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ホームページ制作を格安で済ませる方法|安さの理由と落とし穴、見積りの見方

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • 格安の「安さ」がどこから来るのかと、向く会社・向かない会社
  • 費用を決める要素と、見積書・月額プランの見方(3年分の総額の出し方)
  • 費用を抑える方法(ページ数・原稿と写真・作成サービス・レンタルサーバー・一部だけ依頼)
  • 格安で起きやすいトラブルと、契約前に確認すること(著作権・名義・解約・事業用の契約)
  • 補助金と無料の相談先、公開後にかかる費用と作り直すときの注意
目次
  1. 格安の「安さ」はどこから来るか
  2. 安さの理由は、おもに5つ
  3. 「作業を減らす」安さは、見て分かる
  4. 「公開後に回収する」安さは、見えにくい
  5. ホームページに使うお金の内訳
  6. 最初に払うか、毎月払うか
  7. うたい文句の読み方
  8. 格安が向く会社・向かない会社
  9. 費用が決まる要素・見積りの見方
  10. 費用が変わる主な要素
  11. 見積書の項目と、確認すること
  12. 月額制・初期費用0円は「総額」で比べる
  13. 金額の差が、何から来ているかを読む
  14. 同じ条件で2〜3社に見積りを頼む
  15. 比べるための表を作る
  16. 費用を抑える方法
  17. ページ数を絞って始める
  18. 原稿と写真を自社で用意する
  19. ページ別の原稿の型
  20. ホームページ作成サービスを使う
  21. レンタルサーバーとWordPressで作る
  22. 作成サービスか、レンタルサーバーか
  23. 一部だけ頼む
  24. AIを使って作る
  25. 削ってよいもの・削らないもの
  26. 格安で起きやすいトラブル
  27. 追加費用が積み上がる
  28. 作ったものが、自分のものにならない
  29. ドメイン・サーバーが、相手の名義になっている
  30. 「無料」「0円」の裏側を確かめる
  31. 事業用の契約は、やめたいときの制度が使えないことがある
  32. 写真・イラスト・フォントの権利
  33. 制作実績の見方
  34. 契約前に確認することの一覧
  35. 契約までの確認の流れ
  36. 納品を受け取るときの確認
  37. 困ったときの動き方
  38. 頼み先別の安さ・注意点
  39. フリーランスに頼むときは、条件を文字で残す
  40. クラウドソーシングで頼むとき
  41. 知人・親族に頼むとき
  42. 最初の相談で聞いておきたい質問
  43. 依頼前にまとめておく「依頼メモ」
  44. 補助金・無料の相談先
  45. 小規模事業者持続化補助金
  46. 格安のやり方と、相性が悪い点
  47. 補助金を使うときの見積書の整え方
  48. 無料で相談できる窓口
  49. 無料で使える入口
  50. 地域の補助金や支援策を探す
  51. デジタル化・AI導入補助金について
  52. 公開後の費用・作り直し
  53. 毎月・毎年かかる費用を書き出す
  54. 契約情報を1か所にまとめる
  55. 更新の担当と頻度を決める
  56. 問い合わせが来ないときに見ること
  57. 作り直すときは、URLに気をつける
  58. 3年ごとの見直しの観点
  59. よくある質問
  60. まとめ

「ホームページを作りたいが、予算は限られている」「制作会社の見積りが思ったより高かった」と、費用を抑える方法を探している方は多いと思います。「格安」「月額0円」とうたうサービスも数多くあり、どれを選べばよいか迷いやすいところです。

結論から言うと、ホームページは費用を抑えて作れます。ただし、安さには必ず理由があります。作業を減らしている、原稿や写真を依頼する側が用意する、公開後の月額で回収する、といった仕組みを知らないまま契約すると、あとから追加の費用や手間がかかり、結果的に高くつくことがあります。

この記事では、格安の安さがどこから来るのか、費用を決める要素と見積りの見方、費用を抑える方法、格安で起きやすいトラブルと契約前の確認、補助金と無料の相談先、公開後にかかる費用までを順に解説します。制作費の「相場の金額」は、公的な統計がなく根拠を示せないため書きません。かわりに、提示された金額を自分で判断できるようになるための見方をまとめました。

料金や補助金の条件は、2026年10月時点で公式ページに載っている内容です。キャンペーンや条件は変わることがあるので、契約や申請の前に、必ず最新の公式情報を確認してください。

格安の「安さ」はどこから来るか

会社員が机の上に複数の見積書を並べて見比べている様子

「格安」の価格だけを見て決める前に、その安さがどこから来ているのかを確かめておきましょう。同じ「ホームページ制作」でも、作業の範囲や公開後の費用の取り方は、サービスによって大きく違います。

