補助金

デジタル化・AI導入補助金とは?対象・補助額・申請の流れを解説

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • デジタル化・AI導入補助金とは何か、IT導入補助金から変わった点
  • 5つの申請枠ごとの補助率・補助額
  • 対象になる会社の条件と、対象になるITツール・ならない経費
  • 申請前に必要な準備(GビズIDプライム・SECURITY ACTION)と申請の流れ
  • 締切・スケジュールと、第7次公募からの制度変更
  • ホームページ制作や生成AIツールに使えるのか
目次
  1. デジタル化・AI導入補助金とは
  2. ITツールの導入費用を一部補助する制度
  3. IT導入補助金から名前が変わった理由
  4. IT導入補助金2025から変わった主な点
  5. 「IT導入支援事業者」と組んで申請する
  6. 検討する前に整理しておきたいこと
  7. 5つの申請枠と補助額
  8. 通常枠
  9. インボイス枠(インボイス対応類型)
  10. インボイス枠(電子取引類型)
  11. セキュリティ対策推進枠
  12. 複数者連携デジタル化・AI導入枠
  13. 補助額の計算例
  14. 対象になる会社
  15. 中小企業の条件
  16. 小規模事業者の条件
  17. 個人事業主も対象
  18. 申請の対象外になる事業者
  19. 対象になるITツール・経費
  20. 対象になる経費
  21. 対象にならない経費
  22. 「AI」と名前にあっても、生成AIの月額料金がそのまま対象になるわけではない
  23. ITツール検索で候補を探す
  24. ホームページ制作は対象になるのか
  25. 申請前に必要な準備
  26. GビズIDプライムを取る
  27. SECURITY ACTIONを宣言する
  28. IT導入支援事業者とITツールを選ぶ
  29. 交付申請に必要な書類
  30. IT導入支援事業者を選ぶときの確認点
  31. 加点になる取り組み
  32. 申請から入金までの流れ
  33. 申請マイページで気をつけること
  34. 交付決定より前に契約しない
  35. 補助金は後払い
  36. 申請は1回だけ。不採択でも次の締切に再申請できる
  37. 実績報告で必要になる書類
  38. 補助金をもらったあとの効果報告
  39. 締切と第7次公募からの変更点
  40. 直近の締切
  41. 第7次公募から変わること
  42. 第6次と第7次のどちらで申請するか
  43. 次の締切に向けたスケジュールの立て方
  44. 賃上げの要件と、達成できなかったときの返還
  45. よくある質問
  46. まとめ

「IT導入補助金が名前を変えたらしい」「名前にAIと入っているなら、AIツールの費用にも使えるのか」と気になっている中小企業の経営者や担当者の方も多いのではないでしょうか。

デジタル化・AI導入補助金は、2025年まで「IT導入補助金」と呼ばれていた制度の後継です。中小企業や小規模事業者が、会計ソフトや受発注システム、顧客管理のクラウドサービスなどのITツールを導入するとき、その費用の一部を国が補助してくれます。

この記事では、制度のしくみと2025年からの変更点、5つの申請枠ごとの補助額、対象になる会社と経費、申請前の準備、申請から入金までの流れ、締切と第7次公募からの制度変更を順に解説します。ホームページ制作や生成AIの費用に使えるのかという疑問にも、公式資料をもとにお答えします。内容は2026年10月15日時点の事務局の公式情報にもとづいています。制度は公募回ごとに変わることがあるので、申請の前には必ず最新の公募要領を確認してください。

デジタル化・AI導入補助金とは

事務所でノートPCの補助金サイトを見ながら、資料にメモを取る経営者

正式な事業名は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」です。中小企業基盤整備機構(中小機構)と中小企業庁のもとで、事務局が運営しています。

ITツールの導入費用を一部補助する制度

事務局の制度概要では、この補助金は中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的に、業務効率化やDXに向けたITツールの導入を支援する補助金と説明されています。ソフトウェアの購入費やクラウドサービスの利用料に加えて、導入時の設定や研修、保守サポートの費用も補助の対象に含まれます。

大切なのは、対象になるのは、事前に事務局の審査を受けて登録されたITツールだけという点です。自分で選んだソフトを買って、あとから補助金を申請することはできません。公式サイトの「ITツール検索」で、登録されているツールを探せます。

IT導入補助金から名前が変わった理由

事務局は、名前を変えた理由を「ITツールの導入にとどまらず、より踏み込んだデジタル化の推進とAIの活用が重要であることを広く周知する観点から」と説明しています。つまり、名前は変わりましたが、登録されたITツールの導入を補助するという基本のしくみは、IT導入補助金と同じです。

IT導入補助金2025から変わった主な点

2026年1月に公表された概要では、2025年からの主な変更点として次の3つが挙げられています。

  • 名称の変更:「IT導入補助金」から「デジタル化・AI導入補助金」へ
  • 2回目以降の申請者への要件の追加:IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、賃上げを含む3年間の事業計画を作り、実行することが申請の条件になった
  • AI機能を持つツールの明確化:ITツール検索で、AI機能を持つツールを絞り込めるようになり、AIツールであることが明記されるようになった
項目IT導入補助金2025デジタル化・AI導入補助金2026
名称IT導入補助金デジタル化・AI導入補助金
対象になるツール事務局に登録されたITツール同じ(事務局に登録されたITツール)
過去に交付を受けた事業者-2022〜2025年に交付決定を受けた事業者は、賃上げを含む3年間の事業計画が必要
AI機能を持つツール-ITツール検索で絞り込める。AIツールであることを明記
申請の枠通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数社連携IT導入枠通常枠、インボイス枠、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠

