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オウンドメディア運用の進め方|毎月の回し方・KPI・失敗の立て直し・記事の更新

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.18

この記事でわかること

  • 毎月の運用の流れと、新しい記事・更新の割合
  • 運用の体制と、1人で回すときのAIとの分担
  • 時期ごとのKPIと、月次の確認表の項目
  • Search Consoleでの振り返りの手順と、数字ごとの打ち手
  • 更新する記事の選び方の基準と、まとめる・消すの判断
  • よくある失敗の型と、90日の立て直し
  • AI検索(AIによる概要・ChatGPT・Claude)への対応と確かめ方
目次
  1. 毎月の運用の流れ
  2. 新しい記事・更新の割合
  3. 記事のネタを毎月集める仕組み
  4. 1本の記事ができるまでの流れ
  5. 新しい記事を出したら古い記事からつなぐ
  6. 公開した記事の知らせ方
  7. 運用の体制
  8. 1人で回すときのAIとの分担
  9. 時間が取れない月に削る順番
  10. 内製・外注の分け方
  11. 確認担当の負担を減らす
  12. 外注先との毎月の進め方
  13. 引き継げる形で残しておくもの
  14. KPIの決め方
  15. 目標の数字を逆算する
  16. 記事の役割ごとに見る数字を分ける
  17. 記事を読んだ後の問い合わせを数える
  18. 見なくてよい数字
  19. 1年たったときの判断
  20. 月次の確認表
  21. 月次の振り返り
  22. 数字の状態ごとの打ち手
  23. 振り返りの例
  24. タイトルの直し方の例
  25. 3か月に1回確かめる技術的な項目
  26. 経営者への報告は3行で
  27. 古い記事の更新
  28. 更新する記事の選び方
  29. 更新の手順
  30. 更新の効果の確かめ方
  31. 記事の型ごとの見直しの間隔
  32. 追記するときの書き方
  33. まとめる・消すの判断
  34. 失敗の型・立て直し
  35. 量産した記事を立て直す手順
  36. 90日の立て直し
  37. 3か月ごとの見直しでやること
  38. 棚卸しの表の作り方
  39. AI検索への対応
  40. まず公式の案内を押さえる
  41. AIによる概要が出る言葉で起きること
  42. 学習用のクローラーは別に考える
  43. 読む人にもAIにも分かりやすい書き方
  44. 自社が答えに出ているかを毎月確かめる
  45. AIの答えで自社の情報が違っていたら
  46. AIで記事を作るときに守ること
  47. よくある質問
  48. まとめ

「オウンドメディアを公開して半年たつが、記事を出すだけで手いっぱい」「アクセスは少しずつ増えているのに、問い合わせにつながらない」「担当者が忙しくなって、更新が止まってしまった」。
公開した後のオウンドメディアでは、こうした悩みがよく出てきます。

運用でやることは、新しい記事を書くことだけではありません。
毎月数字を見て、伸びている記事と止まっている記事を分け、古くなった記事を直し、うまくいっていないところを立て直すことが、記事を書くのと同じくらい大事です。

この記事では、公開した後の運用について、毎月の回し方、体制とAIとの分担、KPIと月次の確認表、Search Consoleでの振り返り、更新する記事の選び方、失敗の型と立て直し、AI検索への対応の順に解説します。
目的の決め方や狙う言葉の調べ方、CMSの選び方など、公開までの準備は「オウンドメディアの立ち上げ」の記事で扱っています。
内容は2026年10月時点のGoogle・OpenAI・Anthropicの公式情報をもとにしています。

毎月の運用の流れ

月初に担当者がPCで先月の数字を確かめながら、手帳に今月の予定を書き込んでいる

運用は、1か月を1つの区切りにして回すと続けやすくなります。
毎月同じ時期に同じことをする形にしておけば、担当者が替わっても引き継げます。

時期やること時間の目安担当
第1週の前半先月の数字を確認表に書き込み、伸びた記事・落ちた記事を洗い出す2時間編集担当
第1週の後半今月書く新しい記事と、直す記事を決める。責任者に一言で報告する1時間編集担当・責任者
第2〜3週構成票を作り、下書きを書き、社内で確認してもらう1本あたり3〜6時間編集担当・確認担当
第4週古い記事を直す。新しい記事を予約公開し、SNSや営業に知らせる1本あたり1〜2時間編集担当
3か月ごと狙う言葉の一覧とカテゴリを見直す。四半期の結果を経営者に報告する半日編集担当・責任者
1年ごと目的と予算、体制を見直す。続けるか、広げるか、縮めるかを決める半日責任者

時間の目安は、AIで下書きを作り、人が事実の確認と仕上げをする場合です。
すべて手で書く場合は、執筆の時間が2〜3倍になると見ておきましょう。

新しい記事・更新の割合

運用が進むと、新しい記事を書くことより、すでにある記事を直すことのほうが効く場面が増えます。
記事の本数に合わせて、次のように割合を変えていくと、手を広げすぎずに済みます。

記事の本数新しい記事と更新の割合の目安考え方
20本まで新しい記事がほぼすべてまだ数字が出ていないので、計画した記事をそろえることを優先する
20〜50本新しい記事4に対して、更新1表示回数が出始めた記事のうち、もう少しで上位に入る記事から直す
50〜100本新しい記事3に対して、更新2情報が古くなる記事が出てくる。更新を毎月の予定に組み込む
100本以上新しい記事と更新が半々新しい記事は問い合わせに近い言葉に絞り、残りの時間を更新と統合に使う

記事のネタを毎月集める仕組み

運用が1年を過ぎるころ、多くのメディアで「書くことがなくなった」という声が出ます。
立ち上げのときに調べた言葉を使い切ってしまうからです。
これを防ぐには、お客様の質問が毎月自然に集まる仕組みを作っておきます。

やり方は簡単で、営業担当や電話を受ける人が使う共有の表を1つ用意し、お客様に聞かれたことをその場で1行ずつ書いてもらうだけです。
列は次の4つで足ります。

  • 聞かれた日
  • お客様の言葉のまま書いた質問
  • どう答えたか(一言で)
  • 聞いてきたお客様の業種や立場

編集担当は、月初の企画のときにこの表を見て、検索の言葉に直し、検索数と上位の記事を確かめて、書くかどうかを決めます。
同じ質問が何度も出ているなら、検索数が少なくても書く価値があります。
書いた記事は、次に同じ質問を受けた営業担当が、そのまま送れる資料にもなります。

1本の記事ができるまでの流れ

毎月の作業のうち、いちばん時間がかかるのが記事づくりです。
1本ずつの流れも、決まった形にしておきます。

  1. 構成票を作る狙う言葉、読む人、冒頭で答える結論、上位の記事にない自社の情報、入れる表、記事の最後の案内先を1枚にまとめます。
  2. 下書きを書く構成票をもとに、AIか担当者が下書きを書きます。数字や事例は、構成票と社内の資料にあるものだけを使います。
  3. 社内で確認する現場や技術に詳しい確認担当が、事実と、出してよい情報かを確かめます。期限は届いてから3営業日以内などと決めておきます。
  4. 仕上げる確認で出た直しを入れ、検索結果用のタイトルと説明文、画像の代替テキストを整えます。
  5. 公開して知らせる決まった曜日に予約公開し、SNSやメールマガジン、営業担当に知らせます。営業担当が商談の後に送れる記事なら、その旨を一言添えます。

