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ホームページ制作会社の選び方|比べる8つのポイントと契約前の確認事項

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • 制作会社に問い合わせる前に、社内で決めておくこと
  • 制作会社・フリーランス・作成サービスなど、依頼先ごとの向き不向き
  • 制作会社を比べるときの8つのポイント
  • 見積もり・提案書で確認する項目と、比較表の作り方
  • 契約前に確認したい著作権・ドメイン・サーバー・保守の条件
  • 依頼から公開までの流れと、よくある失敗の避け方
目次
  1. 制作会社を探す前に決めること
  2. ホームページの目的
  3. 誰に見てほしいか
  4. 必要なページと機能
  5. 予算と公開時期
  6. 社内の担当者と、更新を誰がするか
  7. 参考にしたいサイトを集める
  8. 今のサイトの情報を確認しておく
  9. 依頼先の種類と向き不向き
  10. 制作会社
  11. フリーランス
  12. 広告代理店・印刷会社
  13. ホームページ作成サービス・自作
  14. 制作会社の探し方
  15. 制作会社を比べる8つのポイント
  16. 1. 実績の中身
  17. 2. 得意分野
  18. 3. ヒアリングと提案の質
  19. 4. 見積もりの明細
  20. 5. 公開後の運用・保守
  21. 6. 更新のしやすさ
  22. 7. 担当者とのやりとり
  23. 8. 契約条件の明確さ
  24. 注意したい制作会社の特徴
  25. 見積もり・提案書の比べ方
  26. 何社に頼むか
  27. 提案書で見るポイント
  28. 見積もりの主な項目
  29. 金額が大きく違う理由
  30. 公開後の費用も含めて比べる
  31. 比較表で点数をつける
  32. 予算を超えたときの削り方
  33. 契約前に確認すること
  34. 著作権の帰属
  35. ドメインの登録者名義
  36. サーバー・CMSの管理権限
  37. 解約するときのデータの引き渡し
  38. 保守費用に含まれる範囲
  39. セキュリティとバックアップ
  40. アクセス解析などのアカウント
  41. 修正の回数・追加費用・検収
  42. 依頼から公開までの流れ
  43. 発注側が用意するもの
  44. 制作中のやりとりのコツ
  45. 公開前に確認すること
  46. 公開後にやること
  47. スケジュールが遅れる原因
  48. よくある失敗と避け方
  49. 選ぶ段階での失敗
  50. よくある質問
  51. まとめ

「ホームページを作りたいが、制作会社が多すぎてどこに頼めばいいか分からない」「何社かに見積もりを頼んだら、金額が数倍も違って比べようがない」。初めて制作会社を選ぶ担当者の方からよく聞く悩みです。

制作会社を選ぶときに見るべきことは、大きく分けて3つです。自社の目的に合ったサイトを作れるか、公開したあとも任せられるか、契約の条件がはっきりしているか。デザインの好みや金額だけで決めると、公開後に「更新できない」「問い合わせが来ない」「解約したらサイトが消えた」といった問題が起きやすくなります。

この記事では、制作会社を探す前に社内で決めておくこと、依頼先の種類ごとの向き不向き、制作会社を比べる8つのポイント、見積もりと提案書の比べ方、契約前に確認したい著作権やドメインの扱い、依頼から公開までの流れ、よくある失敗の避け方を順に説明します。

制作会社を探す前に決めること

会議室のホワイトボードに、ホームページの目的と必要なページを書き出す経営者と担当者

制作会社選びで失敗する原因の多くは、依頼する側の「何を作りたいか」が決まっていないことです。目的があいまいなまま問い合わせると、制作会社ごとに想定するサイトがばらばらになり、提案も見積もりも比べられません。問い合わせの前に、次のことを社内で決めておきましょう。

ホームページの目的

最初に決めるのは、ホームページで何を達成したいかです。「問い合わせを増やしたい」「採用の応募を増やしたい」「取引先に会社の実在や信頼性を確かめてもらいたい」「予約を受け付けたい」など、目的によって必要なページも、制作会社に求める力も変わります。

目的が複数ある場合は、優先順位をつけておきます。たとえば「一番は問い合わせ、二番は採用」と決まっていれば、トップページで何を目立たせるか、どこにお金をかけるかの判断がしやすくなります。

誰に見てほしいか

ホームページを見てほしい相手を、できるだけ具体的に決めます。「県内の製造業の購買担当者」「近所に住む30〜40代の家族」「技術職を目指す学生」のように書き出すと、制作会社も文章の書き方やデザインの方向を決めやすくなります。相手がスマートフォンで見ることが多いのか、会社のパソコンで見ることが多いのかも、分かる範囲で伝えましょう。

必要なページと機能

会社概要、事業内容、製品・サービス紹介、実績、採用情報、お知らせ、問い合わせフォームなど、必要なページを書き出します。予約、会員ログイン、ネットショップ、多言語対応のような機能が必要かどうかも決めておきます。機能によって制作費が大きく変わるため、ここがはっきりしないと見積もりの比較ができません。

決めきれない部分は「検討中」と書いておけば十分です。いま使っているホームページがあるなら、残したいページと不要なページを分けておくと、制作会社に伝えやすくなります。

予算と公開時期

予算は、制作費だけでなく、公開後にかかる費用(サーバー・ドメイン・保守・更新作業)も含めて考えます。予算を伝えずに見積もりを頼むと、制作会社は自社の標準的な内容で見積もるため、提案の幅が会社ごとにばらつきます。おおよその上限を伝えた方が、その範囲で何ができるかという現実的な提案を受けられます。

公開したい時期も決めておきます。展示会や新商品の発売、採用活動の開始など、締切になる行事があれば必ず伝えましょう。

社内の担当者と、更新を誰がするか

制作中は、原稿の確認やデザインの承認など、社内で判断する場面が何度もあります。窓口になる担当者と、最終的に決める人(社長や部長など)を決めておくと、やりとりが止まりません。