なお、AIツールの表示は、IT導入支援事業者(ツールを提供する会社)が「AI機能がある」として登録したツールだけが対象です。AI機能があっても、そう登録されていなければ絞り込みには出てきません。

「IT導入支援事業者」と組んで申請する

この補助金は、会社が自分だけで申請することはできません。事務局に登録された「IT導入支援事業者」とパートナーシップを組んで申請するしくみです。IT導入支援事業者は、ITツールを提供し、申請書類の作成や導入後のサポートを一緒に行う会社です。申請者は、自社に合うITツールと、それを扱うIT導入支援事業者を選ぶところから始めます。

検討する前に整理しておきたいこと

補助金は「もらえるなら何か入れよう」と考えると、使わないツールに費用をかけることになりがちです。補助金を受けると、数年にわたる効果報告や、場合によっては賃上げの計画もついてきます。検討を始める前に、次の点を社内で整理しておきましょう。

  • どの業務に、いま何時間かかっていて、何に困っているか
  • その業務を楽にするには、どんな機能が必要か
  • 補助金がなくても導入したいと思えるツールか
  • 代金をいったん全額払えるか(補助金は後払い)
  • 導入後、誰が使い方を覚え、社内に広げるか

この整理ができていれば、IT導入支援事業者との商談でも、自社に合うツールを選びやすくなります。

古い名称が残っている画面やメールがある

事務局によると、申請マイページや事務局から届くメールの一部には、旧名称の「IT導入補助金」が残っています。順次直していくとされていますが、それまでは「デジタル化・AI導入補助金」に読み替えて対応するよう案内されています。

5つの申請枠と補助額

会議室のテーブルで、枠ごとの資料を並べて比べる2人の社員

デジタル化・AI導入補助金には、目的ごとに5つの申請枠があります。導入したいツールによって使う枠が変わり、補助率や補助額も違います。

通常枠

業務の効率化のために、自社の課題に合ったソフトウェアやシステムを導入する場合の、基本の枠です。在庫管理、顧客管理、勤怠管理など、幅広いツールが対象になります。

  • 補助率:1/2以内。最低賃金に近い水準で働く従業員が多い事業者は2/3以内
  • 補助額:1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下
  • 対象:ソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)、機能拡張などのオプション、導入コンサルティング・導入設定・研修・保守サポートなどの役務

「プロセス」とは、ソフトウェアで効率化できる業務の種類のことです。顧客対応・販売支援、決済・債権債務・資金回収、供給・在庫・物流、会計・財務・経営、総務・人事・給与などの共通プロセスと、業種固有のプロセスがあります。どの業務にも限定されない汎用ツールだけでは申請できず、業務プロセスを持つツールと組み合わせる必要があります。

公募要領に載っている、プロセスごとの機能の例を表にまとめました。

プロセス機能の例
顧客対応・販売支援顧客管理(CRM)、営業支援(SFA)、マーケティングの自動化、店舗側の予約受付台帳
決済・債権債務・資金回収POSレジのシステム、発注・仕入管理、受注・売上請求管理、売掛・回収管理
供給・在庫・物流入出庫管理、棚卸、在庫分析、納品管理、配送計画
会計・財務・経営仕訳・帳簿、資金繰り計画、固定資産台帳、経費精算、経営分析
総務・人事・給与など勤怠管理、シフト作成、給与計算、人事評価、電子契約、ワークフロー、ノーコードのアプリ作成ツール、BI
業種固有建設業の施工管理・積算、製造業の生産管理・原価計算、運輸業の運行管理・配車管理など

また、通常枠では、労働生産性(営業利益・人件費・減価償却費の合計を、年間の総労働時間で割ったもの)を1年後に3%以上、3年間の年平均で3%以上向上させる事業計画を作ることも条件です。過去に交付を受けた事業者などは、この数字が4%になります。

2/3以内の補助率が使えるのは、一定の期間に、地域別最低賃金に近い賃金で雇っている従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある事業者です。基準になる期間と最低賃金は公募回によって違い、第7次公募からは令和8年度の地域別最低賃金にもとづく基準に変わります。

インボイス枠(インボイス対応類型)

インボイス制度に対応した会計ソフト、受発注ソフト、決済ソフトと、それを使うためのパソコンやレジなどを導入する場合の枠です。補助率が高いのが特徴です。

  • ITツール(50万円以下の部分):中小企業は3/4以内、小規模事業者は4/5以内(「会計」「受発注」「決済」のうち1機能以上)
  • ITツール(50万円超〜350万円の部分):2/3以内(2機能以上)
  • パソコン・タブレット等:1/2以内、10万円まで
  • レジ・券売機等:1/2以内、20万円まで

パソコンやレジなどのハードウェアだけの申請はできず、ソフトウェアとあわせて申請する必要があります。また、インボイス対応類型では、スマートレジの導入について、3次締切分から優先採択を行っていると案内されています。

インボイス対応類型には、交付申請の時点でまだインボイス(適格請求書発行事業者)の登録をしていない事業者が、実績報告の日までに登録することを約束すると加点される項目もあります。ただし、約束したのに登録しなかった場合などは、原則として交付決定の取消しになります。

インボイス枠(電子取引類型)