安さの理由は、おもに5つ

見積りが安くなる理由は、突き詰めると次の5つのどれか(または組み合わせ)です。自分が検討しているサービスがどれに当たるかを考えると、安さの中身が見えてきます。

安さの理由中身依頼する側が引き受けること
作業を減らしているひな形(テンプレート)を使う、ページ数を絞る、デザインの打ち合わせを少なくするひな形の範囲で内容を決める。独自の要望は対応しにくい
素材を依頼する側が用意する文章(原稿)・写真・ロゴは、依頼する側が用意する前提にしている原稿づくりと写真撮影の時間と手間
範囲を決めたパッケージで売る「5ページまで」「修正は2回まで」など、作業の範囲を先に決めている範囲を超えた分は追加費用になる
公開後の費用で回収する初期費用を低くして、月額の利用料・保守費・更新費で回収する契約期間が長くなる。解約しにくいことがある
制作する人の単価が低い副業や個人の受注、経験の浅い担当者などで、作業の単価が低い品質や対応の範囲を自分で確かめる。公開後の連絡体制も確かめる

どれも、それ自体が悪いわけではありません。ひな形を使ってページ数を絞ったホームページは、会社の概要を伝えるという目的には十分なことも多いものです。問題になるのは、安さの理由を知らないまま契約して、あとから「思っていたのと違う」となることです。

「作業を減らす」安さは、見て分かる

ひな形を使う、ページ数を絞るといった安さは、完成したホームページを見れば分かります。ページの数、デザインの自由度、できる機能が決まっているので、見積書の段階で「何ができて何ができないか」を確認しやすいのが利点です。

確認のしかたは簡単です。そのサービスで作られたホームページの例を3〜5つ開いて、スマホでも見て、自社の見せたい内容を載せられそうかを想像してみてください。ひな形の見た目が自社の業種に合っているか、写真を大きく見せたいのに小さくしか置けないといった制約がないかも、ここで分かります。

「公開後に回収する」安さは、見えにくい

初期費用が0円、あるいは数万円という場合は、公開後の月額や契約期間に目を向ける必要があります。月額が数千円でも、契約期間が3年や5年なら、総額は初期費用の安さを上回ることがあります。さらに、保守費や更新費が別料金だったり、解約すると作ったホームページが使えなくなったりする契約もあります。

このタイプは、初期費用だけを見て「安い」と判断しやすいのが落とし穴です。後の章で、3年分の総額の出し方と契約前の確認事項を詳しく説明します。

ホームページに使うお金の内訳

費用を比べるときは、制作費だけでなく、公開後も続くお金と、社内の時間も含めて考えます。

区分おもな項目見落としやすい点
最初にかかる制作費、ドメインの取得、サーバーや作成サービスの初期設定、写真撮影、文章の作成撮影や文章作成が制作費に含まれていないことがある
毎月かかるサーバー代・作成サービスの利用料、保守費、更新の代行費安い月額プランは、ページ数や機能に上限があることがある
毎年かかるドメインの更新費、契約の更新費初年度は無料で、2年目から有料になるものがある
社内の時間原稿の作成、写真の準備、制作会社とのやり取り、公開後の更新金額に出ないため、見積りの比較から抜けやすい

見積書に並ぶ金額だけでなく、この4つの区分で「誰が、いつ、いくらかけるのか」を書き出すと、安さの本当の中身がつかめます。

最初に払うか、毎月払うか

費用の払い方には、最初にまとめて払う方法と、毎月少しずつ払う方法があります。どちらが得かは、会社の資金の状況と、ホームページを使う期間の見通しで変わります。

最初にまとめて払う毎月払う(月額制)
最初の負担大きい小さい
長く使ったときの総額初期費用と、保守・更新費のみ月額が続くため、期間が長いほど総額が増える
やめたとき作ったものは手元に残ることが多い(著作権の取り決めによる)契約を終えると、使えなくなる場合がある
向いている場面3年以上使う見通しがあり、最初にまとまった資金を出せるまず小さく始めて、様子を見たい

「毎月の負担が小さいから」という理由だけで月額制を選ぶと、数年後に総額が大きくなっていることがあります。逆に、最初にまとめて払っても、公開後の保守を頼まなければ、ホームページが古くなっていくことがあります。使う期間と、更新を誰が行うかを決めたうえで、どちらが合うかを考えてください。

うたい文句の読み方

「格安」「最安値」「月額0円」「完全無料」といった言葉には、決まった定義がありません。同じ言葉でも、何が安い・無料なのかは、サービスごとに違います。広告の言葉は、次のように読み替えて、中身を確かめます。