新しい記事を出したら古い記事からつなぐ

新しい記事は、公開しただけでは、サイトの中のどこからもたどれない状態になりがちです。
公開したら、同じカテゴリの古い記事のうち、話題の近い3本から新しい記事へリンクを張ることを、公開の手順に入れておきます。
まとめ記事にも、新しい記事への案内を足します。
Googleの「AI機能とウェブサイト」のページでも、サイト内のリンクで記事を見つけやすくすることが、引き続き大事な基本として挙げられています。
読む人にとっても、関連する記事へ進みやすくなります。

公開した記事の知らせ方

検索からの訪問が増えるまでには時間がかかります。
その間も、記事を読んでほしい人に直接届ける方法があります。

届け方やり方向いている記事
営業のメール商談の後のお礼のメールに、話題に合う記事を1本添える費用、比較、進め方、よくある質問
メールマガジン月1回、その月に公開・更新した記事をまとめて送る制度の変更、季節の話題、事例
SNS公開した日に、記事で分かることを1〜2行で書いて知らせるすぐ役立つ手順、チェックリスト
紙の資料・展示会会社案内やチラシに、記事のQRコードを入れる選び方、事例
既存のお客様使い方や手入れの記事を、納品や点検の案内と一緒に送る手入れ、トラブルの対処

公開の曜日を決めておく

「毎週火曜日の朝に公開」のように曜日を決めておくと、確認担当にも「月曜までに読んでほしい」と頼みやすくなります。
公開の曜日を決めることは、Googleの評価のためではなく、チームの作業の締め切りを作るためです。

あわせて読みたいオウンドメディアの立ち上げ方|狙う言葉の調べ方・CMS選び・最初の20本の並べ方オウンドメディアの立ち上げで、公開までに決めることを順に解説します。目的の決め方、狙う言葉(キーワード)の調べ方と判定、カテゴリとURLの設計、ドメインとCMSの選び方、公開前の設定、最初の20本の並べ方とAIとの分担まで、そのまま手を動かせる形でまとめました。

運用の体制

小さな会議室で編集担当と現場の社員がノートPCの原稿を見ながら話している

運用が止まる原因のほとんどは、体制にあります。
誰が何をするかを、役割ごとに決めておきます。

役割運用でやること月の時間の目安
責任者月1回の報告を聞き、四半期ごとに目的と予算を確かめる。社内の協力を取りつける1〜2時間
編集担当数字の確認、記事の企画、構成票と下書き、更新、公開、報告月4本なら20〜30時間
確認担当原稿の事実と、出してよい情報かを確かめる。事例の取材に協力する1本30分ほど
営業・現場お客様によく聞かれることを毎月伝える。記事を商談で使う月15分ほど

小さな会社では、編集担当が1人で、ほかの役割は本業と兼ねる形になります。
それでも、書く人と確認する人を分けることと、営業・現場から毎月ネタをもらう決まりの2つは外さないようにしましょう。
この2つが抜けると、事実の誤りが出たり、お客様の悩みから離れた記事が増えたりします。

1人で回すときのAIとの分担

編集担当が1人でも、毎月の作業の多くはAIに手伝ってもらえます。
運用の作業ごとに分けると、次のようになります。

毎月の作業AIに任せること人がやること
数字の確認Search Consoleから書き出した表を渡し、先月と比べて伸びたページ・落ちたページの一覧を作らせる一覧を見て、理由を考える。検索結果を実際に見る
企画営業から集めた質問を、検索の言葉の候補に言い換えさせる検索数と上位の記事を確かめ、書くかどうかを決める
更新直す記事と、上位の記事の見出しを比べて、足りない話題を挙げさせる新しい情報を一次情報で確かめ、自社の情報を足す
下書き構成票と社内のメモから下書きを書かせる事実の確認と、社内の言い回しへの直し
点検誤字、表記のゆれ、確かめるべき数字と固有名詞の一覧を出させる最後の事実確認と、公開の判断
報告確認表の数字から、経営者向けの3行の報告文のたたき台を作らせる数字の意味と次の月の打ち手を書き足す

当社が運営するメディア「AI・Web実務研究所」でも、AIを使って調べる、構成を作る、書く、点検する、古くなった情報を更新する、という流れで記事を作っています。
AIに任せる工程が増えても、数字の意味を考えることと、事実を確かめることは人の仕事として残ります。

時間が取れない月に削る順番

繁忙期など、運用に時間を取れない月は必ず来ます。
そのときに全部を止めるのではなく、削る順番を決めておくと、運用が途切れません。

  1. 最初に削る:SNSでの告知記事の公開は続け、知らせる作業を休みます。
  2. 次に削る:新しい記事新しい記事を月1本か0本にし、空いた時間で、問い合わせにつながっている記事の更新だけを行います。
  3. 最後まで残す:月次の確認表と、情報が古くなった記事の修正数字の記録が途切れると、後から比べられなくなります。料金や制度が変わった記事の修正も、読む人の判断を誤らせないために残します。

内製・外注の分け方

すべてを社内でやる必要はありません。
社内でしかできない作業を残し、それ以外を外に出すと、費用を抑えながら中身の濃い記事を出し続けられます。

作業社内に残す外注しやすい
目的・予算・続けるかの判断○
お客様の質問・現場の情報を集める○
事実の確認・出してよい情報かの判断○
狙う言葉の調査・記事の企画○
構成票・下書き・仕上げ○
数字の集計・月次の報告書○
CMSへの入稿・画像の用意○

外注するときも、社内の誰が確認するか、月に何本まで確認できるかを先に決めておきます。
外注先が月8本書けても、社内で確認できるのが4本なら、残りの4本は止まります。

確認担当の負担を減らす

確認担当は本業の合間に原稿を読むため、負担が大きいと確認が後回しになり、運用全体が止まります。
確認してほしい点を絞って渡すと、30分ほどで済むようになります。

  • 確認してほしい箇所に印をつけて渡す:数字、手順、製品名、事例など、事実の確認が要るところだけに印をつける。文章の言い回しは編集担当が責任を持つ
  • 聞きたいことを質問の形で書いておく:「工事の日数は、店舗の広さ50㎡で2日と書いてよいですか」のように、はい・いいえで答えられる形にする
  • 口頭で済ませてもよいことにする:原稿に書き込んでもらうのが難しければ、10分の打ち合わせで聞き取り、編集担当が直す

