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ホームページ制作費用の相場の見方|内訳・見積りの計算方法・費用が変わる要素

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • ホームページ制作費の相場を、公的な統計や公式ページで確かめられなかった理由と、金額の目安の読み方
  • 費用の内訳と、見積りの金額(工数の積み上げ・パッケージ・月額制など)の計算のしかた
  • ページ数・デザイン・機能・原稿と写真など、費用が変わる要素
  • 依頼先ごとの費用のかかり方と、公開後の費用・3年分と5年分の総額の出し方
  • 税込・税抜、支払いの時期、源泉徴収、契約書で決める項目
  • 持続化補助金のウェブサイト関連費の条件と、自己負担額の考え方
目次
  1. 費用の相場が一つに決まらない理由
  2. 公的な統計は見つからなかった
  3. 同じ「ホームページ」でも、作るものが違う
  4. 相場の数字を見るときの確認項目
  5. 公式ページで確かめられる金額
  6. 同じ内容でも、会社によって見積りが違う理由
  7. 予算の上限は、目的から逆算する
  8. 費用の内訳・見積りの計算方法
  9. 費用は3つに分けて考える
  10. 見積書に出てくる言葉
  11. 金額の出し方は、おもに5種類
  12. 工数の積み上げの計算例(仮の数字)
  13. 1つの選択で、金額がどう動くか(仮の数字)
  14. 見積書の読み方
  15. パッケージ型の見積書の読み方(仮の数字)
  16. 見積書を受け取ってからの進め方
  17. 見積りの前提が変わると、金額も変わる
  18. 費用が変わる要素
  19. ページ数・構成
  20. デザインの作り方
  21. 機能
  22. 目的別に、費用がかかる場所
  23. 原稿・写真・ロゴ
  24. 動画を載せる場合
  25. 記事・事例を増やす場合
  26. スマホ表示・表示の速さ・安全面
  27. 既存のホームページがある場合
  28. 納期・修正・関係者の数
  29. 依頼先別の費用のかかり方
  30. 同じ依頼でも、見積りの形が違う
  31. フリーランス・制作会社の費用の出方
  32. 分けて頼む方法
  33. AIを使って自分で作る場合
  34. 費用の面で、頼み先に聞いておくこと
  35. 納品のときに受け取るもの
  36. 公開後の費用・総額の出し方
  37. 公開後にかかる費用の種類
  38. 3年分の総額の出し方
  39. 契約期間が長いほど、総額はどうなるか
  40. 想定ケースで見る総額(仮の数字)
  41. 継続費用を見直すチェック
  42. 更新日を一覧にする(例)
  43. 予算に余裕枠を持つ
  44. 保守に含まれる作業を確かめる
  45. 更新を自社で行う場合の社内の時間
  46. 作り直しの時期・費用
  47. 税・支払い・契約の注意点
  48. 税込・税抜の表記
  49. 支払いの時期
  50. 支払いを分けるときの例(仮の数字)
  51. 源泉徴収
  52. 見積書から請求書までの書類
  53. 契約書で決める、費用に関わる項目
  54. 補助金で負担を抑える
  55. 補助金のスケジュール・費用が発生する時期
  56. 自己負担額の考え方(仮の数字)
  57. 月額・年額のサービスは対象か
  58. 見積書を補助金向けに整える
  59. 申請の支援を頼む場合の費用
  60. ほかの制度・無料の相談先
  61. よくある質問
  62. まとめ

「ホームページを作りたいが、費用の相場が分からない」「見積りが届いたものの、高いのか安いのか判断できない」と感じている方は多いと思います。検索すると金額の目安を載せた記事がいくつも出てきますが、書かれている金額は記事ごとに違い、どれを信じてよいか迷いやすいところです。

最初に書いておくと、ホームページ制作費の「相場」を、公的な統計や公式ページで確かめることはできませんでした。検索した範囲では、国や公的機関が制作費の平均額を調査して公表した資料は見つかりませんでした。そのため、制作会社に依頼したときの金額について、根拠を示せない「相場」を書くことはしません。

かわりに、金額を自分で判断するための材料をまとめました。相場の数字を読むときの確認点、費用の内訳と見積りの計算のしかた、費用が変わる要素、依頼先ごとの費用のかかり方、公開後の費用と総額の出し方、税や支払いの注意点、補助金の条件を順に解説します。作成サービスやレンタルサーバーなど、公式ページで確かめられた料金は載せています。計算の例に出てくる金額は仕組みを説明するための「仮の数字」で、相場ではありません。

料金や補助金の条件は、2026年10月時点で公式ページに載っている内容です。キャンペーンや条件は変わることがあるので、契約や申請の前に、必ず最新の公式情報を確認してください。

費用の相場が一つに決まらない理由

担当者が机に複数の見積書と資料を広げ、金額の違いを見比べてメモを書いている様子

「相場」という言葉は、ふつう「だいたいこのくらい」という一つの目安を指します。しかしホームページの制作費は、何を作るか、誰が作るか、公開後に何を任せるかによって、金額の前提そのものが違ってきます。ここでは、相場が一つに決まらない理由と、出てきた数字の読み方を整理します。

公的な統計は見つからなかった

ホームページ制作費の平均額を、国や公的機関が調べて公表した資料は、検索した範囲では見つかりませんでした(2026年10月時点)。補助金の公募要領や、国税庁・公正取引委員会の資料は、契約や税のルールを示していますが、確認した範囲では、制作費の金額の目安は載っていませんでした。

インターネット上には、制作会社や比較サイトが示す金額の目安があります。それらは、そのサイトが集めた見積りや、自社の料金表をもとにした数字で、調べた対象も条件も、サイトごとに違います。「ある制作会社が出した見積り」と「平均」は同じものではありません。数字の根拠がどこにあるのかを見ないと、自社の見積りと比べても判断できません。

同じ「ホームページ」でも、作るものが違う

ひと口にホームページといっても、目的によって中身は大きく違います。見積りの金額も、どのタイプを指しているのかで意味が変わります。

種類中身費用に響くところ
会社案内(名刺代わり)会社概要・事業内容・連絡先を数ページで伝えるページ数が少なく、ひな形で足りることも多い。主な作業は原稿と写真の用意
集客用事例・よくある質問・コラムなど、検索から来る人に向けた内容を増やしていくページが増え、文章づくりと更新の作業が続く
採用サイト仕事内容・社員紹介・募集要項・応募フォーム取材や撮影が入りやすい。応募を受け付ける仕組みも必要
通販(ECサイト)商品の掲載、カート、決済、在庫や配送の管理作業費に加えて、月額の利用料と決済手数料がかかる
予約・会員機能つき予約の受け付け、会員登録とログイン、マイページ仕組みの設計と確認の作業が大きい。外部サービスの利用料もかかる
業務システム(社内ツール)見積書の作成、顧客管理など、業務に合わせた仕組みホームページの制作とは別の考え方になる。システム開発として見積もる

表の上から下へ進むほど、確認することが増え、作業も増えるのがふつうです。「ホームページ制作の相場」と書かれた数字が、どのタイプを指しているのか分からないまま、自社の見積りと比べるのは避けてください。

相場の数字を見るときの確認項目

金額の目安を載せた記事や、知人から聞いた金額を参考にするときは、次の点を確かめると、比べられる数字かどうかが分かります。

確認すること理由
何ページ分の金額か5ページと30ページでは、作業量が大きく違う
ひな形か、オリジナルかデザインの作業量が大きく変わる
原稿・写真・ロゴを含むか含まれなければ、別に用意する費用か手間がかかる
初期費用だけか、公開後の費用も含むか月額や年額が別なら、数年間の総額が変わる
更新の仕組み(CMS)を含むか自社で更新できるかで、あとからかかる費用が変わる
誰が、いつ、どう集めた数字か制作会社の料金表か、調査か、広告かで、数字の意味が違う
調べた対象(会社の規模・件数)自社と近い条件かどうかが分からない数字は、判断の材料にしにくい

公式ページで確かめられる金額

制作を人に頼む費用とは別に、ホームページを動かすための道具の利用料は、各サービスの公式ページで確かめられます。2026年10月時点で確認できたものを表にまとめました。これらは道具の利用料で、制作の作業を人に頼む費用は含まれていません。

サービス公式ページの表示見るときの注意
STUDIO(ホームページ作成サービス)Freeは0円。Miniは月590円(年払い)・月1,290円(月払い)、Personalは月1,190円(年払い)・月1,720円(月払い)、Businessは月3,980円(年払い)・月5,460円(月払い)ページ数の上限は、Miniが「2ページ+404ページ」、Personalが150ページ、Businessが300ページ。税込か税抜かの記載は、確認したページに見当たらなかった
WordPress.com(ホームページ作成サービス)Freeは期限なしで0ドル(独自ドメインは使えず、広告が表示される)。Personalは月4ドル(年払い)、月払いなら月9ドル。Premiumは月8ドル(年払い)米ドル表示で、税抜。円での金額は為替で変わる
エックスサーバー(レンタルサーバー)スタンダードプランは初期費用0円。36か月契約で月990円、キャンペーン価格は月693円(2026年10月5日から11月4日まで)税込。料金は契約期間分の前払い
Shopify(ネットショップ)Basicは年払いで月3,650円、月払いで月4,850円。オンラインのカード決済の手数料は3.55%税込か税抜かの記載は、確認したページに見当たらなかった
Google Workspace(独自ドメインのメール)Business Starterは1ユーザーあたり月800円(税別)。新規向けの割引の表示がある使う人数に応じて増える

