AIエージェント・業務活用

AIエージェントのおすすめ13選|種類別の特徴と、自社に合う選び方・費用の考え方

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • AIエージェントを選ぶときの6つの基準と、4つのタイプ
  • Claude・ChatGPT Work・Microsoft 365 Copilotなど、チャットから仕事を任せる3サービス
  • Claude Code・Codex・GitHub Copilotなど、プログラムづくりを任せる3サービス
  • ノーコードで業務に組み込む5サービスと、業務システム・自社開発向けの2サービス
  • 会社の状況別の選び方と、試し方・費用・社内ルールの決め方
目次
  1. おすすめの選び方
  2. 順位をつけない理由
  3. 4つのタイプに分けて考える
  4. 比べるときの6つの基準
  5. どのタイプでも共通する注意点
  6. 無料で試せるかどうか
  7. タイプ別の費用の出方
  8. 13サービスの早見表
  9. チャットから仕事を任せる型
  10. Claude
  11. ChatGPT Work
  12. Microsoft 365 Copilot
  13. 試すときに見るところ
  14. 頼み方で結果が変わる
  15. 部署別の任せ方の例
  16. 3つの違いを一覧で比べる
  17. プログラムづくりを任せる型
  18. Claude Code
  19. Codex
  20. GitHub Copilot
  21. どれから試すか迷ったら
  22. 作る前に決めておくこと
  23. プログラムづくりの道具を比べる
  24. ノーコードで業務に組み込む型
  25. Google Workspace Studio
  26. Microsoft Copilot Studio
  27. Zapier Agents
  28. n8n
  29. Dify
  30. 流れを設計するときの4つの視点
  31. ノーコード系を比べる
  32. 業務システム・自社開発向け
  33. Salesforce Agentforce
  34. Claude Managed Agents
  35. 会社の状況別の選び方
  36. 選ぶ順番
  37. 使っている道具から選ぶ
  38. 社内の人員から選ぶ
  39. 任せたい仕事から選ぶ
  40. 使える場所で選ぶ
  41. 組み合わせて使う例
  42. 想定例で考える
  43. サービスごとの注意点
  44. 提供元に確認したい質問
  45. 選ばない方がよいケース
  46. 試し方・費用・社内ルール
  47. 1か月で試す進め方
  48. 評価するときの見方
  49. 費用の考え方
  50. 社内で決めておくルール
  51. 個人契約と会社契約の違い
  52. 社内への伝え方
  53. 導入後の見直し
  54. 候補を比べるための確認シート
  55. よくある失敗
  56. 用語の整理
  57. よくある質問
  58. まとめ

「AIエージェントのおすすめを知りたい」と調べると、ChatGPTやClaudeのような対話型のサービスから、プログラムを書かせる道具、自社の業務システムに組み込むための基盤まで、性質のまったく違うものが同じ「AIエージェント」として並んでいます。名前の一覧を見ても、自社の仕事にどれが合うのかは判断しにくいのが実情です。

この記事では、2026年10月時点で公式ページの内容を確かめられた13のサービスを、使い方の近いものごとに4つのタイプへ分けて紹介します。おすすめの順位はつけません。順位を決める客観的な根拠が示せないためです。そのかわり、「何を任せたいか」「どこで使うか」「どこまで自分で設定できるか」といった基準で整理し、どんな会社・仕事に向くかを書きました。

料金や対象プランは、各社の公式ページに載っていた内容をもとにしています。AIエージェントの分野は、製品の名前や提供範囲が数か月単位で変わります。契約の前に、必ず公式ページで最新の内容を確かめてください。AIエージェントそのものの意味や仕組みは、「AIエージェントとは」の記事で解説しています。

おすすめの選び方

机に付箋を並べて、任せたい仕事を書き出して整理している会社員

順位をつけない理由

「おすすめ◯選」の記事では、1位から順に並べるものもよく見かけます。ただ、AIエージェントは、同じサービスでも任せる仕事や使う人によって向き不向きがはっきり分かれる道具です。資料づくりに強いサービスが、社内ツールの開発では使いにくいこともあります。逆に、開発者に評価の高い道具が、事務の担当者には扱いにくいこともあります。

そのため、この記事では順位をつけずに、各サービスの特徴と向く場面を並べています。「どれがいちばん良いか」ではなく、「自社の仕事ではどれが合うか」を考えるための材料として使ってください。

4つのタイプに分けて考える

会社で使う立場から見ると、AIエージェントは次の4つに分けると整理しやすくなります。この記事の章立ても、この分け方に沿っています。

タイプどんなものかこの記事で紹介するサービス
①チャットから仕事を任せる型いつものチャット画面で「この資料を作って」と頼むと、調べものやファイルの作成まで進めるClaude、ChatGPT Work、Microsoft 365 Copilot
②プログラムづくりを任せる型フォルダの中のファイルを読み、プログラムを書いたり直したりする。社内の小さな業務ツールづくりにも使えるClaude Code、Codex、GitHub Copilot
③ノーコードで業務に組み込む型プログラムを書かずに、メール・表計算・チャットなどの業務の流れに、AIの判断を組み込むGoogle Workspace Studio、Microsoft Copilot Studio、Zapier Agents、n8n、Dify
④業務システム・自社開発向け顧客対応システムなど、既存の業務システムの上で動かす、または自社のシステムに組み込むSalesforce Agentforce、Claude Managed Agents

①②は「人が使う道具」で、契約してすぐ使い始められます。③は「業務の流れを自動化する仕組み」で、最初に設計する手間がかかります。④は、専用の業務システムや開発の知識が前提になります。まず①から試し、必要になったら②③④へ広げるのが、中小企業では現実的な順序です。

比べるときの6つの基準

どのタイプでも、サービスを比べるときは次の6つを順に確かめると、判断がぶれにくくなります。

基準確かめること見落としたときに起きること
1. 任せたい仕事資料づくり、調べもの、集計、プログラムの作成、定期的な処理のどれが中心か仕事に合わない道具を契約し、結局使われない
2. 使う場所手元のパソコンのファイルを使うか、クラウド上のデータを使うか。スマホからも使うか必要なファイルに届かない、パソコンを閉じると作業が止まる
3. つなぐ相手いま使っているメール・表計算・チャット・業務システムとつながるかデータを手作業で移す手間が残る
4. 確認の仕組み重要な操作の前に人が承認できるか。止める・やり直す操作ができるかメールの誤送信やファイルの上書きなど、取り消せない操作が起きる
5. 費用の出方人数あたりの月額か、使った量に応じた従量課金か。上限はあるか思ったより請求が増える、または上限で作業が止まる
6. 管理とセキュリティ管理者が利用範囲を決められるか。入力した情報が学習に使われるか。操作の記録が残るか情報の持ち出しや、社員ごとの使い方のばらつきを抑えられない

迷ったら「任せたい仕事」と「確認の仕組み」から

6つの基準のうち、最初に決めたいのは1と4です。任せたい仕事がはっきりしていれば候補は絞れます。重要な操作の前に人が確認できる仕組みがあれば、使い始めの失敗も小さく収まります。費用や機能の細かな違いは、そのあとで比べても間に合います。

どのタイプでも共通する注意点

AIエージェントは、質問に答えるだけのチャットとは違い、実際にファイルを書き換えたり、メールを送ったり、外部のサービスに接続したりします。そのため、チャットよりも「やってしまったこと」の影響が大きくなります。タイプを問わず、次の点は共通して気をつけてください。

  • 間違いは起きる:数字の読み違い、思い込みでの作業、指示の取り違えは、どのサービスでも起きます。結果は、人が確認してから使います。
  • 権限は必要な範囲だけ渡す:読み書きさせるフォルダ、つなぐサービス、使わせる操作は、必要なものだけに絞ります。
  • 取り消せない操作は人が行う:メールの送信、ファイルの削除、支払いなどは、人の承認を挟みます。この記事で紹介したチャット型のサービスは、いずれも承認の仕組みを備えています。
  • 外部の文書やWebの内容を過信しない:読み込んだ文書やWebページに、AIをだます指示が書かれていることがあります。知らないサイトや、社外から届いたファイルを扱わせるときは、確認しながら進めます。
  • 情報の扱いを確認する:入力した内容が学習に使われるかどうかは、プランで異なります。契約前に、公式の説明を確かめます。

この5つは、AIエージェントを仕事に使うときの「基本の約束事」です。次の章以降で各サービスを見るときも、この視点で確認してください。

無料で試せるかどうか

契約の前に、仕事で実際に使えるかを試したい方も多いでしょう。この記事で紹介するサービスの中では、次のものに無料の範囲があることを公式ページで確認できました。ただし、AIエージェントとして仕事を任せる機能の多くは有料プランが前提です。

サービス無料の範囲(公式ページの記載)
Claude無料プランあり。ただしClaude Codeは含まれず、仕事を任せる機能(Cowork)の統合はProとMaxから順に提供
ChatGPT無料プランでも、デスクトップアプリでChatGPT Workを制限つきで使えると記載
GitHub CopilotFreeプランあり。エージェントモードは含まれるが、クラウドで動くエージェントは含まれない
ZapierFreeプランあり。Zapier Agentsも無料で始められると記載
Difyクラウド版にSandboxプラン(無料)、自社で動かすCommunity版(オープンソース)あり
n8nCommunity版(自社で動かす版)あり。Starter・Proは無料トライアルあり

無料枠だけで業務に使えるかどうかは、使う量によって変わります。無料で触り方を確かめて、有料プランに切り替えるかどうかは、1か月ほど試してから決めると無駄がありません。無料のAIエージェントについては「AIエージェントを無料で使う方法」でも整理しています。

タイプ別の費用の出方

金額の大きさよりも先に、費用の「出方」を知っておくと、見積りの比較がしやすくなります。4つのタイプでは、費用の出方がおおよそ次のように違います。

タイプ費用の出方気をつける点
①チャットから任せる型1人あたりの月額プラン。一部は使用量に応じた追加課金人数が増えると、費用も人数に比例して増える。上限に達すると作業が止まる
②プログラムづくりを任せる型1人あたりの月額プラン、またはAPIの従量課金使った量で費用が変わる。チャット型と使用量の枠を共有するものがある
③ノーコードで業務に組み込む型プランの月額・年額に、実行回数や利用量に応じた費用流れが増えるほど、実行回数が増える。動かすたびにAIの利用料がかかるものがある
④業務システム・自社開発向け従量課金やユーザー単位の課金に、開発や運用の費用が加わる見積りの前提(件数、範囲)で金額が大きく変わる

①と②は、費用が読みやすいぶん、人数が増えるとそのまま膨らみます。③と④は、使い方次第で費用が大きく変わるため、試す段階で利用量の記録を取っておくことが大切です。