外注先との毎月の進め方

記事づくりの一部を外注している場合は、外注先との打ち合わせも毎月の流れに組み込みます。
月に1回、30分ほどで次のことを決めると、すれ違いが減ります。

  • 先月の数字と、そこから決めた来月の打ち手
  • 今月書く記事と直す記事、それぞれの狙う言葉
  • 社内から渡す情報(お客様の質問、事例、写真)と、渡す日
  • 社内の確認担当と、確認の期限
  • 先月の原稿で、確認担当が何度も直したところ(次から最初に伝える)

最後の項目は見落とされがちですが、効き目が大きい項目です。
「製品名は正式な名前で書く」「価格は税込みで書く」のように、毎回同じ直しが出ているなら、外注先に渡す書き方の決まりに足しておきます。
AIで下書きを作っている場合も同じで、AIへの依頼文に足しておけば、次の原稿から直しが減ります。

引き継げる形で残しておくもの

担当者が替わっても運用を止めないために、次の文書は最初から作っておきます。
どれも長い文書である必要はなく、1〜2ページで足ります。

文書書くこと
目的と体制のメモ目的の1文、ゴールの数字、役割と担当者、予算
毎月の手順月のカレンダーの表、Search ConsoleとGA4で見る画面と手順
書き方の決まり言葉づかい、表記のルール、使ってよい表現と避ける表現、確かめる一次情報の範囲
狙う言葉の一覧言葉ごとの判定と、書いた記事・まだ書いていない記事
月次の確認表と変更の記録毎月の数字、打ち手、記事を直した日と中身
外部のサービスの一覧CMS、サーバー、ドメイン、計測の道具、外注先、それぞれの管理者と契約の更新日

KPIの決め方

担当者と上司が、二人の方を向いたPCのグラフを見ながら目標の数字を話し合っている

KPI(途中の目標の数字)は、公開してからの時期によって変えます。
公開した直後から問い合わせの数だけを見ていると、半年ほどは何も変わらないように見え、続ける判断ができなくなります。

時期主に見る数字見る場所うまく進んでいるときの様子
公開〜3か月公開した本数、Googleに登録された記事の数、表示回数CMS、Search Consoleの「ページ」「検索パフォーマンス」計画どおりの本数が出て、ほとんどの記事が登録され、表示回数が出始めている
4〜9か月クリック数、10位以内に入った言葉の数、記事からサービスのページへ移った数Search Console、GA4クリック数が月ごとに増え、狙った言葉のいくつかが10位以内に入る
10か月〜問い合わせ・資料のダウンロード(キーイベント)、商談、受注GA4、営業の記録記事を読んでから問い合わせる人が毎月出てくる

時期の区切りは目安です。
もともと会社のサイトに訪問が多い会社や、競う相手の少ない業界では早く進み、大手が多い言葉を狙う場合は遅くなります。
Googleのスターターガイドにも、変更が検索結果に表れるまで数時間で済むものもあれば数か月かかるものもあると書かれています。

目標の数字を逆算する

10か月目以降に「問い合わせを月5件」としたいなら、必要な訪問の数を逆算しておくと、途中の目標が決めやすくなります。

必要な訪問数 = 目標の問い合わせ数 ÷ 記事を読んだ人が問い合わせる割合

記事を読んだ人が問い合わせる割合は、業種や記事の種類で大きく変わるため、ほかの会社の数字をそのまま使っても当てになりません。
公開して数か月たったら、自社のGA4で「記事を読んだ人の数」と「キーイベントの数」から実際の割合を出し、その数字で計算し直します。
割合が分かるまでは、クリック数と、記事からサービスのページへ移った数を途中の目標にしておきましょう。

記事の役割ごとに見る数字を分ける

すべての記事に「問い合わせの数」を求めると、問い合わせに遠い記事は役に立っていないように見えてしまいます。
記事には役割の違いがあるので、役割ごとに見る数字を分けておきます。

記事の役割記事の例主に見る数字
入口をつくる記事用語の解説、悩みの原因、手順表示回数、クリック数、同じサイトのほかの記事へ移った数
比べてもらう記事費用、比較、選び方、チェックリストサービスのページや事例へ移った数、資料のダウンロード
決めてもらう記事事例、よくある質問、サービスの進め方問い合わせ、相談の申し込み
営業を助ける記事商談でよく聞かれることへの答え営業担当が送った回数、商談での反応(営業に聞く)

入口をつくる記事は、問い合わせが0件でも、比べてもらう記事へ読む人を送っていれば役目を果たしています。
反対に、比べてもらう記事の訪問が多いのにサービスのページへ移る人が少なければ、記事の後の案内に問題があると分かります。

記事を読んだ後の問い合わせを数える

「記事が問い合わせにつながったか」は、何もしないと正しく数えられません。
次の準備をしておくと、月次の確認表に書く数字が確かになります。

  1. 問い合わせの完了をキーイベントにするGA4で、問い合わせフォームの送信完了や資料のダウンロードを、キーイベントとして印をつけます。
  2. 最初に開いたページで分けて見るGA4の探索のレポートで、ランディングページ(最初に開いたページ)ごとにキーイベントの数を出すと、どの記事から入った人が問い合わせたかが分かります。
  3. フォームに「何を見て知ったか」を入れる問い合わせフォームに、選択式で「検索」「記事」「紹介」「SNS」などを選んでもらう項目を足します。計測では分からない、何日か後に電話で問い合わせた人も拾えます。
  4. 営業のメールのリンクに印をつける営業担当がお客様に記事を送るときは、URLの後ろにutmパラメータ(どこからの訪問かを示す印)をつけておくと、営業経由で読まれた数をGA4で分けて見られます。

見なくてよい数字

数字はたくさん見られますが、判断に使えない数字もあります。
次の数字は、月次の報告に入れても、打ち手につながりにくいものです。

  • サイト全体の平均掲載順位:Search Consoleの平均掲載順位は、表示された結果の最上位の順位の平均です。新しい記事が増えて低い順位でも表示されるようになると、サイト全体の平均は下がって見えます。言葉ごと、記事ごとに見ましょう
  • ページの滞在時間だけ:長く読まれていても、知りたいことが見つからずに探しているだけのこともある
  • SNSの反応の数:記事を知らせる場所としては大事だが、検索からの訪問や問い合わせとは別の数字
  • 記事の文字数:Googleは決まった文字数を好むことはないと書いている

1年たったときの判断

1年ごとの見直しでは、続けるか、広げるか、縮めるかを決めます。
判断がその場の印象にならないように、条件を先に決めておきます。

判断当てはまる様子次の1年でやること
広げる記事経由の問い合わせが毎月出ていて、1件の価値から見て費用を上回っている成果の出ているカテゴリの記事を増やす。外注や人を足して本数を増やす
続ける問い合わせはまだ少ないが、クリック数と10位以内の言葉が増え続けている問い合わせに近い記事と、記事の後の案内に力を入れる
立て直す本数は出ているのに、表示やクリックが伸びていない棚卸しをして、狙う言葉と記事を整理する。90日の立て直しから始める
縮める目的が変わった、または体制がどうしても取れない新しい記事を止め、問い合わせにつながっている記事の更新だけを続ける