同じ内容でも、会社によって見積りが違う理由

条件をそろえて頼んでも、見積りの金額は会社ごとに違います。その差は、会社の体制や仕事の進め方の違いから生まれます。金額の差を見るときの観点を、表にまとめました。

観点金額に響く理由見積りで確かめること
体制企画・デザイン・構築・進行管理を別々の担当が行う会社では、役割ごとに作業量が計上される担当者と、役割の分担
得意分野業種や機能に慣れている会社は、作業が早い。一方で単価が高いこともある近い業種や規模の制作例(実際に開いて確認する)
制作の方法自社で作るのか、一部を外部に委託するのか、ひな形を使うのかで、作業量が変わる外部への委託の有無、使うツール
品質の確認表示の確認やテストの工程の厚みで、作業量が変わるどの確認を、誰が行うか
公開後のサポート問い合わせの対応、更新の代行、緊急の対応を含めると、金額が上がる対応できる時間、連絡手段
営業・事務の費用規模の大きい会社は、営業や管理の経費が、金額に反映されることがある見積書に載る項目と、その説明

金額が高い会社は、上のような項目が厚いことがあります。安い会社は、項目が薄いか、作業の効率が良いか、どちらかであることが多いでしょう。どちらなのかは、金額ではなく、見積書の内訳と、質問への答え方で判断します。

予算の上限は、目的から逆算する

相場の金額が分からなくても、予算の上限は決められます。「そのホームページで、いくらまでなら回収できるか」から逆算する方法です。ホームページが問い合わせや応募につながる場合は、次の式で、1年間に生まれる粗利の目安を出せます。

年間の粗利の目安 = 年間の問い合わせ数 × 成約率 × 1件あたりの粗利

仮の数字で計算してみます。年間の問い合わせが24件、成約率が25%、1件あたりの粗利が20万円とすると、24件 × 0.25 = 6件、6件 × 20万円 = 120万円です。3年間では360万円の粗利が見込める計算になり、3年分の総額がこの範囲に収まるかが、予算を考える1つの基準になります。

ただし、問い合わせの数や成約率は、公開前には予測しかできません。数字を高く見積もると、予算の上限も甘くなります。実績のない数字は、低めに置いて計算してください。

目的測りやすい数字測りにくい点
問い合わせを増やす問い合わせ数、見積りの依頼数、成約数紹介や電話など、ほかの経路との切り分け
求人の応募を増やす応募数、採用数、採用1人あたりの費用の変化求人媒体を併用している場合の効果
商品を販売する売上、注文数、客単価広告や店頭の効果との切り分け
会社の信用を補う(名刺代わり)取引先からの反応、商談の進めやすさ数字にしにくい。かける費用の上限を先に決めておく

名刺代わりの目的では、回収の計算より先に、「ここまでなら出してよい」という上限を決めてしまうのが現実的です。上限が決まれば、その範囲に収まるページ数と機能を、見積りを頼む会社と一緒に考えられます。

「相場」を探すより、自社の条件で見積りを取る

他社の金額の目安より、自社の条件(目的・ページ構成・原稿と写真の担当・機能・公開後の運用)を書き出して、2〜3社に同じ条件で見積りを頼むほうが、判断の役に立ちます。この記事の後半では、出てきた見積りの読み方を説明します。

費用の内訳・見積りの計算方法

担当者が見積書の項目に電卓を当て、作業量と単価を確認している様子

見積りの金額が高いか安いかは、金額そのものではなく、何を、どれだけの作業量で、いくらの単価で計算しているかで決まります。この章では、費用の分け方と、金額の出し方の種類、読み方を説明します。

費用は3つに分けて考える

ホームページの費用は、「最初にかかるもの」「公開後も続くもの」「金額に出ない社内の時間」の3つに分けると、見落としが減ります。

区分中身見積書に載るか
初期費用企画・設計、デザイン、ページの作成、機能の設定、公開作業。原稿作成や撮影を頼む場合はその費用載る
継続費用ドメインとサーバー(または作成サービス)の利用料、保守・更新の代行、有料の機能載る場合と、載らない場合がある
社内の時間原稿づくり、写真の準備、確認、公開後の更新載らない。見積りの比較から抜けやすい

初期費用だけを比べると、公開後の費用の差を見落とします。数年間使う前提で、3つをあわせて考えます。総額の出し方は、「公開後の費用・総額の出し方」の章で説明します。

見積書に出てくる言葉

見積書や提案書には、聞き慣れない言葉が並びます。意味が分からないまま進めると、金額の中身も判断できません。よく出てくる言葉と、見るときの観点を整理しました。

言葉意味見るときの観点
一式複数の作業を、1行にまとめた書き方内訳を説明してもらえるか
人日・人月1人が1日(1か月)働いた作業量。「3人日」は、1人で3日分作業量の根拠と、1人日の単価
ディレクション進行管理、連絡の窓口、品質の確認何を含み、誰が担当するのか
コーディングデザインを、Webで表示できる形に作る作業ページ数、スマホ表示への対応
CMS管理画面から、文章や画像を更新できる仕組み導入の費用、更新を行う人
要件定義作るものの条件を整理する作業(システム開発で使われることが多い)ホームページでは、企画・設計に近い。何を決める作業か
検収納品されたものが約束どおりかを確認して、受け取る手続き確認の期間、不具合があったときの扱い
保守公開後の更新、バックアップ、障害への対応含まれる作業と、回数の上限
運用公開後の更新や、内容の改善を続けること誰が行い、費用はどこにかかるか
独自ドメイン自社専用のWebの住所(example.jpなど)名義、更新費、メールとの関係

聞いても意味が分からない言葉があれば、その場で質問してください。専門用語を、分かる言葉で説明してもらえるかどうかも、依頼先を選ぶ手がかりになります。

金額の出し方は、おもに5種類

見積りの金額は、会社やサービスによって、次のいずれか(または組み合わせ)で計算されています。どの方式かが分かると、見積書のどこを見ればよいかが決まります。

方式計算のしかた向く場面確認すること
工数の積み上げ作業ごとの作業量(人日)に単価をかけて合計する内容が個別で、要望に合わせて作る場合人日の根拠、1人日の単価、含まれない作業
パッケージ定額ページ数や機能を決めたプランを、決まった金額で提供する内容が標準的で、早く小さく始めたい場合範囲外の作業の単価、修正の回数
ページ単価1ページあたりの金額に、ページ数をかけるページ数が明確な場合トップページや特別なページの扱い、基本料金の有無
月額制初期費用を抑え、毎月の利用料で運用までまかなう最初の負担を小さくしたい場合契約期間、解約したときのデータの扱い
成果に応じた課金問い合わせ数や売上などに応じて料金が決まる広告の運用など、成果を数えられる場合成果の数え方、上限の有無。補助金では対象外になる経費もある

「人日」は、1人が1日働いた作業量を表す単位です。「3人日」なら、1人で3日分、または3人で1日分の作業という意味になります。単価は会社や担当者によって違うため、同じ人日でも金額は変わります。

工数の積み上げの計算例(仮の数字)

5ページの会社案内(トップ・事業内容・会社概要・実績・お問い合わせ)を、工数型で見積もる例です。1人日の単価を仮に3万円として計算します。

作業作業量金額(仮)
企画・構成(ページの設計、各ページの内容の整理)1人日3万円
デザイン(トップと下層ページの共通デザイン)3人日9万円
ページ作成(5ページ・スマホ表示に対応)3人日9万円
お問い合わせフォームの設定0.5人日1.5万円
お知らせの更新機能(CMS)1人日3万円
公開作業・表示の確認0.5人日1.5万円
進行管理(連絡・日程の調整)1人日3万円
合計10人日30万円

この表は、計算の仕組みを説明するための仮の数字で、相場ではありません。実際には、単価も作業量も、会社・担当者・内容によって大きく変わります。見てほしいのは、金額が「作業の積み上げ」でできていて、どの作業にどれだけの量を見込んでいるかが、見積書から読み取れるという点です。

1つの選択で、金額がどう動くか(仮の数字)

同じ仮の数字を使って、条件を1つ変えたときの動きを見てみます。どこに作業が増えるのかを理解すると、見積りの金額の差を読み解きやすくなります。

変えること作業量の動き(仮)金額の動き(仮)
デザインを、ひな形の利用にするデザイン 3人日 → 1人日6万円減る
ページを5ページから10ページに増やす企画 0.5人日増、ページ作成 2人日増7.5万円増える
お知らせの更新機能を外すCMS 1人日減3万円減る(更新は、そのつど依頼する費用がかかる)
予約の機能を加える設計と設定で4人日増12万円増える(外部サービスの月額は別)