公開後に、お知らせや実績を自社で更新するのか、制作会社に頼むのかも決めておきます。自社で更新するなら、更新しやすい仕組み(CMS)が必要です。制作会社に頼むなら、更新の費用がいくらかかるかを確認することになります。

決めておく項目例決めていないと起きること
目的問い合わせを月に数件ほしい/採用の応募を増やしたい見た目は整ったが、成果につながらない
見てほしい相手県内の製造業の購買担当者誰に向けたサイトか分からない文章になる
必要なページ・機能会社概要・製品紹介・実績・問い合わせフォーム見積もりの前提が会社ごとに違い、比べられない
予算制作費の上限、月々の保守費の上限提案が高すぎたり、内容が足りなかったりする
公開時期来年3月の展示会までに公開締切に間に合わない
社内の担当者窓口は総務の担当者、決めるのは社長確認が遅れて制作が止まる
公開後の更新お知らせは自社で、大きな変更は制作会社に公開後に更新できず、情報が古いままになる

参考にしたいサイトを集める

「すっきりした感じ」「信頼感のある感じ」といった言葉だけでは、思い描いている見た目は人によって違います。好きなサイトや、同業他社で良いと思うサイトを3〜5つ集めて、URLと「どこが良いと思ったか」を書き添えておくと、制作会社との認識のずれが小さくなります。

見た目だけでなく、「料金の目安が載っていて分かりやすい」「実績が業種ごとに探せる」のように、使いやすさで良いと思った点も書いておきましょう。逆に「こういう感じは避けたい」というサイトがあれば、それも立派な参考になります。

A4で1〜2枚の「依頼メモ」にまとめる

上の項目を、A4で1〜2枚のメモにまとめておくと便利です。会社の紹介、ホームページの目的、見てほしい相手、必要なページ、予算、公開時期、参考にしたいサイトを書いておけば、どの制作会社にも同じ条件で依頼できます。大きな会社が作る「提案依頼書(RFP)」の簡易版と考えてください。

たとえば、次のような書き方で十分です。

【会社について】県内で金属部品の加工をしている、従業員30名の会社です。
【目的】①新しい取引先からの問い合わせを増やしたい ②若手の採用につなげたい
【見てほしい相手】県内・近県の製造業の購買・設計担当者。採用ページは高校生・専門学校生
【必要なページ】トップ、会社概要、加工の種類と設備、加工事例、採用情報、問い合わせフォーム
【更新】加工事例とお知らせは自社で更新したい
【予算】制作費は〇〇万円まで、保守は月〇万円まで
【公開時期】来年4月の採用説明会の前まで
【参考サイト】(URL)事例が加工方法ごとに探せるところが良い

このメモを最初の問い合わせで送れば、制作会社は具体的な質問や提案を返しやすくなります。どの会社にも同じメモを送ることで、提案と見積もりを同じ物差しで比べられます。

今のサイトの情報を確認しておく

すでにホームページがある場合は、作り直しの前に今の状況を確認しておきます。特に大事なのが、ドメインとサーバーを誰がどこで契約しているか、管理画面のIDとパスワードを社内の誰かが把握しているかです。前の制作会社に任せきりで、社内に情報が残っていないことは珍しくありません。

この情報が分からないと、新しい制作会社が作業を始められず、前の会社への問い合わせから始めることになります。ドメインの更新案内やサーバー会社からの請求書が、どの部署に届いているかを探してみると手がかりになります。会社のメールアドレスが同じドメインを使っている場合は、メールの設定にも関わるので、合わせて伝えましょう。

アクセス解析を入れているなら、よく見られているページや、問い合わせにつながっているページも調べておきます。新しいサイトで残すべきページの判断材料になります。

依頼先の種類と向き不向き

机に複数の会社案内とノートPCを並べて見比べる担当者

ホームページの制作は、制作会社のほかにも、フリーランス、広告代理店、ホームページ作成サービスなどに頼むことができます。それぞれ得意なことと注意点が違うので、自社の目的と予算に合う依頼先を選びましょう。

制作会社

ホームページ制作を専門にしている会社です。一口に制作会社といっても、規模や得意分野はさまざまです。

社員の多い制作会社は、ディレクター・デザイナー・エンジニアなどが分業して進めるので、ページ数の多いサイトやシステムとの連携が必要なサイトに向いています。担当者が休んでも代わりがいる、という安心感もあります。一方、打ち合わせや確認の手順が決まっている分、細かな変更に時間がかかることがあります。

少人数の制作会社は、最初の相談から公開まで同じ人が担当することが多く、話が早いのが利点です。一方で、担当者が抱えている案件の量によっては、対応が遅れることもあります。会社の規模と料金は必ずしも比例しないので、規模だけで判断せず、中身で比べましょう。

フリーランス

個人で制作を請け負っている人に頼む方法です。同じ内容なら制作会社より費用を抑えられることが多く、やりとりも直接で済みます。ただし、病気や廃業などで連絡がつかなくなったときに、代わりがいないのが弱点です。公開後の保守も頼むなら、引き継ぎの方法(サーバーやドメインの管理権限を自社でも持っておくなど)を最初に決めておきましょう。

なお、2024年11月に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法では、フリーランスに業務を委託する事業者に対して、仕事の内容や報酬の額などの取引条件を書面やメールなどで明示することが求められています。口約束で始めず、条件を文書で残しておくことは、発注する側にとっても大切です。

広告代理店・印刷会社

広告代理店や印刷会社がホームページ制作を受けている場合もあります。チラシや看板、広告の運用とまとめて頼めるのが利点です。実際の制作は外部の制作会社に再委託していることも多いので、誰が作るのか、修正の依頼はどこまで直接伝わるのかを確認しておきましょう。

