メディア・AI検索

オウンドメディアの立ち上げ方|狙う言葉の調べ方・CMS選び・最初の20本の並べ方

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.18

この記事でわかること

  • 立ち上げ(公開まで)に決めることの全体と、3か月の進め方
  • 目的を1文で決める書き方と、立ち上げを見送ったほうがいい条件
  • 狙う言葉(キーワード)の調べ方の手順と、取りにいくかの判定のしかた
  • カテゴリとURLの決め方
  • サブディレクトリ・サブドメイン・別ドメインの選び方
  • CMSの選び方と、公開前にしておく設定
  • 最初の20本の並べ方の例と、1本ずつの作り方(AIとの分担)
目次
  1. 立ち上げの全体像
  2. 3か月で公開まで進める予定の例
  3. 立ち上げのときに決める役割
  4. 目的・ゴールの決め方
  5. 目的は1文で書く
  6. ゴールの数字の置き方
  7. 目的は1つに絞る
  8. 読む人を具体的に書き出す
  9. 経営者と合意しておくこと
  10. 狙う言葉の調べ方
  11. お客様の言葉を検索の言葉に直す例
  12. 上位10件を見るときに書き留めること
  13. 取りにいくかの判定
  14. 検索数が少なくても書く言葉
  15. 地域名をつけるかどうか
  16. 同業の会社のメディアも見ておく
  17. 似た言葉は1記事にまとめるか、分けるか
  18. AIに任せるところ・人がやるところ
  19. カテゴリ・URLの設計
  20. カテゴリは3〜5つにする
  21. URLの決まり
  22. 記事同士のつなぎ方を決めておく
  23. ドメインの選び方
  24. 迷ったときの選び方
  25. メディアの名前の決め方
  26. 会社のサイトと別のCMSでサブディレクトリにする方法
  27. 後から移すときの手間
  28. 無料ブログやSNSの記事機能を本体にしない
  29. CMSの選び方
  30. WordPressを選ぶなら決めておくこと
  31. 選ぶ前に確かめる項目
  32. 候補のCMSで1本入れてみる
  33. 制作会社に頼むときに伝えること
  34. 公開前にしておく設定
  35. 最初の20本の計画
  36. まとめ記事の作り方
  37. 自社の20本を作る手順
  38. 公開のペース
  39. 1本ごとに作る「構成票」
  40. 構成票を埋めた例
  41. AIに下書きを頼むときの依頼文
  42. AIとの分担
  43. 公開してから最初の1か月に確かめること
  44. 立ち上げでつまずきやすい点
  45. よくある質問
  46. まとめ

「オウンドメディアを始めることになったが、何から手をつければいいのか分からない」「サイトを作る前に、何を決めておけばいいのか」と迷っている担当者の方は多いのではないでしょうか。

オウンドメディアの立ち上げで一番時間がかかるのは、サイトを作ることではありません。
どんな言葉で検索する人に、どんな記事を、どの順番で届けるかを決めることです。
ここが曖昧なまま公開すると、記事を書くたびに「次は何を書こう」と迷い、数か月で更新が止まりがちです。

この記事では、公開までにやることを、目的の決め方、狙う言葉の調べ方、カテゴリとURLの設計、ドメインとCMSの選び方、公開前の設定、最初の20本の計画の順に解説します。
公開したあとの毎月の回し方や、数字の見方、記事の更新は「オウンドメディア運用」の記事で扱います。
内容は2026年10月時点のGoogle公式の情報をもとにしています。

立ち上げの全体像

打ち合わせテーブルでノートPCを開き、立ち上げの予定表を作っている担当者

オウンドメディアは、会社が自分で持ち、自分で記事を出すWebの媒体のことです。
この記事でいう「立ち上げ」は、目的を決めてから、サイトを公開し、最初の20本ほどの記事が出そろうまでを指します。

立ち上げで決めることは、次の8つです。
どれも後から変えられますが、変えるほど手戻りが大きくなるものから順に並べています。

決めること決める中身決めないまま進むと起きること
目的とゴール何のためにやるか、1年後に何が増えていればよいか記事のテーマが毎回ぶれる。続けるかやめるかの判断ができない
読む人誰が、どんな場面で検索して記事にたどり着くか誰にも当てはまらない一般論の記事が増える
狙う言葉記事ごとに、どの検索の言葉で出てくるようにするか書いても検索結果に出てこない
カテゴリとURL記事をどう分けるか、記事のアドレスの形記事が増えてから整理し直すと、URLの変更と転送の作業が出る
ドメインどのアドレス(会社のサイトの中か、別か)で公開するか後から移すと、全記事の転送設定が要る
CMS記事を書いて公開する仕組み記事を直すたびに制作会社に頼むことになり、更新が遅れる
体制誰が書き、誰が確認し、誰が公開するか原稿が社内確認で止まり、公開されない
最初の記事の計画最初に出す20本と、その順番何から書くか毎回迷い、書きやすい記事ばかりになる

3か月で公開まで進める予定の例

社内の担当者1人がAIを使いながら記事を作り、サイトの制作は外部に頼む場合を考えます。
無理のない進め方は、たとえば次のようになります。

時期やることこの時期の終わりにできているもの
1か月目目的と読む人を決める。お客様の言葉を集め、狙う言葉を調べて判定する。カテゴリを決める目的の1文、狙う言葉の一覧(50〜100語)、カテゴリ表
2か月目ドメインとCMSを決めて、サイトを作る。計測の設定をする。最初の5本を書いて社内確認まで終える公開できる状態のサイト、公開前の記事5本
3か月目5本で公開する。残りの15本を週1〜2本のペースで出す。公開した記事の表示を確かめる記事20本、毎月の進め方の決まり

社内の確認に時間がかかる会社では、2か月目と3か月目がそれぞれ1か月ずつ延びることがよくあります。
予定を立てるときは、原稿を書く時間より、確認してもらう人の時間が取れるかを先に押さえておきましょう。

立ち上げのときに決める役割

立ち上げの段階では、少なくとも次の3つの役割を決めておきます。
小さな会社では1人が2つを兼ねてもかまいませんが、書く人と確認する人は分けるのが基本です。

役割立ち上げでやること向いている人
責任者目的と予算を決める。続けるかの判断をする経営者、営業や販促の責任者
編集担当言葉の調査、カテゴリと20本の計画、原稿の作成と進み具合の管理、公開Webや販促の担当者。AIを使う人
確認担当原稿の中身が正しいか、出してよい情報かを確かめる現場や技術に詳しい社員

確認担当は、本業の合間に原稿を読むことになります。
「1本あたり30分、届いてから3営業日以内」のように、頼む量と期限を先に決めておくと、確認で止まることが減ります。
体制の詳しい組み方や、外注との分け方は運用の記事で扱います。

「20本」はGoogleの基準ではありません

Googleは、評価のための決まった記事数や文字数を示していません。
公式の「ユーザー第一のコンテンツ」のガイドでも、決まった文字数を好むことはないと書かれています。
この記事で20本としているのは、カテゴリを3〜4つ作ったときに、それぞれに5本ほど記事があり、記事同士をつなげられる最小の量だからです。
計画を立てるための区切りとして考えてください。