取引先との受発注をまとめて電子化したい発注側の会社向けの枠です。発注側の会社がインボイス制度に対応した受発注のクラウドソフトを導入し、受注側の取引先(中小企業・小規模事業者等)に無償でアカウントを発行して使ってもらう場合に使えます。発注側が大企業でも申請できます。

  • 補助率:中小企業・小規模事業者等は2/3以内、その他の事業者等は1/2以内
  • 補助額:350万円まで(下限なし)

セキュリティ対策推進枠

サイバー攻撃への備えを強化するための枠です。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が公表する「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載っているサービスのうち、IT導入支援事業者が登録したものが対象です。

  • 補助率:中小企業は1/2以内、小規模事業者は2/3以内
  • 補助額:5万円〜150万円
  • 対象:サービスの利用料(最大2年分)

複数者連携デジタル化・AI導入枠

商店街や商工会、サプライチェーンでつながる複数の会社がグループで申請する枠です。商工団体、まちづくり会社、複数の中小企業でつくるコンソーシアムなどが対象になります。地域にAIカメラを置いて来街者の動きを分析し、各店舗のPOSデータと組み合わせる、といった取り組みが例として紹介されています。

  • 基盤導入経費:インボイス対応類型と同じ補助率・補助額(1構成員あたり)
  • 消費動向等分析経費:2/3以内、1構成員あたり50万円まで
  • その他経費(事務費・専門家費):2/3以内、200万円まで
  • グループ全体の上限:基盤導入経費と消費動向等分析経費の合計で3,000万円
申請枠補助率補助額主な対象
通常枠1/2以内(条件により2/3以内)5万〜150万円未満(1プロセス以上)、150万〜450万円(4プロセス以上)業務効率化のソフトウェア、クラウド利用料、導入支援
インボイス枠(インボイス対応類型)3/4以内(小規模4/5以内)、50万円超の部分は2/3以内。ハードは1/2以内ITツール350万円まで、PC等10万円、レジ等20万円会計・受発注・決済ソフト、PC、レジ
インボイス枠(電子取引類型)中小企業等2/3以内、その他1/2以内350万円まで受発注のクラウドソフト(取引先に無償提供)
セキュリティ対策推進枠中小企業1/2以内、小規模2/3以内5万〜150万円サイバーセキュリティお助け隊サービス
複数者連携デジタル化・AI導入枠経費ごとに異なる(2/3以内など)グループで3,000万円まで(その他経費は別に200万円まで)地域・グループでのIT導入

迷ったら「何の業務を楽にしたいか」で枠を選ぶ

請求書や会計の処理を楽にしたいならインボイス枠(インボイス対応類型)、顧客管理や在庫管理など業務全般なら通常枠、ウイルス対策や監視ならセキュリティ対策推進枠、というように、効率化したい業務から考えると枠を選びやすくなります。どの枠が使えるかは、導入したいツールがどの枠で登録されているかにもよるので、IT導入支援事業者に確認しましょう。

補助額の計算例

補助額は「補助の対象になる経費×補助率」で計算し、枠ごとの上限を超えない範囲で決まります。いくつか例を挙げます(どれも消費税を除いた金額です)。

  • 通常枠で、クラウドの顧客管理システム(2年分の利用料と導入設定で120万円)を導入する場合:120万円×1/2=60万円
  • インボイス対応類型で、小規模事業者が会計ソフト(40万円)を導入する場合:40万円×4/5=32万円
  • インボイス対応類型で、中小企業が会計・受発注ソフト(100万円)を導入する場合:50万円以下の部分の補助と、50万円を超える部分の2/3を組み合わせて計算する

実際の金額は、ツールの登録内容や申請の条件によって変わります。事務局のサイトには枠ごとの補助金シミュレーターがあるので、検討の段階で試してみるとよいでしょう。

対象になる会社

小さな店舗のカウンターでタブレットを操作する店主

申請できるのは、日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者等です。飲食、宿泊、小売、運輸、医療、介護、保育などのサービス業のほか、製造業や建設業も対象です。

中小企業の条件

中小企業かどうかは、業種ごとに決められた資本金と従業員数で判断します。資本金と従業員数の、どちらか一方が基準以下であれば対象になります。

業種資本金従業員
製造業、建設業、運輸業3億円300人
卸売業1億円100人
サービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)5,000万円100人
小売業5,000万円50人
ソフトウェア業、情報処理サービス業3億円300人
旅館業5,000万円200人
その他の業種3億円300人

このほか、医療法人・社会福祉法人・学校法人(従業員300人以下)、商工会・商工会議所(100人以下)、NPO法人や一般社団法人なども、条件を満たせば対象になります。ゴム製品製造業など、表にない細かい基準もあるので、事務局サイトの「申請対象者チェッカー」で確かめると確実です。

小規模事業者の条件

小規模事業者は、従業員の数で判断します。インボイス対応類型やセキュリティ対策推進枠では、小規模事業者だと補助率が上がります。

  • 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):従業員5人以下
  • サービス業のうち宿泊業・娯楽業:従業員20人以下
  • 製造業その他:従業員20人以下

個人事業主も対象

法人だけでなく、個人事業主も申請できます。公募要領では、日本国内に補助事業の実施場所を持つ個人であることが条件とされています。申請の際は、確定申告書の控えなど、個人事業主向けの書類が必要になります。

また、すべての申請者は、交付申請の直近月に、事業場内で最も低い賃金が地域別最低賃金以上であることが条件です。生産活動に役立つ事業を行っていて、導入するITツールも生産性の向上に役立つものである必要があります。