ホームページ作成サービス・自作

Wix、STUDIO、ペライチのような作成サービスを使えば、自社で作ることもできます。月額料金だけで始められ、更新も自分でできます。ただし、構成を考える、文章を書く、写真を用意する、といった作業はすべて自社で行うことになります。作成サービスを使ったサイトづくりを代行している制作会社やフリーランスもいます。

サービスを解約するとサイトも使えなくなる場合が多いので、長く使うつもりなら、サービスの続き具合や、ほかのサービスへの移しやすさも確認しておきましょう。

依頼先向いているケース注意点
社員の多い制作会社ページ数が多い、システムとの連携がある、社内の承認手続きが多い費用は高めになりやすい。細かな変更に時間がかかることがある
少人数の制作会社中小企業のコーポレートサイト、相談しながら進めたい担当者の忙しさで対応の速さが変わる
フリーランス予算を抑えたい、小さなサイト、直接やりとりしたい連絡がつかなくなったときの代わりがいない。管理権限を自社でも持つ
広告代理店・印刷会社広告やチラシとまとめて頼みたい実際の制作が再委託のことがある
作成サービス・自作とにかく早く安く始めたい、自分で更新したい構成・文章・写真はすべて自社で用意。解約時の扱いを確認

制作会社の探し方

候補の制作会社を探す方法はいくつかあります。1つの方法に頼らず、組み合わせて探すと、自社に合う会社が見つかりやすくなります。

  • 検索する:「ホームページ制作 地域名」「ホームページ制作 業種名」などで検索します。検索で上位に出る制作会社は、自社の集客にも力を入れていると考えられます
  • 気に入ったサイトの制作会社を調べる:参考にしたいサイトのページの一番下に、制作会社の名前が書かれていることがあります。分からなければ、そのサイトの会社に聞いてみるのも一つの方法です
  • 知人や取引先に紹介してもらう:実際に頼んだ人の感想を聞けるのが利点です。ただし、紹介した人と目的や規模が違うと、自社に合うとは限りません
  • 商工会・商工会議所に相談する:地域の制作会社の情報を持っていることがあります
  • マッチングサービスを使う:条件を伝えると候補を紹介してもらえます。手間は省けますが、紹介される会社はそのサービスに登録している会社に限られます

ホームページ制作の全体の流れや、作る前に知っておきたい基本は、次の記事でまとめています。

あわせて読みたいホームページ制作の進め方|自作・依頼の選び方と費用、失敗しない手順ホームページ制作は「作成サービスで自分で作る」「WordPressなどで自分で作る」「制作会社に頼む」などの方法があります。それぞれの向き不向き、作る前に決めること、費用の内訳、依頼から公開までの流れ、公開後の運用、使える補助金まで、中小企業の担当者向けにまとめました。

制作会社を比べる8つのポイント

ノートPCで制作会社の実績ページを見ながらメモを取る担当者を、肩越しに見た様子

依頼先を制作会社に決めたら、候補を何社かに絞って比べます。ここでは、比べるときに見ておきたい8つのポイントを紹介します。

1. 実績の中身

制作実績のページは必ず見ますが、見るべきなのは数や見た目の華やかさではありません。自社と似た規模・目的のサイトを作っているか、そしてそのサイトで何を目指し、どう作ったのかが説明されているかを見ます。「問い合わせを増やすために、製品ごとの事例ページを作った」のように目的と工夫が書かれている会社は、成果を意識して作っていると判断できます。

実績に載っているサイトを実際に開いて、スマートフォンでも見やすいか、表示が遅くないか、最近も更新されているかを確かめるのもおすすめです。公開後に更新が止まっているサイトばかりなら、運用の支援が弱い可能性があります。

2. 得意分野

制作会社には、それぞれ得意分野があります。見た目の印象に強いデザイン重視の会社、検索や広告で人を集めるのが得意な会社、予約や会員機能などのシステムが得意な会社、といった具合です。自社の目的が「問い合わせを増やす」なら集客に強い会社、「ブランドの印象を変えたい」ならデザインに強い会社が合っています。

業種を絞っている制作会社もあります。業界の事情に詳しい分、話が早いという利点があります。業種を絞っていない会社でも、同じ業界の実績があれば話は通じやすいでしょう。

3. ヒアリングと提案の質

最初の打ち合わせで、制作会社がどんな質問をしてくるかに注目します。良い制作会社は、ページの数やデザインの好みより先に、「ホームページで何を達成したいか」「今どんな問題があるか」「お客様はどうやって会社を知るのか」を聞いてきます。

提案書では、依頼メモに書いたことをそのまま形にしているだけでなく、目的を達成するための考え方が示されているかを見ます。「この業種では、価格の目安が分かるページがあると問い合わせにつながりやすい」のように、理由のある提案があれば信頼できます。反対に、どの会社にも同じ内容を出していそうな提案書には注意が必要です。

4. 見積もりの明細

見積もりが「ホームページ制作一式 〇〇円」だけになっていないかを確認します。どの作業にいくらかかるのかが分かる明細があれば、ほかの会社と比べられますし、予算に合わせて削る部分も相談できます。見積もりの見方は、次の章で詳しく説明します。

5. 公開後の運用・保守

ホームページは、公開してからが本番です。お知らせの更新、不具合の対応、CMSやプラグインの更新、セキュリティ対策、アクセスの分析と改善など、公開後にも作業が続きます。制作会社が公開後に何をしてくれるのか、月々の費用はいくらか、契約しなかった場合はどうなるのかを確認しましょう。