金額が動くのは、「作業が増える」「作業が減る」ときです。ページ数・デザインの作り方・機能の3つが、動かしやすい要素になります。それぞれの中身は、次の「費用が変わる要素」の章で説明します。

見積書の読み方

見積書を受け取ったら、金額を見る前に、次の点が書かれているかを確かめます。書かれていなければ、質問して、書面かメールで答えをもらってください。

  • 項目の名前と、何を含むのか(ページ数、機能、スマホ表示への対応など)
  • 数量と単価(人日や、ページ数など)。パッケージなら、含まれる範囲
  • 含まれない作業と、そのときの単価(修正の追加、ページの追加など)
  • 修正の回数と、1回の範囲
  • 公開後の費用(保守・更新・サーバー・ドメイン)が含まれるか、別か
  • 見積りの有効期限と、支払いの条件

「制作費一式」と書かれていても、内訳を聞いて答えてもらえるなら問題ありません。確かめたいのは、内訳を説明できるかどうかです。説明を求めても曖昧な答えしか返ってこない場合は、金額の根拠が弱いと考えて、他社の見積りと比べ直します。

「諸経費」「ディレクション費」の中身を聞く

「諸経費」や「ディレクション費(進行管理の費用)」という項目は、何に対する費用なのかが見えにくいところです。何を指しているか、省くとどの作業がなくなるかを聞いてください。納得できる説明があれば、必要な費用です。説明がない場合は、内訳を出してもらうよう頼みましょう。

パッケージ型の見積書の読み方(仮の数字)

パッケージ型は、金額が分かりやすい反面、何が含まれるのかが1行にまとめられています。仮の見積書で、確認する点を見てみます。

見積書の記載(仮)金額(仮)確認すること
5ページプラン(スマホ対応・修正2回まで)25万円5ページが何のページか、修正の「1回」の範囲、3回目以降の単価
写真撮影(半日)3万円撮影の点数、出張や移動の費用、写真のデータの使用範囲
ドメイン・サーバーの初期設定1万円名義が誰か、ログイン情報の引き渡し
月額保守月5,000円含まれる作業、修正の回数、最低の契約期間
初期費用の合計29万円税込か税抜か、ほかに別料金の項目がないか

この見積りを3年分で見ると、初期費用29万円に、月額保守の5,000円 × 36か月(18万円)を足して、47万円になります。ドメインとサーバーの更新費は、別にかかります。初期費用の29万円だけを見るより、3年間の総額の見え方は大きく変わります。

見積書を受け取ってからの進め方

見積書が届いたら、金額の高低を見る前に、次の順で整理すると、比べるための材料がそろいます。

  1. 前提を確かめる見積書に書かれた条件(ページ数、機能、原稿・写真の担当、納期)が、自社の依頼メモと合っているかを見ます。
  2. 項目を3つに分ける初期費用、継続費用、別料金になる可能性があるものに分けて、書き出します。
  3. 3年分の総額を出す前に紹介した式を使い、各社を同じ年数で並べます。
  4. 質問をまとめて送る不明な点を、メールなど文字で、一度にまとめて伝えます。
  5. 回答をもとに、条件をそろえて比べ直す回答で範囲や金額が変わった場合は、見積書も直してもらいます。
  6. 範囲か金額を調整する予算に合わなければ、ページや機能を減らす、公開後に足す、といった方向で相談します。

見積りの前提が変わると、金額も変わる

見積書には、金額が成り立つ前提があります。前提が変わると、見積りの金額も変わります。次のような場面で、追加の費用や期間の延長が出やすくなります。

  • ページ数が、途中で増える
  • 原稿や写真が、決めた期日までに届かない(作業が止まったり、やり直しになったりする)
  • デザインが決まったあとで、構成を変える
  • 確認する人が増えて、修正の意見が何度も入る
  • 公開日を早めたい(作業の順番を入れ替える必要がある)

見積書に「前提条件」の欄があるか、前提が変わったときの扱い(追加の見積りが必要か、単価はいくらか)が書かれているかも、見ておきましょう。

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費用が変わる要素

担当者が付箋にページ構成と必要な機能を書き出し、一覧と見比べている様子

前の章で見たように、費用は作業量の積み上げで決まります。この章では、作業量を動かす要素を順に見ていきます。依頼する側が自分で決められる要素が多いので、見積りを頼む前に決めておくと、金額が安定し、会社ごとの見積りも比べやすくなります。

ページ数・構成

費用への影響が分かりやすいのは、ページの数です。ただし、数だけでなく、ページの「型」がいくつあるかでも作業量は変わります。

構成の決め方作業の増え方抑え方
ページの種類が増える(事業内容・料金・事例・よくある質問など)種類ごとに、設計・デザイン・確認が必要になる最初は必要なページに絞り、公開後に足す
同じ型のページが増える(事例10件、商品20点など)型を作ったあとは、入力の作業が中心になる型を1つ決め、入力は自社で行う
個別に設計するページが増える(独自のレイアウト)1ページごとに、デザインの作業が必要になる共通のレイアウトに寄せる

見積書に「20ページ」と書かれていても、同じ型のページが15ページなのか、すべて個別に設計するのかで、作業量は大きく違います。ページ数を聞かれたら、型の数もあわせて伝えると、見積りの精度が上がります。

デザインの作り方

デザインの作業量は、ひな形(テンプレート)を使うか、オリジナルで設計するかで大きく変わります。

方式中身費用の出方向く場合
ひな形をそのまま使う用意された型に、文字と写真を入れる作業が少ない見た目の自由度より、早さと費用を優先する
ひな形を調整する色・文字・配置を、自社に合わせて整える中間型で足りるが、会社の印象は合わせたい
オリジナルで設計する目的に合わせて、構成から設計する作業量が大きい見せ方や世界観を重視する、他社との違いを出したい

オリジナルのデザインが、いつも良いわけではありません。取引先や求職者が会社の概要を確認する目的なら、ひな形を整えたデザインで十分なことも多くあります。目的に対して、どこまでの作り込みが必要かで選びます。

機能

機能は、「作業費」「月額の利用料」「手数料」のどれで費用がかかるのかを分けて考えると整理できます。

機能費用の出方確認すること
お問い合わせフォーム設定の作業費。作成サービスでは、機能に含まれていることが多い通知先、迷惑メールの対策、保存できる件数(STUDIOでは、閲覧できる回答数の上限がプランごとに決まっている)
お知らせ・ブログの更新機能(CMS)管理画面を用意する作業費。WordPressなどでは導入の作業費誰が更新するか、記事数の上限(STUDIOでは、CMSの公開アイテム数の上限がプランごとに決まっている)
予約作業費に加えて、外部サービスの月額予約の確定のしかた、キャンセルの扱い、手数料
通販(決済)作業費、月額の利用料、決済の手数料手数料率と、プランごとの差。商品登録を誰が行うか
会員登録・ログイン設計と確認の作業が大きい個人情報の管理のしかた、退会のときの扱い
多言語言語の数だけページが増える。翻訳の確認が必要翻訳を誰が確認するか、更新のときの手間
検索の設定・アクセス解析初期設定の作業費。ツール自体は無料のものがある(Search Consoleは無料)どこまで設定してもらえるか、結果を誰が見るか

機能を増やすほど、作業費だけでなく、公開後の月額や手数料が積み上がります。たとえばShopifyのBasicプランは、年払いで月3,650円に加えて、オンラインのカード決済ごとに手数料がかかります。最初から全部の機能を入れず、必要になってから足すという進め方も選べます。

目的別に、費用がかかる場所

同じ作業量でも、目的によって、お金と時間をかける場所は違います。目的から逆算して、かける場所を決めると、無駄が減ります。

目的費用がかかりやすい場所抑えやすい場所
取引先や求職者に、会社を確かめてもらう原稿づくり、会社の写真ページ数、機能
検索から問い合わせを増やす文章づくり(事例・質問への回答)、公開後の更新と改善デザインの作り込み
人材を採用する取材・撮影、応募の受け付け、募集情報の更新機能(応募フォームだけで始める)
商品を販売する商品の登録、決済と配送の設定、月額と手数料デザイン(ひな形を活用する)
予約・来店を増やす予約の仕組み、地図や口コミとの連携凝ったデザイン、ページ数

「問い合わせを増やしたい」が目的なら、制作費の高さより、お客様の知りたいことに答える内容と、公開後の改善が結果に響きます。検索で見つけてもらう視点は、「ホームページ制作のSEO対策」の記事で整理しています。