13サービスの早見表

この記事で取り上げる13のサービスを、先に一覧で示します。料金は、各社の公式ページに表示されていた金額の一例です。プランや為替によって変わるため、契約の前に必ず公式ページで確認してください。

サービスタイプ提供元契約の形料金の例(公式ページの表示)
Claude①Anthropic1人あたりの月額プランPro 月$20(年払いなら月$17相当)から
ChatGPT Work①OpenAIChatGPTの月額プランに含まれるPlus 月$20、Business 1人月$20(年払い)
Microsoft 365 Copilot①Microsoft追加ライセンス(一部は従量課金)Copilot Business 1人月$21(年払い。米国向けページの表示)
Claude Code②AnthropicClaudeのプランに含まれる、またはAPIPro 月$20から
Codex②OpenAIChatGPTのプランに含まれる、またはAPIPlus 月$20から
GitHub Copilot②GitHub1人あたりの月額プランPro 月$10から
Google Workspace Studio③GoogleWorkspaceの対象プランに含まれる別料金の記載は確認できず
Microsoft Copilot Studio③Microsoft利用量に応じた課金など公式の料金ページ・ライセンスガイドで確認
Zapier Agents③Zapier月額プランと利用量Free 月400アクティビティ、Pro 月1,500アクティビティ
n8n③n8n月額プラン、または自社運用Starter 月€20(年払い)から
Dify③Dify年額プラン、または自社運用Professional 年$590(ワークスペース単位)
Salesforce Agentforce④Salesforce従量課金、ユーザー単位など1会話$2、10万クレジット$500 など
Claude Managed Agents④AnthropicAPI(従量課金)実行時間1時間あたり$0.08+トークン料金

表の「タイプ」の番号は、先ほどの4つのタイプに対応しています。①と②は契約してすぐ使い始められ、③と④は設計や開発の手間が前提になります。

あわせて読みたいAIエージェントの比較|料金・機能・管理の違いを、主要サービス別に公式情報で整理AIエージェントを比較するときの見方を、2026年10月時点の公式情報で整理しました。Claude・ChatGPT Work・Microsoft 365 Copilotなどの料金と使用量の仕組み、機能、管理とセキュリティの違い、自社で試して比べる手順までを解説します。

チャットから仕事を任せる型

ノートPCで資料の仕上がりを確かめる事務担当者と、横で内容を見る上司

最初に検討したいのが、いつものチャットの画面から仕事を頼める型です。専用の設定や開発は不要で、契約してすぐ使い始められます。事務・営業・企画・経理など、プログラムを書かない部署の仕事に向いています。

ここでは、Claude、ChatGPT Work、Microsoft 365 Copilotの3つを取り上げます。3つとも、ファイルの作成、調べもの、決まった時間に動かす定期実行ができ、重要な操作の前に承認を求める仕組みを持っています。違いは、どのサービスと一緒に使っているかで見えてきます。

Claude

Anthropic社のClaudeは、もともと「Claude Cowork」という名前で提供されていた、仕事を任せる機能をチャットに統合しました。製品ページには「Claude Cowork is now just Claude」と書かれており、ProとMaxから順次、チャットの入力欄から「この資料を作って」と頼むだけで作業が始まる形になっています。

製品ページに載っている主な機能は次のとおりです。

  • 自分で選んだフォルダの中のファイルを読み、編集し、文書・表計算・スライドなどを作る
  • 週次レポートのような作業を決まった間隔で動かす定期実行。ノートPCを閉じていても続く
  • Amplitude、Microsoft 365などのツールにつなぐコネクタ
  • スキル・コネクタ・サブエージェントを職種向けにまとめたプラグイン(法務・財務・ブランドの文章チェックなど)
  • Web作業のための内蔵ブラウザ(自分のブラウザやログイン情報とは別)
  • 大きな仕事を分けて、並行して進める

安全面では、操作できるのは自分が選んだフォルダとツールだけで、ファイルの削除には必ず承認が必要と説明されています。承認を有効にしていると、重要な操作の前にClaudeが計画を示して待ちます。画面を直接操作する機能は、コネクタやブラウザで足りないときの最後の手段で、アプリごとに許可を求めます。法人向けでは、管理者が部署ごとのアクセス、利用額の上限、ツールの権限を決められ、操作の記録を社内の監視システムに送ることもできます。

料金は、公式の料金ページで次のように案内されています(米ドル、税抜の表示)。

プラン料金備考
Free無料チャットなど。Claude Codeは含まれない
Pro月20ドル(年払いなら月17ドル相当)Claude Codeを含む。使用量はFreeの5倍以上と記載
Max月100ドルから(5倍・20倍の2段階)Proの5倍または20倍の使用量
Team標準シート 年払い月20ドル/月払い月25ドル2〜150人。Coworkの機能表に記載あり
Enterprise個別見積り管理者向けの機能が多い。製品ページでは営業経由と案内

使用量の上限は、5時間ごとの枠と、有料プランでは週ごとの枠で管理されます。製品ページでは、Coworkはチャットより早く上限に達すると注意書きがあります。毎日たくさん任せる場合は、Proでは足りず、Maxを検討することになります。

Claudeが向いているのは、資料づくり・集計・調べものを、手元のフォルダのファイルを使って任せたい会社です。Claude Codeも同じプランで使えるため、「普段の資料づくりはチャット、社内ツールづくりはClaude Code」と1つの契約でそろえられる点も特徴です。詳しい使い方は「Claude Coworkとは」の記事にまとめています。

最初に頼んでみる仕事の例

作業用に新しいフォルダを作り、先月分の売上データを数点コピーして、次のように頼んでみてください。

「売上」フォルダのCSVを1つの表にまとめて、店舗ごとの月合計と前月比をExcelで作ってください。計算式は残してください。完成したら、データの扱いで迷った点を3行で教えてください。

結果の合計を元のデータと照らし合わせれば、読み違いがないかを確認できます。うまくいったら、同じ依頼を定期実行に登録する段階に進めます。

あわせて読みたいClaude Coworkとは?チャットとの統合で変わったこと、できること・使い方を解説Claude Cowork(クロード コワーク)は、Claudeに仕事を任せて最後まで進めてもらう機能です。いまはチャットと統合され、入力欄の「Cowork」の切り替えはなくなりつつあります。統合で変わったこと、できること、料金とプラン、使い方、業務での活用例、安全に使うための設定までをまとめました。

ChatGPT Work

OpenAIの「ChatGPT Work」は、ChatGPTに仕事を任せるための使い方です。公式の案内では、答えや説明、短い下書きがほしいときは通常のチャット、資料・分析・定期的な更新・ファイルなど、確認できる成果物がほしいときはWorkに切り替える、と使い分けが説明されています。

できることは次のとおりです。

  • ファイル、プラグイン、許可したツールを使って情報を集め、完成したファイルを作る
  • デスクトップアプリでは、手元のファイル・アプリ・ブラウザも使える
  • 「カスタマイズ」から入れたプラグインを、入力欄で「@」を付けて指名して使う
  • 定期タスク(スケジュール)で、情報の確認や更新を繰り返す
  • 進み具合を見ながら質問に答える、方向を変える、重要な操作を承認する

公式ドキュメントでは、指示に「何を作るか」「使う材料」「条件」「よい出来の基準」「どこで止めて人の確認を求めるか」を書くよう勧めています。「メッセージを送る前に止まって」のように、止めてほしい場所を指定することもできます。

使えるプランは、OpenAIのWorkの紹介ページに「すべてのプランでmacOSとWindowsのデスクトップ、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduでweb・モバイル」と書かれています。料金ページでは、Free・Goでは「デスクトップアプリでの制限つきの利用」とされています。法人向けでは、ワークスペースの管理者が、Work、プラグイン、ブラウザ利用、ネットワークアクセスを管理できます。

プラン料金(公式ページの表示)ChatGPT Workについて
Free$0デスクトップアプリで制限つき
Go月$8デスクトップアプリで制限つき
Plus月$20デスクトップ・web・モバイルで利用範囲が拡大
Pro月$100から($100・$200・$500の枠)WorkやCodexのセッションをより長く利用可能
Business年払い1人月$20/月払い1人月$25(2人以上)ChatGPT・Work・Codexを含む。学習にはデフォルトで使われない
Enterprise・Edu営業に問い合わせ管理者がWorkの提供範囲を管理

料金ページには、ChatGPT WorkとCodexは同じ使用量の枠・料金・クレジットを共有すると書かれています。Workで長い作業を何度も頼むと、Codexで使える量も減る、という意味です。金額はドル表記で、日本向けの円建て・税込の金額は、申し込みの画面で確認してください。

ChatGPT Workが向いているのは、すでに社内でChatGPTを使っていて、同じ画面の延長で資料や分析を任せたい会社です。ChatGPT Business以上であれば、入力したデータが学習にデフォルトで使われない点も、会社で使うときの安心材料になります。

最初に頼んでみる仕事の例

公式ドキュメントが勧める書き方(成果物・材料・条件・止める場所)に沿って、次のように頼んでみてください。

この3つの資料を材料に、A案とB案の比較表を作ってください。評価の観点は「費用」「手間」「リスク」です。表の下に、おすすめの案と理由を書いてください。メールの送信など、外部への操作はしないでください。

「外部への操作はしない」のように、やってほしくないことを先に書いておくと、思わぬ操作を避けやすくなります。

Microsoft 365 Copilot

社内でWord・Excel・PowerPoint・Outlook・Teamsを日常的に使っている会社では、Microsoft 365 Copilotが有力な候補になります。Microsoftの公式ドキュメントでは、ライセンスの違いを次のように説明しています。

ライセンスできること
Copilot Chat対象のMicrosoft 365プランに追加料金なしで含まれる。Webの情報が中心。社内データは、資料をアップロードするなどして自分で渡す
Microsoft 365 Copilot(追加ライセンス)メール・ファイル・会議・予定など、組織のデータを自動で参照できる。Researcher・Analyst・Facilitatorなどの組み込みエージェントが使える
追加ライセンス+従量課金Copilot Cowork(Microsoft 365内で作業を進める機能)などを、使った量に応じた課金で利用できる

「Copilot Cowork」は、Microsoft 365の中で作業を進める機能です。公式の概要ページでは、メールの下書きと送信、会議の設定、Word・Excel・PowerPoint・PDFの作成、Teamsへの投稿、OneDriveとSharePointのファイル整理、複数の情報源を使った調査、決まった時間に動かすプロンプトなどができるとされています。重要な操作(メールの送信など)の前には承認を求めると説明されています。職場・学校のアカウントでは一般提供、個人アカウントではプレビューです。

情報の扱いについては、ユーザーの権限の範囲でのみデータにアクセスし、企業データ保護(Enterprise Data Protection)の対象になると書かれています。すでにMicrosoft 365の権限や情報保護の設定を整えている会社では、その設計をそのまま使えるのが強みです。