「縮める」を選んだ場合も、記事を消す必要はありません。
問い合わせにつながっている記事の情報を新しく保つだけでも、検索からの問い合わせは続きます。

月次の確認表

毎月の数字は、同じ表に書き込んでいきます。
項目を固定しておくと、先月との比べ方がぶれず、担当者が替わっても続けられます。

項目見る場所見るときの注意
公開した本数・更新した本数CMS計画との差と、その理由を書く
表示回数Search Console(検索タイプ「ウェブ」)前の月と、前の年の同じ月の両方と比べる
クリック数Search Console表示回数と一緒に見る。表示が増えてクリックが増えない記事に印をつける
クリック率(CTR)Search Console記事ごとに見る。全体の数字だけでは判断しない
10位以内に入った言葉の数Search Console(クエリで並べ替え)狙った言葉のうち、いくつが入ったか
記事からサービスのページへ移った数GA4どの記事から移っているかも書く
キーイベント(問い合わせ・資料のダウンロード)GA4記事を読んだ後に起きたものを数える
AIのサービスからの訪問GA4の参照元ChatGPTからは「utm_source=chatgpt.com」がついた訪問として数えられる
商談・受注になった数営業の記録問い合わせのときに「何を見て知ったか」を聞いておく
来月の打ち手—数字から決めた、来月やることを3つまで書く

Search Consoleの検索パフォーマンスのデータは、16か月分を見られます。
前の年の同じ月と比べられるのは、ちょうど公開から1年を過ぎたころからです。
季節で検索が増える商売では、前の月との比較だけで判断せず、前の年の同じ月とも比べましょう。
16か月より前のデータは見られなくなるので、確認表に書き写しておくことにも意味があります。

月次の振り返り

担当者がPCで検索の数字の表を見て、気になる記事に印をつけている様子を肩越しに見た場面

確認表に数字を書き込んだら、記事ごとに見ていきます。
Search Consoleでの振り返りは、次の手順で進めると1〜2時間で終わります。

  1. 期間を比べる設定にする検索パフォーマンスのレポートで、日付の条件を「過去28日間」と「前の期間」の比較にします。季節の影響が大きい場合は、前の年の同じ期間とも比べます。
  2. ページごとに並べる表を「ページ」に切り替え、クリック数の差で並べ替えます。大きく増えた記事と、大きく減った記事をそれぞれ5本ずつ書き出します。
  3. 減った記事の言葉を見る減った記事を1つずつ選び、「クエリ」に切り替えて、どの言葉で表示とクリックが減ったのかを見ます。
  4. 実際に検索してみる減った言葉で実際に検索し、上位にどんなページが並んでいるか、AIによる概要が出ているかを見ます。数字だけでは分からない変化が、ここで分かります。
  5. 伸びしろのある記事を探す表示回数は多いのにクリック率が低い記事と、掲載順位が11〜20位の言葉を書き出します。今月直す記事の候補になります。
  6. 来月の打ち手を3つに絞る候補が多くても、来月やることは3つまでにします。やりきれる量にしておかないと、確認表の「打ち手」が毎月持ち越しになります。

数字の状態ごとの打ち手

振り返りで見つけた記事は、状態によって直し方が変わります。
よくある状態と打ち手をまとめます。

数字の状態考えられる原因打ち手
表示回数は多いのに、クリック率が低い検索結果に出るタイトルや説明文が、検索した人の問いに合っていないタイトルの前半に答えの手がかり(「費用の内訳」「5つの手順」など)を入れる。説明文で何が分かるかを書く
掲載順位が11〜20位で止まっている上位の記事に比べて、中身が少し足りない上位の記事と見出しを比べ、足りない話題と自社の情報を足す
狙っていない言葉で表示されている別のことを知りたい人が来ているその言葉が記事に合うなら見出しを足す。合わないなら新しい記事を書く
訪問は多いのに、問い合わせがない記事の後の行き先がない、または読む人に合っていない記事の途中と最後に、内容に合った案内(資料、関連する記事、相談)を置く
表示回数が急に減った検索結果の形が変わった、ほかのサイトがより詳しい記事を出した、技術的な問題実際に検索して上位を見る。URL検査で登録の状態を確かめる
Googleに登録されない記事が多い似た内容の記事が多い、中身が薄い似た記事をまとめる。登録されない理由をSearch Consoleの「ページ」で確かめる
同じ言葉で自社の記事が2本以上表示されている記事同士が同じ検索結果を取り合っているどちらかにまとめ、もう一方から転送する

変えたことを記録しておく

記事を直したら、日付、記事、変えたこと(タイトルを変えた、見出しを2つ足した、など)を1行ずつ記録しておきます。
Googleのスターターガイドでも、変えたことの効果を判断するには数週間待つのがよいとしています。
記録がないと、数週間後に数字が動いたときに、何が効いたのかが分かりません。

振り返りの例

業務用空調の設備工事会社が、公開から8か月目の月に振り返った場合を考えます。
手順に沿って見ていくと、次のような流れになります。

  • 増えた記事:「入れ替え費用」の記事のクリック数が前の期間より大きく増えた。クエリを見ると、狙っていた「入れ替え 費用」に加えて「交換 相場」でも10位以内に入っていた
  • 減った記事:「冷えないとき」の記事のクリック数が減った。実際に検索すると、検索結果の上にAIによる概要が出るようになっていた。掲載順位は変わっていない
  • 伸びしろのある記事:「リースと購入の比較」は表示回数が多いのに、掲載順位が14位前後だった。上位の記事には「税金の扱い」の話題があり、自社の記事には無かった

ここから決める来月の打ち手は、①入れ替え費用の記事から相談のページへの案内を目立つ位置に移す、②リースと購入の記事に税金の扱いの見出しを足す(一次情報を確かめ、確認担当にも見てもらう)、③冷えないときの記事の冒頭に、自分で確かめられることと業者を呼ぶ目安の表を入れる、の3つです。
数字の変化を「なぜか」まで確かめてから打ち手を決めると、毎月の作業がばらばらになりません。

タイトルの直し方の例

表示回数は多いのにクリック率が低い記事は、タイトルを直すだけで変わることがあります。
検索結果で並んだときに、自分の知りたいことが書いてあると分かるタイトルにします。

直す前直した後直した点
業務用エアコンの入れ替えについて業務用エアコンの入れ替え費用|本体・工事・処分の内訳と広さ別の例狙う言葉を前に出し、記事で分かることを具体的にした
オフィスの省エネを考えようオフィスの電気代を下げる7つの方法|今日からできることと設備の見直し読む人の目的(電気代)を前に出し、数と範囲を示した
当社の施工事例のご紹介飲食店の業務用エアコン入れ替え事例|営業を止めずに2日で工事した方法業種と、読む人が気にすること(営業を止めない)を入れた

タイトルを直したら、変更の記録に書き、数週間たってからクリック率を比べます。
一度に何本も直すと、どれが効いたのか分からなくなるので、数本ずつ直していきましょう。