申請の対象外になる事業者

中小企業の基準を満たしていても、次のような場合は申請できません。

  • 発行済株式の半分以上を、同じ大企業が持っている
  • 発行済株式の3分の2以上を、大企業が持っている
  • 役員の半分以上が、大企業の役員や職員を兼ねている
  • 直近3年分の課税所得の年平均が15億円を超えている

また、親会社が議決権の50%超を持つ子会社や、同じ代表者・同じ住所の法人などは「みなし同一法人」とされ、グループの中で1社しか申請できません。補助金を受けるために株主や出資比率を変えて申請することも認められていません。

あわせて読みたいデジタル化・AI導入補助金は個人事業主も使える?対象条件・必要書類・申請の流れデジタル化・AI導入補助金は個人事業主も申請できます。公募要領をもとに、対象になる条件、小規模事業者の扱い、補助率と補助額、必要な4種類の書類、GビズIDプライムの取得から入金までの流れを、2026年10月時点の公式情報で整理しました。

対象になるITツール・経費

ITツール検索の画面を開いたPCの前で、候補を絞り込む担当者を肩越しに見た構図

補助の対象になるのは、事務局に登録されたITツールと、それに付随する経費です。何が対象で、何が対象にならないかを整理します。

対象になる経費

通常枠を例にすると、対象になる経費は大きく3つに分かれます。

  • ソフトウェア(必須):ソフトウェアの購入費、クラウドの利用料(最大2年分)
  • オプション:機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ
  • 役務:導入コンサルティング・活用コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート

クラウドの利用料は最大2年分までが対象です。3年目以降の利用料は自社で負担することになるので、補助が終わったあとの月額も含めて、払い続けられるかを確かめておきましょう。保守サポートの費用も、ソフトウェアの利用範囲の中で最大2年分が対象とされています。

オプションや役務だけの申請はできず、必ずソフトウェアとあわせて申請します。また、公募要領では、導入するITツールに比べて役務の費用の割合が著しく高くないことも条件になっています。

対象にならない経費

第7回以降の通常枠の公募要領では、次のような経費は補助の対象外とされています。

  • 交付決定より前に購入したITツール
  • 補助金の申請や報告にかかる申請代行費
  • 消費税などの公租公課
  • 交通費、宿泊費
  • 交付申請の時点で、利用金額が決められないもの
  • 外部に無償で提供されているもの
  • リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)
  • 中古品
  • 顧客が実質的に負担する費用がツール代金に含まれているもの
対象になる対象にならない
登録済みのソフトウェアの購入費登録されていないソフトウェア
クラウドの利用料(最大2年分)利用金額が申請時に決まらないもの
導入設定・研修・保守サポート(ソフトとセットの場合)補助金の申請代行費
インボイス対応類型のPC・レジ(ソフトとセットの場合)ハードウェアだけの申請、中古品、リース
交付決定後に契約・発注したもの交付決定前に契約・購入したもの
-消費税、交通費、宿泊費

「AI」と名前にあっても、生成AIの月額料金がそのまま対象になるわけではない

補助金の名前にAIが入ったことで、「ChatGPTやClaudeの月額料金にも使えるのでは」と考える方もいるかもしれません。しかし、しくみは変わっておらず、対象になるのは事務局に登録されたITツールだけです。公募要領では、ソフトウェアにはAIを含むとされていますが、AIのサービスを自分で直接契約した場合の月額料金が対象になるという案内は、公式にはありません。

また、利用した量に応じて料金が変わり、申請の時点で金額が決まらないものは対象外とされています。AI機能を使いたい場合は、ITツール検索でAI機能を持つツールを絞り込み、登録されているツールの中から選ぶのが確実です。

ITツール検索で候補を探す

登録されているツールは、事務局サイトの「ITツール検索」で探せます。導入したい業務や業種から候補を絞り込み、気になるツールを扱っているIT導入支援事業者に問い合わせる、という流れが基本です。2026年からは、AI機能を持つツールだけを絞り込めるようになりました。検索で見つからないツールは、どれだけ良い製品でも補助の対象にならないので、商談の前に登録されているかを必ず確かめましょう。

ホームページ制作は対象になるのか

「ホームページの制作費に使えるか」もよくある疑問です。公式に言えるのは、対象は事務局に登録されたITツールで、業務プロセスを持つソフトウェアが必須という点です。会社案内のためのホームページの制作費は、このしくみには当てはまりにくいと考えられます。

公募要領の予約システムの説明でも、「顧客側画面を新規制作する費用は、スクラッチ開発に該当するため対象外」と書かれています。つまり、お客さま向けの画面を一から作る費用は、予約システムのような業務のツールであっても対象になりません。ホームページ制作に補助金を使いたい場合は、登録されたITツールに当てはまるかをIT導入支援事業者に確かめるか、別の補助金を検討するのが現実的です。

ホームページの制作費を対象に含められる補助金としては、小規模事業者持続化補助金があります。この補助金には「ウェブサイト関連費」という経費の区分がありますが、ウェブサイト関連費だけでは申請できず、上限も公募回によって決まっています。使う場合は、最新の公募要領で条件を確かめてください。

交付決定より前に契約・発注しない

交付決定より前に契約や発注をしたITツールは、補助の対象になりません。「先に契約しておいて、あとから申請する」ことはできないので、IT導入支援事業者と話を進めるときも、契約は交付決定の通知を受けてからにしてください。

