 9001などの認証は、ISOとは別の外部の認証機関が行います。そのため、「ISO 9001を取得しています」と書くだけでなく、取得年、登録の範囲(対象の事業所や製品)、認証機関の名称を、登録証の内容に合わせて書くと、確認する側が判断しやすくなります。認証のマークの使い方は、認証機関ごとに規定があるため、使う前に取得先の認証機関に確認してください。

認証を持っていない場合も、無理に認証を前に出す必要はありません。検査の体制、測定機器、記録の残し方といった、実際に行っている品質の取り組みを、事実のまま書く方が、取引先には伝わります。なお、認証の取得は任意で、取得しなくても規格を参考に品質管理を行うことはできる、とISOの資料にも書かれています。

会社概要・アクセス

会社概要は、取引の開始時に、取引先の管理部門が与信や登録の確認に使います。名刺や契約書と同じ内容が書かれていることが大切です。

  • 正式な会社名(株式会社の位置も含めて)、代表者名
  • 本社と工場の所在地(別の場合は、それぞれの住所と、郵便物が届く先)
  • 設立年、資本金、従業員数
  • 事業内容(加工の種類、取り扱う材質、製品の分野)
  • 沿革(長く続いていることが分かる範囲で。細かすぎなくてよい)
  • 電話・FAX・メールアドレス、受付の時間
  • 地図と、アクセスの方法(車で来る場合の入口、駐車場、トラックの搬入の場所)
  • 取得している認証、加盟している団体

工場の見学を受けられるかどうかも、書いておくと便利です。受けられる場合は、事前の連絡の方法と、見学の条件を書きます。受けていない場合は、その旨を書いておけば、問い合わせの手間が減ります。

採用情報

採用情報のページは、求職者が応募を決める前に読みます。求人サイトの募集要項とあわせて、次の内容を載せます。

  • 仕事の内容:どんな製品を、どんな機械で作るか。1日の流れ
  • 職場の様子:工場内、休憩場所、働いている人の写真(本人の同意を得たもの)
  • 働く人の声:入社の経緯、仕事のやりがい、入社前後の違いなど。本人の言葉で
  • 入社後の流れ:教育や、資格取得の支援
  • 勤務条件:勤務時間、休日、給与の範囲、福利厚生
  • 応募の方法:電話、フォーム、見学の申し込み

募集要項の内容は、ハローワークや求人サイトの内容と食い違わないようにします。応募の受付を終了した後も、古い募集がそのまま残らないよう、更新の担当を決めておきます。

よくある質問

見積もりの前に聞かれやすいことを、ページにまとめておくと、問い合わせの前の疑問を解消でき、問い合わせを受ける側の対応も楽になります。製造業では、次のような質問が定番です。

  • 1個から(試作だけでも)受けてもらえますか
  • 図面がなくても相談できますか。サンプルや現物からの対応はできますか
  • 材料は支給しますか、そちらで手配してもらえますか
  • 見積もりには、どのくらいの日数がかかりますか
  • 納期はどのくらいですか。急ぎの対応はできますか
  • 機密保持契約(NDA)は結べますか
  • 表面処理や熱処理も、まとめて頼めますか
  • 検査成績表は出してもらえますか
  • 海外への出荷や、海外からの問い合わせには対応していますか

回答は、自社の実際の対応に合わせて書きます。対応できないときは、できない理由と、代わりの方法(相談できる他社の案内など)まで書くと、親切です。

写真で伝える

製造業のホームページでは、写真が説明の大半を担います。工場の雰囲気、設備、加工、製品が写真で見えれば、文章だけでは伝わらない信頼感が出ます。撮る対象と、ポイントを整理します。

撮る対象ポイント避けたいこと
外観・入口初めて来る人が、迷わず着けるように。看板、駐車場、搬入口も暗い時間帯、電線や車で見づらい構図
工場内の全景整理整頓された状態で、広さと機械の並びが分かるように片付けていない作業台、他社の製品や図面が写り込むこと
設備機械の全体と、加工部分のアップの2枚。型式の銘板も撮る機械に不要なものが付いたまま、油や切りくずが散らかった状態
加工中の様子安全に配慮した作業の姿。刃物と材料が接する部分、ひと目で加工が分かる瞬間安全具を付けていない作業、防護の外れた状態
製品・部品黒や白の無地の背景で、1個を明るく。大きさが分かるものを横に(定規や硬貨など)床や作業台に直接置いた背景、影が強く出る照明
検査・測定測定機器を使っている様子と、検査の記録取引先の図面や検査データがそのまま読める状態
人仕事をしている姿。笑顔でなくても自然な表情でよい同意がない撮影、名札や社員証が読める状態

写真は、最近のスマートフォンでも十分に撮れます。大切なのは、撮り方をそろえることです。背景を同じにし、明るさをそろえ、大きさが分かるものを入れるだけで、ホームページ全体の印象がまとまります。外観や工場内の全景、採用ページに使う人物の写真は、プロのカメラマンに頼む方が仕上がりが安定します。

写真には、画像の内容を説明する代替テキストを付けます(検索の章で説明します)。また、撮影の前に、作業台や壁に貼ってある図面、他社の製品、取引先の名前が写り込まないかを確認してください。

撮影の日の段取り

工場の撮影は、機械を動かしながら行うため、事前の準備で仕上がりが変わります。撮影の日の前に、次のことを決めておきます。

  • 撮るもののリスト:外観、工場内、設備、加工中、製品、検査、人物。ページごとに必要な写真を、先に書き出す
  • 撮る順番と時間:機械を動かす時間帯を決め、生産への影響を小さくする。人物は、仕事の合間に
  • 片付けと掃除:作業台、床、掲示物を整える。写り込む図面や他社の製品を、事前に片づける
  • 安全の確認:撮影者の立ち入りの範囲、保護具、機械の安全。現場の責任者が立ち会う
  • 人物の同意:写る人に、撮影と掲載の目的を説明し、同意を得る。同意を記録しておく
  • 加工する製品の準備:製品の撮影に使うサンプルや、加工途中の部品を用意する。取引先の製品は、許可を確認する

撮影した写真は、日付と内容が分かるファイル名にして、保管場所を決めておきます。公開後に、事例や採用ページで、同じ写真を使い回すことがあるためです。

動画を使うとき

加工の様子や、設備の動きは、動画の方が伝わりやすい場合があります。たとえば、数十秒の動画で、材料が切削されて形になる様子を見せると、文章や写真よりも、加工のイメージがつかめます。動画を使うときは、次の点を決めておきます。

  • 動画は、補足として使う。対応範囲や数字は、文章と表で書き、動画を見なくても分かるようにする
  • 音が出ない状態でも分かるよう、動画の説明を、文章でも書く
  • 取引先の製品や図面が映っていないか、作業の安全面の問題がないかを確認する
  • 動画のファイルが大きいと、ページの表示が遅くなる。動画の配信サービスの埋め込みなどを検討する
  • Googleでは、モバイル版とパソコン版で、同じ動画用の構造化データを使い、動画をスマホで見つけやすい位置に置くことが案内されている

撮影の費用や、更新の手間を考えると、最初は写真を充実させ、事例が増えた段階で、動画を足す進め方が現実的です。

最初に公開する範囲を決める

すべてのページを一度に作ろうとすると、原稿と写真が間に合わず、公開が遅れます。最初は、次の範囲から始める方法があります。

  1. 最低限のページを公開するトップ、加工内容(主な加工から2〜3つ)、設備一覧、事例(3件程度)、会社概要、お問い合わせ。
  2. 公開後、1か月ごとに足す事例を増やす、加工ごとのページを増やす、採用情報を作る、など。
  3. 半年〜1年で見直す検索で見られた言葉と、問い合わせの内容を見て、ページを足したり直したりする。

最初の公開が遅れるより、小さくても早く公開して、見られた結果から直していく方が、結果として良いサイトになります。制作の進め方や、制作会社に伝える内容は、ホームページ制作の全体を説明した記事にまとめています。

あわせて読みたいホームページ制作の進め方|自作・依頼の選び方と費用、失敗しない手順ホームページ制作は「作成サービスで自分で作る」「WordPressなどで自分で作る」「制作会社に頼む」などの方法があります。それぞれの向き不向き、作る前に決めること、費用の内訳、依頼から公開までの流れ、公開後の運用、使える補助金まで、中小企業の担当者向けにまとめました。

問い合わせを増やす工夫

購買担当者がPCに表示された見積もりフォームに、図面のファイルを添付している様子を肩越しに見た場面

ホームページを見て、「この会社に頼めそうだ」と思った人が、実際に問い合わせてくれるかどうかは、入口の作りで変わります。製造業では、図面や数量、納期といった情報が必要になるため、一般の会社のお問い合わせフォームとは、設計が違います。