3か月に1回確かめる技術的な項目

記事の中身とは別に、サイトの技術的な状態も定期的に確かめます。
毎月でなくてもよいので、3か月に1回、次の項目をSearch Consoleなどで見ておきます。

  • ページの登録の状態:「ページ」のレポートで、登録されていない記事が急に増えていないか、理由は何か
  • 表示の速さ:「ウェブに関する主な指標」のレポートで、遅いと判定されたページが増えていないか
  • 構造化データ:エラーが出ていないか。表示している日付と構造化データの日付が合っているか
  • リンク切れと転送:記事の中のリンクが切れていないか。転送が何段もつながっていないか
  • robots.txtとクローラー:サイトの改修やサーバーの設定変更で、検索エンジンやAIの検索サービスのクローラーを止めていないか

サイトの改修やCMSの更新の後は、この確認を臨時で行います。
改修の後に表示回数が急に落ちた場合、記事の中身より先に、ここに原因があることがよくあります。

経営者への報告は3行で

月次の報告は、数字の表をそのまま見せるより、3行にまとめたほうが伝わります。
「何が起きたか」「なぜか」「来月何をするか」の3つです。

先月は記事経由の問い合わせが2件ありました(前の月は0件)。
2件とも「入れ替え費用」の記事を読んだ後の相談です。
今月は、費用の記事から相談のページへの案内を目立つ位置に移し、似た「修理費用」の記事を新しく書きます。

悪い月も同じ形で報告します。
数字が落ちた理由と打ち手がそろっていれば、経営者も続ける判断をしやすくなります。

古い記事の更新

担当者が以前に公開した記事を開き、新しい資料と見比べながら書き直している

記事が50本を超えたあたりから、新しい記事を足すより、すでにある記事を直すほうが早く数字が動く場面が増えます。
一方で、全部の記事を毎月見直すことはできません。
直す記事を選ぶ基準を決めておきます。

更新する記事の選び方

優先基準見つけ方
1料金・制度・法令・製品などの情報が古くなった料金や制度を扱う記事に印をつけておき、公式の発表があったら探す。年に1回はすべて見る
2問い合わせにつながっている記事の順位が落ちてきたGA4でキーイベントの前に読まれた記事を出し、その記事の言葉の順位をSearch Consoleで見る
3掲載順位が11〜20位で、表示回数が多いSearch Consoleでクエリごとに掲載順位を並べ替える
4表示回数は多いのに、クリック率が低いSearch Consoleでページごとにクリック率を並べ替える
5前の年の同じ時期より、クリック数が大きく減ったSearch Consoleで前の年の同じ期間と比べる
6同じ言葉で、自社の記事が2本以上出ているクエリを1つ選び、「ページ」に切り替えて、表示されている記事の数を見る

1番目の「情報が古くなった」は、数字に関係なく最優先です。
料金や制度の記事が古いまま読まれると、読む人が誤った判断をするうえ、問い合わせの場で「記事と話が違う」となって信頼を落とします。

更新の手順

  1. いまの上位の記事を見直す狙う言葉で検索し直し、公開したときと上位の顔ぶれや書かれている話題が変わっていないかを見ます。
  2. 古い情報を差し替える料金、制度、製品名、画面の手順など、変わった情報を一次情報で確かめて直します。
  3. 足りない話題と自社の情報を足す上位の記事にあって自社の記事にない話題や、公開した後に増えた自社の事例・データを足します。
  4. タイトルと冒頭を見直す検索した人が最初に知りたいことに、冒頭の数行で答えているかを確かめます。
  5. 更新日を入れる中身を実際に直したときだけ、更新日を新しくします。表示する日付と、構造化データ(dateModified)の日付をそろえます。
  6. Googleに知らせるSearch ConsoleのURL検査で、直した記事の登録をリクエストします。

日付だけ新しくしない

Googleの「ユーザー第一のコンテンツ」のガイドでは、中身を大きく変えていないのに、新しく見せるためにページの日付を変えていないか、を注意すべき点として挙げています。
また「公開日と更新日」のガイドでは、日付はそのページを実際に公開した日・更新した日を表すものとされています。
誤字を直しただけ、言い回しを少し変えただけで更新日を新しくするのはやめましょう。

更新の効果の確かめ方

直した記事は、変更の記録に日付を書き、4週間ほどたってから、直す前の同じ長さの期間と数字を比べます。
Search Consoleで、そのページだけに絞り込み、直した日の前後で期間を分けて比べると分かりやすくなります。
見るのは、狙った言葉の掲載順位、表示回数、クリック数の3つです。
数字が変わらなければ、上位の記事との差がまだ埋まっていないと考え、次の更新の候補に戻します。
季節で検索が増減する言葉は、前の年の同じ期間とも比べてから判断しましょう。

記事の型ごとの見直しの間隔

数字で選ぶほかに、記事の型ごとに見直しの間隔を決めておくと、古い情報が残り続けるのを防げます。

記事の型見直しのきっかけ決まった見直しの間隔
料金・費用自社や他社の料金の改定、原材料や人件費の変化半年ごと
制度・補助金・法令公募要領や法令の改正、受付期間の変更制度の年度が変わるたび
道具・サービスの使い方画面や機能の変更半年ごと
比較・選び方比べている商品やサービスの変更、新しい選択肢の登場1年ごと
用語・基本の解説業界の定義の変化1年ごと
事例お客様の状況の変化、掲載の了解の期限原則として中身は変えず、了解の期限だけ管理する

追記するときの書き方

記事を直すとき、新しい情報を記事の最後に「追記」としてつけ足すだけにすると、冒頭には古い情報が残ったままになります。
読む人は冒頭から読むので、古い情報は書き換え、新しい情報は本来あるべき見出しの中に入れるのが基本です。
料金や制度が変わったことそのものを伝えたい場合は、冒頭に「2026年10月に料金が改定されました」のように一文入れ、本文は新しい内容に書き換えます。

まとめる・消すの判断

記事が増えると、似た記事や、読まれなくなった記事が出てきます。
直すだけでなく、まとめたり、消したりする判断も必要です。

記事の状態対応やり方
同じ言葉を狙った記事が2本あるまとめる中身をよいほうの記事に寄せ、もう一方のURLから恒久的な転送(301リダイレクト)をかける
話題が古くなり、もう検索されていない。ほかからのリンクもない消す記事を消す。サイト内のリンクも外す
話題は古いが、ほかのサイトからリンクされているまとめる近い話題の記事に転送する
検索されていないが、営業が商談で使っている残す検索からの訪問の数字では判断しない。営業に使い方を聞いて中身を直す
内容は正しいが、表示もクリックもほとんどない直してから判断狙う言葉が合っているかを見直し、直して3〜6か月たっても変わらなければ、まとめるか消すかを決める