あわせて読みたいオウンドメディアとは?中小企業が始めるかの判断材料と最初の1年、AI検索での役割オウンドメディアの意味と種類を短く整理したうえで、中小企業が始めるかどうかの判断材料、最初の1年でやること、手間と費用の目安、成果の見方、AI検索の時代に変わったことまでを、公式情報と公開データをもとに解説します。

目的・ゴールの決め方

会議室で経営者と担当者がホワイトボードにメディアの目的を書き出している

目的は「認知を広げたい」「ブランディングのため」のような言葉で決めると、何をすれば達成なのかが分かりません。
何が増えればよいのかで決めます。
目的によって、測る数字も、書く記事の種類も変わります。

目的増えてほしいもの測る数字中心になる記事
問い合わせを増やす見積り依頼・相談・資料請求フォームの送信数、資料のダウンロード数費用・比較・選び方・事例
採用応募・説明会の申し込み採用ページへの移動数、応募数仕事の中身・働き方・社員の話
既存のお客様の支援自分で解決できるお客様よくある質問ページの閲覧数、電話やメールの問い合わせ件数の減り方使い方・手入れ・トラブルの対処
社名を知ってもらう社名で検索する人社名を含む検索での表示回数業界の解説・自社で集めたデータ

目的は1文で書く

目的は、次の形の1文にしておくと、記事を企画するときにも、続けるかどうかを判断するときにも使えます。

〔どんな人〕が〔どんな場面〕で検索したときに当社の記事が出て、〔何〕をしてもらう。1年後に〔その数〕を月〔何件〕にする。

たとえば、社員30人ほどの業務用空調の設備工事会社なら、次のようになります。

店舗や事務所の業務用エアコンの入れ替えを考え始めた担当者が、費用や時期を調べたときに当社の記事が出て、現地調査の相談をしてもらう。1年後に、記事を経由した相談を月5件にする。

この1文があれば、「新しいエアコンの機種の紹介記事を書こう」という案が出たときに、「入れ替えを考え始めた担当者は、機種より先に費用と時期を知りたいはず」と判断できます。

ゴールの数字の置き方

1文の中の「月5件」のような数字は、思いつきで決めると、高すぎて担当者が追い込まれるか、低すぎて続ける意味が分からなくなります。
次の3つを調べてから決めると、根拠のある数字になります。

  • いまの問い合わせの数と、その入口:直近1年の問い合わせを、紹介・電話帳・会社のサイト・展示会など入口ごとに数える。会社のサイトから月に何件来ているかが出発点になる
  • 1件の問い合わせの価値:問い合わせのうち何割が受注になり、1件の受注でどれだけの粗利が出るかを、過去の記録から出す
  • かけられる費用:1件の価値に、目標の件数をかけた額が、1年でメディアにかけてよい費用の上限の目安になる

たとえば、問い合わせ10件のうち3件が受注になり、1件の受注で平均50万円の粗利が出る会社なら、問い合わせ1件の価値は15万円です。
記事経由の相談を月5件増やせれば、月に75万円分の価値になります。
この計算をしておくと、外注にいくらまで使えるか、何か月で見直すかを経営者と話しやすくなります。

目的は1つに絞る

問い合わせと採用を1つのメディアで両方狙うと、読む人がまったく違うため、カテゴリも書き方もばらばらになります。
採用が目的なら、採用サイトの中に別の記事のまとまりを作るか、別のメディアにするほうが分かりやすくなります。
立ち上げの段階では、主な目的を1つ決め、ほかの目的は「ついでに起きればよいこと」にしておきましょう。

読む人を具体的に書き出す

目的が決まったら、記事を読む人を書き出します。
年齢や性別のような細かい人物像を作り込むより、検索する場面と、その人が決めるために知りたいことを書くほうが、記事の企画に使えます。

項目書くこと業務用空調の設備工事会社の例
立場どんな会社の、どんな役割の人か飲食店を3店舗経営する会社の総務担当
検索する場面どんなきっかけで調べ始めるか夏前に1店舗のエアコンの効きが悪くなり、修理か入れ替えか迷っている
すでに知っていること調べる前に分かっていること入れ替えると高いらしい。どこに頼めばよいかは知らない
決める人最後に決めるのは誰か社長。担当者は費用の目安と比較の材料を集めて報告する
不安なこと頼む前に気にしていること工事の間、店を閉めなければいけないか。見積りが適正か
次にしたい行動記事を読んだ後に何をしたいか社長に見せる資料を作る。2〜3社に見積りを頼む

この表から、「入れ替え費用の内訳」「営業を止めずに工事する方法」「見積りで確かめること」といった記事の案がそのまま出てきます。
決める人と調べる人が違うときは、調べる人が上司に説明しやすいように、表や比較を多めに入れると読まれやすくなります。

経営者と合意しておくこと

立ち上げてから止まるメディアの多くは、始める前の合意が足りていません。
次の4つは、担当者だけで決めずに、経営者と話して決めておきます。

  • 判断する時期:Googleのスターターガイドには、変更が検索結果に反映されるまで数時間で済むものもあれば、数か月かかるものもあると書かれています。何か月目に何を見て続けるかを決めておく
  • 使える時間と予算:担当者が月に何時間使えるか。外注するなら月いくらまでか
  • 確認の速さ:原稿を誰が何日以内に確認するか
  • 書いてよい情報の範囲:価格の目安、お客様の業種、社内の手順など、どこまで出してよいか

立ち上げを見送ったほうがいい条件

次のどれかに当てはまる場合は、すぐに立ち上げるより、条件を整えるか、会社のサイトの中に数本の記事を置くところから始めるほうが失敗しにくくなります。
①狙う言葉を調べても、お客様がほとんど検索していない。
②書く人と確認する人の時間が、合わせて月に8時間も取れない。
③半年たっても数字に出ないことを、経営者が受け入れていない。
④記事を読んだ人が移る先(サービスの説明ページや問い合わせフォーム)がない。

狙う言葉の調べ方

担当者がPCで検索結果を開き、気になった言葉を手元の表に書き写している様子を肩越しに見た場面

狙う言葉(キーワード)は、記事ごとに「この言葉で検索した人に読んでもらう」と決める検索の言葉です。
ここを社内の思いつきで決めると、誰も検索していない言葉の記事ばかりになります。
次の6つの手順で調べます。