原稿・写真・ロゴ

ホームページの中身(文章と写真)は、見た目を作る作業とは別の仕事です。見積書に含まれていない場合は、依頼する側が用意することになります。

作業自社で用意する場合頼む場合に見積りで確認すること
原稿(文章)事業内容を箇条書きにして、文章に整える時間がかかる取材の回数、ページや文字数の単位、修正の回数
写真スマホでも撮れる。明るい時間に、背景を片づけて撮る撮影の時間の単位、出張や移動の費用、データの使用範囲
ロゴ・イラストすでにあるものを使う案の数、修正の回数、著作権の扱い
素材の購入(写真・イラスト)有料の素材は、利用条件(商用利用の可否、期間)を確認する素材の利用条件と、契約を終えたあとに使えるか

原稿と写真を自社で用意すれば、見積りの金額は抑えられます。ただし、社内の時間は金額に出ないだけで、費用です。書く時間が取れない場合は、全文を頼むのではなく、書いた文章を整えてもらう(校正・編集)だけを頼む方法もあります。

動画を載せる場合

動画をホームページに載せる場合は、動画そのものの制作費と、載せるための費用を分けて考えます。

  • 制作費:撮影、編集、字幕やナレーションの作業。時間の単位で見積もられることが多い
  • 公開先:自社のサーバーに置くのか、動画の配信サービスに置いてホームページに埋め込むのか。配信サービスには、それぞれの利用規約と料金がある
  • 公開後:内容が古くなったときの差し替えの費用、権利(出演者、音楽、素材)の確認

動画は、写真より、制作と更新の作業が増えます。最初の公開では写真で始め、必要な内容だけを動画にする、という進め方もあります。

記事・事例を増やす場合

集客を目的にするホームページでは、事例やコラムなどの記事を増やしていくことが多くなります。記事の費用は、「1本あたりの作業」に「本数」をかけて考えます。

作業自社で行う場合外部に頼む場合AIを使う場合の注意
題材の決定お客様からよく聞かれることを書き出すキーワードの調査や構成案を頼む題材の選び方は、自社の事情を知る人が決める
取材・情報の整理担当者に聞き取り、写真や資料を集める取材の回数と移動の費用を確認するAIは、自社の事実を知らない。事実は自分で渡す
執筆書く時間がかかる文字数や本数あたりの単価を確認する下書きに使える。数字・固有名詞は必ず確認する
確認・修正社内の確認者が読む修正の回数を確認する表現の統一と、誤りの確認が必要
入力・公開管理画面から入力する入力の代行費を確認する―

たとえば、月に2本、1本あたり3時間かけるなら、年に72時間(2本 × 3時間 × 12か月)の作業です。これを自社で行うのか、外部に頼むのか、頼むなら1本あたりいくらかを、あらかじめ見積もっておくと、公開後の費用を見通せます。

スマホ表示・表示の速さ・安全面

見積書に書かれていなくても、公開後に困りやすい項目があります。作業として含まれているかを、確認しておきます。

項目内容確認すること
スマホ表示への対応パソコンとスマホの両方で、見やすく表示する実際のスマホで確認できるか。対応する画面の範囲
通信の暗号化(HTTPS)アドレスが「https」で始まるように設定する証明書の費用、更新が自動か
表示の速さ画像の大きさや読み込みの仕組みを調整する画像の調整が作業に入っているか
バックアップ不具合のときに元に戻すため、データを保存する頻度、保管の期間、元に戻す作業の費用
管理画面の安全対策ログイン情報の管理、権限の設定管理者の人数、パスワードの扱い
迷惑な送信への対策お問い合わせフォームへの迷惑な送信を減らす通知先、動作の確認が作業に入っているか

作成サービスでは、これらの一部をサービス側が用意しています。WordPressなどを自社のサーバーで動かす場合は、自社か、保守を頼む会社が対応することになります。

既存のホームページがある場合

作り直し(リニューアル)には、新しく作る場合にはない作業が加わります。見積りのときに、次の作業が入っているかを確認してください。

作業中身見積りで確認すること
現状の整理今あるページを洗い出し、残す・減らす・まとめるページを決める洗い出しの範囲、報告の形
内容の移行文章や画像を、新しいホームページに移すページ数、手作業か自動か
URLの対応づけと転送旧URLから新URLへ転送する設定をする一覧の作成が含まれるか、転送を維持する期間
公開後の検索状況の確認公開のあと、検索での表示に問題がないかを見る確認する期間と回数
ドメイン・メールの設定同じドメインを使う場合、メールが止まらないようにするメールの切り替えの手順と日程

URLが変わる作り直しで、検索での表示を落とさないための考え方は、「ホームページ制作のSEO対策」の記事でも整理しています。

納期・修正・関係者の数

公開までの期間が短いと、作業の順番を入れ替える必要があり、金額が上がる場合があります。また、確認する人が増えるほど、修正の意見が重なり、やり直しが増えます。

  • 確認の窓口を、社内で1人に決める
  • 意見は、まとめてから1回で伝える
  • デザインが決まったあとの構成変更は、避ける
  • 原稿・写真の提出期限を、あらかじめ決めて守る

依頼の前に決めておくと、金額が安定すること

目的、作るページの一覧、原稿と写真の担当、必要な機能、公開したい日、予算の上限の6つです。これらが決まっているほど、会社による見積りの差が小さくなり、金額の差の理由も読み取りやすくなります。

依頼先別の費用のかかり方

机に依頼先の種類ごとのカードを並べ、費用の出方を比べている担当者

誰に頼むかで、見積りの形と、費用のかかり方が変わります。ここでは、金額の高低ではなく、費用がどのように出てくるかを整理します。金額の目安は、根拠を示せないため書きません。

依頼先費用の出方見積りの形向く場合確認すること
作成サービスを自分で使う月額または年額の利用料。作業は自社の時間サービスの料金プランページ数が少なく、自社で更新できるプランの上限、独自ドメインの可否、広告の表示
作成サービス+設定の代行利用料に、代行の作業費が加わるサービス料金と代行費が別々最初の設定だけ任せたい不具合の問い合わせ先(サービス提供元と代行は別)
フリーランス作業費(工数または一式)と、公開後の保守個人との直接の見積り担当者と直接やり取りしながら進めたい連絡が取れない時期の対応、引き継ぎ、条件の書面化
小規模な制作会社工数の積み上げ、またはパッケージ見積書・提案書企画から運用まで、まとめて任せたい担当者、進行管理、保守の範囲
中規模以上の制作会社・広告代理店工数に加えて、企画・進行管理・品質管理の費用が見えることが多い項目の多い見積書・提案書関係者が多い、仕様が大きい、複数の媒体を扱う体制と担当者、一部を外部に再委託するか
自社で作る(レンタルサーバー+WordPressなど)サーバーとドメインの代金、有料の機能。作業は自社の時間各サービスの料金社内に詳しい人がいる更新・バックアップ・セキュリティの担当

どの依頼先が「安い」「高い」かは、一概には言えません。同じ内容でも、範囲をどう区切るか、公開後を含めるかで、見積りの金額は変わります。

同じ依頼でも、見積りの形が違う

5ページの会社案内を、3つのタイプの会社に頼んだとします。金額は書きませんが、見積書の形は、次のように違います。

タイプ見積書の書き方の例比べるときの手がかり
パッケージ型の会社「5ページ・スマホ対応・修正2回まで」で、1行のプラン料金範囲外の作業の単価、含まれない作業
工数型の会社企画・デザイン・ページ作成・設定など、作業ごとに人日と金額人日の根拠、1人日の単価
月額型のサービス初期費用は低く、毎月の利用料と契約期間が記載される契約期間の総額、解約したときのデータの扱い

形が違うため、金額だけでは比べられません。「3年分の総額」と「含まれる範囲」の2つにそろえてから、比べてください。総額の出し方は、次の章で説明します。

フリーランス・制作会社の費用の出方

個人のフリーランスと、制作会社のどちらに頼むかで迷う場合は、金額の高低より、費用の出方と、あとから起きやすいことの違いを見ると判断しやすくなります。

観点フリーランス制作会社
見積りの形工数または一式。作業を絞って調整しやすい項目の多い見積書や提案書になることが多い
担当者依頼から納品まで、同じ人とやり取りすることが多い企画・デザイン・構築・進行管理で、担当が分かれることがある
公開後の対応その人の稼働状況に左右される。引き継ぎの方法を決めておく体制で対応するため、担当が替わっても継続しやすい
契約・書類書面が簡単になりやすい。取引の条件は文字で残す契約書や発注書の形式が整っていることが多い
費用で確認すること追加の作業の単価、保守の範囲、支払いの時期各項目の内訳、再委託の有無、保守の範囲

どちらが向くかは、案件の大きさと、公開後に何を任せたいかで決まります。小さな案件を、担当者と相談しながら進めたいならフリーランス、複数の担当が関わる大きな案件や、公開後の継続的な対応を任せたいなら制作会社が、検討の出発点になります。

分けて頼む方法

全部を一つの会社に任せる方法のほかに、作業を分けて頼む方法もあります。たとえば、「構成だけ相談する」「トップページのデザインだけ頼む」「写真の撮影だけ頼む」「公開の設定だけ頼む」といった形です。