問い合わせの入口を整理する

製造業のお問い合わせは、大きく3つに分かれます。入口を分けておくと、見る人は自分に合うものを選べますし、受ける側も、内容に応じて準備ができます。

入口相手の状況必要な情報
見積もりの依頼図面・仕様が決まっていて、価格と納期を知りたい図面、材質、数量、希望納期
加工の相談図面がない、形状や材質を決めかねている、加工が可能か知りたい用途、大まかなサイズ、数量、現在困っていること
その他のお問い合わせ設備の見学、採用、取引条件、協力会社の相談など目的と連絡先

ボタンは、ページの上部(ヘッダー)に固定して、どのページからでも見えるようにします。加工内容のページや事例のページの終わりにも、「このページの内容で見積もりを依頼する」のようなボタンを置くと、見終わった直後に問い合わせられます。

見積もりフォームの項目

見積もりフォームの項目は、「相手が答えやすいこと」と「こちらが見積もりに必要なこと」の両方を満たす必要があります。項目を増やしすぎると、入力を途中でやめる原因になります。必須にする項目は絞り、あとで電話やメールで確認できる内容は任意にします。

項目必須設け方のポイント
会社名・部署・氏名必須個人の依頼か、会社の依頼かを区別するため
メールアドレス必須確認用に2回入力させるかは、利用の様子を見て決める
電話番号必須連絡の可能な時間帯を、任意で聞く
依頼の種類必須見積もり、試作、量産、相談から選ぶ
品名・用途必須何の部品か。詳しく書けない場合は「産業機械用」程度でよい
材質任意決まっていなければ「相談したい」を選べるように
数量・ロット必須試作の数と、量産の見込みを分けて聞く
希望納期任意「急ぎ」「相談」などの選択肢を用意する
図面・資料の添付任意形式(PDF、DXF、STEPなど)と容量の上限を書く。図面がない場合も送信できるように
ご相談の内容任意困っていること、要望を自由に書ける欄
個人情報の取り扱いへの同意必須プライバシーポリシーへのリンクを置く

フォームの上には、「図面がない場合も、用途と数量が分かれば相談できます」のように、入力の条件を短く書いておきます。送信後は、受付の確認メール(自動返信)が相手に届くようにして、いつ頃までに連絡するかを書きます。

図面を受け取るときの注意

図面は、取引先にとって、会社の技術や製品の情報そのものです。フォームで図面を受け取る場合は、相手が安心して送れるようにします。

不正競争防止法は、「秘密として管理されている生産方法、販売方法その他の事業活動に有用な技術上又は営業上の情報であって、公然と知られていないもの」を営業秘密と定義しています(第2条第6項)。図面は、この営業秘密に当たるものが多くあります。取引先は、図面を送る相手が、きちんと管理してくれるかを見ています。次のような点を、フォームの近くに書いておくと、安心につながります。

  • 通信が暗号化されていること:フォームのページがHTTPSで表示される(後述)
  • 図面の取り扱い:見積もり以外の目的に使わないこと、見られる担当者を限定していること、保管の期間
  • 機密保持契約(NDA):希望があれば、図面を受け取る前にNDAを結べること。結ぶ手順(自社のひな形か、相手のひな形か、どこに連絡するか)
  • メールで別に送りたい場合:容量が大きい場合や、フォームで送りたくない場合の、送付の方法

実際の管理も、書いたとおりに行う必要があります。受け取った図面を、誰でも見られる共有フォルダに置かない、見積もりが終わった後の保管のルールを決めておくといった、社内の運用が前提です。法律の個別の解釈や、契約書の細かい文言は、弁護士などの専門家に確認してください。

フォームで取得する個人情報

お問い合わせフォームに入力された氏名や、メールアドレス、電話番号は、企業間の取引であっても、個人情報です。個人情報保護法の第21条は、本人から書面(電磁的記録を含む)に記載された個人情報を直接取得する場合は、あらかじめ、本人に対し、その利用目的を明示しなければならないと定めています。また、第17条は、利用目的をできる限り特定することを求めています。

実務では、フォームの近くに、「いただいた情報は、お問い合わせへの回答と、見積もりのご連絡のために使用します」のように、利用目的を書き、プライバシーポリシーへのリンクを置きます。なお、利用目的の通知や公表が不要になる例外も条文にありますが、フォームでは明示しておくのが無難です。制作会社が、プライバシーポリシーの雛形を用意していることもありますが、自社の実際の使い方(営業の連絡に使うか、資料の送付に使うかなど)に合わせて、内容を確認してください。

図面・データのファイル形式・容量

フォームで受け取るファイルの形式と容量は、書いていないと、相手が送れずに離れる原因になります。一般的に、次のようなファイルが送られてきます。

種類形式の例書いておくこと
2次元の図面PDF、DXF、DWG受け付ける形式。PDFだけでよいか、CADデータが必要か
3次元のデータSTEP、IGESなど見積もりに必要か、あれば助かるのか
写真・スケッチJPEG、PNG、PDF現物や手書きの図面しかない場合の送り方
仕様書・資料PDF、Word、Excel複数のファイルを送る場合の方法(まとめて圧縮してよいか)

容量には上限があるため、上限を超える場合の送り方(メールで別に送る、ファイル転送サービスを使うなど)も書きます。ファイル転送サービスは、取引先の会社が使用を制限していることもあるため、相手の指定する方法でも受けられるようにしておくと親切です。

フォームの画面・送信後の流れ

見積もりフォームは、入力の画面だけでなく、その前後も設計します。次の点を整えておくと、入力の途中で離れたり、送ったことに気づけなかったりすることを防げます。

  • 入力の画面:必須の項目を、はっきり示す。入力の例を欄の近くに書く。スマホでの入力のしやすさを確かめる
  • 確認の画面:入力した内容を、送る前に見直せるようにする。ファイルを添付した場合は、ファイル名が表示されるようにする
  • 完了の画面:受け付けたことと、次に何が起きるか(返信の時期、担当)を書く。急ぎの場合の電話番号も載せる
  • 自動返信のメール:送った内容の控えと、返信の目安を書く。会社名と連絡先を書き、本物であることが分かるようにする
  • エラーの表示:入力の間違いや、容量の超過を、どこが問題か分かる形で知らせる
  • 迷惑な送信への対策:営業メールや自動の送信が混ざることがある。対策の仕組みを入れる場合は、本物の問い合わせの入力の負担が増えないようにする

実際に自分で、スマホとパソコンの両方から、図面を添付して送信し、画面と自動返信メールを確かめておきます。確認は、公開前だけでなく、公開した後も、月に1回行います。

見積もりに必要な情報を、案内しておく

見積もりを出す側が、確認の連絡を何度も入れることになると、見積もりの回答が遅くなり、依頼する側にも負担になります。フォームの近くや、よくある質問のページに、「見積もりに必要な情報」を、チェックリストの形で書いておきます。

  • 図面(寸法、公差、材質、表面処理の指定が書かれたもの)
  • 数量(試作の数と、量産の見込み)
  • 希望の納期(急ぎの理由があれば、あわせて)
  • 材料の手配(支給か、手配を頼むか)
  • 検査の要望(検査成績表の要否、指定の検査項目)
  • 納入先と、梱包・納入の方法
  • 用途と、使われる環境(使用条件によって、材質の提案が変わる場合)

すべてが分かっている必要はありません。「分からない項目は、空欄で構いません。こちらからお尋ねします」と添えると、問い合わせの心理的な負担が下がります。

問い合わせを受け取ってからの社内の流れ

問い合わせが届いたとき、誰が受け、誰が見積もりを作り、誰が返信するかが決まっていないと、返信が遅れます。受け取ってからの流れを、簡単でもよいので、決めておきます。

段階決めておくこと担当の例
受信の確認フォームの通知を、誰が見るか。複数人に届くようにするか事務、営業
内容の仕分け見積もり・相談・採用・営業の連絡を分ける事務、営業
対応の可否の判断設備、材質、サイズ、数量で、対応できるかを判断する営業、現場の責任者
見積もりの作成見積もりの作成者、確認者、返信の期限営業、見積もり担当
返信見積もりの可否、確認したいこと、回答の時期を、まず伝える営業
記録問い合わせの日付、内容、結果を、一覧に残す事務、営業