特に、WordPressなどのCMSを使ったサイトは、本体やプラグインを更新しないまま放っておくと、セキュリティ上の弱点になります。保守を頼まない場合は、誰が更新するのかを決めておく必要があります。

6. 更新のしやすさ

自社でお知らせや実績を更新したい場合は、更新の仕組み(CMS)を確認します。どのCMSを使うのか、更新の操作は難しくないか、更新のやり方を教えてもらえるかを聞いておきましょう。可能なら、管理画面を見せてもらうと安心です。

制作会社が独自に作ったCMSを使う場合は、その会社との契約をやめたあとも使い続けられるかを確認しておきます。独自のCMSだと、ほかの会社に乗り換えるときにサイトを作り直すことになる場合があります。

7. 担当者とのやりとり

制作期間は数か月に及ぶことが多く、その間に何度もやりとりします。問い合わせへの返事の早さ、専門用語をかみ砕いて説明してくれるか、こちらの話を最後まで聞いてくれるかなど、担当者とのやりとりのしやすさも大事な判断材料です。

連絡の手段(メール・電話・チャット・オンライン会議)と、返事までの目安も確認しておきます。対面での打ち合わせを望むなら、近くの会社を選ぶ理由になります。オンラインで問題なければ、遠方の会社も候補に入ります。

8. 契約条件の明確さ

最後に、契約の条件がはっきりしているかです。著作権が誰のものになるか、ドメインやサーバーは誰の名義か、修正は何回までか、追加費用がかかるのはどんな場合か、解約したらデータはどうなるか。これらに明確に答えられる会社を選びましょう。詳しくは「契約前に確認すること」の章で説明します。

注意したい制作会社の特徴

8つのポイントとは逆に、次のような特徴がある制作会社には注意が必要です。一つ当てはまったからといって悪い会社とは限りませんが、理由をよく確認してから判断しましょう。

  • 契約を急がせる:「今月中に契約すれば割引」などと、比較や社内の検討の時間を与えない
  • 検索順位を保証する:「必ず検索で1位にします」といった約束。検索順位はGoogleなどの検索エンジンが決めるもので、制作会社が保証できるものではありません
  • 質問にはっきり答えない:著作権やドメインの名義、解約の条件を聞いても、「大丈夫です」としか答えない
  • 長期の契約やリースを強く勧める:5年・7年といった長い契約で、途中で解約すると残りの料金をまとめて払う条件になっている
  • 何を作るかより、金額の話が先に出る:目的や課題をほとんど聞かずに、パッケージの料金だけを提示する

なお、訪問販売や電話勧誘で結んだ契約でも、会社が営業のために結んだ契約は、特定商取引法のクーリング・オフなどの規定が適用されないと定められています(特定商取引法第26条)。会社として契約するときは、その場で決めず、持ち帰って契約書を読んでから判断しましょう。

ポイント確認のしかた質問の例
1. 実績の中身実績ページを読み、実際のサイトも開く「この実績では、何を目的にどう作りましたか」
2. 得意分野会社のサイト・実績の傾向を見る「御社が得意なのはどんなサイトですか」
3. ヒアリング・提案最初の打ち合わせと提案書「この提案にした理由を教えてください」
4. 見積もりの明細見積書の項目「この項目には何が含まれますか」
5. 運用・保守保守のメニューと料金「公開後に何をしてもらえますか。頼まない場合は?」
6. 更新のしやすさ管理画面を見せてもらう「お知らせの更新は、社内でどのくらいの手間でできますか」
7. 担当者とのやりとり問い合わせへの返事、打ち合わせの様子「連絡の手段と、返事までの目安は?」
8. 契約条件契約書のひな形を見せてもらう「著作権とドメインの名義はどうなりますか」

見積もり・提案書の比べ方

会議テーブルに3社の見積書を並べ、項目を指さしながら比べる経営者と担当者

候補の制作会社が決まったら、提案と見積もりを頼みます。比べ方のコツは、同じ条件で頼むことと、金額だけでなく中身で比べることです。

何社に頼むか

見積もりを頼むのは、2〜3社程度が現実的です。多すぎると、打ち合わせや比較に時間がかかり、担当者の負担が大きくなります。制作会社にとっても提案書づくりは手間のかかる作業なので、本当に依頼する可能性のある会社に絞りましょう。

どの会社にも、前の章で作った依頼メモを渡し、同じ条件で見積もってもらいます。条件がそろっていないと、金額の差が「作るものの違い」なのか「会社の価格の違い」なのかが分かりません。

提案書で見るポイント

提案書には、会社ごとに書き方の違いはあっても、おおむね次のような内容が入っています。金額だけで比べず、それぞれの中身を読み比べましょう。

  • 現状の課題の整理:今のサイトや自社の状況を、どう理解しているか。依頼メモの内容を正しく受け止めているか
  • サイトの構成案:どんなページを作り、各ページに何を載せるか。目的(問い合わせ・採用など)につながる流れになっているか
  • デザインの方向:参考サイトや見てほしい相手を踏まえた方向になっているか
  • スケジュール:公開時期に間に合うか。発注側が原稿や写真を用意する時期も書かれているか
  • 体制:誰が担当するのか。窓口と実際に作る人は同じか、外部に再委託するのか
  • 公開後の運用の提案:公開したあと、どう改善していくかの考えがあるか