料金は、Microsoftの米国向けページで、小規模事業者向けの「Microsoft 365 Copilot Business」が1人あたり月21ドル(年払い)と案内されています。2026年7月1日から12月31日までは、初年度のみ18ドルになる期間限定の価格です。日本での価格や、お使いのMicrosoft 365のプランとの組み合わせは、国によって異なります。日本向けのページや販売パートナーに確認してください。

Microsoft 365 Copilotが向いているのは、メール・会議・ファイルの管理をMicrosoft 365で行っていて、その中のデータを参照しながら作業を進めたい会社です。手元のフォルダの自由なファイルを広く扱う使い方では、ClaudeやChatGPTの方が柔軟な場面もあります。

最初に頼んでみる仕事の例

メールや会議の記録が多い担当者なら、次のような準備の仕事から試せます。

来週の定例会議の準備として、先週の関連メールと会議メモから、議題の案と確認が必要な点を一覧にしてください。送信はせず、下書きまでにしてください。

メールの送信などは、実行の前に承認を求められる仕組みがあります。それでも、最初は「下書きまで」と伝えて、送信は自分で行う運用から始めると安心です。

試すときに見るところ

3つのサービスは、どれも無料の範囲や少人数の契約で試せます。同じ仕事を同じ頼み方で依頼して、次の点を比べると、違いが見えやすくなります。

  • 材料の渡しやすさ:手元のフォルダのファイルや、メール・会議の記録を、手間なく渡せるか
  • 進め方の見えやすさ:作業中に、何を開いて、何を判断したかが画面で確認できるか
  • 承認の出方:重要な操作の前に、分かりやすく確認が求められるか
  • 出来上がりの形:Excel・スライド・文書が、そのまま使える形で出てくるか
  • 上限に達するまでの量:1日の仕事で、使用量の上限に何度当たるか

どのサービスも、同じ依頼を出しても、結果が毎回少しずつ違います。1回の出来だけで判断せず、2〜3回の結果を見て決めてください。

頼み方で結果が変わる

チャットから任せる型は、どのサービスでも、頼み方で出来上がりが大きく変わります。ChatGPT Workの公式ドキュメントでは、依頼に次の5つを書くよう勧めています。Claudeの製品ページでも、ゴールを伝えて、使うフォルダや確認のタイミングを決める使い方が紹介されています。

書くこと書き方の例
作りたいもの(成果物)来月の部会で使う、A4で1枚の報告書
使う材料「報告」フォルダの先月分のExcelと、前年の報告書
条件です・ます調。数字は税込。専門用語は使わない
よい出来の基準前年の報告書と同じ構成で、前年との違いが3点以内で分かる
止めて確認する場所構成案ができた時点で一度止まり、確認を待つ

最後の「止めて確認する場所」は、見落とされやすい項目です。大きな仕事は、構成案、集計表、本文のように区切りを決めて、段階ごとに確認すると、間違いに早く気づけます。

部署別の任せ方の例

チャットから任せる型は、ファイルを多く扱う仕事や、毎回同じ手順で作る資料と相性が良い道具です。部署ごとの例を、人が残す工程とあわせて整理します。

部署任せやすい仕事人が行う工程
経理支店別データと予算の突き合わせ、差が大きい項目への印付け最終的な数字の確認、会計ソフトとの照合
営業商談メモの整理、案件ごとの状況と次の行動の一覧化顧客への連絡、提案内容の判断
総務規程の改定前後の比較、社員向けお知らせ文の下書き規程の解釈、周知の決定
人事・採用求人票の下書き、応募者への連絡文の叩き台選考の判断、個人情報の扱い
マーケティング広告・アクセスデータの整理、改善点の候補出し施策の判断、予算の決定
経営企画毎週・毎月の報告資料の下書き(定期実行)数字の確認、経営への説明

どの部署でも、最後の確認と判断は人が行う前提で考えます。AIに任せるのは、集める・まとめる・形にする工程までに絞ると、安全に効果を得やすくなります。

3つの違いを一覧で比べる

3つのサービスを、選ぶときの基準に沿って並べると次のようになります。

ClaudeChatGPT WorkMicrosoft 365 Copilot
得意な場面手元のフォルダのファイルを使った資料づくり・集計ChatGPTの延長で、資料・分析・定期更新Microsoft 365内のメール・会議・ファイルを使う作業
つなぐ相手コネクタ(Microsoft 365など)、プラグイン、内蔵ブラウザプラグイン、デスクトップのアプリ・ブラウザOutlook・Teams・SharePointなどのMicrosoft 365
確認の仕組み重要な操作の前に計画を示して承認。削除は承認必須重要な操作を承認。止める場所を指示できるメール送信などの前に承認。リスクの水準を表示
費用の出方1人の月額プラン(使用量に上限)1人の月額プラン(Codexと使用量を共有)1人あたりの追加ライセンス+一部は従量課金
管理Team・Enterpriseで管理者が範囲と上限を設定Business・Enterpriseで管理者が提供範囲を管理管理センターで利用範囲・エージェントを管理

画面と機能の名前はよく変わる

このタイプは、ここ数か月で名前や画面が大きく変わりました。Claudeは「Cowork」がチャットに統合され、Microsoftは「Copilot Cowork」を組み込みました。ChatGPTでも「Work」という切り替えが前面に出ています。古い解説記事の画面や名前が、いまの画面と違うことがあります。公式ヘルプの更新日を確かめながら使いましょう。

プログラムづくりを任せる型

ノートPCの画面を見ながら、AIが書いた業務ツールの動作を確かめる担当者

2つ目の型は、プログラムを書く作業を任せる道具です。もともとはエンジニア向けでしたが、いまはデスクトップアプリやWebから使えるようになり、毎月手作業で行っている集計を自動化する、古いExcelのマクロを作り直す、小さな業務ツールを作るといった使い方も出てきています。

この型の共通点は、フォルダを指定すると中のファイルを読み、プログラムを書き、コマンドを実行して動作を確かめるところまで進める点です。便利な反面、作ったプログラムの中身が分からないまま使い続けると、あとで直せなくなります。「何をするツールか」「どう直すか」を記録しておく運用が前提になります。

Claude Code

Claude Codeは、Anthropic社が提供するコーディングの道具です。公式ドキュメントでは、コードベースを読み、ファイルを編集し、コマンドを実行して、開発ツールとつながる、と説明されています。使える場所は、ターミナル(文字で操作する画面)、VS CodeやJetBrainsなどのエディタ、デスクトップアプリ、Webブラウザです。非エンジニアの方は、デスクトップアプリかWebから始めるのが分かりやすいでしょう。

公式の概要ページに載っている使い方には、次のようなものがあります。

  • 平易な言葉で作りたいものを伝えると、計画を立て、複数のファイルにまたがってプログラムを書き、動作を確かめる
  • 不具合の症状を伝えると、原因をたどって修正する
  • CLAUDE.mdという指示ファイルに、プロジェクトのルールや好みを書いておき、毎回読み込ませる
  • スキル(繰り返す作業の手順)やフックで、チームの作業手順をそろえる
  • 複数のエージェントを並行して動かし、別々の作業を同時に進める
  • クラウドで動く定期実行(ルーティン)で、パソコンの電源が切れていても繰り返し作業を動かす
  • スマホやWebから、パソコン上の作業の続きを確認する

料金は、Claudeのプランに含まれます。公式ページでは、Proプラン以上と、TeamおよびEnterpriseのシートにClaude Codeが含まれると案内されています。ほとんどの利用方法でClaudeの契約かAnthropicのAPIアカウントが必要です。デスクトップアプリは有料契約が前提です。使用量はWeb・デスクトップ・モバイルのチャットとClaude Codeで共通の枠になります。

向いているのは、自社の業務に合わせた小さなツールを、自分たちで作って直しながら使いたい会社です。同じ契約で普段のチャットも使えるため、全社員にはチャットの機能を、開発担当者にはClaude Codeを、という使い分けがしやすくなります。

最初に頼んでみる仕事の例

プログラムの経験がなくても、次のような小さな依頼から試せます。必ずコピーしたデータで行ってください。

このフォルダのCSVを読み込んで、月別・担当者別の合計を出す小さなプログラムを作ってください。使い方を説明するファイルも作り、動作を確かめた結果を教えてください。

動いたあとは、「このプログラムが何をしているか、非エンジニアに分かる言葉で説明して」と頼んでおくと、あとで直すときの手がかりになります。

Codex

Codexは、OpenAIが提供するコーディングの道具です。ChatGPTのプランに含まれ、CLI(ターミナルで使う版)、エディタの拡張機能、Web、デスクトップアプリ、iOSアプリから使えます。公式の料金ページには、プランごとに次のように書かれています。

契約Codexについての記載
Free・Go簡単なコーディング作業向けの利用(利用量に上限)
Plus(月$20)Web・CLI・エディタの拡張機能・iOSで利用可能。自動コードレビューやSlackなどのクラウド連携が使える
Pro(月$100から)Plusの内容に加え、長いセッションが可能
Business(年払い1人月$20)デスクトップ・モバイル。クラウドでの作業用に大きめの仮想マシン、クレジットが使える
APIキーCLI・SDK・エディタの拡張機能で使え、API料金の従量課金。GitHubのコードレビューやSlackなどのクラウド機能は使えない

前の章で触れたとおり、ChatGPT WorkとCodexは同じ使用量の枠を共有します。OpenAIの公式ドキュメントでは、Workは「Gitやシェルコマンドなどの技術的な詳細を隠す」のに対し、Codexは「それらを表示できる」と、画面の見せ方が違うと説明されています。事務の担当者はWork、開発の担当者はCodex、と同じ契約を使い分ける形になります。

Codexが向いているのは、ChatGPTをすでに契約している会社で、プログラムの作成や修正も同じ契約で任せたい場合です。Claude Codeとの違いは「Codex と Claude Code の比較」の記事で詳しく整理しています。

最初に頼んでみる仕事の例

古いExcelのマクロなど、中身が分からなくなった仕組みの整理から試すのも一つの方法です。

このマクロのファイルを読んで、何をしているかを手順ごとに日本語で説明してください。そのうえで、同じ処理をする小さなプログラムに置き換える案を出してください。まだ実際には書き換えないでください。

「書き換えない」と伝えて、説明と案だけを出させることで、内容を理解してから次に進めます。

GitHub Copilot

GitHub Copilotは、プログラムの管理サービス「GitHub」が提供するAIの道具です。エディタの中での補完が有名ですが、いまは、エージェントモード(依頼を受けて複数のファイルを編集する)や、クラウド上で作業を進めるエージェントも提供されています。