うたい文句確かめること
「格安」「激安」何と比べて安いのか。比べている相手と、ページ数・機能などの条件
「最安値」比べている範囲と時点。どの条件での最安値か
「制作費0円」「初期費用0円」月額の利用料、契約期間、解約したときの扱い
「月額○円から」「から」の条件。ページ数や機能の上限、税込か税抜か
「完全無料」無料の範囲。広告の表示、独自ドメイン、容量の制限
「修正し放題」「何ページでも」回数や期間の制限があるか。「修正」に含まれる範囲
「今だけ」「期間限定」いつまでか。期限が過ぎたあと、また更新するときの料金

たとえば、エックスサーバーの公式ページに載っているキャンペーン価格は、2026年10月5日から11月4日までの期間限定と明記されています。「今だけ」という表示がある場合は、期限がいつで、期限後の通常料金はいくらかを、申し込む前に確認します。

比べるときは、広告の言葉ではなく、見積書・契約書・料金ページに書かれている条件で比べてください。条件が書かれていない部分は、遠慮せずに質問します。質問への答え方も、その会社を判断する材料になります。

格安が向く会社・向かない会社

格安のホームページが合うかどうかは、ホームページに何を期待するかで決まります。

格安が向く場合格安だけでは足りない場合
紹介や取引先から会社名を聞いた人が、事業内容や連絡先を確かめるための場所にしたいホームページから新しいお客様の問い合わせを増やしたい
載せる内容が決まっていて、更新は年に数回ほどお知らせや事例を頻繁に更新したい
まずは小さく始めて、反応を見て広げたい予約・会員・通販など、仕組みが必要な機能を入れたい
原稿と写真を自社で用意できる文章・写真・デザインまで任せたい

右側に当てはまる場合でも、格安で作れないわけではありません。ただし、制作費を安くしても、問い合わせが増えるかどうかは別の問題です。集客を担わせたいなら、載せる内容の準備や公開後の改善に、時間か費用をかける必要があります。

「安い」と「割安」は違う

見積書の金額が小さいことと、目的に対して割安であることは別です。たとえば初期費用が安くても、3年後に作り直すことになれば、作り直しの費用がかかります。「3年間使い続けるとして、合計でいくらかかり、何ができるか」で比べると、割安かどうかを判断しやすくなります。

あわせて読みたいホームページ制作費用の相場の見方|内訳・見積りの計算方法・費用が変わる要素ホームページ制作費用の相場は、公的な統計では確かめられませんでした。そのため金額ではなく、費用の内訳、見積りの計算方法、費用が変わる要素、依頼先別のかかり方、公開後の総額の出し方、税と支払い、補助金までを解説します。

費用が決まる要素・見積りの見方

担当者が見積書の項目に印をつけながら内容を確認している様子

見積りの金額が高いか安いかを判断するには、何が金額を動かしているかを知っておく必要があります。金額の「相場」そのものは、依頼先ごとの違いが大きく、公的な統計もないため、ここでは費用を決める要素と見積書の読み方を整理します。

費用が変わる主な要素

ホームページの制作費は、次の要素の組み合わせで決まります。見積りを依頼するときに、これらを先に決めておくと、依頼先ごとの金額を同じ条件で比べやすくなります。

要素金額に効く理由先に決めておくこと
ページ数ページが増えるほど、デザイン・入力・確認の作業が増える必要なページを書き出す。最初は最小限にして、あとから足す
デザインの作り方ひな形を使うか、1から設計するかで作業量が大きく変わるひな形で足りるか。好きなホームページの例を3つ集める
原稿・写真・ロゴ誰が用意するかで、制作側の作業が変わる自社で用意する範囲と、頼みたい範囲
機能問い合わせフォーム、予約、会員、通販などは作業が増え、月額費用もかかることがある最初から必要な機能と、あとからでよい機能を分ける
更新のしくみ自分で更新できる管理画面(CMS)を入れるかで構成が変わる誰が、どのくらいの頻度で更新するか
打ち合わせと修正の回数やり取りが増えるほど、制作側の工数が増える確認の窓口を1人に決める。修正は意見をまとめて伝える
納期急ぎの対応は、割増になることがある公開したい日と、その理由
公開後の運用保守・更新代行・サーバー管理を任せるかで、月額が変わる自社でできること、任せたいこと

この中で、依頼する側が工夫しやすいのは、ページ数・原稿と写真・機能の3つです。ここを絞るだけで、同じ制作会社でも見積りの金額は変わります。詳しくは「費用を抑える方法」の章で説明します。

見積書の項目と、確認すること

見積書は、項目ごとに「何を含むか」を確かめます。特に注意したいのは、「一式」「込み」「諸経費」といった、中身が見えない書き方です。

見積書の項目確認すること
デザイン費ひな形か、オリジナルか。デザイン案は何案か。修正は何回まで含まれるか
コーディング・構築費何ページ分か。スマホ表示への対応は含まれるか
原稿作成・撮影費含まれているか。含まれない場合、自社で用意する範囲はどこまでか
機能の費用問い合わせフォーム、地図、ブログ・お知らせ機能など、機能ごとの内訳
ドメイン・サーバーの費用誰の名義で契約するか。更新費はいくらか。初年度のみ無料ではないか
ディレクション費・諸経費何に対する費用か。内訳を聞いて、納得できなければ省けるか確認する
公開後の保守・更新費何が含まれるか(バックアップ、ソフトの更新、軽微な修正など)。別料金になる作業は何か