提案書を受け取ったら、できれば担当者から直接説明を受けましょう。説明を聞きながら質問すると、提案の理由をどこまで考えているかが分かります。

見積もりの主な項目

ホームページ制作の見積もりには、おおむね次のような項目が並びます。会社によって名前や分け方は違いますが、何が含まれていて何が含まれていないかを確認しましょう。

項目内容確認ポイント
ディレクション・進行管理全体の進め方の管理、打ち合わせ、スケジュール調整打ち合わせの回数や方法
企画・設計サイトの構成、ページごとの内容の設計構成案を出してもらえるか
デザイントップページと下層ページのデザインデザイン案の数、修正の回数
コーディングデザインをWebページとして組み立てる作業ページ数の数え方、スマートフォン対応が含まれるか
CMSの導入更新の仕組みを入れる作業どのCMSか、更新のやり方の説明があるか
原稿作成ページの文章を書く作業自社で書くのか、制作会社が書くのか
写真・イラスト撮影、素材の購入、イラストの作成撮影の有無、素材の費用は別か
フォーム・機能問い合わせフォーム、予約などの機能迷惑メール対策、通知先の設定
サーバー・ドメインサーバーの契約、ドメインの取得・設定誰の名義か、年間の費用
保守・運用公開後の更新、不具合対応、CMSの更新月額に何が含まれるか、最低契約期間

金額が大きく違う理由

同じ依頼メモを渡しても、見積もりの金額が大きく違うことはよくあります。主な理由は、どこまでを制作会社が担当するかの違いです。原稿を制作会社が書くのか、写真を撮影するのか、構成を一から考えるのか、テンプレート(ひな形)のデザインを使うのか一から作るのかで、作業の量が大きく変わります。

金額が安い見積もりは、自社でやる作業が多かったり、デザインの自由度が低かったりする場合があります。逆に高い見積もりは、集客のための設計や、公開後の改善まで含まれている場合があります。どちらが良いかは目的と予算次第なので、「この金額で、何をしてもらえて、何を自社でやるのか」を並べて比べましょう。

「一式」だけの見積もりと、極端に安い見積もりは中身を確認する

「制作一式」としか書かれていない見積もりは、あとから「それは含まれていません」と追加費用を求められる原因になります。また、ほかの会社より極端に安い見積もりは、ページ数や修正の回数が少なかったり、サーバーやドメインが制作会社の名義になっていて解約しにくかったりすることがあります。安い理由を必ず聞いてから判断しましょう。

公開後の費用も含めて比べる

見積もりを比べるときは、制作費だけでなく、公開後に毎月・毎年かかる費用も足して比べます。制作費が安くても月々の保守費が高ければ、数年使ううちに合計は逆転することがあります。

比べやすいのは、「制作費+(月々の費用×36か月)+ドメイン・サーバーの年間費用×3年」のように、3年間など同じ期間で合計を出す方法です。そのうえで、月々の費用に何が含まれているか(更新作業の量、不具合対応、アクセスの報告など)を並べると、金額の差の理由が見えてきます。最低契約期間がある場合は、その期間の総額も確認しておきましょう。

比較表で点数をつける

提案と見積もりがそろったら、比較表を作って点数をつけると、社内での説明もしやすくなります。自社にとって大事な項目ほど重みを大きくしておくのがコツです。

項目重み見るポイント
目的に合った提案か×3目的を理解し、理由のある提案になっているか
実績×2似た規模・目的のサイトを作っているか
金額×2予算に収まるか。明細があるか
運用・保守×2公開後の支援の内容と費用
更新のしやすさ×1社内で更新できるか
担当者とのやりとり×1返事の早さ、説明の分かりやすさ
契約条件×2著作権・名義・解約の条件が明確か

各項目を5点満点でつけ、重みをかけて合計します。点数はあくまで判断の助けで、最後は「この会社となら数か月一緒に進められそうか」という感覚も大事にしてください。

点数は、窓口の担当者が一人でつけるより、決裁者や実際に更新を担当する人にもつけてもらうと偏りが減ります。点数が割れた項目は、なぜそう感じたかを話し合うと、自社が何を重視しているかがはっきりします。

予算を超えたときの削り方

気に入った提案が予算を超えていた場合でも、すぐに候補から外す必要はありません。明細のある見積もりなら、どこを削れるかを制作会社と相談できます。削りやすいのは、次のような部分です。

  • ページ数を絞って始める:最初は必要なページだけで公開し、実績や採用のページはあとから足す
  • 原稿を自社で書く:下書きを自社で用意し、制作会社には整える作業だけを頼む
  • 下層ページのデザインを共通にする:ページごとに作り分けず、同じ型を使い回す
  • 機能を後回しにする:予約やお知らせの自動配信など、すぐに使わない機能は次の段階に回す

反対に、削らない方がよいのは、スマートフォンでの見やすさ、問い合わせフォームの動作と迷惑メール対策、通信の暗号化(SSL)、更新の仕組みなど、公開後に困る部分です。また、値引きだけを求めると、修正の回数や確認の手間が減らされることもあります。「何を減らして、その分いくら下がるのか」を具体的に相談しましょう。

ホームページ制作の費用の考え方や、費用が変わる要因は、次の記事で詳しく説明しています。

あわせて読みたいホームページ制作費用の相場の見方|内訳・見積りの計算方法・費用が変わる要素ホームページ制作費用の相場は、公的な統計では確かめられませんでした。そのため金額ではなく、費用の内訳、見積りの計算方法、費用が変わる要素、依頼先別のかかり方、公開後の総額の出し方、税と支払い、補助金までを解説します。

契約前に確認すること

契約書を読みながら、気になる条項に付箋を貼る経営者

依頼する会社が決まったら、契約の前に条件を確認します。ここをあいまいにしたまま進めると、何年も経ってから「サイトを別の会社に移せない」「ドメインを返してもらえない」といった問題になります。

著作権の帰属

ホームページのデザインや文章、写真、イラストには著作権があります。著作権は、原則として作った人(制作会社や、制作会社が依頼したデザイナー・カメラマン)が持っています。お金を払って作ってもらっても、契約で決めない限り、著作権が自動的に発注した会社に移るわけではありません。