公式のプラン表では、次のように案内されています(米ドル、月額)。

プラン月額エージェントモードクラウドで動くエージェント
Free$0含まれる(利用量に上限)含まれない
Pro$10含まれる含まれる
Pro+$39含まれる含まれる
Max$100含まれる含まれる
Business・Enterprise営業に問い合わせ――

利用量は「AIクレジット」で管理され、1クレジットは0.01ドルと書かれています。プランごとに、毎月の基本分と追加分のクレジットが付くと記載されています。Pro+とMaxでは、ClaudeやCodexなどの外部のコーディングエージェントに作業を任せる機能(プレビュー)も案内されています。

GitHub Copilotが向いているのは、すでにGitHubでプログラムを管理しているチームです。逆に、社内にエンジニアがいない会社が最初に選ぶ道具としては、前の2つの方が使い始めやすいでしょう。

最初に頼んでみる仕事の例(GitHub Copilot)

GitHubでプログラムを管理しているチームなら、次のような依頼から試せます。

このリポジトリのREADMEに書かれた手順でセットアップできるかを確認し、分かりにくい箇所の修正案を出してください。

作業の結果は、担当者が内容を確かめてから反映します。そのまま取り込まず、変更の内容を読んで判断します。

非エンジニアが使うときの心がまえ

プログラムづくりの道具は、「動いたから完成」にはなりません。入力する情報が漏れないか、計算が合っているか、何かあったときに誰が直すかを決めておく必要があります。最初は、社内で完結する小さな集計ツールなど、失敗しても影響が小さいものから試してください。

どれから試すか迷ったら

3つとも、できることは近いため、機能の違いだけで決めにくい型です。契約している道具から決めると、迷いが少なくなります。

  • すでにClaudeを契約している:Claude Codeは同じプランに含まれるため、追加の契約なしで試せる
  • すでにChatGPTを契約している:Codexが同じプランに含まれる。無料やGoでは、利用量に上限がある
  • チームでGitHubを使っている:GitHub Copilotを、エディタの補助と、作業の依頼の両方で試せる
  • どれも契約していない:1人分の月額が小さいものから、1か月だけ試して、使い勝手で決める

プログラムづくりの道具は、一度に複数を契約しても、使い分けに慣れるまでは混乱しがちです。まずは1つに絞って、同じ種類の仕事を何度か任せてみてください。

作る前に決めておくこと

社内ツールをAIに作らせる場合は、動くかどうかの前に、次の点を決めておきます。作ったあとに決めようとすると、「誰も直せない」「どこにデータがあるか分からない」という状態になりがちです。

決めること内容決めないと起きること
使う人自分だけか、部署か、全社か想定より多くの人が使い、データの扱いが追いつかない
扱うデータ個人情報や機密情報を含むか。保存先はどこか情報の保管場所が分からなくなる
直す人不具合や仕様変更のとき、誰が直すか作った人の異動で、誰も直せなくなる
説明の記録何をするツールか、どう使うか、どう直すか中身が分からず、使い続けるのが不安になる
止める基準間違った結果を出したとき、使うのをやめる条件誤った数字がそのまま使われ続ける

説明の記録は、AIにも書いてもらえます。「このツールの目的、使い方、直し方を、README(説明ファイル)にまとめて」と頼んでおくと、あとから確認するための手がかりになります。

プログラムづくりの道具を比べる

Claude CodeCodexGitHub Copilot
提供元AnthropicOpenAIGitHub
使う場所ターミナル、エディタ、デスクトップ、WebCLI、エディタ、Web、デスクトップ、iOSエディタ、GitHub上のクラウドエージェント
契約の形Claudeのプラン(Pro以上)またはAPIChatGPTのプラン、またはAPIキーGitHub Copilotの個人・法人プラン
向く会社チャットと開発を1つの契約でそろえたいChatGPTと開発を1つの契約でそろえたいGitHubで開発を管理しているチーム

ノーコードで業務に組み込む型

ホワイトボードにメールから表への業務の流れを書き出して相談する担当者たち

3つ目の型は、プログラムを書かずに、業務の流れにAIの判断を組み込む仕組みです。「メールが届いたら内容を読んで分類し、表に記録して、担当者にチャットで知らせる」のように、決まった流れの中で、AIが読む・判断する・書く役割を担います。

前の2つの型が「人がAIに頼む」道具だったのに対し、この型は「出来事をきっかけに自動で動く」ことが中心です。そのぶん、最初に流れを設計する手間と、動かしたあとの見守りが必要になります。

Google Workspace Studio

Google Workspace Studioは、Google Workspaceの中でAIエージェントを作り、管理し、共有するための場所です。以前「Google Workspace Flows」としてアルファ版で提供されていた機能を発展させたもの、とGoogleの紹介ページに書かれています。

公式ページで確かめられた主な内容は次のとおりです。

  • やりたい自動化を普通の言葉で書くと、Gemini 3が流れ(フロー)を作る。部品を組み合わせて自分で作ることもできる
  • Asana、Jira、Mailchimp、Salesforceなどの外部サービスとも、用意されたコネクタでつなげる
  • Gmail、Chat、Driveなどのアプリの中から、フローの状況を確認できる
  • Workspaceのデータ損失防止(DLP)の管理を上書きしない。フローを始めたユーザーが権限を持つデータにだけアクセスできる

紹介ページには、会議の概要と議事録の要点をChatに投稿する、重要なメールを見つけてラベルを付ける、Gmailの添付ファイルをDriveに保存してスプレッドシートに記録する、毎朝未読メールの要約を受け取る、といった例が載っています。

提供範囲は、紹介ページでは「Google WorkspaceのBusinessとEnterpriseのすべてのプランで一般提供」とされています。日本語のGoogle Workspaceの案内ページでも、Business Standardに含まれる機能としてStudioが挙げられています。Enterpriseでは、エージェントの管理とガバナンスの機能も含まれ、Gemini Enterpriseを使って、Googleやパートナーが提供するエージェント、自社で作ったエージェントを管理できると書かれています。

Gemini Enterpriseについては、Google Cloudの紹介記事に、ノーコードの作業台、調査やデータ分析のための用意済みエージェント、Google WorkspaceやMicrosoft 365、Salesforce、SAPなどへの接続、エージェントを一か所で管理・監査する機能が書かれています。ただし、エディションごとの料金や提供範囲は、確認できた公式ページには記載がありませんでした。検討する場合は、Googleの営業窓口で確認する必要があります。

Google Workspace Studioが向いているのは、Gmail・Googleドキュメント・スプレッドシート・Meetを中心に仕事をしていて、BusinessまたはEnterpriseプランを契約している会社です。追加の契約なしに、メールや会議まわりの定型作業を自動化できます。

最初に作ってみる自動化の例

公式ページに載っている例のうち、影響が小さく、効果が見えやすいものから始めます。

毎朝、前日に届いた未読メールを要約して、自分あてにお知らせしてください。

社外への送信や、ファイルの更新を伴わない自動化から始めると、失敗しても影響が小さく済みます。

Microsoft Copilot Studio

Microsoft Copilot Studioは、AIエージェントとワークフローを作って管理するための、ローコード(少ない記述で組み立てる)の作成ツールです。公式の概要ページでは、次の3つの部品が挙げられています。

部品内容
エージェント会話を通じて仕事をこなすAI。指示と接続した情報源に従い、ツールを使って行動する。Teams・Microsoft Copilot・Webサイト・モバイルアプリなどで公開できる
ワークフロードラッグ&ドロップで作る自動化。各ステップにAIの判断を組み込める。人が確認する仕組みも持つ
エージェントフローPower Automateに近い作り方のフロー。単独の自動化として動かすか、エージェントの道具として使う

エージェントは、やりたいことを普通の言葉で説明して作り、公開前にテストできます。プログラミングの深い知識は必須ではなく、一方で専門の開発者が使い込める深さも持つ、と説明されています。利用状況の分析、公開前後の品質の評価、組織内のエージェントの一覧管理や権限管理、コスト管理の機能もあります。

課金は、使うエンジン(公式ページでは「ハーネス」と呼ばれています)によって仕組みが違うと書かれています。具体的な金額は、Microsoftの料金ページとライセンスガイドで確認してください。

Copilot Studioが向いているのは、社内の問い合わせ対応や申請業務を、Teamsやメールの中で動くエージェントにしたい会社です。Teamsなど、すでに使っている場所でエージェントを公開できる点が利点です。

最初に作ってみるエージェントの例(Copilot Studio)

社内の問い合わせ対応から始める場合は、情報源を絞って小さく作ります。

就業規則と休暇申請の手順書を情報源にして、休暇の申請方法についての質問に答えるエージェントを作ってください。規程にない質問には「担当部署に確認してください」と答えてください。

「規程にないことは答えない」と決めておくことで、根拠のない回答を避けやすくなります。公開前にテストして、想定外の質問への答え方も確かめます。

Zapier Agents

Zapierは、さまざまなWebサービス同士を自動でつなぐ仕組みで知られるサービスです。「Zapier Agents」は、そこに、会社の情報を教えたAIの担当者のようなエージェントを置く機能です。公式ページでは、9,000以上のアプリをまたいで作業でき、依頼したときも、席を離れている間も動かせると説明されています。

公式ページに載っている用途の例は、次のようなものです。

  • FAQや資料をもとに、顧客の質問に答えるチャットボット
  • 外部の会議の前に、参加者の情報をまとめる
  • フォームから届いた見込み客の情報を補い、点数をつけて知らせる
  • よくある問い合わせチケットに自動で答え、難しいものは人にまわす

作り方は、Zapier Copilotの助けを借りて、エージェントに情報とアプリを渡すというものです。テンプレートも用意されています。動きは画面で確認でき、必要なときはチャットで指示も出せます。

料金は、通常の「タスク」とは別に、エージェント用の「アクティビティ」という単位で管理されます。公式の料金ページによると、Freeは月100タスク、有料のProは月19.99ドル(年払い・750タスク)から、Teamは月69ドル(年払い・2,000タスク・25人)からです。エージェントの利用枠は、Freeで月400アクティビティ、Proで月1,500アクティビティと記載されています。1回の実行あたりの上限もあるため、大量の処理を回す場合は、料金ページの最新の条件を確かめてください。

Zapier Agentsが向いているのは、すでに多くのWebサービス(CRM、フォーム、チャット、スプレッドシート)を使い分けていて、その間のデータの受け渡しをAIで自動化したい会社です。

最初に作ってみる自動化の例(Zapier Agents)