「制作費一式」とだけ書かれている場合は、そのまま比べると何が違うのか分かりません。何ページ分か、デザインの修正は何回までか、写真は含まれるか、公開後の保守は含まれるかを、書面かメールで確認しましょう。口頭で聞いただけでは、後で「聞いていない」「言っていない」になりやすくなります。

月額制・初期費用0円は「総額」で比べる

初期費用が0円で月額制のプランは、見た目の金額が小さいため、他と比べにくくなります。契約期間の総額に直して比べるのが基本です。

計算式は次のとおりです。

3年間の総額 = 初期費用 + (月額 × 契約月数)+ 年額の費用(ドメイン更新など)× 3 + 別料金のオプション

たとえば、初期費用0円、月額5,000円、契約期間36か月の場合は、5,000円 × 36か月で180,000円です(金額は説明のための仮の数字です)。これに、ドメインの更新費、写真撮影、修正の費用などが別料金であれば、さらに加わります。同じ条件で、初期費用を払って自社で運用する場合と並べて、3年分の総額を比べます。

月額制には、次の確認が欠かせません。

  • 契約期間(最低何か月か)と、中途解約したときの費用
  • 契約を終えたあとに、ホームページ(データ・ドメイン)を引き継げるか
  • 月額に含まれる内容(サーバー・保守・更新・修正の回数)
  • 契約期間中に、料金が変わる可能性

金額の差が、何から来ているかを読む

2社の見積りで金額が違うとき、高いほうが「良い」とも、安いほうが「得」とも限りません。差の理由を、次の観点で読み解きます。

金額が違う理由見分け方
ページ数・機能が違う見積書の項目を並べて、含まれているページと機能を数える
含まれる作業が違う原稿作成・写真撮影・公開の設定・スマホ対応が、それぞれ含まれているかを見る
公開後の費用が違う保守・更新・サーバーの費用が、見積りに入っているか。別途かかるのか
契約期間・解約条件が違う最低の契約期間、中途解約の費用、データの引き渡しの方法
体制・進め方が違う担当者は誰か。打ち合わせの回数。連絡手段と、返信の目安

見積りの金額の差が、作業範囲の差と一致しているかが、見るべき点です。範囲が同じなのに金額だけが大きく違う場合は、安いほうが何かを省いているのか、高いほうに上乗せがあるのかを、質問して確かめましょう。

同じ条件で2〜3社に見積りを頼む

金額の高い・安いを判断するには、2〜3社に同じ条件で見積りを頼み、比べるのがもっとも確実です。条件がそろっていないと、金額の差が「安いから」なのか「範囲が狭いから」なのか判断できません。

依頼のときは、次の項目を同じ文面で伝えます。

伝える項目書き方の例
目的取引先や求職者が会社の概要を確認できるようにしたい
ページ構成トップ・事業内容・会社概要・お問い合わせの4ページ
原稿・写真文章と写真は自社で用意する。社屋の写真は撮影を依頼したい
機能問い合わせフォーム。スマホ表示に対応
公開後お知らせの更新は自社で行いたい。保守は別途相談
納期・予算○月○日までに公開したい。予算は○万円まで

比べるための表を作る

見積書が届いたら、次のような表に書き写すと、違いが一目で分かります。空欄になる項目は、その会社に確認が必要な点です。

項目A社B社C社
初期費用(記入)(記入)(記入)
月額・年額の費用(記入)(記入)(記入)
契約期間・解約の条件(記入)(記入)(記入)
3年間の総額(記入)(記入)(記入)
ページ数・機能(記入)(記入)(記入)
原稿・写真の担当(記入)(記入)(記入)
スマホ表示・修正の回数(記入)(記入)(記入)
著作権の扱い(記入)(記入)(記入)
ドメイン・サーバーの名義(記入)(記入)(記入)
公開後の連絡手段と対応時間(記入)(記入)(記入)

金額の欄が最も安い会社が、そのまま最良とは限りません。空欄が多い会社、質問への回答が曖昧な会社は、契約後も確認に手間がかかると考えて、評価を下げます。

極端に安い見積りには、理由を聞く

他の見積りより明らかに安い場合は、「なぜこの金額になるのか」「他社の見積りと範囲が違うところはどこか」を質問してください。納得できる説明があれば問題ありません。説明があいまいなときや、「今日中に契約すれば安くなる」と急がせるときは、契約を急がず、他社の見積りと比べ直しましょう。