図面が添付されている場合は、受信したメールや、保管場所のアクセス権も決めておきます。担当者の休暇や出張で止まらないよう、代わりの人も決めておきます。

展示会・名刺・カタログと連携する

ホームページは、他の営業の場と連動させると、役割が広がります。展示会や訪問の後に、相手が確認に使うからです。

  • 名刺・会社案内に、ホームページのURLを書く:トップだけでなく、特定の加工ページへの短いURLやQRコードを載せると、見せたい情報にすぐ着く
  • 展示会の前に、事例と設備を更新する:展示会の後に、相手が見たときに、古い情報が残らないようにする
  • 展示会の資料と、ホームページの内容を合わせる:資料の数字と、ホームページの数字が違っていると、信頼を損なう
  • 展示会用のページを用意する:展示した製品や加工の詳細、資料のダウンロード、見積もりの入口をまとめる
  • 訪問後のメールに、関連するページのリンクを入れる:相手が、社内で共有しやすくなる

展示会の費用は、持続化補助金の対象経費の1つ(展示会等出展費)に挙げられています。条件の詳細は公募要領で確認が必要ですが、販路開拓の取り組みとして、ホームページと展示会を組み合わせて計画することもできます。

小ロット・試作の受付をはっきり書く

設計・開発の担当者が最も迷うのは、「1個だけでも受けてもらえるか」です。受け付けるのであれば、はっきり書きます。受けていない場合も、条件を書いておけば、相手は他社を探す時間を無駄にしません。

受付の区分書くこと
試作(1個から)1個から受けるか。試作の費用の考え方(段取りの費用が含まれること)
小ロット受けられる数量の範囲。ロットが小さい場合の納期の目安
量産対応できる月産の範囲。長期の取引の相談ができること
単発・スポット単発の発注の可否。継続の取引が条件かどうか
修理・改造既存の部品の修正、現物からの図面起こしの可否

「試作から量産まで一貫して対応します」と書く場合は、試作で受けた案件を量産にどうつなぐのか(同じ担当者が引き継ぐか、量産用の工程を組み直すか)も、簡単に説明しておくと説得力が出ます。

電話・メール・FAXも併記する

フォームのほかに、電話番号、メールアドレス、FAX番号も載せておきます。取引先によっては、見積もりの依頼を電話やFAXで出す慣習が残っているためです。次の点を整えます。

  • 電話番号は、スマートフォンから、タップして発信できるようにする
  • 受付の時間と、定休日(工場の休業日カレンダーがあると便利)を書く
  • メールの宛先に、部署や担当の名前を入れて、誰が見るか分かるようにする
  • FAXで図面を受ける場合は、番号と受付の時間を書く

フォームから送ったときに自動で届く確認メールが、相手の迷惑メールのフォルダに入ってしまうこともあります。Googleの送信者のガイドラインでは、2024年2月1日以降、Gmailのアドレス宛てにメールを送るすべての送信者に、送信元ドメインへのSPFまたはDKIMの設定などを求めています。フォームから自動で送る確認メールも対象になり得るため、メールの送信設定は、制作会社やサーバーの提供会社に確認しておいてください。

返信の目安を伝える

問い合わせた側は、返事が来るまでの間、不安に感じています。「2営業日以内にご返信します」のように、返信の目安を書いておくと、待つ側も安心します。目安を書くときは、実際に守れる範囲で書くことが大切です。

  • 受付の確認(自動返信)と、担当者からの返信を分けて考える
  • 見積もりの回答にかかる日数の目安(図面を受けてから○営業日、など)を書く
  • 担当者が不在のときの対応(出張、休業日の前後)を決めておく
  • 返信が遅れそうなときは、遅れることを先に連絡する

事例の書き方

事例は、「課題→提案→結果」の順に書くと、読む人が自分の案件と重ねやすくなります。社名や製品名を出せない場合でも、加工上の課題と工夫は書けます。書き方の例を示します(以下は書き方を示すための架空の例で、実際の実績ではありません)。

項目書き方の例
題名薄肉アルミ筐体の切削加工(A5052、試作10個)
用途産業機械向けの制御ボックスの筐体
課題肉厚が薄く、加工中の熱とクランプの力でゆがみやすい。平面度の指定が厳しい
提案・工夫粗加工と仕上げ加工の間に、材料を休ませる工程を入れ、固定の方法を見直した
結果平面度の指定を満たし、試作10個を納めた。量産の相談に進んだ
設備マシニングセンタ(○○社)、三次元測定機

顧客名を出せない場合は、「産業機械メーカー向け」「医療機器の部品」のように、業界や用途だけで書きます。顧客名が分かるロゴや、製品の形状が特定できる写真は、許可がなければ載せません。「結果」は、事実の範囲で書きます。数字が出せない場合も、「相手が困っていたことが、どうなったか」を一文で書けば、十分に伝わります。

事例を増やすときのコツは、案件が終わったその月に、まとめて書くことです。時間が経つと、課題や工夫の細部を思い出せなくなります。現場の担当者が簡単なメモを残し、更新の担当者が文章にする流れを、社内で作っておきます。

技術資料のダウンロード

会社案内、設備リスト、加工の対応範囲の一覧といった資料は、PDFにまとめて、ダウンロードできるようにしておくと、購買の担当者が社内に共有する手間が減ります。「相談する前に、まず資料を確認したい」という人の入口にもなります。

資料を配るときは、次の点を決めておきます。

  • 入力なしで取れるか、連絡先の入力を求めるか:入力なしの方が取りやすく、入力を求めると、見込みのある相手の連絡先が分かります。目的に応じて選びます
  • 更新の日付を入れる:PDFの中に、更新日を書いておく。古い設備や数字が残らないようにする
  • ファイルの名前:「会社案内2026.pdf」のように、中身が分かる名前にする

Googleの公式ページによると、PDFやMicrosoft Word、Excel、PowerPointのファイルも、検索結果に登録される対象のファイル形式です。そのため、古い版のPDFが検索から見つかることがあります。資料を新しくしたときは、古いファイルを削除するか、新しい資料へ案内するようにします。

問い合わせのあとの対応

問い合わせの数を増やす取り組みとあわせて、届いた問い合わせをどう扱うかも決めておきます。

  • 見積もりを出せない案件の断り方(理由と、可能であれば代わりの案内)
  • 見積もりを出した後の、フォローの連絡のタイミング
  • 問い合わせの内容と結果(受注・失注・保留)の記録

記録は、後で「どの言葉で検索した人が、どんな案件を持ってきたか」を見直すときに役立ちます。数字の見方は、運用の章で説明します。

問い合わせのあとの流れを書いておく

「図面を受け取ったら、2営業日以内に、見積もりの可否を連絡します。見積もりの回答は、図面の内容によって異なりますが、通常は○営業日です。」のように、問い合わせ後の流れを書いておくと、初めて頼む会社でも安心して送れます。流れが分かると、相手は社内の上司にも説明しやすくなります。

検索で見つけてもらう工夫

担当者がPCに表示した検索結果と、自社の加工ページの画面を見比べている様子を肩越しに見た場面

検索から新しい取引先に来てもらうには、検索する人が使う言葉と、自社のページの言葉を合わせる必要があります。SEOの全体の考え方や、設定の手順は、ホームページ制作のSEOを説明した記事で詳しく説明しているため、ここでは、製造業に固有の「言葉の組み立て方」と、確認しておきたい基本の設定に絞ります。

加工名・材質・地域で言葉を組み立てる

製造業の検索は、「加工の種類」に「材質」や「条件」を組み合わせた言葉が中心です。強みの棚卸しで書き出した項目が、そのまま、検索される言葉の材料になります。

組み合わせの型言葉の例向いているページ
加工名 × 材質アルミ 切削加工、ステンレス 溶接、SUS304 板金加工ごとのページ、材質別の事例
加工名 × 数量・条件切削加工 試作 1個から、板金 小ロット、短納期 加工試作・小ロットを説明するページ
加工名 × 地域山口 切削加工、○○市 板金加工、九州 機械加工トップ、会社概要、加工ごとのページ
加工名 × 用途・業界医療機器 部品 加工、半導体装置 部品 切削事例、業界別のページ
課題・悩み薄肉 ゆがみ 加工、バリ取り 自動化、異形 部品 加工技術コラム、事例
設備・仕様5軸 マシニング 加工、ワイヤ放電 精密、三次元測定 検査設備一覧、加工ごとのページ
認証・規格ISO 9001 取得 加工、○○ 規格 対応品質管理・認証

言葉を決める手順は、次のとおりです。ツールだけに頼らず、実際の検索を自分の目で確かめる方法で、無料でも進められます。

  1. 候補の言葉を書き出す強みの棚卸しの表から、「加工名」「材質」「用途」を組み合わせて、候補を出します。取引先が図面や見積もり依頼に書く言葉も拾います。
  2. 実際に検索して、上位のページを見る候補の言葉でGoogle検索を行い、どんなページが出てくるか(同業の会社、商社、ポータルサイトなど)を見ます。検索の候補(サジェスト)や、関連する検索も、言葉の手がかりになります。
  3. ページと言葉を対応させる1つのページに、主な言葉を1つ決めます。「アルミ 切削加工」のページに、ステンレスや板金の話を詰め込まず、別のページに分けます。
  4. 公開後に、実際の検索の言葉を確認するSearch Consoleで、どんな検索の言葉で表示され、クリックされたかを確認し、次のページの材料にします。