公式ページに載っている使い方のうち、見込み客への対応は、成果が見えやすい題材です。

フォームから届いた問い合わせの会社名と内容を調べて補い、緊急度を3段階に分けて、高いものだけを担当者のチャットに知らせてください。

最初は「知らせるだけ」で、返信や発注の操作は含めません。動きを画面で確認しながら、少しずつ任せる範囲を広げます。

n8n

n8nは、さまざまなサービスをつないで自動化の流れを作るワークフロー自動化の道具です。公式ページでは、500以上のサービスと連携でき、AIエージェント、人による承認、コードを組み合わせられると説明されています。自分たちのサーバーに設置して動かす「セルフホスト」にも対応しているのが特徴です。

AI機能としては、AIエージェントのノード(流れの中の1つの部品)、複数のエージェントを組み合わせて役割分担させる構成、ツールの実行前に人の確認を挟む仕組み(ヒューマン・イン・ザ・ループ)などが挙げられています。料金ページでは、エージェント機能の一部はプレビュー(試験提供)と表示されています。

プラン料金(年払いの月額)ワークフローの実行回数備考
Starter€20月2,500回無料トライアルあり
Pro€50月10,000回無料トライアルあり
Business€667月40,000回自社サーバーでの運用のみ
Enterprise営業に問い合わせ個別設定―
Community――自社サーバーで動かす版

n8nが向いているのは、業務の自動化を細かく設計でき、社内に開発やIT担当者がいる会社です。自由度が高いぶん、設計と保守の手間も増えます。ノーコードと言っても、サービス同士をつなぐ考え方に慣れていないと、最初は戸惑うでしょう。

最初に作ってみる自動化の例(n8n)

人の承認を挟む流れから始めると、安全に試せます。

問い合わせフォームが届いたら、AIで内容を分類し、返信の下書きを作ってください。担当者が承認したものだけ、メールで送信してください。

n8nには、ツールの実行前に人の確認を入れる仕組みがあります。AIの判断が安定するまでは、この承認を外さずに運用します。

Dify

Difyは、AIアプリを作るためのオープンソースのプラットフォームです。公式ドキュメントでは、AIエージェント、エージェントを使ったワークフロー、自社のデータを使うチャットボットを作り、Webアプリとして公開する、またはAPIで自社のシステムに組み込めると説明されています。拡張のためのプラグインやマーケットプレイスもあります。

使い方は2通りです。Difyが運用するクラウド版を使うか、オープンソースのCommunity版を、自社のサーバーでDockerを使って動かすかです。クラウド版の料金は、公式の料金ページで次のように案内されています(米ドル)。

プラン料金メッセージクレジットチームメンバーアプリ数
Sandbox無料200(一度きり)1人5
Professional年$590(ワークスペース単位)月5,0003人50
Team年$1,590(ワークスペース単位)月10,00050人200
Enterprise営業に問い合わせ―――

Difyが向いているのは、自社のマニュアルや規程をもとに答える社内向け・顧客向けのAIアプリを、短期間で作りたい会社です。自社サーバーで動かせるため、データを社外に出したくない場合の選択肢にもなります。その分、サーバーの保守や更新を自社で行う手間がかかります。

最初に作ってみるAIアプリの例(Dify)

自社のマニュアルを使った質問対応は、公式ドキュメントで紹介されている、自社のデータを使うチャットボットの使い方にあたります。

社内の「パソコンの設定マニュアル」を読み込み、新入社員の質問に答えるチャットボットを作ってください。マニュアルにない質問には答えず、情報システム担当への連絡先を案内してください。

まず自分たちで質問して、答えが合っているかを確かめます。間違った答えが多い場合は、マニュアルの書き方や、読み込ませる範囲を見直します。

流れを設計するときの4つの視点

ノーコードの仕組みは、どのサービスでも、次の4つの視点で流れを組み立てると、迷いにくくなります。

  1. きっかけを決める「メールが届いたとき」「フォームが送信されたとき」「毎朝8時」など、流れが動き出す条件を決めます。
  2. AIの役割を絞るAIに任せるのは、読む・分類する・要約する・下書きを書く、のどれかに絞ります。判断の範囲を広げすぎると、結果が安定しません。
  3. 結果の置き場所を決める結果をチャットに投稿するのか、表計算に記録するのか、下書きとして保存するのかを決めます。外部に送る操作は、最初は含めません。
  4. 人の確認を入れるAIの出力をそのまま外に出さず、担当者が確認する段階を入れます。判断が安定してきたら、確認の範囲を少しずつ減らします。

流れが複雑になるほど、止まったときの原因を探すのが難しくなります。最初は、1つの流れに入れる作業を3〜4つ以内にとどめておくと、動作の確認がしやすくなります。

ノーコード系を比べる

Google Workspace StudioCopilot StudioZapier Agentsn8nDify
得意な場面Gmail・Chat・Driveまわりの定型作業Teams・Microsoft 365上の問い合わせ・申請多数のWebサービス間の受け渡し細かく設計した自動化自社データを使うAIアプリ
作り方普通の言葉で説明して作る言葉で説明、またはドラッグ&ドロップCopilotの助けを借りて作る部品をつないで作る部品をつないで作る
運用場所Google WorkspaceMicrosoftのクラウドZapierのクラウドクラウド、または自社サーバークラウド、または自社サーバー
費用の出方Workspaceの対象プランに含まれるエンジンの種類ごとの課金(公式で確認)プランの月額+タスク・アクティビティプランの月額(実行回数に応じる)プランの年額(クラウド版)

ノーコードでも「見守る」仕事は残る

ノーコードの仕組みは、作るのは簡単でも、動かしたあとが大変です。つないだサービスの仕様変更で止まる、AIの判断が想定と違う、といったことは必ず起きます。誰が動作を見るのか、止まったときに誰が気づくのかを決めてから、本番に使い始めてください。

業務システム・自社開発向け

顧客対応の画面を見ながら、AIに任せる範囲を相談する営業担当と開発担当

4つ目は、既存の業務システムの上で動かすもの、または自社のシステムに組み込んで動かすものです。この型は、導入にあたって社内の担当者や開発会社の協力が必要になります。中小企業がいきなり選ぶものではありませんが、すでに特定の業務システムを使っている場合は、そのシステムが提供するAIエージェントが最短の選択肢になることがあります。

Salesforce Agentforce

Agentforceは、顧客管理・営業支援のサービスで知られるSalesforceが提供するAIエージェントの仕組みです。Salesforceを使っている会社が、そのデータと業務の流れの上でAIエージェントを動かせます。公式の料金ページには、用途の例として次のようなものが挙げられています。

  • サービス部門でのケース(問い合わせ)管理。顧客の特定、ケースの取得、コメントの追加
  • 顧客向けのセルフサービス。注文状況の確認
  • 現場作業・運用での予約の調整
  • 従業員向けのサポート。ナレッジベースを使った質問への回答、新入社員の受け入れ
  • 音声での予約管理

料金は、使い方によって複数の課金方式が用意されています。公式ページに載っている内容を整理すると次のとおりです(米ドル)。

方式料金の例特徴
Flexクレジット10万クレジットあたり$500。AIエージェントの1アクションで20クレジット($0.10)チームや用途をまたいで使える従量課金
会話単位1会話あたり$2顧客向けのエージェント用。Flexクレジットと同じ組織では併用不可
ユーザー単位Agentforceユーザーライセンス:1人月$5(Flexクレジットが必要)利用量は計測される
追加ライセンスSales・Service・Field Serviceなど:1人月$125従業員の利用は計測されない

ページには、「情報提供目的であり、変更されることがある」「例は説明用」と明記されています。実際の費用は、契約しているSalesforceのエディションや使い方によって変わるため、見積りの確認が必須です。

Agentforceが向いているのは、Salesforceを顧客管理や問い合わせ対応の中心にしていて、そのデータの上でAIに一次対応を任せたい会社です。Salesforceを使っていない場合は、候補に入れる理由は薄いでしょう。

検討を始めるときの確認(Agentforce)

Agentforceを検討するときは、最初に次の点を整理しておくと、見積りの相談が進めやすくなります。

任せたい業務は何か(問い合わせの一次対応、注文状況の確認など)。1日に何件ほど発生するか。どこまでをAIに任せ、どこから人が対応するか。

料金は、1アクションあたり、1会話あたり、1ユーザーあたりなど、課金方式で大きく変わります。件数の見込みがあると、方式ごとの比較ができます。

Claude Managed Agents

Claude Managed Agentsは、Anthropicが提供する、AIエージェントを動かすための仕組みと実行環境のサービスです。AnthropicのAPIを使って、自社のアプリやシステムからエージェントを呼び出す形になります。2026年10月時点では、公式ドキュメントに「ベータ版」と明記されています。

公式ドキュメントによると、エージェントがファイルを読み、コマンドを実行し、Webを調べ、コードを動かす環境を、管理された形で提供します。自前でエージェントの実行基盤を作る必要がありません。向いている作業として、次のようなものが挙げられています。

  • 数分から数時間かかる、ツール呼び出しの多い長時間の作業
  • 安全な実行環境(サンドボックス)が必要な作業
  • 法令やデータの保管場所の都合で、自社の環境で動かしたい作業
  • 会話の履歴や作業中のファイルを保持したまま、何度もやりとりする作業
  • cronのように決まった時間に繰り返す実行

料金は、Claudeの料金ページに「アクティブな実行時間1時間あたり0.08ドル、加えて標準のトークン料金」と書かれています。注意点として、公式ドキュメントでは、現時点でこのサービスは、ゼロデータ保持(ZDR)やHIPAAの事業提携契約(BAA)の対象外とされています。会話の履歴などをサーバー側に保持する設計のためで、削除はAPIからいつでも行えると説明されています。

Managed Agentsが向いているのは、自社の業務システムやWebサービスにAIエージェントを組み込みたく、開発の担当者または開発会社がいる場合です。ここまで自社に合わせる必要がない会社は、これまでに紹介した既製品で足りることが多いでしょう。

検討を始めるときの確認(Managed Agents)

開発会社に相談する前に、次のことをまとめておくと、話が早く進みます。

どの業務を自動化したいか。1回の作業は何分ほどかかるか。扱うデータに個人情報は含まれるか。結果はどのシステムに戻したいか。

個人情報などを扱う場合は、先に述べたとおり、ゼロデータ保持などの対象外であることを、社内の情報管理の担当者と確認しておきます。

「自分で作る」前に確かめたいこと

自社専用に組み込む案を検討するときは、まず「既製品の設定や、ノーコードの仕組みで足りないのか」を確かめましょう。作るときは、開発費に加えて、AIの利用料、動作の確認、仕様変更への対応といった運用の費用も続きます。足りない部分だけを自作する、という順序が、費用を抑えやすい進め方です。

会社の状況別の選び方

会議室のテーブルで、複数の資料を見比べながら導入するサービスを相談する担当者たち

ここまでの内容を、会社の状況に当てはめて整理します。サービスの特徴は同じでも、今使っている道具や、社内の人員によって、最初に試すものは変わります。表の「まず試すもの」は、各サービスの公式ページの記載をもとにした候補の例です。順位ではありません。