著作権を自社に移したい場合は、契約書に「著作権を譲渡する」と書いてもらう必要があります。注意したいのが、著作権法の第61条2項です。著作権を譲渡する契約で、第27条(翻訳・翻案などの権利)と第28条(二次的著作物の利用に関する権利)が譲渡の対象として特に書かれていない場合、これらの権利は譲渡した側に残ると推定されます。サイトをあとで改修したり、デザインをもとにチラシを作ったりすることを考えるなら、「著作権法第27条及び第28条の権利を含む」と書かれているかを確認しましょう。

また、著作権とは別に「著作者人格権」(作品の内容を勝手に変えられない権利など)があり、これは著作権法第59条で譲渡できないとされています。そのため契約では、「著作者人格権を行使しない」と取り決めるのが一般的です。これがないと、あとでデザインを手直しするときに問題になる可能性があります。

なお、制作会社が購入した写真素材やフォント、制作会社が以前から持っているプログラムなどは、譲渡の対象にならないことがあります。何が譲渡されて、何が利用の許可にとどまるのかも確認しておきましょう。

ドメインの登録者名義

ドメイン(example.co.jpのような、ホームページの住所)は、自社の名義で登録してもらうのが基本です。制作会社の名義で登録されていると、契約をやめるときにドメインを自社に移す手続きが必要になり、話がこじれるとドメインを使えなくなるおそれがあります。ドメインを変えると、名刺やパンフレットに印刷したURLやメールアドレスも変えなければなりません。

JPドメイン名を管理するJPRSは、ドメイン名の登録者はドメイン名を所有するのではなく、一定期間使用する権利を持っているという考え方が一般的だと説明しています。更新の手続きを忘れて期限が切れると、使えなくなることもあります。誰の名義で、どの事業者を通じて登録されていて、更新の期限と費用はいつ・いくらか。この3点を、自社でも把握しておきましょう。

サーバー・CMSの管理権限

サーバーの契約者が誰か、管理画面にログインするためのIDとパスワードを自社でも持てるかを確認します。サーバーやCMSの管理権限がすべて制作会社にあると、制作会社と連絡がつかなくなったときに何もできません。

日々の操作は制作会社に任せるとしても、契約者の名義は自社にするか、少なくとも管理者のアカウントを自社でも持っておくと安心です。

解約するときのデータの引き渡し

保守契約をやめたり、別の会社に乗り換えたりするときに、サイトのデータ(ページのファイル、画像、CMSのデータなど)を引き渡してもらえるかを確認します。制作会社が用意したサーバーや独自のCMSを使っている場合、解約するとサイトそのものが使えなくなることがあります。

月額料金に制作費が含まれている、いわゆる「サブスク型」の制作サービスでは、最低契約期間や、途中で解約したときの費用、解約後にサイトが残るかどうかが会社ごとに違います。契約前に必ず確認しましょう。

保守費用に含まれる範囲

月々の保守費用に何が含まれるかは、会社によって大きく違います。サーバーの管理だけのこともあれば、毎月一定量の更新作業やアクセスの報告まで含まれていることもあります。「月に何回まで、どんな作業を頼めるのか」「含まれない作業はいくらかかるのか」を、文書で確認しておきましょう。

セキュリティとバックアップ

問い合わせフォームで個人情報を受け取るなら、通信を暗号化する設定(SSL、URLが「https://」で始まる状態)は欠かせません。そのほか、サイトのバックアップを誰がどのくらいの頻度で取るのか、サイトが改ざんされたり表示されなくなったりしたときに誰が対応するのかも確認しておきます。

これらは保守契約に含まれていることも、別料金のこともあります。「何かあったときに誰に連絡すればよいか」を答えられる状態にしておきましょう。

アクセス解析などのアカウント

見落としやすいのが、Googleアナリティクス、Google Search Console、Googleビジネスプロフィールなど、サイトの周りで使うサービスのアカウントです。制作会社が自分のGoogleアカウントで設定すると、契約をやめたあとにデータを見られなくなったり、権限の移し替えに手間がかかったりします。

これらのサービスは、自社で用意したGoogleアカウントを管理者にして、制作会社には作業に必要な権限を追加してもらう形にしておくと安心です。会社の共有アカウントを作るときは、担当者の個人アカウントではなく、退職や異動があっても引き継げるものにしておきましょう。

修正の回数・追加費用・検収

デザインの修正は何回まで無料か、ページを追加したときの費用はいくらか、どこからが追加費用になるのかを確認します。また、完成したサイトを確認して受け取る「検収」の方法と期間も決めておきます。検収のあとで見つかった不具合を、いつまで無料で直してもらえるかも大事なポイントです。

確認する項目確認すること自社にとって安心な状態
著作権譲渡されるか。第27条・第28条の権利を含むか。著作者人格権を行使しない取り決めがあるか譲渡され、27条・28条も明記。人格権の不行使も明記
素材・フォント購入素材や既存のプログラムの扱い利用できる範囲が文書で分かる
ドメイン登録者の名義、管理している事業者、更新の期限と費用自社名義。期限と費用を自社でも把握
サーバー・CMS契約者の名義、管理者アカウント自社名義か、自社でも管理者アカウントを持つ
解約時データの引き渡し、解約の費用、最低契約期間データを引き渡してもらえる。条件が文書にある
保守月額に含まれる作業、含まれない作業の費用作業の範囲と回数が文書にある
修正・追加無料の修正回数、追加ページの費用回数と単価が分かる
検収・不具合検収の方法と期間、公開後の不具合対応の期間期間が明記されている

判断に迷ったら専門家に

著作権の譲渡や解約の条件は、会社ごとの契約書で扱いが違います。契約書の内容が自社にとって不利かどうか判断できない場合は、契約の前に弁護士など専門家に確認してもらうと安心です。制作会社に「この条項はどういう意味ですか」と聞くだけでも、多くのことが分かります。