あわせて読みたい持続化補助金でホームページ制作は対象?上限30万円の条件と申請の流れ【第20回】小規模事業者持続化補助金でホームページの制作費はいくら補助されるのか。第20回公募の公募要領(第8版)をもとに、補助率・上限額、対象になる経費、発注の時期、申請の流れ、業者に頼むときの注意までを整理しました。

申請前に必要な準備

自宅の机でPCに向かい、手続きのチェックリストを確認する個人事業主

交付申請の前に、すべての申請枠で必要になる手続きが2つあります。どちらも発行までに日数がかかるので、締切から逆算して早めに進めましょう。

GビズIDプライムを取る

GビズIDは、国の行政サービスにログインするための共通のアカウントです。交付申請には、その中の「GビズIDプライム」が必要です。事務局によると、発行までおおむね2週間かかります。GビズIDのホームページから申し込みます。

SECURITY ACTIONを宣言する

SECURITY ACTIONは、IPAが行っている、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自分で宣言する制度です。「★一つ星」か「★★二つ星」のどちらかを宣言することが申請の条件で、交付申請のときに宣言済みのアカウントIDを入力します。アカウントIDの発行まではおおむね2〜3日です。セキュリティ対策推進枠で申請する場合は、加点を受けるために「★★二つ星」の宣言が求められます。

IT導入支援事業者とITツールを選ぶ

自社の業種や規模、困っている業務に合わせて、導入したいITツールと、それを扱うIT導入支援事業者を選びます。事務局サイトの「ITツール検索」で、登録されているツールと事業者を探せます。AI機能を持つツールの絞り込みもここで使えます。

選ぶときは、ツールの機能だけでなく、申請の手伝いや導入後のサポートの内容も確かめておきましょう。補助金をもらったあとも、効果の報告などをIT導入支援事業者と一緒に行うことになります。

交付申請に必要な書類

通常枠の公募要領では、交付申請に添付する書類は、法人は3種類、個人事業主は4種類とされ、代わりの書類は一切認められません。

用途法人個人事業主
実在・本人の確認履歴事項全部証明書(発行から3か月以内)運転免許証、運転経歴証明書、または住民票(発行から3か月以内)
事業の実態の確認法人税の納税証明書(「その1」か「その2」)所得税の納税証明書(「その1」か「その2」)と、税務署が受け取った確定申告書の控え
財務状況の確認直近の貸借対照表と損益計算書青色申告決算書または収支内訳書

納税証明書は、税金を払ったときの領収書ではなく、税務署が発行する証明書です。確定申告書の控えは、受付番号と受付日時が印字されたものか、電子申告の受信通知を添付できるものに限られます。マイナンバーなどの個人情報が書かれている部分は、黒く塗りつぶしてから提出します。

IT導入支援事業者を選ぶときの確認点

IT導入支援事業者は、申請から効果報告まで数年にわたって付き合う相手です。ツールの機能や価格だけでなく、次の点も確かめておくと安心です。

確認すること理由
導入したいツールが、どの枠で登録されているか使える枠と補助率が決まる
申請の手伝いの範囲事業計画の数値の入力など、共同で行う作業の分担を決めておく
導入設定や研修の内容導入したあと、社内で使えるようになるかを左右する
補助が終わったあとの費用クラウドの利用料は最大2年分まで。3年目以降の金額も確認する
効果報告のサポート補助金を受け取ったあとも、数年間の報告が続く

なお、補助金の申請代行費は補助の対象外です。申請の手伝いに別料金がかかる場合は、その費用は自社の負担になります。

加点になる取り組み

審査では、いくつかの取り組みが加点の対象になります。事務局サイトで紹介されている主なものは次のとおりです(枠によって対象が違います)。

  • クラウド製品を選ぶ(通常枠)
  • インボイス対応の製品を選ぶ(通常枠)
  • 中小機構の「IT戦略ナビwith」を申請前に実施する
  • 中小機構の「IT経営サポートセンター」を利用する(通常枠)
  • 中小機構の「省力化ナビ」を活用する
  • 「健康経営優良法人2026」の認定を受けている
  • くるみん・えるぼしの認定を受けている
  • 中小企業庁の「成長加速マッチングサービス」に登録している
  • ITベンダー以外の第三者と面談する「デジタル化セカンドオピニオン」を実施する(通常枠)
  • 賃上げの事業計画を作り、従業員に表明する

加点を受けて採択されたのに、申請した加点の要件を達成できなかった場合は、効果報告で未達が報告されてから18か月の間、中小企業庁が所管する他の補助金(ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金など)の申請で大幅に減点されると公募要領に書かれています。加点の項目は、確実に達成できるものだけを選びましょう。

準備かかる日数の目安どこで行うか
GビズIDプライムの取得おおむね2週間GビズIDのホームページ
SECURITY ACTIONの宣言アカウントIDの発行までおおむね2〜3日IPAのSECURITY ACTIONのページ
ITツール・IT導入支援事業者の選定商談しだい(数週間かかることもある)事務局サイトのITツール検索
IT戦略ナビwithなど加点の手続き項目による中小機構のサイトなど