選ぶ順番

候補が多いときは、次の順番で絞っていくと、迷いにくくなります。

  1. 任せたい仕事を1つ決める毎週・毎月くり返していて、手順がだいたい決まっている仕事から選びます。
  2. いま使っている道具を確かめるMicrosoft 365、Google Workspace、ChatGPT、Claude、Salesforce、GitHubなど、すでに契約しているものを書き出します。
  3. タイプを決める人が頼む仕事なら①か②、決まった出来事をきっかけに自動で動かしたいなら③、既存の業務システムなら④を選びます。
  4. 候補を2つに絞るいまの道具と近いものを1つ、別の提供元のものを1つ選び、比べられるようにします。
  5. 同じ仕事で試して決める同じ仕事、同じ頼み方で試し、前の章の見方で比べます。

機能の一覧表から選び始めるより、「どの仕事を、いまの道具の延長で任せられるか」から始める方が、使われないサービスを契約するリスクを減らせます。

使っている道具から選ぶ

いま社内でよく使っている道具まず試すもの理由
Microsoft 365(Outlook・Teams・Excelなど)Microsoft 365 Copilot。社内向けの申請・問い合わせの自動化はCopilot Studio組織のデータを権限の範囲で参照でき、メール送信などの前に承認を求める仕組みがある
Google Workspace(Gmail・Googleドライブなど)Google Workspace Studio(対象のBusiness・Enterpriseプラン)。資料づくりは別途ClaudeやChatGPT対象プランに含まれ、Gmail・Chat・Driveの定型作業を自動化できる
ChatGPTを個人や部署で使っているChatGPT Work同じ画面の延長で、資料・分析・定期更新を任せられる
手元のExcel・PDF・Wordのフォルダが仕事の中心Claude選んだフォルダのファイルを読み書きでき、スライドや表計算も作れる
Salesforceで顧客や問い合わせを管理しているAgentforceSalesforceのデータと業務の流れの上で動かせる
多数のWebサービス(フォーム・CRM・チャット)を使い分けているZapier Agents9,000以上のアプリをまたいで動かせると案内されている

社内の人員から選ぶ

社内の状況まず試すもの考え方
IT担当がいない。管理は兼任の担当者Claude、ChatGPT Work、Microsoft 365 Copilot契約してすぐ使え、設定や開発が要らない型から始める
簡単な設定ならできる担当者がいるGoogle Workspace Studio、Zapier Agents、Copilot Studio定型作業の自動化に、AIの判断を足せる
社内システムやWebを担当するエンジニアがいるClaude Code、Codex、GitHub Copilot、n8n、Dify小さな業務ツールを内製したり、自動化を細かく設計したりできる
自社サービスや業務システムに組み込みたいClaude Managed Agentsなど(開発会社と進める)基盤を使い、組み込みは開発の担当者が行う

任せたい仕事から選ぶ

任せたい仕事向くタイプ具体例
月次の集計・報告資料の作成①チャットから任せる型Claude、ChatGPT Work。定期実行で毎月の下書きを自動作成
調べものと比較表づくり①チャットから任せる型Claude(内蔵ブラウザ)、ChatGPT Work、Copilotの調査機能
メール・会議・予定の整理①または③Microsoft 365 Copilot(Cowork)、Google Workspace Studio
届いた問い合わせの分類と記録③ノーコードで組み込む型Zapier Agents、n8n、Copilot Studio
社内のマニュアルを使った質問対応③ノーコードで組み込む型Dify、Copilot Studio
集計ツール・マクロの作成②プログラムづくりを任せる型Claude Code、Codex
顧客対応の一次回答④業務システム向けAgentforce。自社システムに組むならManaged Agentsなど

使える場所で選ぶ

パソコンの中のファイルを使うのか、スマホからも頼みたいのかで、候補が変わることもあります。公式ページに書かれていた、主な利用場所を整理します。

サービス公式ページに書かれていた主な利用場所
Claudeデスクトップアプリが中心。Webとモバイルはベータ。手元のフォルダを使う作業は、デスクトップアプリ経由
ChatGPT Work全プランでmacOS・Windowsのデスクトップ。Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduでweb・モバイル
Microsoft 365 Copilot(Cowork)ブラウザ(copilot.cloud.microsoft)、Windows・macOSのデスクトップアプリ、iPhone・Androidのアプリ
Claude Codeターミナル、VS Code・JetBrainsなどのエディタ、デスクトップアプリ、Web
CodexCLI、エディタの拡張機能、Web、デスクトップアプリ、iOSアプリ(プランにより異なる)
GitHub Copilotエディタ、GitHub上のクラウドエージェント
Google Workspace StudioWorkspaceの中。Gmail・Chat・Driveなどのアプリから、フローの状況を確認
Copilot StudioWebアプリ(copilotstudio.microsoft.com)で作成。Teams・Microsoft Copilot・Webサイト・モバイルアプリなどで公開
Zapier・n8n・Dify各社のクラウド版(Webブラウザ)。n8nとDifyは自社サーバーでも動かせる

手元のファイルを使う作業では、パソコンの電源や、デスクトップアプリが開いているかどうかが、作業が進むかどうかに関わる場合があります。各社のヘルプには、ローカルの作業とクラウドの作業で、パソコンを閉じたときの動きが違うと書かれているものがあります。長い作業を任せる前に、確認しておきましょう。

組み合わせて使う例

1つのサービスで全部をまかなう必要はありません。実際には、役割を分けて組み合わせることが多くなります。たとえば次のような形です。

  • 全社員が使う「チャットから任せる型」を1つ決め、資料づくりや調べものに使う
  • メールやチャットの定型処理は、いま使っているMicrosoft 365やGoogle Workspaceの機能で自動化する
  • 社内ツールづくりは、担当者だけが「プログラムづくりを任せる型」を使う

この形にすると、契約は3本程度に収まり、全員が同じ道具を覚える必要もありません。一方で、サービスごとに入力してよい情報や管理者が異なるため、社内ルールは共通にしておく必要があります。社内ルールの決め方は、次の章で扱います。

想定例で考える

選び方のイメージがつかみにくい場合に備えて、架空の会社を例に、考え方を示します。実在の会社や実績ではありません。

例1:従業員10名ほどの事務所。Google Workspaceを使い、IT担当はいない

日常の連絡と書類をGoogle Workspaceで管理している会社です。まず、メールや会議まわりの定型作業を、Google Workspace Studioで自動化できるかを確かめます。追加の契約なしに試せる可能性があるためです。資料づくりや調べものを任せたい場合は、ClaudeかChatGPTの個人または少人数のプランを、1〜2人で試します。プログラムづくりの道具は、必要性が見えてからで十分です。

例2:従業員50名ほどの会社。Microsoft 365を使い、情報システムの兼任担当がいる

メール、会議、ファイルをMicrosoft 365で管理している会社です。Microsoft 365 Copilotの追加ライセンスを、対象を絞った数人分で試すのが、最初の候補になります。社内からの申請や問い合わせに答える仕組みを作りたい場合は、Copilot Studioで、情報源を就業規則など少数のファイルに限って試作します。権限や情報保護の設定は、すでにあるMicrosoft 365の設計を見直しながら進めます。

例3:従業員100名ほどの会社。社内にエンジニアが数名いて、Salesforceを使っている

顧客対応にSalesforceを使い、社内の開発担当もいる会社です。問い合わせの一次対応は、Agentforceで任せられる範囲を、件数の見込みと合わせて見積りで確認します。社内ツールや集計の自動化は、開発担当者がClaude CodeやCodexで試します。n8nやDifyのような、自社で運用できる仕組みは、データを社外に出したくない業務に限って検討します。

3つの例に共通するのは、いま使っている道具から出発し、影響の小さい仕事を、少人数で試すことです。会社の状況によって順序は変わりますが、この進め方は変わりません。

サービスごとの注意点

公式ページから確認できた、検討するときに知っておきたい点を、サービスごとにまとめます。

サービス知っておきたい点
Claude仕事を任せる機能は、Coworkがチャットに統合される形で、ProとMaxから順次提供。作業はチャットより早く使用量の上限に達する
ChatGPT WorkCodexと使用量の枠を共有する。パソコンが使えないときに続けるクラウドの作業は、パソコンのファイルにアクセスできない
Microsoft 365 CopilotCopilot Coworkは従量課金の設定が必要。個人アカウントではプレビュー。日本での価格は日本向けの案内で確認する
Claude Code使用量は、Claudeのチャットと共通の枠で管理される。作ったプログラムの確認と保守は、人が行う
CodexAPIキーで使う場合は、GitHubのコードレビューやSlackなどのクラウド機能が使えない
GitHub CopilotFree プランではクラウドで動くエージェントは含まれない。Business・Enterpriseの価格は営業に確認
Google Workspace Studio対象はBusinessとEnterpriseのプラン。個人向けのプランは、紹介ページに記載がない
Copilot Studio自然言語で作る機能やアプリの作成機能には、プレビューのものがある。課金はエンジンの種類で異なる
Zapier Agents1回の実行あたりに上限がある(Freeは10アクティビティ、有料は40アクティビティと表示)
n8nエージェント機能の一部はプレビュー。Businessプランは自社サーバーでの運用のみ
Dify無料のSandboxは、メッセージクレジット200が一度きり。自社運用は保守を自社で行う
Agentforce料金ページの内容は変更されることがある。会話単位の課金は、Flexクレジットと同じ組織では併用できない
Claude Managed Agentsベータ版。ゼロデータ保持とHIPAAのBAAの対象外

提供元に確認したい質問

候補を絞ったら、提供元の営業窓口やパートナーに、次の質問をしておくと、契約後の「聞いていなかった」を減らせます。

  • 日本のお客様向けの価格(円建て・税込)と、請求の方法はどうなっていますか
  • 契約する人数と、実際に使う人数が違った場合に、途中で増減できますか
  • 使用量の上限に達したとき、追加で購入できますか。追加の費用はいくらですか
  • 入力したデータは、学習に使われますか。保管される場所と期間はどうなっていますか
  • 管理者は、利用範囲・利用額の上限・利用の記録を、どこまで管理できますか
  • 日本語のサポート窓口はありますか。障害のときの連絡方法はどうなっていますか
  • 製品の名前や機能が変わるとき、事前に通知されますか