費用を抑える方法

担当者が紙にページ構成と原稿の要点を書き出している様子

ホームページの費用を抑える方法は、大きく「作業を減らす」「自分でできる部分を引き受ける」「道具を借りる」「一部だけ頼む」の4つに分けられます。どの方法でも、品質を保ったまま費用を抑えるには、何を削って、何を削らないかを先に決めておくことが大切です。

ページ数を絞って始める

費用がもっとも大きく変わるのは、ページ数です。最初から10ページ、20ページを作ろうとせず、必要なページだけで公開し、反応を見ながら増やしていきます。

ページ載せる内容最初に必要か
トップページ何の会社か、誰に何を提供するか、問い合わせへの入口必要
事業内容・サービス提供しているもの、対応できる範囲、流れ必要
会社概要会社名、所在地、代表者、連絡先、設立年など必要
お問い合わせフォームか、電話・メールの案内必要
実績・事例取引先や案件の紹介掲載できる内容があれば
よくある質問問い合わせでよく聞かれること公開後に、実際の質問から作る
お知らせ・ブログ更新情報、コラム更新を続けられる体制ができてから
採用情報募集要項、働く環境採用を行う時期に追加

上の表の「必要」の4ページだけでも、取引先や求職者が会社を確かめるには十分なことが多いものです。公開後に、問い合わせで聞かれたことや、営業先から聞かれたことを見ながら、必要なページを足していきます。

ただし、ページを絞りすぎて、情報が足りなくなるのは避けたいところです。最初に訪れた人が知りたいこと(何をしている会社か、どこにあるか、どう連絡するか)に答えられているかを基準にしてください。

原稿と写真を自社で用意する

制作会社の費用には、原稿の作成や写真の撮影が含まれていることがあります。ここを自社で用意すると、費用を抑えやすくなります。会社の仕事の中身を一番知っているのは自社の人であり、自社で書いた文章のほうが、正確で具体的になることも多いものです。

原稿を書き始めるときは、次の質問に答える形でメモにまとめると進めやすくなります。

  • どんなお客様の、どんな困りごとを解決していますか
  • 主な仕事の内容と、仕事を受けてから納めるまでの流れは
  • 他社ではなく、自社に頼む理由として言えることは
  • 料金は、いくらからか。決まっていない場合、何で決まるか
  • お客様から、よく聞かれる質問は何か
  • 対応できる地域や、対応できない仕事は

写真は、スマホで撮ったものでも使えます。明るい時間帯に、自然光で撮る、背景を片づける、同じ場所を複数の角度で撮る、といった基本を守るだけでも見栄えが変わります。人物が写る場合は、本人に使う目的を伝えて、同意を得ておきましょう。

他社の文章・画像を、そのまま使わない

他のホームページの文章や画像を、無断で使うのは避けてください。素材サイトの画像を使う場合も、商用利用ができるか、クレジット表記が必要か、加工してよいかを、サイトの利用規約で確認します。制作会社に頼む場合も、使われている素材の権利がどうなっているかは、確かめておく項目です。

原稿づくりには、思った以上に時間がかかります。社内の時間も費用のひとつなので、「書く時間が取れない」場合は、文章全体を頼むのではなく、書いた文章を整えてもらう(校正・編集)だけを頼む方法もあります。

ページ別の原稿の型

原稿は、ページごとに「書くこと」を決めてしまうと進めやすくなります。次の型に沿って、箇条書きのメモから始めてください。文章の完成度は、あとから整えられます。

ページ書くこと書き方のコツ
トップページ何をしている会社か。誰の、どんな困りごとを解決するか。問い合わせ先最初の2〜3行で、初めて来た人に仕事の内容が伝わるようにする
事業内容提供している仕事を、種類ごとに。対応できる範囲と、できない範囲専門用語は、お客様が使う言葉に置き換える
料金・流れ依頼から納品までの流れ。料金の決まり方(金額が決まっていなければ、何で決まるか)具体的な金額が出せなくても、決まり方を書く
会社概要会社名、所在地、代表者名、設立、連絡先、事業内容登記や名刺の表記と、そろえる
よくある質問問い合わせで実際に聞かれること、とその答え実際に聞かれた順に並べる
お問い合わせ連絡の方法、返信までの目安、個人情報の取り扱いフォームに入力してほしい項目を、必要最小限にする

書けない項目があれば、それは「まだ決まっていないこと」かもしれません。ホームページづくりは、社内で自社の強みや、お客様に伝えたいことを整理する機会にもなります。

ホームページ作成サービスを使う

ブラウザの画面でひな形を選び、文字や写真を入れ替えて作る「ホームページ作成サービス」は、初期費用を小さくしやすい方法です。公式の料金ページで確認できた範囲を表にまとめました(2026年10月時点)。