社内の呼び方と、取引先の言葉が違うこともあります。たとえば、現場では「フライス」と呼んでいる加工でも、取引先は「マシニング」や「切削加工」で探しているかもしれません。どちらで検索されるか分からない場合は、ページの中で両方の言葉を使います。

ページごとのタイトル・説明文

Googleの公式の「SEOスターターガイド」では、良いタイトルとは「そのページに固有で、明確かつ簡潔であり、内容を正確に説明しているタイトル」とされています。説明文(メタディスクリプション)も、そのページに固有で、要点が簡潔に書かれているものが良いとされています。

製造業の場合、加工の種類、材質、条件、会社名を、1つのページごとに書き分けます。

ページタイトルの例書き方のポイント
トップページ○○製作所|アルミ・ステンレスの精密切削加工(山口県○○市)会社名、加工の種類、材質、所在地
加工ごとのページアルミの切削加工|試作1個から量産まで|○○製作所加工名、材質、条件を先頭に
設備一覧設備一覧|NC旋盤・マシニングセンタ・三次元測定機|○○製作所主な設備名を入れる
事例薄肉アルミ筐体の切削加工 事例|○○製作所加工内容と材質を事例ごとに
採用情報採用情報|○○製作所(山口県○○市)の仕事と職場求職者が探す言葉を入れる

全ページで同じタイトルをつけたり、会社名だけをつけたりするのは避けます。ページごとに違う内容であることが、検索結果に表示される文字からも伝わるようにします。

技術コラム・事例を増やす

加工の種類ごとのページに加えて、「材質の選び方」「公差の考え方」「表面処理の種類と特徴」のような、設計担当者が疑問に思うことに答えるページ(技術コラム)を作ると、検索から見つけてもらう入口が増えます。取引先が検索するのは、会社名ではなく、困っていることだからです。

  • 現場で、よく聞かれる質問を、そのままページの題名にする
  • 図や写真を入れて、自社の経験にもとづいた内容を書く
  • 他のページに書いてある内容をまとめ直しただけのページは、増やさない
  • ページの最後に、関連する加工内容と、見積もりへの入口を置く

量を増やすことが目的ではなく、実際に現場で聞かれる質問に答えることが目的です。月に1本でも、続けていけば、数年後には、多くの質問に答えるサイトになります。

地域名を入れるときの考え方

製造業では、「地域名」を入れた検索が使われることもあります。近くの加工先を探している場合や、急ぎの修理・小ロットの相談では、距離が判断の要素になるためです。一方で、全国から受注する会社が、地域名だけを前面に出すと、対応範囲が狭く見えることもあります。

  • 会社概要やトップには、所在地を正確に書く(市区町村まで)
  • 全国から受ける加工は、「全国対応」と、実際に出荷できる範囲(運送、納品の方法)を書く
  • 地域の取引先を増やしたい場合は、近隣の地域への対応(納品の方法、緊急時の対応)を書いたページを作る
  • 同じ内容で、地域名だけを変えたページを大量に作ることはしない

山口県の事業者向けの、ホームページ制作の考え方は、山口県のホームページ制作の記事にまとめています。

URLとページのつながりを決める

ページの数が増えるほど、どこに何があるかが、見る人にも検索エンジンにも分かりにくくなります。URLの名前と、ページ同士のリンクを、最初に決めておくと、増やすときに迷いません。

ページURLの例つなぐ先
トップ/各加工ページ、事例、設備、問い合わせ
加工の種類/technology/cutting/その加工の事例、使用する設備、見積もり
設備一覧/equipment/各加工ページ
事例/works/aluminum-case/該当する加工ページ、設備、見積もり
品質管理/quality/設備(測定機器)、事例
採用/recruit/設備、会社概要
見積もり/contact/よくある質問、プライバシーポリシー

URLの名前は、あとから変えると、検索の評価や、他のサイトからのリンクに影響するため、最初に決めて、できるだけ変えないようにします。ページ同士のリンクは、「アルミの切削加工」のページから、その加工の事例と設備へ、といったように、関連する内容へのつながりを作ります。リンクの文字(アンカーテキスト)は、リンク先の内容が分かる言葉にします。公式のスターターガイドでも、適切なアンカーテキストがあれば、ユーザーと検索エンジンが、リンク先の内容を事前に把握できるとされています。

会社の基本情報を、構造化データで伝える

会社の名前、所在地、連絡先、ロゴといった基本情報は、「構造化データ」という形式で、検索エンジンに伝える方法があります。Googleの公式ページでは、ホームページに組織(Organization)の構造化データを追加すると、組織の管理情報を把握し、検索結果で組織を明確にできるようになる、と説明されています。

この情報は、ホームページや会社概要のページに置くことが推奨されており、すべてのページに入れる必要はありません。ただし、構造化データを使っても、検索結果に必ず表示されるとは限りません。制作会社に依頼する場合は、会社名や住所が、ホームページの本文や、Googleビジネスプロフィールと同じ内容になっているかを確認します。

技術コラムのテーマの探し方

技術コラムの題材は、社内にすでにあります。営業や現場が、取引先から繰り返し聞かれる質問と、見積もりの前に必ず確認する項目です。次のように、材料を集めて、題名にします。

材料の出どころ題名の例読む人
見積もりの前に確認すること見積もりを依頼するときに、用意してほしい情報購買、設計
現場で、よく聞かれる質問ステンレスとアルミで、加工の費用は何が違うか設計、購買
失敗しやすい点薄い部品が、加工中にゆがむ理由と、設計での工夫設計
公差や仕上げの相談公差の指定で、加工の費用が変わる仕組み設計、購買
材質や表面処理の選び方表面処理の種類と、それぞれの特徴設計、品質保証
試作から量産への移り方試作から量産に進むときに、確認しておくこと設計、購買
対応できない案件の傾向当社で対応が難しい形状・条件の例設計、購買

題名は、検索する人が入力しそうな言葉を入れ、本文は、現場の経験にもとづく内容にします。一般的な説明だけを書いたページは、他のサイトとの違いが出にくくなります。自社の事例や、判断の基準、数字を含めることで、読む人にとって役立つページになります。

画像の代替テキスト・ファイル名

写真が多い製造業のサイトでは、画像の説明(代替テキスト、alt)を付けることが、検索と読み上げの両方で役立ちます。Googleの公式ページでは、代替テキストを、ページの内容に沿った、情報に富む、役に立つものにすること、キーワードを羅列しないことが案内されています。ファイル名も、簡潔で分かりやすいものにするとされています。

避けたい例よい例
代替テキスト切削 加工 アルミ 精密 試作 ○○市 製作所マシニングセンタでアルミの筐体を加工している様子
ファイル名IMG_0234.jpg、image1.jpgmachining-aluminum-case.jpg
設備の写真設備NC旋盤(○○社 ○○-○○○)の外観

画像は、関連するテキストの近くに置くとよいとされています。事例の写真は、その事例の説明の近くに置き、使い回しの写真を無理に並べないようにします。大きな画像をそのまま載せると、ページの表示が遅くなるため、画質と容量のバランスも、制作会社と確認します。

スマホでも見やすくする

Googleは、スマートフォン用のクローラーで取得した、モバイル版のコンテンツを、検索結果への登録や順位の評価に使っています(モバイルファーストインデックス)。パソコン向けの画面だけを整えていても、スマホで見たときの内容が基準になります。公式のページでは、モバイル版でも、画像にパソコン版と同じ代替テキストを付けること、パソコン版とモバイル版で、タイトルと説明文を同じにすることが案内されています。

製造業では、購買担当者や現場の担当者が、外出先や工場の中でスマホから確認することもあります。次の点を、実際のスマホで確かめます。

  • 加工の対応範囲の表や、設備一覧の表が、画面からはみ出さず、横にスクロールして読める
  • 電話番号をタップして発信できる。地図のリンクが開く
  • 見積もりフォームが入力しやすい(入力欄の大きさ、キーボードの種類)
  • 図面や資料のPDFが、スマホで開ける

常時HTTPSにする

見積もりフォームから図面や連絡先を受け取る製造業のサイトは、通信が暗号化されたHTTPSで表示されるようにします。GoogleのChromeのヘルプには、HTTPSに対応していないサイトでは、アドレスバーに「情報」や「保護されていない通信」といった表示が出ることが書かれています。「保護されていない通信」の表示では、「個人情報や機密情報を入力しないようにしてください」と案内されています。