  1. お客様の言葉を集める問い合わせのメール、見積り依頼フォームの自由記入欄、営業の商談メモ、電話でよく聞かれる質問を、直近の半年から1年分さかのぼって書き出します。社内で使っている言い方ではなく、お客様が書いた言葉のまま写すのがこつです。社内では「更新工事」と呼んでいても、お客様は「入れ替え」と書いている、ということがよくあります。
  2. 検索の言葉に直す集めた質問を、「〇〇 費用」「〇〇 相場」「〇〇 選び方」「〇〇 比較」「〇〇 とは」「〇〇 やり方」「〇〇 時期」「〇〇 補助金」のような形に当てはめます。1つの質問から、2〜3個の言葉が出てくることもあります。
  3. 検索候補で広げるGoogleの検索窓に言葉を入れたときに出る候補(サジェスト)と、検索結果に出る「他の人はこちらも質問」「関連する検索」を見て、言葉を書き足します。候補をまとめて一覧にできるツール(ラッコキーワードなど)を使うと早く済みます。
  4. 検索数を確かめるGoogle広告のキーワードプランナーや、有料のキーワードツールで、月にどのくらい検索されているかを調べて表に書きます。キーワードプランナーは、お支払い情報を入れてアカウントの設定を終えると使えます。季節によって増減する言葉は、Googleトレンドで1年の動きも見ておきます。
  5. 上位10件を自分の目で見る言葉ごとに実際に検索して、1位から10位にどんなページが並んでいるかを見ます。同じ規模の会社の記事なのか、大手のメディアや比較サイトなのか、官公庁や製品の公式ページなのかで、取りにいけるかどうかが変わります。記事ではなく、通販の商品ページや地図、動画が並んでいる言葉もあります。
  6. 表にまとめて判定する調べた結果を1行1語の表にまとめ、下の判定表に沿って「取りにいく」「言葉をずらす」「狙わない」を決めます。

お客様の言葉を検索の言葉に直す例

手順1と2は、慣れないうちはいちばん迷うところです。
業務用空調の設備工事会社が、過去の問い合わせから言葉を拾った場合を例に、直し方を示します。

お客様が書いた言葉検索の言葉に直すと記事の型
「15年使っているエアコンの効きが悪いのですが、修理と交換どちらがいいですか」業務用エアコン 修理 交換 どっち/業務用エアコン 耐用年数判断
「4台入れ替えるといくらくらいかかりますか」業務用エアコン 入れ替え 費用/業務用エアコン 交換 相場費用
「営業しながら工事できますか」業務用エアコン 入れ替え 工事 日数/業務用エアコン 工事 営業中手順
「ほかの会社の見積りと比べて高い気がします」業務用エアコン 見積り 比較/業務用エアコン 見積り 注意点チェックリスト
「補助金は使えますか」業務用エアコン 補助金/省エネ 設備 補助金制度

直した言葉は、まだ仮のものです。
手順3〜5で、実際に検索されているか、上位にどんなページが出るかを確かめて、残すかどうかを決めます。
問い合わせの記録が少ない会社は、営業担当や電話を受ける人に「最近よく聞かれることを10個」と頼むだけでも、十分な材料が集まります。

上位10件を見るときに書き留めること

手順5は、ただ眺めるだけでは判定に使えません。
上位のページを1つずつ開いて、次の点を書き留めます。
上位の3〜5件を見れば、その言葉で何を書けばよいかがおおよそ分かります。

  • どんなサイトか:同業の会社、比較サイト、大手のメディア、メーカー、官公庁のどれか
  • 記事の冒頭で何に答えているか:検索した人が最初に知りたいことの手がかりになる
  • 共通して出てくる見出し:上位のほとんどが書いている話題は、自社の記事にも入れる
  • 表や図の中身:費用の内訳、比較の項目など、読む人が欲しがっている整理のしかた
  • 書いた人と更新日:専門家の名前が出ているか、何年前の情報か
  • 足りないもの:自社なら書ける、具体的な数字や現場の手順、写真が抜けていないか

最後の「足りないもの」が、その記事で自社が勝てるところです。
上位の記事が5年前の情報のままだったり、どの会社も費用を「お問い合わせください」で済ませていたりすれば、そこを具体的に書くだけで違いが出ます。

手順6で使う表は、次の列を用意しておくと、あとで記事の企画にそのまま使えます。

列書くこと
言葉検索の言葉(例:業務用エアコン 入れ替え 費用)
月間検索数ツールで調べた数。調べた日も書いておく
知りたいことその言葉で検索した人が最初に知りたいこと(例:総額の目安と内訳)
上位の顔ぶれ上位10件の種類(例:同業の中小企業4、比較サイト3、メーカー公式3)
自社が書ける根拠自社だけが出せる情報(例:過去の見積りの内訳、現場の写真)
判定取りにいく/言葉をずらす/狙わない
まとめる先同じ記事で狙うほかの言葉。別の記事にするなら、その記事の仮のタイトル

取りにいくかの判定

判定でいちばん大事なのは、検索数より上位10件の顔ぶれです。
検索数が多くても、上位が大手のサイトで埋まっていれば、立ち上げたばかりのメディアが入り込むのは難しくなります。

上位10件の様子判定考え方
同じくらいの規模の会社の記事や、個人のブログが混ざっている取りにいく記事の中身で勝負できる。上位の記事が書いていないことを足せば入り込める
大手のメディアや比較サイトで埋まっている言葉をずらす地域名・業種名・条件(「店舗」「工場」「中古」など)を足した、より細かい言葉を先に狙う
官公庁・辞書・製品の公式ページが並ぶ狙わない定義や公式の情報を知りたい人が中心。記事の中で引用する側に回る
通販の商品ページや地図が並ぶ記事では狙わない買いたい・行きたい人の言葉。サービスのページや地図の登録で対応する
動画が上位に多い記事と動画を検討手順を見たい人が多い。記事に手順の写真や動画を入れる
検索数はとても少ないが、商談でよく聞かれる書く検索からの流入は少なくても、営業がお客様に送る資料として使える

検索数が少なくても書く言葉

BtoB(会社向けの商売)や、地域に根ざした商売では、月に数十回しか検索されない言葉でも、1件の問い合わせの価値が大きいことがあります。
「業務用エアコン 入れ替え 費用」のように、費用・比較・選び方・業者がつく言葉は、すでに頼む先を探し始めている人の言葉です。
検索数が小さくても、立ち上げの最初の記事に入れておく価値があります。

反対に、「エアコン 仕組み」のように検索数は大きくても、頼む先を探しているわけではない言葉は、問い合わせにはつながりにくくなります。
目的が問い合わせなら、後回しにしてかまいません。
判定に迷う言葉は、「この言葉で検索した人が、来月うちに電話をかけてくる見込みはあるか」と営業担当に聞いてみると、答えがはっきりします。

地域名をつけるかどうか

地域の会社では、「山口 業務用エアコン 工事」のように地域名をつけた言葉を狙うかどうかで迷います。
地域名をつけた言葉は、検索結果に地図と店舗の一覧が出ることが多く、記事より会社の情報(Googleビジネスプロフィール)やサービスのページで対応するほうが向いています。
記事では、地域名をつけない「費用」「選び方」などの言葉で全国の上位を狙い、記事の中で「当社の対応地域」を案内する形にすると、両方を取りこぼしません。

同業の会社のメディアも見ておく

狙う言葉の上位に出てこなくても、同じ業界の会社がどんな記事を出しているかは見ておく価値があります。
「業種名 コラム」「業種名 お役立ち情報」などで検索し、見つかったメディアのカテゴリと記事の題名を書き出します。
どの会社も書いている話題は、読む人が必ず知りたいことです。
反対に、どの会社も書いていない話題は、自社が先に取れる場所になります。