  • 良い点:自社でできる部分を引き受けるぶん、費用を絞れる
  • 気をつける点:担当が分かれると、間の調整は自社で行うことになる
  • 気をつける点:不具合が出たときに、どこが直すのかを先に決めておく必要がある

分けて頼むときは、見積りの段階で「どこまでが作業範囲か」「範囲の外はどうなるか」を書面で確認します。

AIを使って自分で作る場合

AIを使って、文章やページのデータを作る方法もあります。制作会社に頼む費用は抑えられますが、費用がゼロになるわけではありません。

費用内容注意
AIの利用料Claudeの場合、Proは月20ドル(月払い)。年払いでは月17ドル相当(200ドルを前払い)。いずれも税別の表示で、Claude Codeを含む無料プランにはClaude Codeが含まれない。円での金額は為替で変わる
公開先・ドメイン公開先サービスの利用料、ドメイン代無料の公開先には、商用での利用に制限があるものがある
確認の時間文章・数字・表示の確認と修正会社名・住所・料金などの事実は、必ず自分で確かめる
保守公開後の修正、ソフトの更新作った人が替わると、引き継げなくなることがある

公開先の規約には、特に注意してください。Vercelの無料のHobbyプランは、非商用の個人利用のみに制限されていると、公式ドキュメントに書かれています。GitHub Pagesも、オンラインビジネスやEコマースなどを行う無料のホスティングとして使うことは、想定されておらず、許可もされていないと案内されています。会社のホームページを置くなら、商用で使える公開先やプランを選び、公式の規約で確かめてください。作り方の手順は、「ホームページ制作を自分でする方法」の記事で詳しく解説しています。

費用の面で、頼み先に聞いておくこと

見積書の内容を理解するために、次の質問をしておくと、公開後の費用まで見通しやすくなります。

質問聞く理由
ページを1枚足すと、いくらになりますか公開後の追加の単価を知るため
修正の回数を超えたら、1回いくらですか追加費用の見通しを立てるため
見積書に含まれていない作業は何ですか別料金になる作業を、先に知るため
保守を解約したら、ホームページとデータはどうなりますか継続費用を見直せるかを確かめるため
見積りの有効期限はいつまでですか検討する時間を確保するため
支払いは、いつ、いくらですか資金計画に入れるため

納品のときに受け取るもの

費用を抑えるために、公開後の保守を自社で引き受けたり、将来別の会社に引き継いだりする場合は、納品のときに受け取るものが重要になります。受け取れないと、あとから別料金になったり、作り直しになったりします。

受け取るもの必要な理由受け取れないと起きること
管理画面のログイン情報(管理者の権限)自社で更新・設定を行うため更新のたびに、依頼の費用と時間がかかる
ドメイン・サーバーの契約情報(名義・更新日・連絡先)更新の管理と、移転のため更新を忘れて失効する。別の会社へ移せない
文章・画像・ロゴのデータ再利用と、作り直しのため素材が手元になく、作り直しの費用が増える
サイトマップなど、設計の資料他社が内容を把握するため引き継ぎのときに、構成を一から整理することになる
使用した素材の利用条件(写真・フォントなど)契約を終えたあとも使えるかを知るため権利の問題で、修正や引き継ぎができない
保守の対応範囲と、連絡先不具合のときに、すぐ連絡するため誰に頼めばよいか分からず、対応が遅れる

これらは、見積りの段階で「納品物に含まれるもの」として書いてもらうと確実です。納品のときの確認の流れは、「ホームページ制作を格安で済ませる方法」の記事にも載せています。

あわせて読みたいホームページ制作会社の選び方|比べる8つのポイントと契約前の確認事項ホームページ制作会社の選び方を、依頼前に決めること、依頼先の種類と向き不向き、比べる8つのポイント、見積もり・提案書の見方、契約前に確認したい著作権・ドメイン・保守の条件、依頼から公開までの流れ、よくある失敗の順に解説します。初めて制作会社を選ぶ中小企業の担当者向けです。

公開後の費用・総額の出し方

担当者がカレンダーと電卓を使い、3年分の費用を表に書き込んでいる様子

ホームページは、公開したあとも費用がかかり続けます。初期費用が小さくても、年数がたつにつれて、公開後の費用が総額の大きな割合を占めるようになります。この章では、公開後にかかる費用と、数年間の総額の出し方を説明します。

公開後にかかる費用の種類

契約が決まったら、公開後に続く費用を一覧にしておくと、更新日に慌てずに済みます。公式ページで金額を確かめられたものは、例として載せています。

費用かかる時期公式ページで確かめられた例(2026年10月時点)確認すること
ドメインの更新費毎年(または契約期間ごと)Xserverドメインのページでは、取得料金と更新料金が別々に表示されている。取得が0円のキャンペーンでも、更新時の料金は別に確認が必要更新料、自動更新の設定、名義
サーバー・作成サービスの利用料毎月、または契約期間ごとのまとめ払いエックスサーバー スタンダード36か月契約で月990円。STUDIO Personalは年払いで月1,190円更新後の金額、キャンペーン価格の期間
独自ドメインのメール毎月Google Workspace Business Starterは1ユーザーあたり月800円(税別)使うユーザー数、割引が終わったあとの金額
保守・更新の代行毎月会社によって異なる含まれる作業、修正の回数
有料の機能・プラグイン毎年、または毎月サービスごとに異なる使っていないものを解約できているか
決済の手数料売上のたびShopify Basicのカード決済は3.55%手数料率、プランごとの差
広告費出した分制作費とは別に必要月の予算の上限
社内の更新作業毎月金額には出ない担当者、担当が替わったときの引き継ぎ

3年分の総額の出し方

数年間の総額は、次の式で求めます。契約期間が決まっているものは、月額に月数をかけて合計します。

総額 = 初期費用 + 継続費用(月額 × 月数、年額 × 年数)+ 別料金の作業 + 社内の時間

公式ページの料金を使った計算と、制作会社に頼む場合の仮の数字を並べて、3年と5年の総額を出してみます。

方法計算3年5年
A:STUDIO Personalを自分で使う月1,190円(年払い)× 36か月、60か月42,840円71,400円
B:レンタルサーバーで自分で作るエックスサーバー スタンダード 月990円(36か月契約・通常料金)× 36か月、60か月35,640円59,400円
C:制作会社に頼む(仮の数字)初期費用30万円 + サーバー・ドメイン年1.5万円 + 保守 月1万円70.5万円97.5万円
D:月額型のサービス(仮の数字)初期費用0円 + 月1.5万円(サーバー・保守を含む)54万円90万円

AとBは、料金が同じまま続いた場合の単純な計算です。ドメイン代、有料のテーマや機能、写真の素材、税の扱いの違いは含んでいません。CとDは、計算の仕組みを説明するための仮の数字です。

表から、次の2つが読み取れます。

  • 初期費用が0円のDは、3年で見るとCより低く、5年で見ても低いままです。ただし、解約したときにデータを引き継げるかで、意味が変わります
  • Cでは、継続費用が総額に占める割合は、3年で約6割、5年で約7割です。年数が延びるほど、初期費用より継続費用の比重が大きくなります

A〜Dを、金額だけで比べない

AとBは、制作や更新、保守の作業を自社で行う前提で、社内の時間や手間が金額に入っていません。CとDは、作業を任せるぶんの費用が入っています。金額が低い方法が、そのまま得とは限りません。「誰が作業を行うのか」「更新と保守は誰が担当するのか」をそろえて比べてください。

契約期間が長いほど、総額はどうなるか

レンタルサーバーや作成サービスは、契約期間が長いほど、月額が安くなる仕組みが多く見られます。ただし、支払う総額は、期間が長いほど大きくなります。公式ページで確かめられた料金で計算します。

サービス・契約期間月額の表示契約期間の支払総額(月額 × 月数)
エックスサーバー スタンダード 3か月(税込)1,320円3,960円
エックスサーバー スタンダード 12か月(税込)1,100円(キャンペーン中は990円)13,200円(キャンペーン中は11,880円)
エックスサーバー スタンダード 24か月(税込)1,045円(キャンペーン中は836円)25,080円(キャンペーン中は20,064円)
エックスサーバー スタンダード 36か月(税込)990円(キャンペーン中は693円)35,640円(キャンペーン中は24,948円)
WordPress.com Personal 月払い(税抜)9ドル12か月で108ドル
WordPress.com Personal 年払い(税抜)月4ドル相当12か月で48ドル
WordPress.com Personal 3年払い(税抜)月2.75ドル相当36か月で99ドル
STUDIO Personal 月払い1,720円12か月で20,640円
STUDIO Personal 年払い月1,190円相当12か月で14,280円