図面を送ってもらう入口でこの表示が出ると、相手は入力をためらいます。サーバーの契約で、HTTPSが標準で使えるか、証明書の更新が自動で行われるかを、制作会社やサーバーの提供会社に確認しておきます。

英語ページを作る

海外の取引先に見てもらう場合は、英語のページを作ります。すべてのページを翻訳する必要はなく、「会社概要」「加工内容」「設備」「お問い合わせ」から始める方法があります。Googleの公式ページには、多言語のサイトについて、次のことが書かれています。

  • 言語ごとに、別のURLを使う:Cookieやブラウザの設定で、同じURLの表示言語を切り替える方法は、おすすめしないとされています。
  • hreflangで、言語版の関係を伝える:日本語と英語のページが対応していることを、hreflangで検索エンジンに伝えます。
  • 自動的なリダイレクトは避ける:ユーザーの言語を推測して、自動でページを切り替えると、ユーザーや検索エンジンが、すべての言語版を見られなくなることがあるためです。言語を切り替えるリンクを、見える場所に置きます。
  • 1ページ1言語にそろえる:1つのページに日本語と英語を並べず、定型の部分だけを翻訳して本文を元の言語のままにすることも避けます。

英語版を作るときは、専門用語の訳が、海外の取引先の使う言葉と合っているかを、加工の分かる人が確認します。翻訳した内容を、制作会社任せにせず、自社の担当者または取引のある海外の相手に確認してもらうと、誤りを防げます。英語ページの更新を続けられるかどうかも、作る前に決めておきます。

会社名で検索して、確かめる

紹介や展示会の後、相手は会社名で検索します。自社の名前で検索し、何が表示されるかを、一度確かめておきます。ホームページ以外にも、確認する場所があります。

確認すること見方
公式サイトが、1番上に出るか出ない場合は、ページのタイトルに会社名が入っているか確認する
検索結果に出る会社名・説明文古い社名や、サービスの内容が残っていないか
地図・会社情報の表示住所、電話番号、営業時間が正しいか。古い所在地が残っていないか
求人サイト・業界ポータルの情報会社名、事業内容、電話番号が、ホームページと一致しているか
過去の記事・古いサイト以前のドメインや、旧社名のページが残っていないか

見つかった古い情報は、掲載元に修正を依頼するか、ホームページ側で正しい情報を目立たせます。名刺や会社案内、取引先に提出する書類の会社情報も、ホームページと同じ内容にそろえておきます。

Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィールは、Googleマップや検索での、会社や店舗の情報の表示を、無料で管理できるサービスです。ただし、対象になるのは、公式の案内によると、「顧客が訪れることのできる実在の店舗や拠点、または顧客のいる場所に出向くことができるビジネス」です。

製造業の工場や事務所が、この対象になるかどうかは、公式のページには、製造業や工場について、直接の記載がありませんでした。顧客が訪れない拠点や、バーチャルオフィスは登録できない場合があるため、自社が対象かどうかは、ガイドラインを確認し、不明な場合はGoogleビジネスプロフィールのサポートに確認してください。登録できる場合は、会社名・住所・電話番号・営業時間が、ホームページと一致するようにします。

Search Consoleで確かめる

Search Consoleは、Googleが提供する無料のツールで、自社のサイトが、どんな検索の言葉で表示され、クリックされているかを確認できます。公開したら、必ず登録しておきます。登録の手順や、見るべき数字は、SEOの記事で説明しています。製造業では、次の点を、月に1回、確認します。

  • 加工名や材質を含む検索の言葉で、表示されているか、クリックされているか
  • 表示されているが、クリックされていない言葉(タイトルや説明文が合っていない可能性)
  • 想定していなかった言葉で見つかっているページ(新しいページの材料)

効果が出るまでにかかる時間

GoogleのSEOスターターガイドによると、変更がGoogleに反映されるまでには、数時間から数か月かかることがあり、「数週間待ってから」、検索結果に良い影響があったかを確認することが勧められています。公開した直後に結果が出ないのは、ふつうのことです。検索の言葉と、ページの内容がずれていないかを確認しながら、少しずつ直していきます。

あわせて読みたいホームページ制作のSEO対策|制作前に決めること・制作中の設定・公開後の確認ホームページ制作でのSEO対策を、制作前に決めること、制作中に整える設定、読まれる内容の作り方、制作会社に頼むときの確認、リニューアルで順位を落とさない方法、公開後の確認まで、Google公式の情報にもとづき2026年10月時点で解説します。

費用の考え方・補助金

経営者がPCに表示された見積書の内訳を、項目ごとに確認している様子を肩越しに見た場面

製造業のホームページの制作費に、公的な統計や相場はありません。制作会社の見積もりは、ページ数、原稿・撮影の範囲、機能によって、大きく変わります。この記事では金額の目安は書かず、何に費用がかかり、何で変わるかを整理します。一般的な制作費の考え方は、ホームページ制作の費用を説明した記事で詳しく書いています。

費用の項目

項目初期・継続製造業で増えやすい理由
企画・構成初期強みの整理と、ページ構成の設計に、現場への取材が必要になる
デザイン・制作初期加工ごとのページ、設備一覧、事例など、ページの種類と数が多い
原稿の作成初期専門用語が多く、現場への取材と確認に時間がかかる
撮影(写真・動画)初期工場、設備、加工中、製品、人物と、撮る対象が多い。安全面の配慮も必要
英語ページ初期・更新時翻訳に加えて、専門用語の確認が必要。更新のたびに費用がかかる
CMS(更新の仕組み)初期事例、お知らせ、採用情報を、自社で更新できるようにする
見積もりフォーム初期・継続図面の添付、ファイルの保存、自動返信、通信の暗号化などの設定が必要
検索対策の初期設定初期タイトル、説明文、見出し、画像の代替テキストなどを、ページごとに設定する
ドメイン・サーバー継続図面を受ける場合は、セキュリティや保存容量を考慮する
保守・更新代行継続CMSの更新、バックアップ、不具合の対応。事例や設備の更新を頼む場合は別

費用が変わるポイント

  • ページ数:加工の種類ごとにページを作る場合、加工の種類が多いほどページが増える
  • 事例の数:最初に何件載せるか。1件ごとに、取材、写真、文章の作業がある
  • 撮影:プロに頼むか、自社で撮るか。撮影の範囲(外観、工場内、設備、人物、動画)
  • 英語ページ:範囲(全部か、一部か)と、翻訳の確認の方法
  • CMS:自社で更新するか、制作会社に更新を頼むか
  • フォーム:図面の添付、ファイルの自動保管、他システムとの連携の有無
  • 既存のサイトの扱い:今のサイトから、内容やURLを引き継ぐか

原稿と写真を自社で用意する範囲が広いほど、制作会社への費用は抑えられますが、その分、社内の時間が必要になります。費用だけで比べず、社内で用意できる時間を踏まえて、範囲を決めます。

自社で用意するもの、頼むもの

制作会社に支払う費用は、自社で用意できる範囲によって変わります。製造業の場合、現場の情報を出せるのは自社だけであるため、次のような分担になることが多くあります。

作業自社が担う部分制作会社に頼める部分
強みの整理実績、設備、断った案件など、現場の情報を出す情報を整理し、見せ方を提案する。取材を行う
原稿数字、仕様、事実の確認文章の作成、構成、見出し
写真撮影の日程の調整、撮影場所の整理、同意の確認撮影、編集、画像の最適化
事例案件の情報、顧客への許可書き方の型づくり、文章の整え方
英語ページ専門用語の確認翻訳、ページの制作
公開後の更新お知らせ・事例の材料を出す更新の代行、保守、不具合への対応

社内の時間も、費用のうち

制作会社への支払いのほかに、社内の時間も、制作に必要な費用です。現場の担当者が撮影に立ち会う時間、原稿の確認、事例の整理には、通常の仕事の時間を割くことになります。

この時間を確保できないと、制作の期間が延び、公開後の更新も止まります。制作の前に、誰が、いつ、どのくらいの時間を使うかを、おおまかに決めておきます。外部に頼める範囲が増えるほど、社内の時間は減りますが、制作会社への費用は増えます。この2つのバランスで、依頼の範囲を決めます。

見積もりで確認すること

複数の制作会社から見積もりを取る場合は、金額だけでなく、何が含まれているかを揃えて比べます。

確認すること理由
原稿作成と取材は含まれるか製造業のサイトは、原稿の作成に時間がかかる。自社で書く前提か、取材して書いてもらえるかで、費用と進め方が変わる
撮影は含まれるか。範囲と枚数撮影が別の見積もりになることが多い。撮影した写真の使用範囲も確認する
ページ数と、加工ごとのページの扱い「5ページ」といっても、数え方で中身が変わる
修正の回数と、範囲修正が何回まで含まれるかで、追加の費用が変わる
見積もりフォームの仕様図面の添付の容量、ファイルの保管の方法と期間、通知の方法
公開後の費用サーバー、ドメイン、保守、更新代行の費用と、契約の期間
ドメイン・サーバーの契約名義自社の名義になっているか。制作会社を変えるときに、サイトを移せるか
著作権と、写真の使用範囲撮影した写真を、会社案内や展示会の資料に使えるか