似た言葉は1記事にまとめるか、分けるか

似た言葉を別々の記事にすると、自社の記事同士で同じ検索結果を取り合ってしまいます。
まとめるか分けるかは、2つの言葉でそれぞれ検索して、上位10件がどれだけ重なるかで決めると判断がぶれません。
たとえば「オウンドメディア 立ち上げ」と「オウンドメディア 構築」は上位の記事がほぼ同じなので、1つの記事で両方を狙います。
上位がほとんど重ならなければ、Googleが別の意図の言葉として扱っていると考えて、記事を分けます。

AIに任せるところ・人がやるところ

言葉の調査は、AIに手伝ってもらうと早く進む作業です。
ただし、任せてよいところと任せてはいけないところがあります。

  • AIに任せてよい:集めた質問を検索の言葉に言い換える候補を出す、上位の記事の見出しを読み比べて抜けている話題を挙げる、表の形を整える
  • 人がやる:検索数を確かめる、上位10件の実物を開いて見る、自社が書ける根拠があるかを判断する

AIに「この言葉の月間検索数は?」と聞くと、もっともらしい数字が返ってくることがあります。
Googleも、生成AIは事実を取り出しているのではなく、ありそうな言葉の並びを予測していると説明しています。
数字は必ずツールで確かめると決めておきましょう。

カテゴリ・URLの設計

担当者が机の上に付箋を並べ、記事の案をまとまりごとに分けている

狙う言葉の一覧ができたら、似た言葉をまとめてカテゴリを作ります。
カテゴリごとに、全体を説明する「まとめ記事(ピラー記事)」を1本置き、その下に詳しい記事をつなげる形にすると、読む人も検索エンジンも記事の関係をたどりやすくなります。

前の章の、業務用空調の設備工事会社の場合を考えると、カテゴリは次のようになります。

カテゴリまとめ記事詳しい記事の例URLの例
入れ替え業務用エアコンの入れ替えガイド費用の目安、耐用年数と時期、工事の流れ、補助金/column/replacement-cost/
選び方業務用エアコンの選び方天井埋込と壁掛けの違い、能力(馬力)の選び方、リースと購入/column/how-to-choose/
故障・トラブル業務用エアコンが冷えないとき水漏れ、異音、エラー表示が出たとき/column/not-cooling/
電気代・省エネ業務用エアコンの電気代を下げる方法フィルター掃除の頻度、運転の設定、省エネ機への入れ替え/column/electricity-cost/

カテゴリは3〜5つにする

カテゴリが多すぎると、1つのカテゴリに記事が1〜2本しかない状態が長く続きます。
読む人がカテゴリを開いても記事がほとんどなく、記事同士をつなぐこともできません。
立ち上げのときは3〜5つに絞り、記事が増えてから分けるほうが整理しやすくなります。

カテゴリの名前は、社内の部署名や商品名ではなく、お客様の悩みの言葉にします。
「空調ソリューション」より「入れ替え」「故障・トラブル」のほうが、読む人がどこを開けばよいか分かります。
迷ったら、狙う言葉の一覧で多く出てくる言葉を、そのままカテゴリ名に使いましょう。

URLの決まり

Google検索セントラルの「URL構造のベストプラクティス」では、長いID番号ではなく意味の分かる単語を使うこと、単語の区切りにはアンダースコア(_)ではなくハイフン(-)を使うこと、不要なパラメータ(?以降の文字列)を減らすことが勧められています。
日本語の単語もURLに使えますが、共有したときに「%E6%A5%AD…」のような長い文字列に変わるので、英字にしておくほうが扱いやすくなります。

実務では、次の3つを最初に決めておくと迷いません。

  • 形をそろえる:「/column/記事の英字名/」のように、すべての記事を同じ形にする
  • カテゴリ名をURLに入れない:「/column/replacement/cost/」のようにカテゴリを入れると、後でカテゴリを分け直したときにURLも変わってしまう
  • 日付や番号を入れない:「/2026/10/123/」の形は、記事を更新しても古い日付が残り、何の記事か分からない

記事同士のつなぎ方を決めておく

Googleの「AI機能とウェブサイト」のページでも、AIによる概要に出るために特別な対策はいらず、サイト内のリンクで記事を見つけやすくするなど、これまでのSEOの基本が引き続き大事だと書かれています。
記事を書くたびに迷わないように、つなぎ方の決まりを最初に作っておきます。

  • 詳しい記事からは、必ず同じカテゴリのまとめ記事にリンクする
  • まとめ記事からは、そのカテゴリの詳しい記事すべてにリンクする
  • 費用・比較の記事からは、サービスのページか問い合わせへの誘導を必ず入れる
  • リンクの文字は「こちら」ではなく、行き先の記事の内容が分かる言葉にする

ドメインの選び方

担当者がノートPCで自社サイトのアドレスを確かめながら、上司と公開先を相談している

オウンドメディアをどのアドレスで公開するかには、3つの形があります。

形例よい点気をつける点
サブディレクトリexample.co.jp/column/会社のサイトと一体で管理できる。記事から問い合わせページへの移動が同じサイトの中で済み、計測も1つにまとまる会社のサイトと別の仕組み(CMS)を置くときは、サーバー側の設定が要る
サブドメインcolumn.example.co.jp会社のサイトとは別のCMSやサーバーを置きやすいSearch Consoleの「URLプレフィックス」の登録では別のサイトとして扱われる
別ドメインexample-column.jp会社と切り離した名前のメディアにできるドメインの管理と更新が増える。社名との結びつきが読む人に伝わりにくい

「サブディレクトリのほうがSEOに強い」という話をよく見かけますが、Google検索セントラルの「URL構造」のガイドには、一般のサイトでサブディレクトリとサブドメインのどちらが有利かは書かれていません(国ごとにサイトを分ける場合の説明があるだけです)。
評価の差を理由に選ぶのではなく、運用のしやすさで選ぶのが確かです。

迷ったときの選び方

  • 目的が問い合わせで、会社のサイトとCMSを分けなくてよい:サブディレクトリ。会社のサイトの中に「コラム」「お役立ち情報」として置く
  • 会社のサイトの仕組みが古く、記事を書きやすいCMSを別に置きたい:サブディレクトリにできるかを制作会社に確認し、難しければサブドメイン
  • 業界向けの情報誌のように、会社名を前に出さずに読者を集めたい:別ドメイン

サブドメインにする場合は、Search Consoleで「ドメインプロパティ」として登録しておくと、会社のサイトとメディアをまとめて見られます。
Search Consoleのヘルプによると、ドメインプロパティはすべてのサブドメインを含み、DNSレコードで所有を確認します。