表のとおり、同じサービスでも、支払い方によって12か月分の金額に差が出ます。たとえばSTUDIO Personalは、年払いにすると、月払いより12か月で6,360円安くなります。一方で、長い契約は、一度に払う金額が大きくなります。続ける見通しが立っているなら長めの契約が有利ですが、使うかどうか分からないうちは、短い契約から始めるほうが安全です。途中でやめたときの返金の扱いは、各サービスの規約で確認してください。キャンペーン価格は期間限定で、更新のときは通常料金になることがあります。

想定ケースで見る総額(仮の数字)

ここまでの考え方を使って、3つの想定ケースで3年分の総額を計算してみます。金額はすべて仮の数字で、実際の見積りや相場を示すものではありません。

ケース初期費用(仮)継続費用(仮)3年の総額(仮)お金をかける場所
小さく始める会社案内(作成サービスを自分で使い、写真の撮影だけ依頼する)3万円(写真撮影)年17,280円(作成サービス年14,280円+ドメイン年3,000円)81,840円写真と原稿の用意。デザインは既存の型を使う
集客用で、更新を続ける(制作会社に頼み、保守も契約する)60万円年25.5万円(サーバー・ドメイン年1.5万円+保守月2万円)136.5万円文章づくり、公開後の更新と改善
採用サイト(取材・撮影を行う)40万円年13.5万円(サーバー・ドメイン年1.5万円+保守月1万円)80.5万円取材と撮影、募集情報の更新

2つ目のケースでは、3年の総額136.5万円のうち、継続費用が76.5万円で、約56%を占めます。更新を続けるホームページは、初期費用より、公開後に何をどこまで任せるかで総額が決まります。

3つ目のケースのように、採用の募集の時期だけ更新するのであれば、保守の範囲を絞ることで、継続費用を抑えられます。ケースごとに、お金をかける場所が違うことが分かります。

継続費用を見直すチェック

契約したあとも、年に1回は、継続費用の中身を見直しましょう。使っていない契約が残ったままだと、気づかないうちに費用が積み上がります。

見直す項目確かめること
ドメイン使っていないドメインの更新が、自動で続いていないか
サーバー・作成サービスページ数や機能が、今のプランに合っているか。より小さなプランで足りないか
保守の契約含まれる作業のうち、実際に使っているのはどれか。使っていない回数枠はないか
有料の機能・プラグイン今も使っているか。使っていないものを解約できているか
メールのアカウント退職した人のアカウントが、残っていないか
広告費問い合わせや応募につながっているか。予算の上限は守られているか

更新日を一覧にする(例)

公開後の契約には、それぞれ更新日があります。更新を忘れると、ホームページが表示されなくなったり、メールが止まったりします。契約ごとの更新日を、1つの表にまとめておくと、見落としを防げます。

契約更新の時期支払い方法通知の届き先担当
ドメイン毎年○月会社のクレジットカード共有のメールアドレス総務担当
レンタルサーバー(または作成サービス)契約期間の終了日(○年○月)会社のクレジットカード共有のメールアドレス総務担当
独自ドメインのメール毎月会社のクレジットカード共有のメールアドレス総務担当
保守の契約毎月、契約期間の終了日(○月)請求書で振込担当者のメールアドレスホームページ担当

支払いに使うクレジットカードの有効期限が切れると、更新に失敗することがあります。カードの有効期限も、一覧に書いておきましょう。

予算に余裕枠を持つ

見積書の金額を、そのまま予算の上限にすると、公開後の追加の修正や、思いついたページの追加に対応できません。追加の作業の単価 × 見込む回数で、余裕枠を計算しておきましょう。

たとえば(仮の数字)、修正の追加が1回2万円で2回、ページの追加が1ページ3万円で1ページなら、2万円 × 2回 + 3万円 × 1ページ = 7万円です。余裕枠の割合について、公的な決まりや目安はありません。追加の単価を見積書で確かめたうえで、自社で見込む回数をかけて決めます。

余裕枠を使わなかった場合は、公開後の更新や改善に回せます。余裕のない予算で進めると、足りなくなったときに、必要な作業を削ることになりやすくなります。

保守に含まれる作業を確かめる

「保守」という言葉の範囲は、会社によってかなり違います。月額の保守費を払う前に、次の5点を確認します。

  • バックアップの頻度と、保管の期間
  • ソフトウェア(WordPressなど)の更新作業を含むか
  • 文章や画像の軽微な修正が、月に何回まで含まれるか
  • 表示がおかしくなったときの連絡先と、対応できる時間
  • 解約したときの、データの引き渡し

保守の内容は、ホームページの作り方によっても変わります。作成サービスなら、機能の更新はサービス側が行います。WordPressなどを自社のサーバーで動かす場合は、更新とバックアップの担当を決める必要があります。

更新を自社で行う場合の社内の時間

更新を自社で行うと、制作会社への依頼費用はかかりませんが、担当者の時間を使います。たとえば、毎月4時間をお知らせの更新と確認に使うとすると、1年で48時間、3年で144時間です。この時間を他の仕事に使えたはずだと考えると、更新の代行を頼む費用と、自社でかける時間のどちらが合うかを比べられます。

更新が止まると、営業時間や料金、担当者などの情報が古いまま残ります。古い情報は、問い合わせの前に不信感を持たれる原因になります。更新の担当者と、見直す頻度を、契約と同時に決めておきましょう。

作り直しの時期・費用

ホームページを何年で作り直すべきかについて、公的な決まりや統計は見当たりません。年数ではなく、次のような観点で判断します。

観点見直しを考える目安
目的会社の状況が変わり、載せたい内容と構成が合わなくなった
更新自社で更新できず、そのたびに費用と時間がかかる
表示スマホで見にくい、表示が崩れる、表示が遅い
契約・ソフト利用しているサービスやソフトの提供が終わる、更新できなくなる
費用運用費が、ホームページの役割に見合わなくなった

作り直しでURL(ページの住所)が変わる場合は、旧URLから新URLへ、サーバー側の永続的な転送(301や308のリダイレクト)を設定することが、Googleの公式ドキュメントで推奨されています。旧URLは、対応する新URLへ1つずつ転送し、関係の薄い1ページにまとめて転送するのは避けること、転送は一般に1年以上維持することも案内されています。こうした作業は、作り直しの見積りに入っているかを確認しておきましょう。

税・支払い・契約の注意点

経営者が机で契約書と見積書を並べ、金額と支払い時期に印をつけている様子

見積りの金額が決まっても、税の表記、支払いの時期、契約書の内容で、実際に払う金額や資金の流れは変わります。この章では、費用に関わる税と契約の注意点を整理します。

税込・税抜の表記

見積書や料金ページの金額が、税込なのか税抜なのかは、必ず確認してください。公式ページでも、表記はサービスによって違います(2026年10月時点)。

サービス料金ページの税の表記
エックスサーバー表示価格はすべて税込
WordPress.com税抜(excl. taxes)と表示されている
Google Workspace税別と表示されている
STUDIO確認したページに、税込か税抜かの記載が見当たらなかった
Shopify確認したページに、税込か税抜かの記載が見当たらなかった

税の表記が見当たらないサービスは、申し込みの画面や、請求書、利用規約で確認します。見積書でも、税抜の金額と税込の金額が並んで書かれていることがあります。合計金額は、税込でいくら払うのかで見ます。

支払いの時期

支払いの方式によって、資金の動きと、契約したあとの立場が変わります。見積書とあわせて、支払いの条件も確認します。

方式内容確認すること
着手金+残金契約のときに一部、納品のあとに残りを支払う着手金の割合。中途でやめたときに返金されるか
中間金を入れる契約・中間・納品後の3回に分ける中間金を払う区切り(デザインの確定など)
納品後に一括完成を確認してから支払う確認(検収)の期限、支払い期日
月額毎月の利用料を支払う契約期間、更新、解約
分割払い・リース長期間に分けて支払う支払総額、途中で解約したときの扱い

公開の前に全額を支払う条件だと、確認の段階で修正をお願いしにくくなることがあります。完成の確認をしてから残りを支払う形になっているかを見ておきましょう。

個人のフリーランスなど、従業員を使わない個人や法人に制作を頼む場合は、2024年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が関わります。公正取引委員会のパンフレットによると、発注する側には、取引の条件を書面または電磁的方法(メールやチャットなど)で明示する義務があります。また、報酬の支払期日は、納品を受けた日から60日以内のできる限り短い期間で、具体的な日として定める必要があります。相手が法律上の対象にあたるかどうかにかかわらず、条件は文字で残しておきましょう。

支払いを分けるときの例(仮の数字)

制作費の合計を30万円(仮の数字)とした場合の、支払いの分け方の例です。どれが正しいというものではなく、双方の事情に合わせて決めます。

方式契約のとき中間納品のあと
2回に分ける15万円―15万円
3回に分ける10万円10万円(デザインの確定のとき)10万円
納品のあとに一括――30万円

納品のあとに支払う割合が大きいほど、確認してから支払える反面、制作側の負担は大きくなります。そのため、条件によっては、受けてもらえない場合もあります。双方が納得できる区切りを、契約の前に決めておくことが大切です。