小規模事業者持続化補助金

ホームページの制作費に使える補助金として、小規模事業者持続化補助金(一般型・通常枠)があります。2026年10月時点の第20回公募の公募要領(第8版)で確かめた内容を、製造業の視点で説明します。細かい条件や、補助金の考え方は、持続化補助金とホームページ制作の記事で詳しく書いています。

項目公募要領で確かめたこと(第20回)
対象者常時使用する従業員の数が基準以下の小規模事業者。「製造業その他」は20人以下
補助率・上限補助率は2/3。補助上限額は50万円(特例に当てはまる場合は上乗せあり)
ウェブサイト関連費「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません」。補助金交付申請額の上限は30万円(税込)
発注の時期交付決定日より前の発注・契約・支払いは対象外
処分制限財産ウェブサイトを50万円(税抜)以上の費用で作成・更新した場合は処分制限財産となり、通常は取得日から5年間、処分が制限される
対象にならない例ウェブサイトに関連するコンサルティング・アドバイスの費用、補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ
申請の日程受付開始2026年11月5日、締切12月15日17時。事業支援計画書(様式4)の発行依頼は12月4日まで。採択発表は2027年3月頃の予定
補助事業期間交付決定日から2028年3月31日まで

「製造業その他」の20人以下という基準は、「中小企業」の定義とは別の物差しです。中小企業庁の公式ページによると、中小企業基本法では、製造業その他の中小企業者は「資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人」とされています。同じページには、この定義は基本的な政策対象の範囲を定めた原則であり、法律や制度によって「中小企業」として扱われる範囲が異なることがある、とも書かれています。

持続化補助金で見られるのは、申請の時点で「常時使用する従業員」が20人以下かどうかです。公募要領では、会社役員や同居の親族の従業員は数えないなど、数え方が決まっています。自社が当てはまるかどうかは、従業員の数え方と業種の判定を含めて、窓口で確認してください。

製造業で気をつけたい点

  • 目的を、販路開拓として説明する:公募要領では、ウェブサイト関連費は「販路開拓等を行うためのウェブサイト」などの経費とされています。「新しい加工分野の顧客を増やす」「海外の取引先を開拓する」など、販路開拓の取り組みとして計画書に書く必要があります。
  • 採用だけを目的にしたページは確認が必要:広報費の対象外の例に「求人広告」が挙がっています。採用ページが、ウェブサイト関連費に入るかどうかの例示は見つからなかったため、窓口に確認してください。
  • 見積もりの内訳を分ける:コンサルティングやアドバイスの費用は対象外のため、構成の提案や助言の費用が、制作の作業の費用と混ざらないよう、項目を分けてもらいます。「諸経費」など内訳が不明な経費も、対象外とされています。
  • 設計用のソフトウェアも、上限の中で考える:ウェブサイト関連費の対象経費の例には、「精度の高い図面提案のための設計用3次元CADソフト」が挙がっています。ただし、この区分には、ホームページの費用と合わせて、30万円(税込)の上限があります。
  • 申請から公開までの期間を見込む:第20回は、採択発表が2027年3月頃の予定で、交付決定はそこから概ね1〜2か月後が目安です。補助金を使うホームページの発注は、交付決定の後になるため、公開の時期が先になります。

商工会の地区と、商工会議所の地区では、補助金の事務局と、相談先が異なります。この記事は、商工会議所地区の公募要領(第8版)で確かめた内容です。商工会の地区の方は、地域の商工会の窓口で、最新の公募要領を確認してください。

補助金を使う場合の時期の考え方

補助金を使う場合は、公開の時期が、補助金のスケジュールで決まります。第20回の公募要領に載っている日程を、ホームページの制作に当てはめると、次のようになります。

時期補助金の動きホームページ側でできること
いま〜2026年12月申請の準備。受付は2026年11月5日から12月15日17時。様式4の発行依頼は12月4日まで強みの整理、構成の検討、見積もりの取得(2者以上の見積もりが必要な場合がある)。契約・発注はしない
2027年3月頃(予定)採択の発表採択されなかった場合の進め方も、決めておく
採択の後、概ね1〜2か月交付決定(目安。状況によって変わる)交付決定日が来るまで、契約・発注・支払いは行わない
交付決定の後補助事業の開始。発注・制作・支払い契約、原稿と写真の準備、制作、公開
2028年3月31日まで補助事業の期間。期間内に公開し、販路開拓の取り組みを行う期間内に公開し、運用を始める

採択の発表が2027年の春頃で、交付決定がそのあとのため、補助金を使うホームページの発注は、早くても2027年の春以降になります。それまで待てない事情がある場合は、補助金を使わずに先に進める判断もありえます。その場合、すでに契約・支払いをした経費は、あとから補助の対象にはできません。

待つ間にできることは、強みの整理と、原稿・写真の素材づくりです。これらは、補助金の対象になるかどうかにかかわらず、自社で進められる作業です。素材がそろっていれば、交付決定の後に、スムーズに制作に入れます。

ほかの補助金との関係

補助金ホームページとの関係
小規模事業者持続化補助金(第20回)ウェブサイト関連費として、ホームページの制作・更新などの経費を計上できる。上限30万円(税込)、単独申請は不可、交付決定前の発注は対象外
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)補助対象は、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールの導入費用。公募要領で、会社案内のホームページの制作そのものを対象とする記載は確認できなかった
ものづくり補助金など、その他の補助金この記事では、ホームページ制作との関係を確認していないため、扱わない。自治体独自の補助金・助成金は、地域によって異なるため、市区町村や都道府県の窓口で確認する

補助金を前提に、先に発注しない

持続化補助金は、交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費は対象外です。また、審査があり、採択されない場合や、金額が減る場合もあり、補助金は後払いです。補助金が出ることを前提にホームページの内容や予算を決めず、採択されなかった場合でも、進められる資金計画にしておいてください。申請の細かい手続きは、商工会・商工会議所の窓口で確認します。

あわせて読みたいホームページ制作費用の相場の見方|内訳・見積りの計算方法・費用が変わる要素ホームページ制作費用の相場は、公的な統計では確かめられませんでした。そのため金額ではなく、費用の内訳、見積りの計算方法、費用が変わる要素、依頼先別のかかり方、公開後の総額の出し方、税と支払い、補助金までを解説します。

制作の進め方・公開後の運用

担当者がオンライン会議で、画面に映った制作会社の担当者とデザイン案を確認している

製造業のホームページは、公開して終わりではありません。制作の段階で、原稿と写真の準備に時間がかかり、公開した後は、事例や設備の情報を更新し続ける必要があります。進め方の全体と、運用の考え方を整理します。

制作の流れ

一般的な制作の流れに、製造業で時間がかかる作業を重ねると、次のようになります。

  1. 相談目的、見てほしい相手、希望の時期、予算の考え方を伝えます。今のサイトがある場合は、アクセスの状況や、困っていることも共有します。
  2. 強みの整理この記事の「作る前に決めること」の棚卸しを行います。制作会社が現場に来て、取材してくれる場合は、このタイミングで行います。
  3. 構成の決定ページの構成と、各ページに入れる項目を決めます。最初に公開する範囲も、ここで決めます。
  4. 原稿・写真の準備原稿と写真を、自社で用意するか、制作会社が作るかを分けます。現場が忙しい時期を避け、撮影の日程を早めに決めます。
  5. デザイントップと加工ページのデザイン案を確認します。パソコンとスマホの両方で、見え方を確かめます。
  6. 制作・設定ページの制作と、見積もりフォーム、検索の設定、通信の暗号化などの設定を進めます。
  7. 確認誤字、数字、取引先名や図面の写り込みを確認します。フォームの送信と、自動返信メールが届くかも試します。
  8. 公開公開の後、Search Consoleへの登録と、動作の確認を行います。

制作の期間は、原稿と写真がそろう時期で、大きく変わります。制作会社の作業そのものよりも、社内の確認や、現場の撮影の調整に時間がかかることが多いため、余裕を持った日程を組みます。

制作会社に最初に伝えること

最初の相談のときに、次の内容をメモにまとめて伝えると、見積もりと提案の精度が上がります。すべて埋まっていなくても構いません。分からない項目は、「未定」と書いて、相談で決めていきます。