申請から入金までの流れ

IT導入支援事業者の担当者とオンライン会議で申請内容を確認する経営者。画面は経営者の方を向いている

事務局が公開している手続きの流れをもとに、申請から補助金の入金、その後の報告までを順に説明します。

  1. 制度を理解する事務局サイトや公募要領を読み、どの枠が使えるか、どんな条件があるかを確かめます。
  2. GビズIDプライムを取り、SECURITY ACTIONを宣言するどちらも日数がかかるので、最初に手続きします。
  3. IT導入支援事業者とITツールを選ぶ自社の課題に合うツールと事業者を選び、商談を進めます。
  4. 交付申請をするIT導入支援事業者から「申請マイページ」への招待を受け、代表者名などの基本情報を入力します。必要な書類を添付し、IT導入支援事業者がツールの情報と事業計画の数値を入力します。最後に内容を確認して宣誓し、事務局に提出します。
  5. 交付決定を受ける審査が終わると交付決定の通知が届き、補助事業を始められるようになります。
  6. 契約・導入・支払いをする交付決定のあとに、ITツールを契約・発注し、導入して代金を支払います。
  7. 事業実績報告をする導入と支払いが終わったら、IT導入支援事業者と一緒に、契約書や請求書、支払いの証拠などを添えて報告します。
  8. 補助金を受け取る報告の内容が確認されると補助金の額が確定し、補助金が交付されます。
  9. 効果報告をする補助金を受け取ったあとも、事業計画の期間中、生産性や賃上げの状況を事務局に報告します。

申請マイページで気をつけること

交付申請は、事務局から付与される「申請マイページ」で行います。公募要領には、次のような決まりがあります。

  • 申請者自身が管理する携帯電話の番号を1つ登録する(申請に必要なパスワードなどがSMSで届く)
  • 申請マイページのIDとパスワードは、IT導入支援事業者を含む第三者に渡さない
  • 一度提出した交付申請は、事務局から再提出を指示された場合を除き、結果が出るまで取り下げられない

提出したあとは直せないので、事業計画の数値やツールの内容に間違いがないか、提出前にIT導入支援事業者と一緒に確かめましょう。

交付決定より前に契約しない

繰り返しになりますが、ITツールの契約・発注は、必ず交付決定のあとに行います。公募要領では、契約・発注が、納品や支払いより先に行われている必要があるとされています。順番が逆になっていると、補助金が受け取れず、交付決定が取り消されることもあります。

補助金は後払い

補助金は、ITツールの代金を支払い、実績報告が確認されたあとに受け取る後払いです。いったんは代金の全額を自社で支払う必要があるので、資金の準備をしておきましょう。

支払い方法にも決まりがあります。公募要領では、原則として銀行振込か、クレジットカードの1回払いのみとされています。現金での支払いや、分割払い・リボ払いは認められません。法人はビジネスカードなど法人名義の口座から引き落とされるカード、個人事業主は本人名義のカードで払う必要があります。

申請は1回だけ。不採択でも次の締切に再申請できる

通常枠では、2026年の申請期間中、1つの法人・個人事業主につき申請は1回だけで、同時に複数の申請はできません。ただし、インボイス枠やセキュリティ対策推進枠には、別に申請できます。また、IT導入補助金2025の通常枠などで交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12か月以内は、2026年の通常枠に申請できません。

不採択になった場合は、次回以降の締切に向けて、もう一度申請できます。不採択の理由は、事務局から通知される事項以外は開示されません。

実績報告で必要になる書類

実績報告では、IT導入支援事業者から受け取った請求書(内容が「一式」などで分からない場合は明細も)と、支払ったことが分かる書類を提出します。銀行振込なら、振込明細書やインターネットバンキングの取引完了画面など、自社の側の書類が必要で、IT導入支援事業者の領収書などは認められません。クレジットカードなら、カード会社が発行した利用明細を出します。導入の段階から、これらの書類をなくさないよう保管しておきましょう。

補助金をもらったあとの効果報告

補助金を受け取ったあとも、事業計画の期間中は毎年、効果報告をします。報告するのは、営業利益、人件費、減価償却費、総労働時間、1人当たり給与支給総額、事業場内最低賃金などの数値と、導入したITツールを使い続けていることを示す書類です。第7回以降の通常枠の公募要領では、1年度目の効果報告は2028年4月〜2029年1月、3年度目は2030年4月〜2031年1月とされています。

途中でITツールを解約したり使うのをやめたりした場合は、辞退の手続きが必要になり、補助金の全部または一部の返還を求められることがあります。賃上げが必須の要件になっている事業者が、効果報告の前に辞退すると、賃上げの要件が未達とみなされ、全額の返還になると書かれています。導入するツールは、数年にわたって使い続けられるものを選ぶことが大切です。

あわせて読みたいデジタル化・AI導入補助金の申請方法とは?流れ・必要書類・マイページ入力の手順デジタル化・AI導入補助金の申請方法を、申請者の手順に沿って解説します。IT導入支援事業者との共同申請、事前準備、必要書類、申請マイページの入力、提出後の審査、交付決定後の契約から入金までを、2026年10月時点の公式資料で整理しました。

締切と第7次公募からの変更点

壁のカレンダーに締切日を書き込む担当者

2026年10月15日時点で公表されている締切と、第7次公募からの制度変更を整理します。

直近の締切

通常枠、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)、セキュリティ対策推進枠は第6次締切、複数者連携デジタル化・AI導入枠は第3次締切が、2026年10月30日(金)17:00です。

申請枠締切交付決定日事業実施・実績報告の期限
通常枠(6次)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)予定2027年5月31日(月)17:00予定
インボイス枠・インボイス対応類型(6次)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)予定2027年5月31日(月)17:00予定
インボイス枠・電子取引類型(6次)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)予定2027年5月31日(月)17:00予定
セキュリティ対策推進枠(6次)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)予定2027年5月31日(月)17:00予定
複数者連携デジタル化・AI導入枠(3次)2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)予定2027年5月31日(月)17:00予定