メディアの名前の決め方

サブディレクトリに置く場合でも、メディアに名前をつけておくと、営業のメールやSNSで紹介しやすくなります。
名前は、凝った造語より、何についての情報が読めるのかが分かる名前にします。
「〇〇設備の空調コラム」「店舗の空調ガイド」のように、社名やテーマが入っていれば十分です。
名前が決まったら、同じ名前のSNSのアカウントや商標が使われていないかを検索で確かめておきましょう。

会社のサイトと別のCMSでサブディレクトリにする方法

「アドレスはサブディレクトリにしたいが、会社のサイトのCMSは記事を書きにくい」という場合もあります。
この場合は、サーバーの設定で「/column/ 以下だけを別の仕組みに振り分ける」方法(リバースプロキシなど)が使えます。
会社のサイトをNext.jsなどで作っているなら、表示の仕組みはそのままに、記事の中身だけをヘッドレスCMSから読み込む方法もあります。
どちらも制作会社やサーバーの管理者の作業が要るので、できるかどうか、費用はいくらかを、CMSを決める前に聞いておきましょう。

後から移すときの手間

公開した後にドメインやURLを変えるのは、できなくはありませんが手間がかかります。
Googleの「URL変更を伴うサイト移転」のガイドでは、古いURLから新しいURLへ恒久的な転送(301リダイレクト)を設定し、転送はできるだけ長く、一般には少なくとも1年は残すこと、移転の間は検索での表示が一時的に揺れること、小〜中規模のサイトでも多くのページが移るまでに数週間かかることが説明されています。
最初に決めるときに、少し時間をかけておく価値があります。

無料ブログやSNSの記事機能を本体にしない

無料のブログサービスや、SNSの記事機能は手軽に始められますが、オウンドメディアの本体にするのはおすすめしません。
アドレスが自社のものではないため、サービスの規約の変更や終了で記事を移すことになったときに、それまでの検索の評価を引き継げない場合があります。
問い合わせフォームや計測のタグを自由に置けないことも多く、記事を読んだ人を自社のサイトに案内しにくくなります。
SNSは、自社のサイトに置いた記事を知らせる場所として使い分けましょう。

古いドメインを順位目的で買わない

以前ほかの人が使っていたドメインを買って、そのドメインが持っていた評価を利用しようとする方法があります。
Googleのスパムに関するポリシーでは、期限切れのドメインを主に検索順位を操作する目的で買って使うことを「期限切れドメインの不正使用」として禁じています。
新しくドメインを取るなら、社名やメディア名から素直に決めましょう。

CMSの選び方

担当者がPCで記事の編集画面を開き、見出しと表を入れている様子を肩越しに見た場面

CMS(コンテンツ管理システム)は、記事を書いて、画像を入れ、公開するための仕組みです。
立ち上げの後に毎週使うものなので、作る人ではなく毎週書いて公開する人が使いやすいかで選びます。

種類例向いている会社気をつける点
WordPress(自社のサーバーに入れる)WordPress機能を自由に足したい。WordPressに慣れた制作会社に頼める本体とプラグイン(追加機能)の更新、セキュリティ対策を続ける必要がある
ヘッドレスCMS(記事の管理と表示の仕組みを分ける)microCMS、Contentful など会社のサイトを開発者が作っていて、表示の速さや見た目を細かく決めたい表示する側の開発が要る。見た目を変えるたびに開発者の手がかかる
ノーコードのサイト作成サービスSTUDIO、Wix など開発者がいない。デザインも社内で触りたいできることはサービスの範囲まで。ほかのCMSへの移しやすさを確かめておく
マーケティングの機能つきのCMSHubSpot CMS などメール配信や顧客の管理と一体で使いたい月額の費用がかかる。機能が多く、使いこなすまでに慣れが要る

どの種類が正解ということはありません。
会社のサイトがすでにWordPressなら、同じWordPressの中にメディアを置くのがいちばん手間が少なく、会社のサイトを開発者がNext.jsなどで作っているなら、ヘッドレスCMSが合います。

WordPressを選ぶなら決めておくこと

WordPressは自由度が高い反面、公開した後の手入れを誰がするかを決めておかないと、古いまま放置されがちです。
選ぶときは、次の3つを決めておきます。

  • 更新の担当:本体とプラグインの更新を、社内の誰か、または制作会社の保守契約でやるのか
  • プラグインの数:便利だからと増やすほど、更新の手間と不具合の原因が増える。入れるものを最初に決め、足すときは相談する決まりにする
  • バックアップ:記事と画像を、どこに、どのくらいの間隔で保存するか。戻し方を一度試しておく

選ぶ前に確かめる項目

候補のCMSが決まったら、デモの画面や制作会社への質問で、次の項目を1つずつ確かめます。
立ち上げの後に「できなかった」と分かると、運用のたびに手作業が増えます。

項目確かめること要る理由
下書き・予約公開下書きの保存、プレビュー、公開日時の予約ができるか書く人と確認する人を分け、決まった曜日に公開できる
権限書く人・確認する人・公開する人の権限を分けられるか確認前の原稿が誤って公開されない
URL記事ごとにURLを英字で決められるか前の章で決めた形にそろえられる
公開日・更新日公開日と更新日を両方表示し、構造化データ(datePublished・dateModified)にも入れられるかGoogleの「公開日と更新日」のガイドに沿って、更新した記事を正しく伝えられる
表・囲み・目次表が崩れずに入るか、スマホで横にはみ出さないか費用や比較の記事には表が欠かせない
画像の代替テキスト画像ごとに説明の文(alt)を入れられるか画像の内容を、検索エンジンや読み上げを使う人に伝える
タイトル・説明文記事ごとに検索結果用のタイトルと説明文を入れられるか検索結果で何の記事か伝わるようにする
執筆者の表示記事ごとに書いた人・確認した人を出せるかGoogleのガイドでも、読む人が期待する場面では執筆者の情報を正しく示すことが勧められている
転送の設定古いURLから新しいURLへの転送を自分で設定できるか記事をまとめたり、URLを直したりするときに使う
フォーム・計測問い合わせフォームや計測のタグを入れられるか記事から問い合わせまでの流れを数えられる
書き出し記事をまとめて書き出せるか将来CMSを替えるときに、記事を移せる

AIで原稿を作る予定なら、原稿をどの形で入れられるかも確かめておきます。
HTMLやMarkdown(見出しや箇条書きを記号で書く形式)でそのまま入れられるCMSなら、AIが作った原稿を貼り付けて、見出しや表が崩れずに入ります。
API(外のプログラムからデータを入れる仕組み)があれば、入稿そのものを自動にすることもできます。

あわせて読みたいオウンドメディアの費用|立ち上げ・運用の内訳と、月の予算ごとにできることオウンドメディアの費用を、立ち上げ費(設計・CMS・デザイン)と運用費(記事・取材・分析)に分けて解説します。記事1本の単価の決まり方、月10万・30万・50万円の予算の組み立て方、内製と外注の比べ方、費用対効果の計算の仕方まで、出どころのある数字でまとめました。