転送をかけるときは、Googleのサイト移転のガイドにあるとおり、恒久的な転送を使い、できるだけ長く残しておきます。

失敗の型・立て直し

担当者と上司が、止まっていたメディアの記事一覧を印刷した紙を見直しながら立て直しの計画を話している

うまくいかないオウンドメディアには、いくつかの決まった型があります。
自社がどの型に当てはまるかが分かれば、立て直し方も決まります。

失敗の型よくある様子原因立て直し
更新が止まる3か月以上、新しい記事が出ていない担当者が本業と兼ねている。原稿が社内の確認で止まる公開の曜日と確認の期限を決める。1本あたりの量を減らしてでも、決まった間隔で出す
読まれるのに問い合わせがない訪問は増えたが、問い合わせは0のまま問い合わせから遠い言葉の記事ばかり。記事の後の行き先がない費用・比較・選び方の記事を足す。記事ごとに案内する先を決め直す
検索に出てこない半年たっても表示回数がほとんどない大手が上位を占める言葉ばかり狙っている。Googleに登録されていない言葉をずらして細かい言葉から狙う。登録の状態を確かめる
量産して中身が薄い似た記事が多く、どれも順位がつかないAIで本数を優先し、自社の情報が入っていない似た記事をまとめ、自社のデータや事例を足す。新しい記事の本数を減らす
宣伝ばかりになる新商品やキャンペーンの紹介が中心お客様の悩みではなく、売りたいものから記事を考えている営業から聞いたお客様の質問から企画し直す。宣伝はお知らせのページに分ける
担当者が辞めて止まる引き継いだ人が何をすればよいか分からない手順や判断の基準が、前の担当者の頭の中にしかない月の流れ、構成票、確認表、変更の記録を文書にして残す
途中で目的が変わる問い合わせのはずが、採用やブランドの話に広がる経営者の関心が移り、成果の報告がない3か月ごとに、目的の1文と数字を報告する場を作る

上の表では、どの型でも原因が「記事の書き方」より手前にあることが分かります。
記事の質を上げる前に、何を狙い、誰が、いつ出すかが決まっているかを確かめましょう。

量産した記事を立て直す手順

AIで記事を一気に増やした後に順位がつかなくなった場合は、本数を減らす方向で立て直します。
次の順に進めると、手を入れる記事を絞れます。

  1. 狙う言葉ごとに記事をまとめて並べる棚卸しの表を狙う言葉で並べ替え、同じ言葉や、上位10件が重なる言葉を狙った記事を、1つのまとまりにします。
  2. まとまりごとに残す記事を1本決める表示回数とクリック数がいちばん多い記事、または問い合わせにつながっている記事を残します。
  3. ほかの記事の使える部分を移す残す記事にない話題や表があれば、残す記事に移します。そのとき、自社の事例やデータを1つ以上足します。
  4. 移し終えた記事から転送する中身を移した記事は、残す記事へ恒久的な転送をかけます。
  5. 新しい記事の決まりを変える構成票の「自社だけが出せる情報」が埋まらない記事は書かない、と決めて、次の記事から適用します。

90日の立て直し

更新が止まっていたり、成果が見えなかったりするメディアは、次の90日の計画で立て直します。
いきなり新しい記事を書き始めるのではなく、まず今ある記事を整理するのがこつです。

期間やること終わったときにできているもの
1〜30日目全記事の棚卸しをする。目的の1文と、狙う言葉の一覧を見直す全記事の表(残す・直す・まとめる・消す)、見直した目的と言葉の一覧
31〜60日目「直す」「まとめる」に分けた記事から手を入れる。記事の後の案内を見直す問い合わせに近い記事の手直し、転送の設定
61〜90日目新しい記事の計画を立て直し、決まった曜日の公開を再開する。月次の確認表を始める次の3か月の記事の計画、月次の確認表の1回目

3か月ごとの見直しでやること

毎月の振り返りが記事ごとの手直しだとすると、3か月ごとの見直しは、メディア全体の向きを確かめる作業です。
立て直しが終わった後も、次の4つを3か月ごとに行います。

  1. カテゴリごとの成果を比べるカテゴリごとに、クリック数とキーイベントの数を合計します。問い合わせにつながっているカテゴリと、つながっていないカテゴリがはっきり分かれます。
  2. 成果の出ているカテゴリに寄せる次の3か月の新しい記事は、成果が出ているカテゴリを中心に計画します。つながっていないカテゴリは、記事を足す前に、狙う言葉が目的に合っているかを見直します。
  3. 狙う言葉を足す営業から集めた質問と、Search Consoleで新しく表示され始めた言葉から、狙う言葉の一覧に足します。
  4. 同業の会社の動きを見る主な言葉で検索し、上位に新しく出てきた会社の記事がないかを見ます。新しい記事が自社にない話題を扱っていれば、更新の候補に入れます。

棚卸しの表の作り方

棚卸しは、全記事を1行ずつ表にする作業です。
CMSから記事の一覧を書き出し、Search ConsoleとGA4の数字を記事ごとに並べます。
列は次のとおりです。

  • URL、題名、公開日、最後に更新した日
  • 狙っていた言葉と、いま実際に表示されている主な言葉
  • 直近3か月の表示回数・クリック数・平均掲載順位
  • 記事を読んだ後に起きたキーイベントの数
  • 情報が古くなっていないか(料金・制度・製品・画面)
  • 判定(残す・直す・まとめる・消す)と、その理由

記事が100本を超えると、数字を並べる作業だけで時間がかかります。
書き出した表をAIに渡し、記事ごとに数字を突き合わせて並べるところまで任せると、判定に時間を使えます。
判定そのものは、目的と照らし合わせて人が決めます。

あわせて読みたいオウンドメディアの運用代行|任せる範囲の切り分けと依頼先・契約の決め方オウンドメディアの運用代行を検討している方向けに、戦略・記事・取材・CMS・分析・AI検索対策のどこを任せ、何を社内に残すか、依頼先5種類の向き不向き、見積りで聞く質問、記事の権利やアカウントの持ち主など契約で決めること、毎月の報告で見る数字までをまとめました。

AI検索への対応

担当者がPCでAIの検索サービスに質問し、答えに出てくる会社のサイトを確かめている様子を肩越しに見た場面

Googleの検索結果の上に出る「AIによる概要」や、ChatGPT・Claudeの検索機能のように、AIが答えをまとめて、その出どころとしてサイトを示す仕組みが広がっています。
運用の中でも、これらにどう向き合うかを決めておく必要があります。

まず公式の案内を押さえる

Googleの「AI機能とウェブサイト」のページでは、AIによる概要やAIモードに出るために、追加の要件や特別な最適化は要らないと書かれています。
新しいファイルやマークアップ、専用の構造化データを作る必要もありません。
リンクとして示されるには、ページがGoogleに登録され、検索結果でスニペット(説明の抜き出し)を表示できる状態であればよいとされています。

そのうえで、robots.txtやCDNでクロールを止めていないこと、サイト内のリンクで記事を見つけやすくすること、大事な内容を文字で書くこと、構造化データを見えている文章と合わせることなど、これまでのSEOの基本が引き続き大事だとしています。
AI検索への対応は、運用で毎月やっていることの延長と考えてよいでしょう。