補助金を使う場合は、交付決定の前の支払い(前払いを含む)が対象外になります。着手金を払う時期も、交付決定の日以降になるように調整してください。

源泉徴収

個人に報酬を支払う場合、報酬の内容によっては、所得税の源泉徴収(支払うときに税金を差し引いて納める仕組み)が必要になることがあります。国税庁の案内では、原稿料や講演料などが対象で、名目ではなく実態で判断するとされています。税率は、支払金額が100万円以下の場合は10.21%(復興特別所得税を含む)です。請求書で報酬の額と消費税等が明確に区分されていれば、報酬の額だけを対象にできます。

制作費のうち、どの部分が源泉徴収の対象になるかは、依頼した内容によって変わります。個人のフリーランスに頼む前に、税務署か顧問の税理士に確認してください。ホームページの制作費を会計上どう処理するかも、内容によって変わる可能性があるため、ここでは扱いません。顧問税理士に確認することをおすすめします。

見積書から請求書までの書類

小さな案件でも、「見積書 → 発注書(またはメール)→ 請求書」の流れを、文字で残しておくと、金額や条件をあとから確認できます。それぞれの書類の役割は、次のとおりです。

書類役割確認すること
見積書作業の範囲と、金額の案を示す有効期限、前提条件、税込か税抜か
発注書(注文書)見積書の内容で、正式に依頼する見積書との対応(日付・番号・金額)
契約書範囲・納期・支払い・著作権などを取り決める次の「契約書で決める項目」の表
納品・検収の記録納品の内容と、確認が済んだことを残す確認の期限、不具合が見つかったときの扱い
請求書支払う金額と期日を示す見積書・発注書との金額の一致、振込先、期日
領収書・支払いの記録支払ったことの証拠になる補助金を使う場合は、見積書・請求書・領収書などの経理書類が必要になる

メールやチャットでのやり取りも、条件を示した記録になります。電話や打ち合わせで決まったことは、あとで要点をメールにまとめて、相手に確認してもらいましょう。

契約書で決める、費用に関わる項目

見積書の金額が、あとで変わらないようにするには、契約書や発注書に次の項目を書いておきます。口約束は、あとで「言った・聞いていない」になりやすいため、メールなど文字で残してください。

項目決めておくこと決めないと起きること
作業の範囲ページ数、機能、スマホ対応、原稿・写真の担当範囲外の作業が、別料金になる
修正の回数回数と1回の範囲、超えたときの単価修正のたびに見積りが必要になる
納期と遅れたとき公開日、確認の期間、遅れた場合の扱い責任の所在があいまいになる
解約と精算途中でやめたときの支払い、データの引き渡し払ったのに、使えなくなる
著作権譲渡か、利用の許諾か。譲渡なら、著作権法27条・28条の権利を含むか自社で修正したり、他社に引き継いだりできない
公開後の費用保守の範囲、更新の単価総額が読めなくなる

著作権については、文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」に、制作を依頼しただけでは、依頼した側が著作権を取得するわけではないと書かれています。契約で「完成した著作物の著作権は依頼した側に帰属する」と合意しておく必要があります。また、27条・28条の権利(二次的著作物に関する権利)を含めて譲渡する場合は、その旨を明記する必要があり、明記しなければ譲渡の対象ではないと推定される、と説明されています。詳しい確認事項は、「ホームページ制作を格安で済ませる方法」の記事でも整理しています。

補助金で負担を抑える

商工会の窓口で、担当者が相談員と補助金の資料を見ながら話している様子

ホームページの制作費に使われることが多い国の補助金が、小規模事業者持続化補助金です。ここでは、費用の考え方に必要な範囲の数字と条件を整理します。数字は、第20回公募(一般型・通常枠)の公募要領(第8版)にもとづく、2026年10月時点の内容です。条件の詳しい説明は、「持続化補助金でホームページ制作は対象?」の記事にまとめています。

項目内容
補助率2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
補助上限額50万円。特例の要件を満たす場合は、インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方の特例で200万円が上乗せされる
ウェブサイト関連費単独では申請できず、ほかの経費と一緒に申請する。補助金交付申請額の上限は30万円(税込)
発注の時期交付決定の前に行った発注・契約・支払いは対象外
お金の流れ補助金は後払い。審査があり、不採択や減額になる場合もある
申請の受付2026年11月5日から12月15日17時まで。事業支援計画書(様式4)の発行受付の締切は12月4日
見積り発注総額が1件で50万円超(税込)のものは、2者以上から見積りを取る
支払い方法1取引で10万円(税抜)を超える現金支払いは対象外。銀行振込が原則
対象外になる経費内訳が不明な経費(諸経費など)、成功報酬型の費用、コンサルティング・アドバイス費用、運用に至らなかったホームページ

補助金のスケジュール・費用が発生する時期

補助金を使う場合は、発注できる時期が限られます。公募要領に書かれたスケジュールと、ホームページの費用が発生する時期を、並べて整理します。

時期できごとホームページの費用
2026年11月5日から12月15日17時申請の受付。事業支援計画書(様式4)は、12月4日までに発行を依頼するまだ発注しない
2027年3月ごろ(予定)採択の発表まだ発注しない(交付決定の前)
採択の発表から、概ね1〜2か月(目安)交付決定交付決定の日以降に、発注・契約ができる
交付決定日から2028年3月31日まで補助事業の実施期間。制作・公開・支払いをこの期間内に終える制作費の支払いが発生する
実績報告のあと補助金額の確定、請求、補助金の交付補助金が入金される(後払い)

つまり、補助金を使うと、制作を始められるのは、早くても2027年の春以降です。

自己負担額の考え方(仮の数字)

補助される額は、補助の対象になる経費に補助率をかけて求めます。ウェブサイト関連費には、上限30万円(税込)があります。仮の数字で、2つの場合を見てみます。

対象経費(仮)2/3をかけた額補助額自己負担(ホームページ分)
45万円30万円30万円15万円
60万円40万円上限の30万円30万円

消費税の扱いは、事業者の区分によって変わります。詳しい計算は、公募要領で確認してください。また、補助金は後払いで、審査もあります。採択されなかった場合や、減額された場合でも、制作費を支払える資金計画にしておく必要があります。

月額・年額のサービスは対象か

作成サービスの利用料や、サーバーの代金は、月額や年額で続く費用です。公募要領には、ドメイン代・サーバー代・保守費が、ウェブサイト関連費にあたるかどうかについての個別の記載が見当たりませんでした。使えるかどうかは、申請の前に、商工会・商工会議所や事務局に確認してください。

また、公募要領には、契約期間が補助事業期間を超えるソフトウェアの使用権を購入する場合は、補助事業期間にあたる分だけが補助対象になる(按分する)と書かれています。年払いや複数年払いのサービスを使う場合は、この按分の対象になる可能性があります。

見積書を補助金向けに整える

補助金を使う場合は、見積書が審査と経費の確認に使われます。制作会社に頼んでおきたい点は、次のとおりです。

  • 「諸経費一式」などをやめ、項目ごとに内訳を分けてもらう
  • コンサルティングやアドバイスの費用を、制作費と別の項目にしてもらう
  • 見積りは、必ず自社で別々の会社から取る(金額が50万円超の場合は2者以上)
  • 公開の時期が、補助事業の期間に収まるようにする

なお、ウェブサイトを50万円(税抜)以上の費用で作成・更新する場合、そのウェブサイトは「処分制限財産」にあたり、通常は取得日から5年間、補助事業の目的外での使用や譲渡などが制限されると、公募要領に書かれています。

補助金を前提に、先に発注しない

交付決定の前に発注・契約・支払いをした経費は、補助の対象外です。採択の発表は2027年3月ごろの予定で、交付決定までさらに1〜2か月ほどかかることがあります。公開を急ぐ事情があるなら、補助金を待たずに進めるか、補助金を使わない前提で費用を組む判断もあります。

あわせて読みたい持続化補助金でホームページ制作は対象?上限30万円の条件と申請の流れ【第20回】小規模事業者持続化補助金でホームページの制作費はいくら補助されるのか。第20回公募の公募要領(第8版)をもとに、補助率・上限額、対象になる経費、発注の時期、申請の流れ、業者に頼むときの注意までを整理しました。

申請の支援を頼む場合の費用

補助金の申請を、外部の業者や専門家に手伝ってもらう場合の費用には、注意が必要です。公募要領では、補助金応募書類や実績報告書などの作成・送付・手続きに係る費用は、補助の対象外とされています。また、商工会・商工会議所以外の第三者から支援を受けた場合は、確認事項の入力で、その相手方と支援に係る金額(着手金、成功報酬など名目を問わず)を記載する必要があり、記載がないと不採択や交付決定の取消しになると書かれています。

制作会社が申請の支援も行う場合は、制作費とは別に、支援の費用がいくらかかるのかを、見積書で分けて確認してください。

ほかの制度・無料の相談先

デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、事務局に登録されたITツールの導入が対象です。2026年の通常枠の公募要領を確認した範囲では、会社案内のホームページの制作そのものを対象とする記載は確認できませんでした。都道府県や市区町村にも、独自の補助金や支援策がある場合があります。事業所のある地域の窓口で確認してください。

制度の選び方や、ホームページに載せる内容の整理は、よろず支援拠点で相談できます。公式ページでは、国が設置した無料の経営相談所で、経営上のあらゆる相談に何度でも無料で対応すると案内されています。見積りを依頼する前の、目的の整理にも使えます。

よくある質問

ホームページ制作の相場は、いくらですか?