第7次以降の締切日は、2026年10月15日時点ではまだ公表されていません。事務局は、確定した回のスケジュールだけを公表し、以降は随時更新するとしています。なお、第7回以降の通常枠の公募要領では、補助事業の実施と実績報告の期間は「交付決定日から6か月間程度」とされています。交付決定のあと、導入までに時間がかかるツールを選ぶ場合は注意してください。

第7次公募から変わること

事務局は2026年10月9日に、第7次公募から次の制度変更を行うと発表しました。

  • 通常枠:令和8年度の地域別最低賃金の改定にあわせて、補助率を2/3に引き上げる条件を変更
  • 通常枠・インボイス枠(両類型)・セキュリティ対策推進枠:1人当たり給与支給総額(パートなどを含む全従業員)の向上についての申請要件を追加
  • 同じ4つの枠:令和8年度の地域別最低賃金の改定にあわせて、加点の要件を変更

通常枠の第7回以降の公募要領を読むと、給与についての要件は、これまでの「3年間の事業計画期間で年平均◯%以上」に加えて、「1年後に◯%以上向上させること」が加わっています。たとえば、150万円以上を申請する事業者は、1年後に1人当たり給与支給総額を3%以上向上させ、事業計画期間の年平均成長率も3%以上にすることなどが求められます。IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、この数字が3.5%になります。

加点の要件も、最低賃金の基準の時期が変わっています。たとえば通常枠の加点のひとつは、交付申請の直近月の事業場内最低賃金を「令和8年6月の事業場内最低賃金+55円以上」にしていることとされています。細かな条件は申請する金額や過去の交付の有無によって違うので、申請する枠の第7回以降の公募要領で必ず確かめてください。

第6次と第7次のどちらで申請するか

第6次(10月30日締切)までは、第1回〜第6回の公募要領のルールが適用され、第7次からは新しいルールになります。第6次に間に合うよう準備が進んでいるなら、締切に向けて急ぐ価値があります。一方、GビズIDプライムをまだ持っていない場合は、発行までおおむね2週間かかるため、第6次には間に合わない可能性が高くなります。その場合は、無理に急がず、新しい要件を確かめたうえで第7次以降に向けて準備する方が確実です。

どちらで申請する場合も、賃上げや最低賃金の要件は、自社の給与の状況と照らし合わせて、達成できるかを慎重に判断してください。

次の締切に向けたスケジュールの立て方

第7次の締切日はまだ公表されていませんが、準備は締切が決まる前から始められます。必要な日数から逆算して、次のように進めると余裕をもって申請できます。

  1. 締切の2か月ほど前自社の課題を整理し、導入したいツールの候補を探します。GビズIDプライムをまだ持っていなければ、すぐに申し込みます(発行までおおむね2週間)。
  2. 締切の1か月半ほど前SECURITY ACTIONを宣言します。IT導入支援事業者と商談し、見積もりと導入の範囲を固めます。
  3. 締切の1か月ほど前納税証明書や決算書などの書類を集めます。加点の項目を選び、必要な手続き(IT戦略ナビwithなど)を済ませます。
  4. 締切の2週間ほど前申請マイページで情報を入力し、IT導入支援事業者と内容を確認します。
  5. 締切の数日前最終確認をして提出します。締切の直前はアクセスが集中するので避けます。

上の日数は、事務局が案内している発行日数などをもとにした目安です。書類の取り寄せや社内の決裁に時間がかかる会社は、さらに早めに動き始めましょう。

賃上げの要件と、達成できなかったときの返還

150万円以上を申請する事業者や、過去に交付を受けた事業者は、賃上げを含む3年間の事業計画を作り、交付申請の時点で従業員に表明する必要があります。表明したと申告したのに、実際には表明していなかったことが分かった場合は、交付決定が取り消されます。

計画を達成できなかった場合は、補助金の返還を求められます。通常枠の公募要領では、次のように説明されています。

  • 事業場内最低賃金の要件が未達の場合:未達になった年度に応じて、補助金の全部または一部を返還(1年目の未達なら全額、2年目なら2/3、3年目なら1/3)
  • 1人当たり給与支給総額の要件が未達の場合:事業計画の終了時点で判断し、補助金の全部の返還を求める場合がある

なお、効果報告で返還の対象になるのは、各要件のうち事業計画の期間についての目標です。公募要領では、1年後の目標(各要件の第一号)を満たさないことは、返還を求める理由から除かれています。

ただし、付加価値額が増えておらず、3年間の過半数が営業赤字の場合や、天災など事業者の責任ではない理由がある場合は、給与の要件について返還を求めないとされています。返還額は補助金の交付額が上限で、加算金や延滞金は含みません。

締切当日の17時を過ぎると受け付けてもらえない

事務局は、締切の時間を過ぎた場合は、どんな理由でも受け付けないと案内しています。締切の直前は申請マイページへのアクセスが集中し、画面の切り替えやSMSでの認証に時間がかかることもあります。IT導入支援事業者との共同作業も必要なので、数日前には提出できるよう余裕をもって進めましょう。

よくある質問

IT導入補助金とは別の制度ですか?

IT導入補助金の後継の制度です。2026年から名前が「デジタル化・AI導入補助金」に変わりましたが、事務局に登録されたITツールの導入費用の一部を補助するという基本のしくみは同じです。2回目以降の申請者への賃上げの要件追加など、一部の条件が変わっています。

ChatGPTやClaudeの月額料金に使えますか?