項目書くこと
会社と事業の概要事業の内容、加工の種類、従業員数、主な取引の分野
作る目的優先順位をつけた目的(新規の問い合わせ、確認への対応、採用、海外対応)
見てほしい相手設計・購買・品質保証・求職者のうち、誰に向けるか
いまのサイトの状況URL、困っていること、アクセスや問い合わせの状況(分かる範囲で)
載せたい内容加工の種類、設備、事例の数、認証、採用情報の有無
載せない内容機密の取り扱いの方針(取引先名、図面、価格)
見積もりフォームの希望図面の添付、NDAの案内、担当の振り分け
英語ページ必要か、範囲、更新を自社で行うか
用意できるもの原稿、写真、ロゴ、会社案内、設備リスト
社内の体制窓口、原稿・写真の担当、更新の担当、確認の責任者
希望の時期と予算の考え方公開したい時期の目安、補助金を使うかどうか

メモは、制作会社に渡して終わりではありません。自社のなかで、何を優先するかを整理する作業にもなります。複数の制作会社に、同じメモを渡して見積もりを依頼すれば、提案を同じ条件で比べられます。

制作会社の選び方

制作会社の選び方の全体は、ホームページ制作会社の選び方の記事で詳しく書いています。製造業のサイトを頼むときは、次の点を、あわせて確認します。

確認項目見るところ理由
製造業・BtoBのサイトの制作経験過去の制作物と、その制作の進め方の説明設備一覧、加工事例、見積もりフォームなどの作り方に慣れているか
取材と原稿作成の範囲現場に来て取材するか。原稿を書くか、確認だけか製造業は原稿の準備に時間がかかる。任せられる範囲で、社内の負担が変わる
撮影の対応撮影を含むか。カメラマンの手配、工場内の撮影の経験安全や機密に配慮した撮影ができるか
図面を受け取るフォームの設計ファイルの添付、保管、通知の仕組みと、通信の暗号化機密の扱いが、取引先の信頼に関わる
見積もりの内訳項目ごとに分かれているか。「一式」だけになっていないか補助金を使う場合、内訳が不明な経費は対象外になる
更新のしやすさCMSの種類。事例やお知らせを自社で更新する操作の説明公開後に、事例や設備を更新し続けられるか
公開後の保守の範囲保守の内容と費用、問い合わせの窓口、対応の時間フォームが動かなくなったときに、すぐ対応してもらえるか
ドメイン・サーバーの名義契約の名義と、解約・移行のときの扱い制作会社を変えるときに、サイトを移せるか

制作会社の選び方では、実績の見た目だけで決めず、自社の状況(原稿を用意できる人がいるか、更新を誰が行うか)を、素直に伝えたうえで、どこまで一緒にやってもらえるかを確かめることが大切です。

公開後の更新

公開後に更新する情報は、頻度ごとに分けておくと、続けやすくなります。

情報更新の頻度注意すること
お知らせ随時(月に1回以上)休業日、展示会の出展、設備の導入、認証の取得など。止まらないよう、書く内容の種類を決める
加工事例案件が終わるごと(月に1件を目標に)顧客名の許可を確認。図面が写っていないか
設備一覧導入・入れ替えのとき手放した設備を残さない。台数の変更も反映する
採用情報募集のたび。年に1回は全体を見直す募集を終了した求人を残さない。ハローワークや求人サイトの内容との一致
会社概要・認証変更のとき。年に1回は確認認証の有効期限や、登録の範囲の変更。代表者や住所の変更
写真年に1回の見直し工場の様子が変わったら入れ替える。退職した人の写真を残さない
技術コラム・よくある質問問い合わせで聞かれたとき同じ質問が、複数回来たら、ページを足す

更新が続く会社には、共通点があります。更新する人を1人に決めず、事例の材料を現場が書き、更新を担当する人が文章と写真に整える、という分担をしている点です。担当者が退職しても更新が止まらないよう、更新の手順を、簡単な資料にしておきます。

数字の見方

公開した後は、ホームページがどのくらい役に立っているかを、数字で確かめます。見る数字は、多くなくてかまいません。

見るものどこで見るか見方
問い合わせの数と内容フォームの受信、電話、メールの記録月ごとの数と、依頼の種類(見積もり、相談、採用など)。受注につながった件数も記録する
見られているページアクセス解析ツールどの加工や事例のページが見られているか。見られていないページの内容を直す
検索の言葉Search Consoleどんな言葉で表示され、クリックされたか。想定外の言葉は、新しいページの材料
見積もりフォームの動作テスト送信月に1回、送信して、自動返信と社内への通知が届くか確認する
問い合わせのきっかけ電話や初回の面談で聞く「何を見て、問い合わせましたか」を聞いて、記録する

問い合わせの数の増減だけでなく、「どんな内容の問い合わせか」を見ることが重要です。狙っていた加工の相談が来ているか、対応できない案件ばかり来ていないかを見て、ページの内容を直します。対応できない案件が多い場合は、対応範囲の書き方が曖昧なことが考えられます。

保守で確認すること

ホームページは、ドメイン、サーバー、CMS、SSL証明書など、複数の契約と仕組みで動いています。更新の期限や、担当者を、一覧にしておきます。

項目確認すること
ドメイン契約の名義、更新の期限、更新の通知先のメールアドレス(退職した人のものになっていないか)
サーバー契約の名義、更新の期限、保存容量(図面を保管する場合は特に)
HTTPS(SSL証明書)自動更新になっているか。期限が切れると、ブラウザに警告が表示される
CMS・プラグイン更新の適用。古いままだと、不具合や不正アクセスの原因になる
バックアップ取得の頻度と、復元の手順。誰が実施するか
見積もりフォーム動作の確認、迷惑メールの対策、通知先の担当者の変更
連絡先の担当制作会社・保守会社の連絡先。障害のときの連絡の手順

ドメインとサーバーの契約を、制作会社の名義で行っている場合は、契約の更新が止まったときに、サイトが表示されなくなることがあります。公開時に、自社の名義になっているかを必ず確認します。

公開前のチェックリスト

公開の前に、次の項目を確認します。担当者を決めて、チェックした日付を記録しておくと、後から確認できます。

分類確認すること
内容加工の範囲、公差、ロット、納期の数字が、現場の担当者に確認されている
内容会社名、住所、代表者、電話番号、設立年が、名刺や登記と一致している
内容設備一覧が、いま使っている設備と合っている
機密取引先の社名、製品、図面が、許可なく載っていない。写真に図面や他社製品が写っていない
機密従業員の写真と氏名の掲載に、本人の同意がある
問い合わせ見積もりフォームの送信、図面の添付、自動返信、社内への通知を、実際に試した
問い合わせ電話番号をスマホでタップして発信できる。受付時間が書かれている
個人情報フォームの近くに、利用目的と、プライバシーポリシーへのリンクがある
表示スマホとパソコンで、表と写真が崩れていない
表示HTTPSで表示され、警告が出ない
検索各ページに固有のタイトルと説明文がある。画像に代替テキストがある
検索Search Consoleへの登録の準備ができている
契約ドメイン・サーバーの契約の名義と、更新の期限、連絡先を確認した
運用更新の担当者と、問い合わせの窓口が決まっている

公開後の最初の3か月

公開した後の最初の数か月は、問い合わせの様子や、検索の結果を見ながら、直していく期間です。次のような進め方を、目安にします。

  1. 公開の直後フォームの送信と、自動返信を試す。Search Consoleに登録する。名刺や会社案内、メールの署名のURLを新しくする。
  2. 1か月目お知らせを1本書く。事例を1件足す。問い合わせの内容と数を記録する。見積もりフォームの入力の途中で離れていないか、制作会社に確認する。
  3. 2か月目Search Consoleで、表示された検索の言葉を確認する(数週間待ってからの確認が勧められています)。加工ごとのページに、足りない情報を足す。
  4. 3か月目問い合わせの内容から、対応できない案件が多くないかを見る。ページの書き方を直す。次に作るページ(事例、技術コラム、採用)を決める。

3か月ほど運用すると、どのページが見られているか、どんな問い合わせが来ているかが分かってきます。その結果を踏まえ、半年や1年のあいだに、足すページと、直すページを決めていきます。

作り直しを考えるとき

既存のホームページを作り直す場合は、今のページのURLや、検索で見られているページを調べ、むやみにURLを変えないように進めます。リニューアルの手順や、順位を落とさない工夫は、ホームページのリニューアルの記事や、SEOの記事で説明しています。製造業の場合は、過去の事例のページや、設備のページに、長く見られているものがあるため、残すページと、直すページを分けて考えます。

よくある質問

ホームページがなくても、紹介だけで取引は続けられますか?

紹介が中心でも、紹介された相手は、会社名で検索して確認します。ホームページがない、または古いままだと、確認の段階で判断の材料が足りなくなります。新規の開拓の目的がなくても、確認に応える最低限の内容(会社概要、加工内容、設備、連絡先)を載せておくと役立ちます。

最初は何ページくらいから始めればよいですか?