サービス公式ページで確認できた内容確認したい点
STUDIOFreeプランは0円。Miniは月590円(年払い)・月1,290円(月払い)で、ページ数は「2ページ+404ページ」。Personalは月1,190円(年払い)・月1,720円(月払い)で、150ページ必要なページ数に足りるか。独自ドメインやバナー非表示がどのプランから使えるか
WordPress.comFreeは期限なしで0ドル。独自ドメインは使えず、訪問者向けに広告が表示され、プラグインは入れられない。有料のPersonalは月4ドル(年払い・税抜)で、年払い以上のプランなら独自ドメインが1年間無料無料のままでは会社のホームページとして使いにくい。為替で円額が変わる
Wix独自ドメインの接続と、Wixの広告の削除は、プレミアムプランの特典。14日間の全額返金保証がある。料金は地域によって異なる無料のままだと広告が残る。更新・解約の条件を確認する
Googleサイト独自ドメインを使うには、サイトのオーナーが設定する。1つのサイトに関連付けられるのは5つまでで、反映に最長48時間ほどかかることがあるドメインは別に取得する必要がある

表のとおり、同じサービスでも、無料のままでは独自ドメインが使えなかったり、広告が表示されたりするものがあります。「無料で作れる」ことと、「会社のホームページとして使える」ことは別です。会社として使うなら、独自ドメインと広告なしの状態を前提に、有料プランの金額で比べてください。

作成サービスを選ぶときは、次の点も確認しておくと安心です。

  • 必要なページ数や機能が、選ぼうとしているプランに入っているか
  • 独自ドメインを使えるか(使うために、どのプランが必要か)
  • 料金は税込か税抜か、年払いか月払いか、通貨は何か
  • サービスをやめたいとき、自分の文章や画像を書き出せるか
  • 問い合わせフォームの通知先や、保存できる件数の上限

作成サービスで作る手順そのものは、「ホームページ制作を自分で作る方法」で詳しく解説しています。

あわせて読みたいホームページ制作を自分でする方法|作成サービス・WordPress・AIの選び方ホームページは自分でも作れます。作成サービス・WordPress・AIで作る方法の違い、作る前に決めること、ドメインとサーバーの用意、公開前の確認、費用と補助金の注意点までを、2026年10月時点の公式情報で担当者向けに解説します。

レンタルサーバーとWordPressで作る

自由度を高めたい、更新を自分で続けたいという場合は、レンタルサーバーを借りて、WordPressなどのソフトを入れる方法もあります。エックスサーバーでは、契約期間が長いほど月額が下がります。公式ページに載っているスタンダードプランの料金(税込)は次のとおりです。

契約期間月額(通常)キャンペーン価格
3か月1,320円(表示なし)
12か月1,100円990円
24か月1,045円836円
36か月990円693円

初期費用は0円で、独自SSL(通信の暗号化)は無料で使えます。独自ドメインの無料特典は、スタンダードプランでは12か月契約で1つ、24か月以上の契約で2つで、契約期間中は無料で使えると案内されています。キャンペーン価格は、2026年10月5日から11月4日までの期間限定です。

金額だけを見ると安く感じますが、この方法には、作成サービスにはない手間があります。WordPressの開発者向けドキュメントでは、バックアップはデータベースとファイルの両方を取ること、小規模なサイトでも週1回が目安であること、ソフトの更新(アップグレード)の前には必ず取ることが案内されています。更新やバックアップを自分で行う、または誰かに頼む必要があるため、その分の手間や費用も見込んでおきましょう。

ドメインについては、日本国内に住所があれば、個人でも汎用JPドメイン(.jp)を登録できるとJPRSの公式ページに書かれています。会社のホームページなら、自社名義で取得するのが基本です。

作成サービスか、レンタルサーバーか

どちらも費用を抑えやすい方法ですが、向いている人が違います。自社の状況に合わせて選びます。

観点ホームページ作成サービスレンタルサーバー+WordPressなど
始めやすさひな形を選び、ブラウザ上で作れるサーバーの契約、ソフトの導入、初期設定が必要
費用の見え方プランごとの月額・年額に、サーバーが含まれるサーバー代、ドメイン代、有料テーマや機能の費用が別々にかかる
自由度ひな形とプランの範囲内高い。ただし、作り込むほど、専門的な知識や費用が必要になる
更新・保守の手間サービス側が機能の更新を行うソフトの更新、バックアップ、セキュリティの対策を自分で行う、または頼む
乗り換えやすさサービスによって異なる。書き出し機能の有無を確認データを自分で持てるため、移す選択肢が広い
向いている会社ページ数が少なく、自社で更新したいページ数や機能を増やす予定があり、保守を任せられる人がいる