選ばない方がよいケース

ここまで読んで「全部入れたい」と思われたかもしれませんが、次のような場合は、導入を急がない方が安全です。

状況理由先にやること
任せたい仕事が決まっていない道具の機能を並べても、使う場面が定まらず、使われなくなる毎週・毎月くり返す作業を書き出す
入力する情報の扱いが決まっていない顧客の個人情報や未公開の数字を、意図せず入力するおそれがある入れてよい情報、いけない情報を決める
仕事の手順が人によってばらばらAIに任せる前に、何を正解とするかが定まらない手順と出来上がりの基準をそろえる
間違いが許されない確定作業が中心支払いの実行や契約の締結など、取り消せない操作はAIに任せきれない下書きまでをAIに任せ、確定は人が行う形にする

試し方・費用・社内ルール

カレンダーと作業時間の記録表を見ながら、試用の進め方を確認する担当者

サービスを選んだら、すぐ全社に広げるのではなく、小さく試してから決めます。この章では、1か月の試し方、費用の見積もり方、社内で決めておくルールをまとめます。

1か月で試す進め方

候補を1〜2つに絞り、少人数で1か月ほど試すのが基本です。次の4週間の進め方を目安にしてください。

  1. 1週目:仕事と基準を決める毎週・毎月くり返している仕事を1〜2つ選びます。「どうなれば成功か」を、作業時間や間違いの数など、確かめられる形で書いておきます。
  2. 2週目:コピーしたデータで試す本番のファイルではなく、コピーや架空のデータで試します。依頼の書き方、出来上がりの質、どこで間違えるかを確かめます。
  3. 3週目:実際の仕事に使う実際の仕事に使い、人が確認する場面を決めて進めます。メールの送信や、ファイルの上書きなど、取り消せない操作の前は、必ず人が確認します。
  4. 4週目:振り返って決める作業時間、手直しの量、使用量の上限に何度当たったかを見て、続けるか、プランを変えるか、別のサービスを試すかを決めます。

試す人は、仕事の内容をよく知っていて、新しい道具に抵抗のない人が向いています。最初から全員に使わせると、うまくいかなかった印象だけが残りやすくなります。

評価するときの見方

試したあとに「便利だった」「使いにくかった」という印象だけで決めると、次の判断に使えません。次のような観点を、試す前に決めておくと、比べやすくなります。

観点見ること記録のしかた
作業時間これまでの作業時間と、AIに任せた場合の作業時間(確認や手直しを含む)作業ごとに、開始から確認完了までを記録する
出来上がりの質手直しが必要だった箇所の数。間違いの種類(数字、言い回し、抜け)手直しした箇所を一覧にする
確認の手間人が確認するのに、どれだけかかったか確認にかけた時間を別に記録する
使用量上限に達して止まった回数。追加の費用がかかったか使用量の画面を、週に1度記録する
安全面意図しないファイルの変更や、入力してはいけない情報の入力がなかったか気づいた点を、その場でメモに残す
使い続けられるか試した人が、1か月後も自分から使っているか最後に、使い続けたいかを聞く

特に見落としやすいのが「確認の手間」です。AIが数分で終えた作業でも、結果を確認するのに同じくらいの時間がかかれば、効果は小さくなります。最初に確認の手順を決めておくと、この手間を抑えられます。

費用の考え方

費用は、サービスによって「人数あたりの月額」「使った量に応じた課金」「その両方」に分かれます。この記事で紹介した公式ページの金額をもとに、5人の部署で試す場合の月額の目安を、計算の仕方がわかる形で示します。

サービス公式ページの金額5人で契約した場合の月額(年払い)
Claude Team(標準シート)1人あたり月$20(年払い)$20 × 5人 = $100
ChatGPT Business1人あたり月$20(年払い)$20 × 5人 = $100
Microsoft 365 Copilot Business(追加ライセンス)1人あたり月$21(年払い。条件付きの割引価格あり)$21 × 5人 = $105。対象のMicrosoft 365のプランも別途必要
Zapier Pro(1人用の契約)月$19.99(年払い・750タスク)から$19.99。タスク数に応じて金額が上がる
GitHub Copilot Pro(開発者のみ)1人あたり月$10$10 × 開発者の人数

上の計算は、公式ページに表示された米ドルの定価を単純に掛けたものです。実際の請求額は、為替、税、月払いか年払いか、使用量の追加購入の有無で変わります。また、「5人全員が必要なのか」「開発者だけでよいのか」で、人数が変わります。全員分を契約する前に、最初は仕事で使う2〜3人分だけ契約して、足りなければ増やす方法もあります。

従量課金は上限を決めておく

使った量に応じて課金されるサービス(Copilot Studio、Agentforce、Managed Agentsなど)は、使い方によって請求が増えます。最初に利用額の上限や、通知の設定を決めておきましょう。公式ページでも、Agentforceの料金は「変更されることがある」と明記されています。

社内で決めておくルール

どのサービスを選んでも、社内のルールは共通で必要になります。使い始める前に、次の項目を決めて、使う人に伝えておいてください。

項目決める内容例
入力してよい情報入力してよい情報と、入力してはいけない情報顧客の個人情報、未公開の数字、取引先との契約内容は入れない
使ってよいサービスとアカウント会社として契約したものだけを使うか。個人契約の利用を認めるか会社のアカウントでサインインしたものだけを使う
承認が必要な操作人の承認なしに実行させない操作外部へのメール送信、ファイルの削除・上書き、支払いや発注
出力の確認者AIの出力を、誰が確認してから使うか社外に出す資料は、担当者が数字と表現を確認してから出す
つなぐ範囲つないでよいコネクタ・プラグイン・フォルダ作業用フォルダだけを渡す。社内全体の共有フォルダは渡さない
管理者の設定管理者が決める、利用範囲・利用額の上限・利用の記録部署ごとに使用量の上限を設定する
困ったときの連絡先誤操作や情報の誤入力に気づいたときの連絡先情報システムの担当者に、その日のうちに連絡する

管理者が設定できる範囲は、サービスと契約プランで異なります。たとえばClaudeのTeam・Enterpriseでは、管理者が組織でCoworkを使うかどうか、利用額の上限、使えるツールの範囲を決められると案内されています。ChatGPTのBusiness・Enterpriseでも、管理者がWork、プラグイン、ブラウザ利用、ネットワークアクセスを管理できます。Microsoft 365 Copilotでは、管理センターのコントロールで、エージェントの作成と利用の仕方を管理できます。個人契約では、こうした管理の仕組みが使えないことがあります。

個人契約と会社契約の違い

最初は個人のアカウントで試してから、会社の契約に切り替える方もいます。ただし、仕事のデータを扱うなら、会社の契約を基本に考えます。公式ページから確認できた違いを、整理します。

観点個人の契約会社の契約(Team・Business・Enterpriseなど)
管理者による設定管理者がいない。使い方は本人に任される管理者が、利用範囲・利用額の上限・使えるツールを設定できる
入力した情報の扱いプランごとの説明を、個別に確認する必要がある例:ChatGPT Businessはデフォルトで学習に使わないと記載。Microsoft Copilotは職場のアカウントで企業データ保護の対象
利用の記録会社として把握できないEnterpriseなどでは、操作の記録を社内の監視の仕組みに送れる(Claude)、監査ログがある(ChatGPT)
契約の単位本人が契約者のため、退職や異動で引き継ぎにくい会社が契約者になり、人数を管理者が管理する(ClaudeのTeamは2〜150人)
費用の把握本人の経費精算になり、全体が見えにくい請求を一本化できる(Teamは中央請求と記載)

社員が個人で契約して、業務データを入れてしまう状態は、情報の管理が難しくなります。会社として使うサービスを決め、個人契約で業務データを扱わないことを、ルールとして明確にしておくのが基本です。

社内への伝え方

導入を進めるときは、使う人に「何のために使うのか」を伝えておくと、受け入れられやすくなります。次の3点を、短い文書や説明会でそろえておくとよいでしょう。

  • 目的:人の仕事を減らすためではなく、集計や下書きなどの作業時間を減らして、確認や判断に時間を使うため、と明確にする
  • 範囲:まず、どの仕事とどの部署で試すのかを示す。全員が使う必要はないことも伝える
  • ルール:入力してよい情報、承認が必要な操作、困ったときの連絡先を、1枚にまとめて渡す

うまくいかなかった例も、共有しておきます。どんな依頼で間違えたか、どう直したかが分かると、他の人が同じ失敗を避けやすくなります。

導入後の見直し

使い始めたあとも、定期的に見直す必要があります。AIエージェントのサービスは、機能やプランが頻繁に変わるため、契約した時点の情報のまま使い続けると、より合うものが出ていても気づけません。

頻度見ることやること
毎週使用量の画面、止まった回数上限に近い人に、依頼のまとめ方を共有する
毎月作業時間の記録、手直しの量、利用した人数使われていない契約を見直す。うまくいった依頼文を共有する
3か月ごと公式ページの更新(プラン、機能、料金)他のサービスと比べ直す。社内ルールを更新する
異動・退職のとき契約者、管理者、共有しているフォルダの権限アカウントと権限を整理する。使い方を引き継ぐ

候補を比べるための確認シート

最後に、候補を2〜3つに絞ったあとで使える確認シートを示します。コピーして、サービスごとに埋めてみてください。空欄が多い場合は、公式ページか、営業窓口で確かめます。

確認項目候補A候補B確かめる場所
任せたい仕事に合うか公式の機能紹介、無料枠での試用
手元のファイルを使えるか公式ヘルプの対応環境
いまの業務ツールとつながるかコネクタ・連携の一覧
重要な操作の前に承認を挟めるか公式ヘルプの権限・承認の説明
費用(人数、使用量、追加費用)公式の料金ページ、見積り
管理者が範囲と上限を決められるか管理者向けの公式ドキュメント
入力した情報の扱い(学習・保管)プランごとのデータの扱いの説明
日本語・日本の環境で使えるか日本向けのページ、実際の画面での確認

よくある失敗

AIエージェントの導入でありがちな失敗を、あらかじめ知っておくと避けやすくなります。

  • 機能の多さで選ぶ:できることが多いサービスを選んでも、自社の仕事に合わなければ使われません。任せたい仕事から逆算して選びます。
  • いきなり本番のデータを使う:意図しない上書きや、情報の誤入力が起きたときの影響が大きくなります。コピーしたデータで試します。
  • 確認の手順を決めない:AIの出力をそのまま使い、間違いに気づかないまま社外に出してしまいます。確認者と確認項目を決めておきます。
  • 使用量の上限を考えない:試す段階では足りても、全員で使うと上限で止まることがあります。使用量の画面を確かめながら広げます。
  • 担当者を1人に任せきりにする:その人が異動や退職をすると、使い方が分からなくなります。うまくいった依頼文や設定を、共有しておきます。
  • 古い情報で判断する:製品名やプランが変わっているのに、古い記事の情報で契約してしまいます。公式ページの更新日を確かめます。

用語の整理

各社の公式ページでは、似た意味でも言い方が違うことがあります。この記事で出てきた主な言葉を、対応表にまとめます。

言葉意味各社での呼び方の例
コネクタAIが、ほかのサービスのデータを読む・操作するための接続口Claudeのコネクタ、ChatGPTのプラグイン、Zapierのアプリ連携
プラグイン職種や用途向けに、手順・接続・役割をまとめたものClaudeのプラグイン、ChatGPTのプラグイン、Microsoft 365のプラグイン
スキル繰り返す作業の手順を、AIが読める形にまとめたものClaude Codeのスキル、Copilot Coworkのスキル
サブエージェント大きな仕事を分担して、並行して進める別のAIClaudeの並行作業、Claude Codeの複数エージェント
サンドボックス外部から隔離された、安全に実行できる環境Managed Agentsの実行環境
承認(確認)重要な操作の前に、人が実行してよいかを判断することChatGPTの承認、Copilot Coworkの承認、n8nの人による承認
あわせて読みたいAIエージェント導入は中小企業でもできる?少人数・低予算で始める手順と注意点AIエージェントは、中小企業でも少人数・低予算で導入できます。専任者がいない会社が先に決めること、サービスの選び方、小さく始める進め方、費用と補助金の見方、少人数でも守りたいルール、うまくいかない原因までを、担当者・経営者向けに整理しました。

よくある質問

AIエージェントは無料で使えますか?