候補のCMSで1本入れてみる

確認項目を表で比べるだけでは、毎週の使い心地は分かりません。
候補を2つほどに絞ったら、無料の試用やデモの環境で、表と画像と注意書きの入った記事を1本、実際に入れてみるのがいちばん確かです。
入れる人は、制作会社ではなく、毎週記事を書く担当者本人にします。
1本入れるのに何分かかったか、スマホで見たときに表が崩れていないか、プレビューを確認担当に見せられるかを書き留めておくと、比べやすくなります。

制作会社に頼むときに伝えること

サイトの制作を外部に頼む場合は、デザインの好みより先に、次のことを文書で伝えておきます。
これがないと、見た目は整っていても、記事を書く人が使いにくいサイトになりがちです。

  • メディアの目的の1文と、カテゴリの表
  • URLの形(「/column/英字名/」など)と、カテゴリ名をURLに入れないこと
  • 記事のひな形に入れるもの(執筆者、公開日と更新日、目次、記事の最後の誘導、関連する記事)
  • 使いたい装飾(表、注意書きの囲み、手順の番号つきリスト、よくある質問)
  • 書く人・確認する人・公開する人の権限の分け方
  • 計測したい行動(問い合わせの完了、資料のダウンロード、電話番号のタップ)
  • 公開した後に、自社で直せる範囲(文章・画像は自社、デザインの変更は制作会社、など)

見積りを比べるときは、制作費だけでなく、公開した後に「表の装飾を足したい」「誘導の文を変えたい」と頼んだときに、どこまでが自社でできて、どこからが追加の費用になるかも聞いておきましょう。

公開前にしておく設定

サイトができたら、公開の前に次の設定を済ませます。
公開した後に気づくと、その間の数字が取れていなかったり、検索に出ない状態が続いたりします。

  1. Search Consoleに登録するGoogleの検索での表示回数やクリック数を見るための無料の道具です。サブドメインも含めてまとめて見られる「ドメインプロパティ」で登録し、DNSレコードで所有を確認します。
  2. サイトマップを送る記事の一覧を検索エンジンに伝えるファイル(サイトマップ)を、Search Consoleから送ります。多くのCMSは自動で作ってくれます。
  3. GA4を入れてキーイベントを決めるGoogleアナリティクス4を入れ、問い合わせの完了や資料のダウンロードを「キーイベント」(大事な行動)として印をつけます。アナリティクスのヘルプによると、標準のプロパティでは30個まで設定できます。
  4. 検索エンジンを止める設定が残っていないか確かめる制作中にサイトを検索に出さないようにする設定(WordPressの「検索エンジンがサイトをインデックスしないようにする」など)が、公開後も残っていることがあります。robots.txtと、ページのnoindexの設定を確かめます。
  5. AIの検索サービスを止めていないか確かめるChatGPTの検索に出るにはOpenAIの「OAI-SearchBot」を、Claudeの検索に出るにはAnthropicの「Claude-SearchBot」を、robots.txtで止めていないことが前提になります。サーバーやCDN(配信の仕組み)のボット対策の設定で止まっていることもあるので、制作会社に確かめてもらいましょう。
  6. 記事のひな形を確かめる執筆者、公開日と更新日、目次、記事の最後の問い合わせへの誘導が、どの記事にも同じように出るかを確かめます。
  7. 運営者の情報のページを用意するメディアを運営している会社、執筆者や確認者の紹介、問い合わせ先、プライバシーポリシーのページを用意し、どの記事からもたどれるようにします。Googleのガイドでも、誰が書いたのか、サイトが信頼できるかを読む人が確かめられることが大事だとされています。
  8. スマホで全ページを見る表が横にはみ出していないか、ボタンが押しやすいか、問い合わせフォームがスマホで送れるかを、実際のスマホで確かめます。

最初の20本の計画

担当者がPCの表計算ソフトで記事の公開予定表を作っている様子を肩越しに見た場面

最初の20本は、書きやすい順ではなく、次の考え方で並べます。

  • まとめ記事を先に出す:詳しい記事からリンクする先が先にあると、記事を出すたびにつながりができる
  • 問い合わせに近い記事を早めに出す:費用・比較・選び方・見積りの記事は、読んだ人がそのまま相談に進みやすい
  • 検索数の大きい一般的な言葉は後に回す:上位に入るまで時間がかかるため、先に細かい言葉で記事の数をそろえる
  • 事例は取材ができた順に入れる:お客様の了解や写真の準備に時間がかかるので、計画の後半に置いておく

業務用空調の設備工事会社の場合で、20本を並べると次のようになります。

順記事型カテゴリ
1業務用エアコンの入れ替えガイドまとめ入れ替え
2業務用エアコンの入れ替え費用の目安と内訳費用入れ替え
3業務用エアコンの耐用年数と、入れ替えを考える時期判断入れ替え
4業務用エアコンの選び方まとめ選び方
5見積りを取るときに確かめる10項目チェックリスト入れ替え
6業務用エアコンが冷えないときに確かめることまとめ故障・トラブル
7天井埋込と壁掛けの違いと選び方比較選び方
8能力(馬力)の選び方と、部屋の広さの目安選び方選び方
9入れ替え工事の流れと日数手順入れ替え
10業務用エアコンの電気代を下げる方法まとめ電気代・省エネ
11業務用エアコンの水漏れの原因と対処悩み故障・トラブル
12エラー表示が出たときの確かめ方悩み故障・トラブル
13リースと購入の比較比較選び方
14営業を止めずに入れ替える工事の進め方手順入れ替え
15入れ替えに使える補助金の探し方制度入れ替え
16フィルター掃除の頻度とやり方手順電気代・省エネ
17異音がするときに考えられる原因悩み故障・トラブル
18事例:飲食店の入れ替え工事事例入れ替え
19事例:事務所の入れ替え工事事例入れ替え
20業務用エアコンのよくある質問まとめQ&A全体

この並べ方で見ると、20本のうち問い合わせに近い記事(費用・比較・選び方・チェックリスト・事例)が約半分を占め、残りを悩みや手順の記事が支える形になっています。
自社の業種に置きかえるときも、まとめ記事が3〜4本、問い合わせに近い記事が8〜10本、悩み・手順の記事が6〜8本くらいの割合を目安にすると、偏りが出にくくなります。

まとめ記事の作り方

まとめ記事は、そのカテゴリの入口になる記事です。
詳しい記事の中身をすべて書き込むのではなく、カテゴリ全体の流れを説明し、見出しごとに詳しい記事へ案内する形にします。
「入れ替えガイド」なら、入れ替えを考える時期、費用の目安、選び方、工事の流れ、補助金を見出しにして、それぞれ2〜3段落で要点を書き、続きは詳しい記事で読んでもらいます。
詳しい記事がまだ公開されていない見出しは、公開したときにリンクを足します。
まとめ記事は、詳しい記事が増えるたびに更新することになるので、更新日が新しく保たれやすい記事でもあります。