「どちらが安いか」を考えるときは、月額だけでなく、更新や保守に自社の誰が、どれだけ時間を使うかも含めて考えてください。社内に詳しい人がいなければ、手間の少ない作成サービスを選ぶほうが、結果的に負担が少なくなる場合があります。

一部だけ頼む

「全部頼む」か「全部自分で作る」かの2択ではありません。自分で作れる部分は自分で作り、難しい部分や、品質に差が出やすい部分だけ頼む方法もあります。

頼む内容向いている場面伝えておくこと
トップページのデザイン調整作成サービスで作ったが、見た目に自信がない現在の画面と、参考にしたいホームページ
写真の撮影自社の建物・商品・スタッフを、きれいに見せたい撮りたい場所と点数、使い道
文章の校正・編集書いたが、読みやすさや表現に不安がある誰に読ませたいか。載せたくない表現
設定の代行ドメインの接続やSSL、フォームの設定でつまずいている契約しているサービス名と、現在の状態
公開前の確認公開前に、第三者に見てもらいたい確認してほしい点(表示、リンク、誤字など)

一部だけ依頼するときは、見積りの段階で「どこまでが作業範囲で、どこからが対象外か」を書面で確認します。不具合が出たときに、誰が直すのかも決めておきましょう。範囲があいまいだと、あとで「そこは含まれていない」とやり取りになりやすくなります。

AIを使って作る

文章のたたき台づくりや、ページの作成にAIを使う方法もあります。原稿の構成案を作る、読みやすさを直す、HTMLを書いてもらうなど、使える場面は広くなっています。時間を大きく減らせる場合がある一方で、次の点に気をつけてください。

  • AIが作った文章や数字は、必ず自分で事実を確かめる(社名・住所・料金・実績など、誤りがあると信用に関わる項目は特に)
  • 顧客の個人情報や社外秘の情報は、入力する前に、サービスの利用規約とデータの扱いを確認する
  • 公開先(ホスティング)の規約を確認する

公開先の規約は、見落としやすい点です。たとえばGitHub Pagesの公式ドキュメントには、オンラインビジネスなどを行うための無料ホスティングとして使うことは想定されておらず、許可されていないと書かれています。また、Vercelの無料のHobbyプランは、非商用・個人利用のみと案内されています。会社のホームページを無料の公開先に置こうとするときは、商用で使ってよいかを、必ず公式の規約で確認してください。

削ってよいもの・削らないもの

費用を抑える工夫をするときも、削ってはいけないものがあります。迷ったときの基準として、次の表を参考にしてください。

削ってもよいもの削らないほうがよいもの
ページ数(あとから足せる)会社名・所在地・連絡先などの正確な情報
凝った動きや装飾スマホでの見やすさ
ブログ・お知らせ機能(更新する体制ができるまで)問い合わせフォームの動作確認(送信・受信の両方)
オリジナルのデザイン(ひな形で足りる場合)ドメイン・サーバーの名義が自社であること
写真の点数HTTPS(通信の暗号化)での公開
最初からの多機能(予約・会員など)バックアップと、更新の担当者

どの方法でも、原稿と写真は依頼する側の仕事

作成サービスでも、制作会社の格安プランでも、「何を伝えるか」を決めて文章と写真を用意する作業は、依頼する側に残ります。ここを後回しにすると、制作が止まり、公開が遅れます。契約する前に、原稿と写真を誰がいつまでに用意するかを決めておきましょう。

制作費そのものを下げる方法としては、補助金や、無料で使える相談窓口もあります。条件が多いため、別の章(「補助金・無料の相談先」)で詳しく説明します。

格安で起きやすいトラブル

担当者が契約書の項目を指で追いながら内容を確認している様子

格安のサービスが、すべてトラブルになるわけではありません。ただ、安さの理由を確かめないまま契約すると、公開後に困ることがあります。ここでは、起きやすいことと、契約前に確認することを整理します。

追加費用が積み上がる

見積りの金額が安くても、「範囲外」の作業が別料金になると、最終的な支払いが想定を超えることがあります。追加費用になりやすいのは、次のような場面です。

場面起きやすいこと先に確認すること
修正「修正は2回まで」を超えると、1回ごとに費用がかかる修正の回数と、1回の範囲。超えたときの金額
ページの追加契約した枚数を超えたページを、あとから足すと別料金になる1ページあたりの追加費用
原稿・写真「用意してください」と言われ、間に合わず、有料の作成・撮影になる誰が、いつまでに用意するか。頼む場合の費用
スマホ対応パソコン用の見た目だけで、スマホ表示は別料金になっているスマホ表示が含まれているか
機能問い合わせフォームや地図などが、基本料金に入っていない使いたい機能が、基本の範囲に入っているか
公開後の修正誤字の直しや電話番号の変更でも、1件ごとに費用がかかる軽微な修正が、月額に含まれるか