サービスによって、無料で試せる範囲があります。公式ページでは、ClaudeのFreeプラン、ChatGPTのFree・Go(デスクトップアプリで制限つきのWork)、GitHub CopilotのFree、ZapierのFree、Difyの無料プラン、n8nのCommunity版などが案内されています。ただし、仕事を任せる機能を本格的に使うには、有料プランが前提になるものが多くなります。

最初に1つだけ選ぶなら、どれがよいですか?

会社の状況によって変わります。Microsoft 365を中心に仕事をしているならMicrosoft 365 Copilot、Google Workspaceが中心ならGoogle Workspace Studio、ChatGPTを使っているならChatGPT Work、手元のフォルダのファイルを使う資料づくりが中心ならClaude、というのが出発点になります。迷ったら、「チャットから仕事を任せる型」の中で、いま使っている道具と近いものから始めてください。

ClaudeとChatGPT Workは、どちらがよいですか?

公式の情報だけでは、どちらが優れているかの順位は決められません。どちらも、ファイルの作成、調べもの、定期実行、重要な操作の承認ができます。すでに社内で使っている方、または使う人が操作に慣れている方を選ぶのが現実的です。両方の無料枠や少人数の契約で、同じ仕事を頼んで比べることもできます。

プログラミングができなくても使えますか?

「チャットから仕事を任せる型」は、プログラミングの知識なしで使い始められます。「ノーコードで業務に組み込む型」のうち、Google Workspace Studioはコードを書かずに自動化を作れると案内されており、Copilot Studioは少ない記述で組み立てるローコードの作成ツールとされています。プログラムづくりを任せる型も、普通の言葉で依頼できますが、作ったものを確認し、保守する体制は必要です。

月額はどれくらいかかりますか?

人数あたりの月額プランは、公式ページの表示で月10〜25ドル程度のものが中心です。ただし、使用量に応じた従量課金(Copilot Studio、Agentforce、Managed Agentsなど)は、使い方によって大きく変わります。前の章の試算を参考にしてください。日本円での金額は、為替や税で変わるため、申し込みの画面で確認します。

社外秘の情報を入力しても大丈夫ですか?

サービスと契約プランによって異なります。たとえばChatGPT Businessは、ビジネスのデータをデフォルトで学習に使わないと公式ページに記載されています。Microsoft Copilotは、職場のアカウントでサインインした場合に、企業データ保護の対象になると案内されています。入力する前に、利用するプランの学習やデータの扱いを公式ページで確認し、社内ルールで入力してよい情報を決めてください。

Microsoft 365を使っていれば、Copilotは追加の契約なしで使えますか?

Copilot Chatは、対象のMicrosoft 365プランに追加料金なしで含まれると公式ドキュメントに書かれています。一方で、組織のデータを自動で参照する機能や、Researcher・Analystなどの組み込みエージェントは、Microsoft 365 Copilotの追加ライセンスが必要です。Copilot Coworkは、追加ライセンスに加えて従量課金の設定が必要と案内されています。

複数のサービスを契約する必要はありますか?

必須ではありません。1つで足りる会社も多くあります。ただし、資料づくりはチャット型、メールの自動処理はMicrosoft 365やGoogle Workspaceの機能、社内ツールづくりはプログラムづくりの道具、のように役割を分けて契約する会社もあります。契約が増えるほど、管理するルールと費用も増えるため、必要になった段階で追加するのが無理のない進め方です。

利用上限に達したらどうなりますか?

サービスによって異なります。Claudeは、5時間ごとの枠と、有料プランでは週ごとの枠があり、上限に達すると待つか、使用量のクレジットで続ける形です。ChatGPTにも、プランごとに、5時間あたりの目安の上限があります。GitHub Copilotは、月ごとのクレジットで管理されます。上限に何度も当たる場合は、上位のプランへの切り替えを検討します。

自社専用のAIエージェントは、作った方がよいですか?

まずは既製品で足りるかを確かめてください。既製品やノーコードの仕組みでは対応できない、自社独自の業務やシステムに組み込みたいという場合に、Managed Agentsのような基盤を使った開発が選択肢になります。開発・テスト・運用の費用が続くため、足りない部分だけを自作する進め方が、費用を抑えやすい方法です。

AIエージェントとチャットボットは何が違いますか?

チャットボットは、決まった質問に決まった答えを返すものが中心です。AIエージェントは、目標を伝えると、手順を自分で考えて、ツールを使いながら作業を進めます。詳しい違いは「AIエージェントとは」の記事で解説しています。

解説記事と画面が違うのですが、なぜですか?

AIエージェントの分野は、名前や画面の変更が非常に早く、数か月で変わります。たとえばClaudeの「Cowork」は、チャットと統合される形に切り替わりつつあります。記事の公開日と、公式ヘルプの更新日を確かめてください。

導入を相談できる窓口はありますか?

INTERCREATE JAPANでも、ClaudeやCodexの導入支援を行っています。どのサービスが自社に合うか、社内のルールをどう決めるか、といった段階からご相談いただけます。

スマホからも仕事を頼めますか?

サービスによって異なります。ChatGPT Workは、Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduでweb・モバイルから使えると案内されています。Claudeは、Webとモバイルはベータ版で、手元のフォルダを使う作業はデスクトップアプリ経由になります。Copilot Coworkは、iPhone・Android向けのアプリがあります。

WindowsとMacのどちらでも使えますか?

この記事で紹介した、チャットから任せる型とプログラムづくりの型は、多くがWindowsとmacOSの両方のデスクトップアプリに対応しています。ただし、機能によっては、アプリを最新版にする必要があります。会社のパソコンでインストールが制限されている場合は、情報システムの担当者に相談してください。

社員が個人で契約して、仕事に使っています。どうすればよいですか?

まず、実態を確認し、入力されている情報の種類を把握します。そのうえで、会社として使うサービスと、入力してよい情報を決め、個人契約で業務データを扱わないルールにするのが基本です。禁止するだけでなく、使いたい理由に合った会社の契約を用意すると、ルールが守られやすくなります。

無料の範囲だけで、仕事に使えますか?

試す段階には使えますが、継続して使うには、利用量の上限に当たりやすくなります。無料の範囲で仕事のデータを扱うときは、入力した内容の扱い(学習に使われるかどうか)も確認してください。仕事の中心で使うなら、有料のプランか、会社の契約を検討するのが現実的です。

管理者がいない小さな会社でも使えますか?

使えます。最初は、設定や開発が要らない「チャットから仕事を任せる型」から始め、経営者や担当者が自分で試す形が現実的です。ルールは、入力してよい情報と、承認が必要な操作の2点だけでも、先に決めておきます。人数が増えてきたら、管理者の機能がある会社向けのプランに切り替えます。

AIが間違った操作をしたときは、どうなりますか?

サービスには、重要な操作の前に承認を求める仕組みがあります。ただし、承認した操作の結果は、人の責任になります。ファイルの上書きや外部への送信は、元に戻せない場合があるため、最初は下書きまでを任せ、実行は人が行う形にして、結果を確認してから任せる範囲を広げます。

AIエージェントの比較記事の「おすすめ順位」は、信じてよいですか?

順位の根拠が示されているかを確かめてください。同じサービスでも、任せる仕事や使う人によって向き不向きが分かれるため、順位だけで選ぶのはおすすめできません。この記事でも、順位はつけず、選び方の基準と向く場面を示しています。

日本円では、月にいくらかかりますか?

この記事では、公式ページに表示されていた米ドルやユーロの金額をそのまま載せています。日本円の金額は、為替、消費税、請求の方法によって変わります。日本向けの料金ページや、申し込みの画面に表示される金額が、実際の請求の目安になります。

チャット型のサービスを、複数の会社で併用してもよいですか?

併用は可能ですが、使い分けのルールがないと、情報がどこにあるか分からなくなります。「資料づくりはClaude、Microsoft 365のメールや会議はCopilot」のように、役割で分けて決めておくと管理しやすくなります。入力してよい情報の基準は、どのサービスでも共通にしておきます。

まとめ

この記事のまとめ

  • AIエージェントのおすすめは、順位ではなく、任せたい仕事・使う場所・つなぐ相手・確認の仕組み・費用の出方・管理の6つの基準で選ぶ
  • タイプは4つ。チャットから任せる型(Claude・ChatGPT Work・Microsoft 365 Copilot)から試すのが、中小企業では現実的
  • 社内ツールづくりはClaude Code・Codex・GitHub Copilot、業務の自動化はGoogle Workspace Studio・Copilot Studio・Zapier Agents・n8n・Dify、既存システム向けはAgentforceやManaged Agents
  • いま使っている道具(Microsoft 365、Google Workspace、ChatGPT、Salesforce)に近いものから選ぶと、導入の手間が少ない
  • 1〜2つに絞って1か月試し、作業時間・手直しの量・使用量を記録してから、続けるかを決める
  • 入力してよい情報、承認が必要な操作、出力の確認者を、使い始める前に社内で決めておく

AIエージェントは、サービスの数が多く、機能の名前や提供範囲も頻繁に変わるため、一覧を眺めただけでは自社に合うものが見えにくい分野です。まずは任せたい仕事を1つに絞って、小さく試すところから始めてみてください。

「自社にはどのサービスが合うのか」「社内のルールをどう決めればよいか」といった段階からの相談は、INTERCREATE JAPANで承っています。Claude Code・Codexなどの導入から、社内で使い続けられる仕組みづくりまでをお手伝いしています。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典