決まった数はありません。トップ、加工内容(主な加工)、設備一覧、事例(3件程度)、会社概要、お問い合わせから始めて、公開後に足していく方法があります。最初に作り込みすぎて公開が遅れるより、小さく公開して、問い合わせの内容を見ながら足していく方が、続けやすくなります。

従業員が数人の小さな工場でも、作る意味はありますか?

規模が小さいほど、「何ができて、何ができないか」が明確に伝わるホームページの役割は大きくなります。試作1個から受ける、特定の材質に強いなど、小さな会社ならではの対応は、検索でも見つけてもらいやすい特徴です。

取引先の名前や、製品の写真を載せてもよいですか?

取引先との契約や機密保持契約の内容によります。書面で許可を得たものだけを載せるのが基本です。許可が得られない場合は、「産業機械メーカー向け」のように業界や用途で書き、製品の形状が分からない撮り方にします。

設備の機種や台数を、すべて載せた方がよいですか?

取引先は、自社の図面が加工できるかを、設備の能力で判断します。加工に使う主な設備は、機種と台数、加工範囲を載せる方が、問い合わせの質が上がります。使っていない設備や、手放した設備は載せないようにしてください。

見積もりフォームから図面を送ってもらって、問題ありませんか?

図面は、取引先にとって機密の情報であることが多いため、通信のHTTPS化、保管や利用の範囲、NDAの結び方を、フォームの近くに書いておきます。あわせて、受け取った図面を、社内で適切に管理する運用が前提です。契約の細かい文言は、専門家に確認してください。

英語のページは必要ですか?

海外の取引先や、海外の商社とのやり取りがある場合に役立ちます。国内の取引だけなら、必須ではありません。作る場合は、言語ごとに別のURLにすること、hreflangで対応を伝えること、自動のリダイレクトを避けることが、Googleの公式ページで案内されています。

ブログや技術コラムは書いた方がよいですか?

加工の種類ごとのページや事例だけでも、基本の情報は伝わります。それに加えて、設計担当者が疑問に思うことに答える技術コラムがあると、検索から見つけてもらう入口が増えます。続けられる頻度(月に1本など)で、現場でよく聞かれる質問から書くのが現実的です。

ホームページの制作費はいくらくらいですか?

製造業のホームページの制作費について、公的な統計や、公式の相場はありません。ページ数、原稿と撮影の範囲、英語ページや見積もりフォームの有無で変わります。複数の制作会社に、同じ条件で見積もりを依頼し、何が含まれているかを揃えて比べてください。

持続化補助金は、製造業のホームページ制作に使えますか?

第20回の公募要領では、ホームページの制作費は「ウェブサイト関連費」として経費に入れられます。ただし、ウェブサイト関連費のみでは申請できず、補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です。製造業その他は、従業員20人以下が対象で、交付決定前の発注は対象外です。

採用のためだけのホームページでも、補助金の対象になりますか?

公募要領では、広報費の対象外の例に「求人広告」が挙がっています。採用目的のページがウェブサイト関連費に入るかについては、例示が見つかりませんでした。商工会・商工会議所の窓口に確認してください。

現場が忙しくて、原稿や写真が出てきません。どうすればよいですか?

原稿を一から書いてもらうのではなく、現場には、写真を撮ることと、口頭で説明することだけを頼む方法があります。話した内容を、制作会社や更新担当者が文章にまとめれば、現場の負担は小さくなります。撮影の日程も、受注の少ない時期に先に決めておきます。

工場の内部を、写真で見せたくありません。載せなくてもよいですか?

載せなくても構いません。ただし、取引先は、工場の様子から、整理整頓や、品質への姿勢を判断することがあります。機密が写る部分を避けて、加工中の機械や、検査の様子だけを撮る方法もあります。載せない範囲を決めたうえで、撮影の方針を決めます。

更新は誰がやるのが現実的ですか?

現場の担当者が事例のメモを残し、事務や営業の担当者が、CMSで更新する分担が現実的です。担当者が1人だけだと、退職や異動で更新が止まります。更新の手順を、簡単な資料にしておきます。

求人サイトに載せていますが、自社のホームページも必要ですか?

求人サイトでは、仕事の内容や職場の様子を、十分に伝えきれないことがあります。応募を考える人は、会社のホームページも確認するため、仕事内容や職場の写真、働く人の声を、自社のホームページに載せておくと役立ちます。

Googleで見つかるまで、どのくらいかかりますか?

Googleの公式ページでは、変更が反映されるまでに、数時間から数か月かかることがあり、数週間待ってから確認することが勧められています。公開した直後に見つからないのは、ふつうのことです。Search Consoleに登録して、状況を確認してください。

技術やノウハウを載せると、真似されませんか?

加工の対応範囲、設備、事例の概要は、取引先が判断するために必要な情報で、載せても、ノウハウの核心までは明らかになりません。治具の設計や、加工の条件など、競合に知られたくない部分は書かず、結果と工夫の方向だけを書く、という線引きができます。何を載せ、何を載せないかは、公開前に社内で決めておきます。

会社の代表メッセージやこだわりは載せますか?

載せて構いませんが、トップページの目立つ位置に置く必要はありません。取引先の担当者が最初に知りたいのは、自分の案件に対応できるかです。代表メッセージは、会社概要や採用ページに置き、トップでは、加工の対応範囲や強みを先に見せます。

複数の工場や拠点がある場合は、どう載せますか?

拠点ごとに、所在地、できる加工、設備、連絡先を分けて書きます。見積もりの窓口を1つにまとめるか、拠点ごとに分けるかは、社内の運用に合わせて決めます。取引先の管理部門が確認する住所(本社)と、荷物を送る住所(工場)が違う場合は、両方を分かりやすく書きます。

受発注のポータルサイトや、業界団体のサイトに載せるだけでは足りませんか?

ポータルサイトや団体のサイトは、見つけてもらう入口として使えますが、載せられる情報の量や形は、サービスで決まっています。自社のホームページには、設備、事例、品質管理など、判断の材料を詳しく書けます。ポータルサイトから自社のホームページへ案内する形にしておくと、役割を分けられます。

SNSは、やった方がよいですか?

取引先の探し方や、会社の方針によって異なります。採用や、会社の雰囲気を伝える場面では使われることがありますが、最初は、ホームページの内容を整えることを優先し、続けられる範囲で始める方が現実的です。SNSで載せる写真や動画も、取引先の製品や図面が写り込まないかの確認は、ホームページと同じです。

問い合わせが来ても、断る案件が多くなりませんか?

対応範囲や、できないことが書かれていないと、対応できない案件の問い合わせが増えます。対応できる範囲の数字、受けられない案件の例、最小のロットなどを書いておくと、問い合わせの質は上がります。断る場合も、理由を書いて返信すれば、将来の相談につながることがあります。

ドメインやサーバーの契約は、制作会社に任せてよいですか?

任せること自体は問題ありませんが、契約の名義は、自社にしておくのが安全です。制作会社の名義のままだと、制作会社を変えたり、契約が終わったりしたときに、サイトを移せなくなるおそれがあります。公開の前に、名義と、更新の連絡先を確認してください。

まとめ

この記事のまとめ

  • 製造業のホームページは、新規の問い合わせ、取引前の確認、採用、海外対応に使われる。見る人ごとに、知りたいことが違う
  • 作る前に、目的の優先順位と、強みの棚卸し(加工・材質・精度・サイズ・ロット・納期・設備・認証・できないこと)を行う
  • 載せるページは、トップ、加工内容、設備一覧、事例、品質管理・認証、会社概要、採用など。数字と写真で書く
  • 見積もりフォームは、図面の添付と受付の条件を書き、機密の扱い(HTTPS、NDA、保管)と個人情報の利用目的を明示する
  • 検索は、加工名・材質・条件・地域で言葉を組み立てる。スマホ、HTTPS、英語ページの作りは、Googleの公式の案内に沿う
  • 費用は項目と変動要因で比べる。持続化補助金は、ウェブサイト関連費が単独不可・上限30万円(税込)で、交付決定前の発注は対象外

製造業のホームページは、自社の強みを、見に来る人が判断できる形で書くことが出発点です。強みの棚卸しと、載せる情報の線引きは、制作会社に頼む場合でも、自社で行う部分です。公開した後は、事例や設備の情報を更新し続けることで、少しずつ、問い合わせの入口になっていきます。

INTERCREATE JAPANでは、Webサイトの制作から、公開後の運用や業務の省力化までをお手伝いしています。ホームページの目的の整理や、載せる情報と構成の整理、更新しやすい仕組みづくりなど、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典