サービス出るための前提確かめ方
Googleの「AIによる概要」「AIモード」Googleに登録され、スニペットを表示できる状態であることSearch Consoleの検索パフォーマンス(検索タイプ「ウェブ」に含めて数えられる)
ChatGPTの検索OpenAIの「OAI-SearchBot」をrobots.txtで止めていないことGA4で「utm_source=chatgpt.com」のついた訪問を見る
Claudeの検索Anthropicの「Claude-SearchBot」を止めていないことGA4の参照元で、AIのサービスからの訪問がないかを見る

Googleは、AIによる概要が出る検索結果からのクリックは、サイトに長くとどまる傾向があると、自社のデータをもとに説明しています。
AIによる概要からの訪問は、Search Consoleでは通常の検索と区別されずに数えられるので、月次の確認表では「ウェブ」の数字をそのまま見ます。

AIによる概要が出る言葉で起きること

検索結果の上にAIによる概要が出る言葉では、記事の掲載順位が変わっていなくても、クリック率が下がることがあります。
読む人が概要を読んだだけで満足する場合があるからです。
月次の振り返りで「順位は同じなのにクリックが減った」記事を見つけたら、その言葉で実際に検索して、AIによる概要が出ているかを確かめます。

概要が出ている言葉では、短い答えで済む用語の解説より、概要だけでは決めきれない情報(費用の内訳、自社の手順、事例、比較の表)を記事の中心に置くと、記事まで読みに来る理由が残ります。
記事の役割で見ると、入口をつくる記事は概要の影響を受けやすく、比べてもらう記事や決めてもらう記事は受けにくい、と考えて手を入れる順番を決めましょう。

反対に、自社のページの内容をAIによる概要に使われたくない場合は、Googleの案内にある nosnippet、data-nosnippet、max-snippet、noindex といった表示の管理の指示で、検索結果に出す内容を制限できます。
ただし、これらは通常の検索結果の表示にも効くため、問い合わせを増やしたいメディアでは、使う範囲を慎重に決めます。

学習用のクローラーは別に考える

AIの会社は、検索のためのクローラーと、AIの学習のためのクローラーを分けています。
OpenAIの案内では、GPTBotを止めると学習に使わないという意思表示になり、検索に出るかどうかはOAI-SearchBotで決まります。
AnthropicもClaudeBot(学習)、Claude-SearchBot(検索)、Claude-User(利用者の指示でページを読む)を分けています。
Googleの「Google-Extended」は、Googleのほかのシステムでの学習や回答の根拠づけへの利用を制限するもので、Google検索での表示はGooglebotへのrobots.txtの指示で管理すると案内されています。

「AIに記事を使われたくない」と考えて、まとめてすべてのAIのクローラーを止めると、AIの検索の答えにも出なくなります。
学習には使われたくないが検索には出たい、という場合は、学習用のクローラーだけを止めるようにしましょう。

読む人にもAIにも分かりやすい書き方

AIの答えに引用されやすい書き方について、GoogleやOpenAI、Anthropicは特別な書き方を案内していません。
当社が記事を作るときは、読む人が知りたいことにすぐたどり着けることを基準に、次の点をそろえています。
結果として、AIが答えをまとめるときにも、記事の中身を取り出しやすい形になります。

  • 見出しのすぐ後で答える:「〇〇とは」の見出しなら、最初の1文で定義を言い切る
  • 数字には時点と出どころを書く:「2026年10月時点の公式ページによると」のように書く
  • 比べる話は表にする:料金、違い、選び方は、文章より表のほうが正確に伝わる
  • 自社だけの情報を入れる:自社の手順、見積りの内訳、現場の写真など、ほかのサイトにない情報
  • 書いた人と更新日を出す:誰が、いつの情報をもとに書いたかを示す

自社が答えに出ているかを毎月確かめる

AIの答えは、聞くたびに少しずつ変わります。
1回聞いただけでは分からないので、決まった質問を毎月同じ形で聞いて記録する「定点観測」をします。

  1. 質問を10個決めるお客様が実際にしそうな質問を10個選びます。「業務用エアコンの入れ替え費用の目安は?」「店舗の業務用エアコンはどこに頼めばいい?」のように、狙う言葉を質問の形に直したものです。
  2. 毎月同じサービスで聞くChatGPT、Gemini、Claude、Googleの検索(AIによる概要)など、使うサービスを決め、毎月同じ質問を聞きます。
  3. 表に記録する自社のサイトが出たか、どの記事が出たか、代わりにどのサイトが出たかを書きます。
  4. 出てこない質問の記事を直す代わりに出ているサイトの記事を読み、自社の記事に足りない情報がないかを見て、更新の候補に入れます。
質問サービス自社が出たか出た記事代わりに出たサイトメモ
業務用エアコンの入れ替え費用の目安は?ChatGPT出た入れ替え費用の記事—内訳の表が引用されていた
店舗の業務用エアコンはどこに頼めばいい?AIによる概要出ない—比較サイト、メーカー業者の選び方の記事が無い。新しく書く

この記録は、数字だけでは見えない変化をとらえるためのものです。
毎月の確認表とあわせて、3か月ごとの見直しの材料にします。

記録は、月次の確認表と同じ日に取ると忘れません。
質問の10個は、毎月入れ替えずに同じものを使い続けるのが大事です。
新しく気になる質問が出てきたら、11個目以降として足していき、元の10個は比べるための軸として残しておきます。

AIの答えで自社の情報が違っていたら

定点観測をしていると、AIの答えの中で、自社の料金や対応地域、サービスの中身が古いまま、または違って紹介されていることに気づく場合があります。
AIの答えそのものを直接直す手段は限られているので、まずは自社のサイトの側を確かめます。

  • 会社の情報のページ、サービスのページ、料金のページに、最新の情報が文字で書かれているか
  • 古い料金やサービスの記事が残っていて、新しい情報と食い違っていないか
  • 自社のサイトの中で、同じ情報が場所によって違う書き方になっていないか
  • Googleビジネスプロフィールなど、社外に出している会社の情報が最新か

食い違いを直したら、直したページをSearch ConsoleのURL検査で登録し直し、翌月の定点観測で変化を確かめます。

AIで記事を作るときに守ること

運用の手間を減らすためにAIで記事を作る会社は増えています。
Googleの生成AIに関するガイドでは、AIを使うこと自体は禁じていませんが、次の点に注意するよう書かれています。

  • 生成AIは事実を取り出しているのではなく、ありそうな言葉の並びを予測しているため、すべての内容を人が事実確認して見直す
  • 本文だけでなく、タイトル、説明文、構造化データ、画像の代替テキストも見直す
  • 読む人が「どうやって作ったのか」と思いそうな内容では、作り方を説明することを考える
  • 利用者にとっての価値を加えずに多くのページを作ると、スパムに関するポリシー(大量生成されたコンテンツの不正使用)に当たるおそれがある

運用の中では、「AIに書かせた本数」ではなく、「確認して公開した本数」を数えるようにすると、量に引っぱられずに済みます。

あわせて読みたいLLMO対策とは?AI検索に自社が出るための設定例・確かめ方・やることを解説LLMO(大規模言語モデル最適化)は、ChatGPTやGoogleのAI Overviewなど、AIの回答に自社の情報が正しく使われるようにする取り組みです。公式が言っていること、robots.txtでAIのクローラーを許可・拒否する書き方、構造化データやllms.txtの例、AIの回答に自社が出ているかを毎月確かめる手順までをまとめました。

よくある質問

オウンドメディアは、どのくらいで成果が出ますか?