公的な統計は見つからず、この記事では金額の相場を示していません。見積りの金額は、ページ数、デザインの作り方、機能、原稿と写真の担当、公開後の運用で変わります。自社の条件を書き出して、2〜3社に同じ条件で見積りを頼むと、自社の場合の金額が分かります。

見積りは、何社に頼めばよいですか?

2〜3社が目安です。同じ条件(目的・ページ構成・原稿と写真の担当・機能・公開後の運用)で頼むと、金額の差が何から来るのかが分かります。条件のそろえ方は、「ホームページ制作を格安で済ませる方法」の記事で紹介しています。

見積りが高いと感じたとき、減らせるのはどこですか?

動かしやすいのは、ページ数、デザインの作り方(ひな形の活用)、機能、原稿・写真の担当の4つです。最初は必要なページと機能に絞り、公開後に足す進め方もあります。見積書の内訳を聞いて、何を外すとどの作業がなくなるかを確かめてから決めてください。

値引きの交渉はできますか?

会社によります。金額だけの値引きより、作業の範囲を減らして金額を調整する相談のほうが、現実的に進みやすくなります。範囲を減らす場合は、減らした作業を自社で行うのか、公開後に足すのかも決めておきましょう。

見積書の「保守」には、何が含まれますか?

会社によって違います。バックアップ、ソフトの更新、軽微な修正の回数、障害のときの対応などが含まれるかを、契約の前に書面で確認してください。含まれない作業は、別料金になることがあります。

ドメインとサーバーの費用は、制作費に含まれますか?

会社や契約によって違います。見積書に含まれているか、別に毎年かかるのかを確認してください。名義が誰になるかも大切です。会社のホームページなら、自社の名義で契約するのが基本です。

公開後に、追加費用が出やすいのはどんな場面ですか?

修正が決められた回数を超えたとき、ページや機能を追加したとき、写真を追加で撮るとき、公開後に文章の差し替えを頼むとき、別の会社へ引っ越すときです。契約の前に、それぞれの単価を確認しておくと見通しが立ちます。

無料のサービスだけで、ホームページを作れますか?

作れますが、会社の看板として使うなら注意が必要です。たとえばWordPress.comの無料プランは、独自ドメインが使えず、広告が表示されます。無料でできる範囲を確かめたうえで、必要に応じて有料のプランに切り替える前提で考えてください。

支払いを分割できますか?

会社によります。着手金と残金に分ける、中間金を入れる、月額で支払う、リースにするなど、方式はさまざまです。補助金を使う場合は、分割払いやクレジットカード払いでも、補助事業の期間内に引き落としが完了している必要があります。

補助金を使うと、費用はどのくらい下がりますか?

持続化補助金のウェブサイト関連費は、補助金交付申請額の上限が30万円(税込)で、単独では申請できません。補助率は2/3で、補助金は後払いです。採択されるとは限らないため、使えた場合に助かるという位置づけで計画してください。

見積書の金額は、税込ですか?

見積書によって違います。「税抜」の金額と「税込」の合計が両方書かれている場合は、税込の合計が実際に払う金額です。表記が不明なときは、制作会社に確認してください。

公開後に、作り直しは何年ごとに必要ですか?

年数についての公的な決まりや統計は見当たりません。目的に合わなくなった、更新できない、スマホで見にくい、運用費が見合わないといった状況かどうかで判断します。

見積りを頼むとき、予算は伝えたほうがよいですか?

伝えたほうが、提案が現実的になります。予算の上限を伝えると、その範囲に収まるページ数や機能を提案してもらいやすくなります。伝えにくい場合は、「必要なページと機能に優先順位をつけたもの」を渡して、優先度の高い順に見積りを出してもらう方法もあります。

契約したあとで、機能を追加したくなったらどうなりますか?

追加の作業になるため、別の見積りが必要になるのがふつうです。口頭でお願いするのではなく、追加する内容と金額、納期への影響を、書面かメールで確認してから進めてください。

更新だけを頼む場合、費用はどう決まりますか?

会社によって、1回あたり、1ページあたり、月に何回までの枠、作業時間あたりなど、決め方が違います。契約の前に、どの方式か、枠を超えたときの単価はいくらかを確認してください。

ドル建ての料金は、円ではいくらになりますか?

WordPress.comやClaudeの公式ページの料金は、米ドルで表示されています。円での支払額は、為替や、カード会社の手数料、税の扱いで変わります。申し込みの画面や請求書で、実際の請求額を確認してください。

AIを使って自分で作れば、制作会社に頼むより費用は下がりますか?

制作の作業費は抑えられる場合があります。一方で、AIの利用料、公開先やドメインの費用、確認と修正にかける時間、公開後の保守は、自社で負担することになります。内容の確認が不十分だと、誤った情報を公開するおそれもあります。

契約の途中で解約すると、どうなりますか?

契約書で決まります。月額型のサービスには最低の契約期間があり、途中で解約すると費用がかかる場合があります。解約したあとに、ホームページやドメインを引き継げるかも、契約の前に書面で確認してください。

見積りの有効期限が切れたら、どうなりますか?

金額や条件が変わる場合があります。有効期限の内に決められないときは、延長できるかを相談してください。期限を過ぎてから依頼するときは、前提(ページ数、機能、納期)が変わっていないかも、あわせて確認します。

見積書にない費用を、公開後に請求されることはありますか?

見積りの範囲を超える作業は、別の費用になるのがふつうです。そのため、範囲外の作業の単価を、先に確認しておくことが大切です。作業の前に、追加の見積りを書面で出してもらうように依頼してください。

制作費は、どのくらいの期間で回収できますか?

公的な目安はありません。目的や、問い合わせの数、1件あたりの粗利で変わります。この記事の「予算の上限は、目的から逆算する」の式で、自社の場合を仮の数字で試算できます。名刺代わりの目的では、回収の計算になじみにくいため、先に上限を決めておく考え方が現実的です。

制作会社と連絡が取れなくなったら、どうなりますか?

ドメインとサーバーの名義が自社で、管理画面のログイン情報と素材のデータを受け取っていれば、別の会社に引き継げます。名義やログイン情報が相手の手元にしかない場合は、引き継ぎが難しくなります。納品のときに受け取るものを、契約の前に確認しておきましょう。

同じ内容なのに、小さな会社と大きな会社で見積りが違うのはなぜですか?

体制、品質の確認の工程、公開後のサポートの範囲、営業や管理の経費が違うためです。金額の差は、見積書の内訳と、質問への答え方で、何の差なのかを確かめてください。

個人事業主でも、制作会社に頼めますか?

頼めるかどうかは、会社の方針や案件の規模によります。まず見積りを依頼して、相談してみてください。契約の確認事項(著作権、ドメインの名義、解約の条件など)は、法人でも個人事業主でも同じです。

見積りを頼む前に、最低限そろえておく条件は何ですか?

目的、作るページの一覧、原稿と写真の担当、必要な機能、公開したい日、予算の上限の6つです。書き出したメモを、2〜3社に同じ内容で渡すと、見積りを比べやすくなります。

まとめ

この記事のまとめ

  • ホームページ制作費の相場は、公的な統計や公式ページでは確かめられなかった。金額の目安を見るときは、何ページ分か、ひな形かオリジナルか、公開後を含むかを確かめる
  • 見積りの金額は、作業量(人日)×単価の積み上げ、パッケージ、月額制などで計算されている。見積書の内訳を説明してもらえるかを見る
  • 費用を動かすのは、ページ数・デザインの作り方・機能・原稿と写真の担当。依頼の前に決めておくと、見積りが比べやすくなる
  • 公開後の費用は、年数が延びるほど総額に占める割合が大きくなる。3年分・5年分の総額と、含まれる範囲の2つで比べる
  • 税込・税抜、支払いの時期、修正の回数、著作権、解約時のデータの扱いは、契約の前に文字で確認する
  • 持続化補助金のウェブサイト関連費は、単独申請不可・上限30万円(税込)・交付決定前の発注は対象外。補助金は後払いで、審査がある

制作費は、金額の大小より、「何が含まれていて、公開後にいくらかかるのか」が見えているかどうかで判断すると、あとで困りにくくなります。相場の数字を探すより、自社の条件で見積りを取り、内訳を確かめるほうが、確実な判断につながります。

INTERCREATE JAPANでは、ホームページの制作と、公開後の保守・運用についてのご相談をお受けしています。見積りの内訳の読み方や、必要な範囲の整理からの相談にも対応しています。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

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