依頼から公開までの流れ

オンライン会議で、制作会社の担当者とサイトの構成案を確認する担当者

制作会社を探し始めてから公開するまでの、一般的な流れを紹介します。期間はサイトの規模によって変わりますが、中小企業のコーポレートサイトでも、打ち合わせから公開まで数か月かかることは珍しくありません。

  1. 社内で目的と条件を整理する目的、見てほしい相手、必要なページ、予算、公開時期を決め、依頼メモにまとめます。
  2. 候補の制作会社を探す検索、知人の紹介、気に入ったサイトの制作会社などから候補を探し、実績や得意分野を見て2〜3社に絞ります。
  3. 問い合わせて、ヒアリングを受ける依頼メモを送り、打ち合わせで目的や課題を伝えます。この時点で担当者とのやりとりのしやすさも見ておきます。
  4. 提案と見積もりを受け取る各社から提案書と見積もりを受け取り、比較表で比べます。分からない項目は遠慮せず質問します。
  5. 依頼先を決めて契約する著作権・ドメイン・保守などの条件を確認してから契約します。
  6. 構成と原稿を固めるサイトの構成(どのページに何を載せるか)を決め、原稿や写真を用意します。
  7. デザインを確認するトップページと主なページのデザインを確認し、修正を依頼します。
  8. 制作・確認制作会社がページを作り、テスト用の環境で確認します。文章の誤り、リンク切れ、スマートフォンでの表示、フォームの動作を確かめます。
  9. 公開確認が終わったら公開します。古いサイトから移る場合は、古いページのURLから新しいページへの転送も設定してもらいます。
  10. 公開後の運用更新、アクセスの確認、改善を続けます。

発注側が用意するもの

制作会社に任せきりにはできず、発注側にも用意するものがあります。会社概要の正確な情報、ロゴのデータ、事業や製品の説明、社員や社屋の写真、掲載したい実績などです。原稿を自社で書く契約なら、文章も用意します。

これらが遅れると、制作全体が止まります。契約したらすぐに、何をいつまでに用意するかを制作会社と確認し、社内で分担しておきましょう。

制作中のやりとりのコツ

制作が始まると、構成案やデザインの確認を何度も求められます。社内の何人もが別々に制作会社へ意見を送ると、指示が食い違って手戻りが増えます。意見は社内で一度まとめ、窓口の担当者から一つにして伝えましょう。

修正を頼むときは、「もう少し明るく」のようなあいまいな言い方より、「見出しの文字を大きく」「この写真を工場の写真に差し替え」のように、どこをどう変えたいかを具体的に書きます。画面の写しに印をつけて送ると、さらに伝わりやすくなります。

打ち合わせで決まったことは、メールや議事録で文字に残しておきます。数か月の制作期間のうちに「言った・言わない」の行き違いが起きても、記録があれば確かめられます。追加の作業を頼んだときは、費用がかかるかどうかもその場で確認しておきましょう。

公開前に確認すること

公開の前には、テスト用の環境で発注側も一通り確認します。制作会社も確認しますが、会社の情報や製品の説明が正しいかどうかは、発注側でないと分かりません。最低限、次の点を見ておきましょう。

  • 会社名・住所・電話番号・営業時間などの情報に誤りがないか
  • 製品名・価格・実績などの数字が正しいか
  • スマートフォンとパソコンの両方で、表示が崩れていないか
  • 問い合わせフォームから実際に送信して、通知メールが届くか。自動返信の文面は正しいか
  • リンク切れがないか。電話番号をタップすると電話がかけられるか
  • 古いサイトのよく見られていたページから、新しいページに転送されるか

公開後にやること

公開したら終わりではありません。アクセス解析(Googleアナリティクスなど)や、検索での表示状況を確認するツール(Google Search Console)を設定しておくと、どのページがよく見られているか、どんな言葉で検索されているかが分かります。これらの設定を制作会社がしてくれるのか、見方を教えてもらえるのかも確認しておきましょう。

最初の数か月は、問い合わせの数や内容を見ながら、文章や導線を少しずつ直していくのがおすすめです。お知らせや実績を定期的に更新することも、訪れた人に「この会社は今も活動している」と伝えるうえで大切です。

スケジュールが遅れる原因

制作が予定より遅れる原因で多いのは、発注側の原稿や写真の準備の遅れと、社内での確認の遅れです。特に、途中で決裁者が初めてデザインを見て、大きな方向転換を求めるケースは、大幅な遅れにつながります。構成やデザインの方向を決める段階で、決裁者にも見てもらっておくことが大切です。

よくある失敗と避け方

公開後のサイトをノートPCで見ながら、困った様子で相談する担当者と上司

制作会社選びでよくある失敗と、その原因、避け方をまとめました。どれも、この記事で紹介したポイントを押さえておけば防げるものです。

よくある失敗原因避け方
公開後、自社で更新できない更新の仕組みを確認せずに作った更新したい内容を伝え、管理画面を見せてもらう
見た目は良いが、問い合わせが来ないデザインの好みだけで選んだ。目的を伝えていない目的と見てほしい相手を最初に伝え、理由のある提案をする会社を選ぶ
あとから追加費用を求められた見積もりが「一式」だった。含まれる範囲を確認していない明細つきの見積もりをもらい、含まれない作業を確認する
制作会社と連絡がつかなくなった管理権限をすべて制作会社が持っていたドメイン・サーバーを自社名義にし、管理者アカウントを持つ
解約したらサイトが使えなくなった解約時のデータの扱いを確認していない契約前に、解約時の引き渡しと費用を文書で確認する
制作が大幅に遅れた原稿・写真の準備や社内の確認が遅れた用意するものと期限を決め、決裁者に早めに見てもらう
改修しようとしたら、別の会社では手を加えられなかった著作権や独自CMSの扱いを確認していない著作権の譲渡(27条・28条を含む)と、CMSの種類を確認する
どこかで見たようなサイトになった写真を素材サイトの画像だけでまかなった社員・社屋・製品の写真を用意するか、撮影を見積もりに入れてもらう
公開後、誰も更新しなくなった社内で更新の担当を決めていなかった担当者と更新の頻度を決め、難しければ更新作業を保守に含める