自社の20本を作る手順

上の表は一つの例です。
自社の20本は、狙う言葉の一覧から次の順で作ります。

  1. 「取りにいく」「書く」の言葉だけを残す判定で「狙わない」にした言葉を外します。
  2. 同じ記事で狙う言葉をまとめる上位10件が重なる言葉同士を1行にまとめます。50〜100語の一覧が、たいてい30〜40本ほどの記事の案になります。
  3. カテゴリごとに、まとめ記事を1本決めるそのカテゴリでいちばん広い言葉を、まとめ記事にします。
  4. 問い合わせへの近さで印をつける費用・比較・選び方・業者・見積りがつく言葉に印をつけます。
  5. 自社だけの情報があるかで印をつける構成票の「自社だけが出せる情報」が埋まる記事に印をつけます。
  6. 印の多い順に20本を選んで並べるまとめ記事を先頭に置き、2つの印がついた記事を前半に、事例を後半に入れます。残った記事は、21本目以降の候補として一覧に残しておきます。

公開のペース

公開するときに5本ほどそろえておき、その後は週に1〜2本のペースで出していくと、3か月ほどで20本に届きます。
AIを使えば20本を数日で書くこともできますが、社内の確認が追いつかない量を一度に出すのはおすすめしません。
Googleの生成AIに関するガイドでは、利用者にとっての価値を加えずに多くのページを作ることは、スパムに関するポリシー(大量生成されたコンテンツの不正使用)に当たるおそれがあると書かれています。
確認できる量だけ出すのが、結局いちばん早く進みます。

1本ごとに作る「構成票」

記事を書く前に、1本ごとに次の項目を埋めた「構成票」を作ります。
社内で確認してもらうのも、AIに下書きを頼むのも、この構成票が出発点になります。

  • 狙う言葉と、同じ記事で狙うほかの言葉
  • 読む人と、検索している場面
  • 検索した人が最初に知りたいこと(記事の冒頭で答える結論)
  • 上位10件の記事が共通して書いていること
  • 上位の記事が書いていない、自社だけが出せる情報(見積りの内訳、現場の写真、社内の手順など)
  • 見出しの案と、入れる表
  • 確かめる一次情報(公的機関やメーカーの公式ページ)
  • 記事の最後に案内する先(サービスのページ、資料、問い合わせ)
  • 確認する人と、確認の期限

「自社だけが出せる情報」の欄を空にしない

上位の記事をまとめ直しただけの記事は、読む人にとって新しい情報がありません。
Googleの「ユーザー第一のコンテンツ」のガイドでも、ほかの人の話をまとめただけで価値を足していないかを、自分で確かめる問いとして挙げています。
構成票のこの欄が埋まらない記事は、取材や社内のデータ集めが済むまで後回しにしましょう。

構成票を埋めた例

20本の表の2本目「業務用エアコンの入れ替え費用の目安と内訳」の構成票を埋めると、たとえば次のようになります。

狙う言葉:業務用エアコン 入れ替え 費用(同じ記事で:業務用エアコン 交換 相場)
読む人:店舗や事務所の総務担当。社長に入れ替えの費用を説明する資料を作りたい
最初に答えること:費用は「本体」「工事」「古い機械の撤去・処分」の3つに分かれ、能力と設置の形で大きく変わる
上位の記事が共通して書いていること:形ごとの本体価格の幅、工事費の内訳
自社だけが出せる情報:過去の見積りから、店舗の広さ別の内訳の例。追加の費用がかかった現場の例(高所作業、配管の延長)
入れる表:費用の内訳表、広さ別の例、追加費用が出やすい条件
確かめる一次情報:メーカーの公式の製品情報、補助金の公募要領
最後の案内先:現地調査の申し込み、「見積りで確かめる10項目」の記事
確認する人:工事部の課長(1週間以内)

ここまで決まっていれば、AIに下書きを頼むときも、社内で確認してもらうときも、話がずれません。

AIに下書きを頼むときの依頼文

構成票ができたら、AIには次のように頼みます。
構成票をそのまま貼り、守ってほしいことを最後に並べるのがこつです。

次の構成票に沿って、オウンドメディアの記事の下書きを書いてください。
・読む人は、業務用エアコンに詳しくない総務担当です。専門用語は初めて出るところで言い換えてください
・冒頭の3行で「最初に答えること」に答えてください
・金額や年数などの数字は、構成票か私が渡した資料にあるものだけを使い、無いところは【要確認】と書いてください
・自社の事例は、私が渡すメモの内容だけを使ってください
(ここに構成票と、社内のメモを貼る)

数字や事例を「渡したものだけ」に限らせ、分からないところに印をつけさせると、もっともらしい作り話が入るのを防げます。
印がついたところを人が埋めれば、事実の確認も短い時間で済みます。

AIとの分担

担当者1人でも、AIと工程を分ければ、20本の計画は無理なく回せます。
分け方の目安は次のとおりです。

工程AIに任せること人がやること
調べる上位の記事の見出しを読み比べて、抜けている話題を挙げる。確かめるべき公式ページの候補を出す公式ページや一次情報を自分で開いて、内容を確かめる
構成構成票のたたき台を作る自社だけが出せる情報を足す。見出しの順番を決める
執筆構成票に沿って下書きを書く社内の数字・事例・言い回しを入れ、事実と違うところを直す
点検誤字、表記のゆれ、確かめるべき数字や固有名詞の一覧を出す最後の事実確認と、公開してよいかの判断
仕上げ検索結果用のタイトルと説明文、画像の代替テキストの案を出す案を選んで直す。写真を撮る、使ってよいかを確かめる

当社が運営するメディア「AI・Web実務研究所」でも、AIを使って調べる、構成を作る、書く、点検する、古くなった情報を更新する、という流れで記事を作っています。
Googleのガイドでも、生成AIで作った内容は、本文だけでなくタイトルや説明文、画像の代替テキストまで含めて、人が事実を確かめて見直すことが大事だとされています。

あわせて読みたいAI記事作成の手順|Claude・ChatGPT・GeminiでSEO記事を作る方法と点検項目Claude・ChatGPT・Geminiを使ってSEO記事を作る実際の手順を、キーワード調査から上位の確認、構成、下書き、事実確認、人の手直し、公開後の更新まで、プロンプトの例つきで解説します。AIの下書きで起きやすい間違いの点検項目と、Googleの生成AIコンテンツについての公式の考え方もまとめました。

公開してから最初の1か月に確かめること

公開した直後は、まだ検索からの訪問はほとんどありません。
この時期に見るのは数字の多さではなく、記事がGoogleに見つけてもらえているかです。

  • 公開した日:Search ConsoleのURL検査で、公開した記事を調べ、登録をリクエストする。robots.txtやnoindexで止まっていないかもここで分かる
  • 1〜2週間後:Search Consoleの「ページ」のレポートで、登録された記事と、登録されていない記事の理由を見る
  • 3〜4週間後:「検索パフォーマンス」のレポートで、記事ごとに表示回数が出始めているかを見る。狙った言葉以外の言葉で表示されていることも多く、次の記事の材料になる
  • GA4:テストで問い合わせを1件送り、キーイベントとして数えられているかを確かめる