狙う言葉や業界の競う相手によって大きく変わるため、決まった期間はありません。
Googleのスターターガイドにも、変更が検索結果に表れるまで数時間から数か月かかると書かれています。
公開から3か月は本数と表示回数、半年ほどはクリック数、その後に問い合わせ、と時期ごとに見る数字を変えて判断しましょう。

毎月何本くらい記事を出せばよいですか?

決まった本数はありません。
社内で確認できる本数が上限になります。
担当者1人と確認担当1人なら、月4本ほどが無理のない量です。
記事が50本を超えたら、新しい記事の本数を減らしてでも、更新に時間を回しましょう。

更新が止まってしまいました。
まず何をすればよいですか?

新しい記事を書き始める前に、全記事の棚卸しをしてください。
記事ごとに数字を並べ、残す・直す・まとめる・消すを決めると、どこから手をつければよいかがはっきりします。
そのうえで、公開の曜日と確認の期限を決め直し、1本あたりの量を減らしてでも、決まった間隔で出すことを優先します。

記事の公開日を新しくすると、順位は上がりますか?

中身を変えずに日付だけ新しくするのはやめましょう。
Googleは、中身を大きく変えていないのに新しく見せるために日付を変えることを、注意すべき点として挙げています。
情報を新しくしたり、足りない話題を足したりと、中身を直したときだけ更新日を変えます。

運用を外注すると、社内には何が残りますか?

目的と予算の判断、お客様の質問や現場の情報を集めること、事実と出してよい情報かの確認は、社内に残ります。
外注先には、企画、下書き、入稿、数字の集計などを任せられます。
社内で確認できる本数を先に伝えておくと、外注先との進め方がかみ合います。

AIで書いた記事は、検索で評価が下がりませんか?

Googleは、AIを使うこと自体を問題にしていません。
問題になるのは、価値を加えずに大量のページを作ることです。
事実を人が確かめ、自社だけの情報を足してから公開していれば、AIで下書きを作ったかどうかで扱いが変わることはないと考えてよいでしょう。

AI検索に出るために、llms.txtなどの特別なファイルは必要ですか?

Googleは、AIによる概要やAIモードに出るために、新しい機械向けのファイルやAI用のテキストファイル、マークアップを作る必要はないと案内しています。
まずは、検索やAIのサービスのクローラーを止めていないかを確かめ、読む人が知りたいことに冒頭で答える記事を作ることを優先しましょう。

KPIを達成できなかった月は、どうすればよいですか?

数字が届かなかった理由を、記事ごとに確かめてください。
計画どおりの本数が出ていないなら体制の問題、本数は出ているのに表示が増えないなら狙う言葉の問題、表示はあるのにクリックや問い合わせがないならタイトルや記事の後の案内の問題、というように、どこで止まっているかで打ち手が変わります。
1か月の結果だけで方針を大きく変えず、3か月の流れで判断しましょう。

記事を消すと、サイト全体の評価が下がりませんか?

読まれていない古い記事を整理すること自体は、運用の一部です。
ただし、ほかのサイトからリンクされている記事や、営業が使っている記事は、消す前に確かめてください。
近い話題の記事がある場合は、消すのではなく、まとめて転送をかけるほうが、それまでに受けていたリンクを生かせます。

社内のほかの部署に協力してもらうには、どうすればよいですか?

協力してもらった結果を返すのがいちばん効きます。
営業担当から聞いた質問で記事を書いたら、その記事を本人に知らせ、商談で使えるように案内します。
記事を読んだお客様からの問い合わせがあれば、どの記事がきっかけだったかも共有しましょう。
記事が自分の仕事を楽にするものだと分かると、質問を集める表にも書いてもらいやすくなります。

Search ConsoleとGA4は、どちらを見ればよいですか?

両方を役割で分けて使います。
Search Consoleは、検索結果に表示されてからクリックされるまで(どの言葉で、何回表示され、何回クリックされたか)を見る道具です。
GA4は、サイトに来た後の動き(どの記事を読み、問い合わせたか)を見る道具です。
月次の確認表でも、表示とクリックはSearch Console、キーイベントはGA4、と分けて書きます。

大手が上位を占める言葉で、いつまでも順位が上がりません。

その言葉にこだわり続けるより、地域名・業種名・条件を足した細かい言葉の記事を先に増やしてください。
細かい言葉で読まれる記事が増え、まとめ記事にリンクが集まると、広い言葉でも順位が動き出すことがあります。
広い言葉の記事は、更新の候補として残しておきます。

運用の費用は、どのくらいを見ておけばよいですか?

社内でどこまでやるか、記事を月に何本出すか、外注するならどの作業を頼むかで大きく変わります。
まずは、この記事の内製・外注の表で社内に残す作業を決め、外に出す作業の範囲で見積りを取ると比べやすくなります。
費用の内訳と考え方は「オウンドメディアの費用」の記事で解説しています。

SNSも一緒に運用したほうがよいですか?

記事を知らせる場所としては役に立ちます。
ただし、担当者の時間が限られているなら、SNSのために新しい投稿を作るより、公開した記事を知らせる投稿にとどめ、記事づくりと更新に時間を使うほうが、検索からの問い合わせにはつながりやすくなります。

まとめ

この記事のまとめ

  • 運用は1か月を区切りに、数字の確認、企画、執筆と確認、更新と公開を同じ時期に回す
  • 書く人と確認する人を分け、営業・現場から毎月お客様の質問をもらう
  • KPIは時期で変える。最初は本数と表示回数、次にクリック、最後に問い合わせを見る
  • 月次の振り返りは、数字の状態ごとに打ち手を決め、来月やることは3つに絞る
  • 更新する記事は基準で選び、日付だけを新しくしない。似た記事はまとめて転送する
  • AI検索への対応は、クローラーを止めていないかの確認と、毎月の定点観測から始める

オウンドメディアの運用は、派手な施策より、毎月同じことを決まった形で続けられるかどうかで差がつきます。
まずは月次の確認表を1回作るところから始めてみてください。

INTERCREATE JAPANでは、毎月の記事づくりと更新、数字の振り返り、AI検索への対応まで、オウンドメディアの運用をお手伝いしています。
社内の手が足りないところだけを任せたいときも、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典