選ぶ段階での失敗

上の表は公開後に気づく失敗ですが、選ぶ段階でつまずくこともあります。よくあるのが、見積もりの金額だけを比べて一番安い会社に決めてしまうことです。安い理由が「自社でやる作業が多い」ことだと、社内の手間が増え、結局公開が遅れることがあります。

もう一つは、決裁者が比較に関わらず、最後に「なぜこの会社なのか」と問われて選び直しになることです。候補を絞る段階から決裁者に比較表を見てもらい、何を重視して選ぶかを先にすり合わせておくと、決定までの時間が短くなります。

今のホームページに不満があって作り直しを考えている場合は、リニューアルの進め方もあわせて確認しておくと、同じ失敗を繰り返さずに済みます。

あわせて読みたいホームページのリニューアルとは|進め方・費用の考え方・SEOで失敗しない注意点ホームページのリニューアルについて、意味と種類、作り直す時期の判断、進め方の流れ、費用と期間の考え方、補助金の確認点、SEOで気をつけること、制作会社への確認、よくある失敗まで、Google公式の情報などにもとづき2026年10月時点で解説します。

よくある質問

地元の制作会社と、遠方の制作会社のどちらがよいですか?

対面での打ち合わせを重視するなら、地元の会社が便利です。オンライン会議で問題なければ、遠方の会社も候補に入れると選択肢が広がります。地域の事情(商圏や地元の取引先)を理解してほしい場合は、地元の会社の方が話が早いこともあります。

相見積もりを取ることは、制作会社に伝えた方がよいですか?

伝えておく方が誠実です。ほかの会社にも依頼していることを伝えても、きちんとした制作会社なら問題なく提案してくれます。同じ条件で比べたいので、依頼メモをもとに提案してほしいと伝えておくと、比べやすい見積もりが出てきます。

制作会社に断られることはありますか?

あります。予算と依頼内容が合わない場合や、制作会社の得意分野と違う場合、スケジュールが合わない場合などです。断られた理由を聞くと、依頼内容を見直すきっかけになります。

見積もりは無料ですか?

多くの制作会社は見積もりを無料で出していますが、詳しい提案書やデザイン案の作成に費用がかかる会社もあります。依頼する前に、費用がかかるかどうかを確認しておきましょう。

ドメインやサーバーは自分で契約した方がよいですか?

自社で契約するか、制作会社が手続きをする場合でも自社の名義にしてもらうのがおすすめです。名義が自社にあれば、制作会社を変えるときもホームページの住所やメールアドレスをそのまま使えます。設定作業は制作会社に任せても問題ありません。

どのCMSで作ってもらうかは、こちらで決めるべきですか?

最初から決めておく必要はありません。更新したい内容、更新する人、公開後に別の会社へ移す可能性を伝えれば、制作会社が合うものを提案してくれます。そのうえで、WordPressのように多くの会社が扱えるCMSか、その会社だけが扱える独自のCMSかは必ず確認しておきましょう。

制作会社を途中で変えることはできますか?

契約の内容によりますが、可能です。ただし、それまでの作業の費用の扱いや、途中まで作ったデータを引き渡してもらえるかは、契約書の条件次第です。途中で変えることにならないよう、契約前に提案と担当者をよく見ておくことが大切です。

制作の途中で、制作会社の担当者が変わることはありますか?

退職や配置換えなどで変わることはあります。決まったことをメールや議事録に残しておけば、新しい担当者にも引き継ぎやすくなります。契約前に、担当者が変わるときの引き継ぎの方法を聞いておくのも一つの方法です。

補助金を使って制作会社に頼めますか?

ホームページの制作に使える補助金はありますが、制度ごとに対象になる経費や申請の時期が決まっています。交付決定の前に契約した費用は対象にならないのが一般的なので、補助金を使う場合は、制作会社に依頼する前に制度の要件を確認してください。

AIで作れる時代に、制作会社に頼む意味はありますか?

AIや作成サービスを使えば、ページの形を作ること自体は以前より簡単になりました。一方で、誰に何を伝えるかを決める、正確な情報をそろえる、公開後に改善を続けるといった部分は、今も人の判断が必要です。社内にその時間や知識がない場合は、制作会社に頼む意味があります。

まとめ

この記事のまとめ

  • 制作会社を探す前に、目的・見てほしい相手・必要なページ・予算・公開時期・社内の担当者を決め、依頼メモにまとめる
  • 依頼先は、制作会社・フリーランス・広告代理店・作成サービスなどから、目的と予算に合わせて選ぶ
  • 制作会社は、実績の中身、得意分野、提案の質、見積もりの明細、運用・保守、更新のしやすさ、担当者、契約条件の8つで比べる
  • 見積もりは2〜3社に同じ条件で頼み、「何をしてもらえて、何を自社でやるか」で比べる
  • 契約前に、著作権(27条・28条を含むか)、ドメイン・サーバーの名義、解約時のデータ、保守の範囲を確認する

制作会社選びで大事なのは、作って終わりではなく、公開後も一緒に改善していける相手を選ぶことです。INTERCREATE JAPANでも、ホームページの制作から公開後の保守・運用までご相談いただけます。依頼メモがまだまとまっていない段階でも、何を決めればよいかの整理からお手伝いします。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典