表示回数が出始めたら、立ち上げは終わりです。
ここからは、毎月の数字を見ながら、新しい記事と古い記事の手直しを回していく運用の段階に入ります。

立ち上げでつまずきやすい点

最後に、立ち上げの段階で起きやすいつまずきと、防ぎ方をまとめます。
公開した後の失敗と立て直し方は、運用の記事で詳しく扱います。

つまずき起きること防ぎ方
デザインに時間をかけすぎるサイトは完成したのに、記事が1本もないサイトの制作と並行して、最初の5本を書き始める
会社やサービスの紹介記事から始める社名を知らない人には検索で見つけてもらえない最初の記事は、お客様の悩みや費用の言葉から選ぶ
カテゴリを部署名や商品名で作る読む人がどこを開けばよいか分からないカテゴリ名をお客様の悩みの言葉にする
検索に出さない設定のまま公開する何週間たっても検索結果に出てこない公開した日にSearch ConsoleのURL検査で確かめる
計測を入れ忘れる公開してからの数字が残らず、比べられない公開前の設定の手順をチェックリストにして、公開の条件にする
公開の日に全部出して、その後が続かない2か月目から更新が止まる5本で公開し、残りは週1〜2本で予約公開にしておく

よくある質問

立ち上げには、どのくらいの期間がかかりますか?

サイトをゼロから作り、最初の20本をそろえるまでで、3か月ほどを見ておくと無理がありません。
会社のサイトの中に記事のページを足すだけなら、もっと短くできます。
期間を延ばす原因になりやすいのは、制作よりも社内の確認です。
原稿を誰が何日以内に確認するかを先に決めておきましょう。

WordPressで作るべきですか?

会社のサイトがすでにWordPressなら、同じ仕組みの中に作るのがいちばん手間が少なくなります。
ただし、本体やプラグインの更新を続ける人が必要です。
社内に更新できる人がいない場合や、会社のサイトが別の仕組みで作られている場合は、ヘッドレスCMSやノーコードのサービスも候補に入れて、この記事の確認項目で比べてください。

担当者が1人でも立ち上げられますか?

立ち上げられます。
調べる、下書きを書く、点検するといった工程をAIに手伝ってもらえば、1人でも週1〜2本は出せます。
ただし、事実の確認と社内の情報の確認は1人では抱えきれないので、原稿を確認してくれる人を社内に1人決めておきましょう。

記事が何本あれば公開してよいですか?

決まりはありませんが、公開するときに5本ほどあると、読む人が1本目を読んだ後に次の記事へ進めます。
記事が1〜2本の状態で公開すると、カテゴリのページがほとんど空になります。
公開の時点では、まとめ記事と、問い合わせに近い記事を優先してそろえてください。

会社のホームページの「お知らせ」やブログと何が違いますか?

お知らせやブログは、会社の出来事を知らせるのが中心です。
オウンドメディアは、お客様が検索する言葉を調べて、その答えになる記事を計画的に出していくものです。
いまあるブログを、狙う言葉とカテゴリを決め直してオウンドメディアに作り替えることもできます。

記事は何文字くらい書けばよいですか?

Googleは、決まった文字数を好むことはないと公式に書いています。
文字数を目標にするより、検索した人が知りたいことに答えきれているか、上位の記事にない情報を足せているかで判断します。
結果として、費用や比較の記事は表や内訳が増えて長くなり、用語の説明の記事は短くなります。

AIで書いた記事は、検索で評価されませんか?

Googleは、生成AIを使うこと自体を禁じていません。
問題にしているのは、利用者にとっての価値を加えずに大量のページを作ることです。
AIで下書きを作る場合も、事実を人が確かめ、自社だけが出せる情報を足してから公開しましょう。

社内に文章を書ける人がいません。
どうすればよいですか?

書く作業そのものは、AIや外部のライターに任せられます。
社内でやるべきなのは、お客様の言葉を集めること、自社だけが出せる情報(現場の手順、見積りの内訳、写真)を出すこと、事実を確かめることです。
社内の詳しい人に15分ほど話を聞いて、その内容をもとに下書きを作る形にすると、書くのが苦手な会社でも続けやすくなります。

会社のサイトを作り直す予定があります。
メディアは後にしたほうがよいですか?

作り直しの後にURLが変わるなら、メディアも作り直しに合わせて立ち上げるほうが、転送の手間が1回で済みます。
作り直しまで半年以上あるなら、狙う言葉の調査と記事の下書きだけ先に進めておき、公開を作り直しに合わせる方法もあります。

立ち上げを外部に頼むなら、どこまで頼むべきですか?

サイトの制作と、狙う言葉の調査・記事の計画は、外部に頼みやすい部分です。
一方で、目的を決めること、自社だけが出せる情報を出すこと、原稿の事実を確かめることは、社内でしかできません。
全部を任せるのではなく、社内に残す役割を先に決めてから、残りを頼む範囲として見積りを取ると、費用と中身を比べやすくなります。

SNSでも記事を広めたほうがよいですか?

公開した直後は検索からの訪問が少ないので、会社のSNSやメールマガジン、営業のメールで記事を知らせるのは有効です。
ただし、SNSは記事を知らせる場所として使い、記事そのものは自社のサイトに置きます。
営業担当が商談の後に「詳しくはこちらの記事に」と送れる記事があるだけでも、立ち上げの効果を感じやすくなります。

立ち上げの段階で、AI検索への対策は必要ですか?

Googleは、AIによる概要やAIモードに出るために、特別な対策や新しいファイル、専用の構造化データは要らないと案内しています。
立ち上げの段階でやることは、検索エンジンやAIの検索サービスのクローラーを止めていないかを確かめ、検索した人の問いに冒頭で答える記事を作ることです。
公開した後に、AIの答えに自社の記事が出ているかを確かめる方法は、運用の記事で解説しています。

立ち上げの費用はどのくらいかかりますか?

サイトを新しく作るか、会社のサイトの中に足すか、記事を社内で書くか外部に頼むかで大きく変わります。
内訳と考え方は「オウンドメディアの費用」の記事で詳しく解説しています。

まとめ

この記事のまとめ

  • 立ち上げで時間をかけるべきなのは、サイトの制作より「誰の、どの言葉に、どの順で答えるか」を決めること
  • 目的は「何が増えればよいか」で1つに絞り、1文で書いておく
  • 狙う言葉は、お客様の言葉を集め、検索数を確かめ、上位10件の顔ぶれを見て判定する
  • カテゴリは3〜5つ、URLは英字で形をそろえ、カテゴリ名を入れない
  • ドメインとCMSは、評価の差ではなく運用のしやすさで選び、公開前にSearch Console・GA4・robots.txtを確かめる
  • 最初の20本は、まとめ記事と問い合わせに近い記事を先に並べ、確認できるペースで出す

立ち上げは、ここで決めたことを毎月回していくための準備です。
公開した後の回し方は「オウンドメディア運用」の記事で解説しています。

INTERCREATE JAPANでは、狙う言葉の調査や記事の計画から、AIを使った記事づくり、AI検索への対応まで、オウンドメディアの運用をお手伝いしています。
立ち上げの計画を一緒に立てたいときは、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典