対象になるのは、事務局に登録されたITツールだけです。AIのサービスを自分で直接契約した場合の月額料金が対象になるという案内は、公式にはありません。また、利用量によって料金が変わり、申請時に金額が決まらないものは対象外です。AI機能を使いたい場合は、ITツール検索でAI機能を持つ登録ツールを探してください。

ホームページ制作に使えますか?

対象は業務プロセスを持つ登録済みのソフトウェアが中心で、会社案内のホームページ制作は当てはまりにくいと考えられます。公募要領でも、お客さま向けの画面を新しく作る費用はスクラッチ開発として対象外とされています。ホームページの制作には、ウェブサイト関連費の区分がある小規模事業者持続化補助金など、別の補助金も検討してください。

個人事業主でも申請できますか?

申請できます。日本国内に補助事業の実施場所を持つ個人事業主で、業種ごとの資本金・従業員数の基準を満たしていれば対象です。GビズIDプライムとSECURITY ACTIONの準備は、法人と同じく必要です。

前にIT導入補助金をもらっていても申請できますか?

申請できますが、条件があります。IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、賃上げを含む3年間の事業計画を作ることが必要です。また、IT導入補助金2025の通常枠などで交付決定を受けた場合は、交付決定日から12か月以内は2026年の通常枠に申請できません。

不採択になったら、もう申請できませんか?

次回以降の締切に向けて、もう一度申請できます。不採択の理由は、事務局から通知される事項以外は開示されないので、IT導入支援事業者と申請内容を見直してから再申請しましょう。

補助金はいつ受け取れますか?

交付決定のあとにITツールを契約・導入して代金を支払い、事業実績報告が確認されてから受け取ります。後払いなので、代金はいったん全額を自社で支払う必要があります。

パソコンやレジだけを買うのに使えますか?

使えません。インボイス対応類型ではパソコンやレジも対象になりますが、ソフトウェアとあわせて申請する必要があり、ハードウェアだけの申請はできません。

消費税も補助されますか?

補助されません。消費税は補助の対象外の経費です。補助額は、消費税を除いた金額に補助率をかけて計算します。

交付決定のあと、いつまでに導入すればいいですか?

第6次締切分では、事業実施と実績報告の期限が2027年5月31日(月)17:00(予定)とされています。この日までに契約・導入・支払いを終え、実績報告を提出する必要があります。締切回によって期限が違うので、申請する回のスケジュールを確認してください。

同じ年に複数の枠に申請できますか?

通常枠への申請は1法人・1個人事業主につき1回ですが、通常枠とは別に、インボイス枠(両類型)やセキュリティ対策推進枠に申請し、交付を受けることはできます。複数の枠に申請するときの注意点が公募要領にまとめられているので、IT導入支援事業者と相談しながら進めてください。

以前、サイバーセキュリティお助け隊サービスで補助を受けました。また使えますか?

公募要領では、お助け隊サービスとして登録されたITツールについて、IT導入補助金2022〜2025のいずれかの枠で交付決定を受けた場合は、通常枠での申請はできないとされています。扱いが細かく分かれているので、過去の交付の内容と、申請する回の公募要領の該当箇所を確かめてから検討してください。

リース契約のITツールは対象になりますか?

対象になりません。公募要領では、リース・レンタル契約のITツールは対象外とされています。例外として、セキュリティ対策推進枠のサイバーセキュリティお助け隊サービスは対象になります。

補助金の申請代行費も補助されますか?

補助されません。補助金の申請や報告にかかる申請代行費は、対象外の経費です。

交付決定を受けたことは公表されますか?

公表されます。公募要領では、交付決定を受けた事業者の名称、法人番号、所在地(市区町村まで。個人事業主は都道府県まで)を、事業のホームページで公表するとされています。

申請はIT導入支援事業者に任せきりにできますか?

できません。申請はIT導入支援事業者と共同で行い、申請者本人が申請マイページで基本情報を入力し、内容を確認して宣誓します。申請マイページのIDとパスワードは、IT導入支援事業者を含む第三者に渡してはいけないと公募要領に書かれています。

まとめ

この記事のまとめ

  • デジタル化・AI導入補助金は、旧IT導入補助金の後継。事務局に登録されたITツールの導入費用の一部を補助する
  • 申請枠は通常枠、インボイス枠(2類型)、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠の5つ。補助額は枠によって5万円〜450万円など
  • 申請にはGビズIDプライム(約2週間)とSECURITY ACTIONの宣言が必要で、IT導入支援事業者と共同で申請する
  • 交付決定より前の契約は対象外。補助金は後払いで、支払いは銀行振込かカードの1回払い
  • 直近の締切は2026年10月30日(金)17:00。第7次公募からは給与と最低賃金に関する要件が変わる
  • 生成AIの直接契約の月額料金や、会社案内のホームページ制作は対象になりにくい

デジタル化・AI導入補助金は、条件が合えば会計や顧客管理などのツールを導入する負担を大きく減らせる制度です。一方で、対象は登録されたツールに限られ、賃上げの計画や導入後の報告など、受け取ったあとの義務もあります。自社の課題と、補助金の条件の両方を確かめてから進めましょう。

INTERCREATE JAPANでは、補助金の対象になりにくいホームページの制作や、補助金に頼らずに始められる小さな業務の効率化についてもご相談を承っています。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典