追加費用そのものは、作業が増えれば当然発生するものです。問題は、契約前に「何をすると、いくら加算されるか」を知らされていないことです。上の表のような項目の単価を、見積書や契約書に書いてもらえるか確認しておきましょう。

作ったものが、自分のものにならない

見落としやすいのが、著作権です。文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」には、制作を外部に頼んだ場合、料金を払ったかどうかにかかわらず、実際に創作した受注側が著作者になると書かれています。また、報酬を払って納品を受けても、原則として著作権までは移らないとされています。

つまり、特に取り決めをしていなければ、ホームページの文章やデザインの著作権は、作った側に残ります。発注した側が著作権を得るには、契約で「完成した著作物の著作権は、依頼した側に帰属する」といった合意をしておく必要があります。

契約書の書き方意味確認すること
著作権は発注者に帰属する(譲渡する)完成したものの著作権を、発注した側が持つどの権利を譲渡するのか。修正や改変(翻案)の権利も含まれているか
著作権は制作者に残り、発注者に利用を許諾する制作者が権利を持ち、発注者は決められた範囲で使える利用できる期間と目的。契約を終えても使い続けられるか
何も書かれていない原則として、制作者に著作権が残る契約書に追記してもらう。口約束のままにしない

マニュアルには、単に「著作権を譲渡する」とだけ書かれている場合、著作権法27条と28条にあたる権利(翻案などの二次的な利用に関する権利)は譲渡されないものとして扱われる、と説明されています。ホームページを自分で修正したり、他の業者に引き継いだりする予定があるなら、契約書でどの権利を譲渡または許諾するのかを、具体的に書いてもらう必要があります。

月額制のサービスでは、「契約している間だけ、ホームページを使える」仕組みのものがあります。この場合、解約すると、作ったホームページが使えなくなる可能性があります。契約を終えたあとに、データを受け取れるか、同じドメインを使い続けられるかを、確かめておきましょう。

ドメイン・サーバーが、相手の名義になっている

ドメインは、ホームページの住所にあたるもので、メールアドレスにも使われます。制作会社が代行して取得するときに、制作会社の名義で登録される場合があります。名義が相手のままだと、連絡が取れなくなったときや、別の会社に引き継ぎたいときに、ホームページもメールも動かせなくなるおそれがあります。

JPRSの公式ページによると、日本国内に住所があれば、個人も汎用JPドメイン名を登録できます。会社のホームページなら、自社の名義で取得して、ログイン情報も自社で持つのが基本です。制作会社に代行してもらう場合も、名義と更新の連絡先を自社にできるか、契約前に聞きましょう。

「無料」「0円」の裏側を確かめる

「制作費0円」「初期費用無料」といった表示は、費用が「ない」のではなく、別の形で支払う仕組みになっていることが多いものです。次の点を確認します。

  • 月額の利用料はいくらか。契約期間は何年か
  • 契約期間の途中で解約するとき、残りの期間分の支払いが必要か
  • 更新・修正・サーバー代などが、月額に含まれているか
  • 分割払いやリース形式の場合、支払総額はいくらか。途中でやめたときの扱いは
  • 無料の部分が、初年度だけではないか

作成サービスの無料プランにも、同じ注意が必要です。前の章の表のとおり、WordPress.comの無料プランでは訪問者に広告が表示され、独自ドメインは使えません。無料プランで「お試し」として使うのは問題ありませんが、会社の看板として使うには、有料プランへの切り替えを前提にしておきましょう。

事業用の契約は、やめたいときの制度が使えないことがある

個人が買い物をしたときのような「クーリング・オフ(一定期間内なら契約を解除できる制度)」は、事業用の契約では、同じように使えないことがあります。消費者庁の特定商取引法ガイドの電話勧誘販売のページには、法律が適用されない取引として「営業のため、又は営業として締結するもの」が挙げられています。

会社や個人事業の仕事で使うホームページの契約は、「営業のため」の契約にあたる可能性があります。個別の契約が当てはまるかどうかは、このガイドの内容だけでは決まりません。ただ、電話や訪問で勧誘されて、その場で契約し、あとからやめられると思い込んでいると、困ることがあるという点は、知っておいてください。契約書にサインする前に、解約の条件を書面で確認します。

写真・イラスト・フォントの権利

ホームページには、制作会社が用意した写真やイラスト、フォントなどが使われることがあります。これらの素材は、ホームページの著作権とは別に、利用条件が決まっています。

  • 使われている素材の出典と、利用条件(商用利用の可否、利用できる期間)を、制作会社に聞く
  • 契約を終えたあとや、別の会社に引き継いだあとも、その素材を使い続けられるか
  • 人物の写真は、本人の同意があるか。スタッフの写真は、退職後の扱いも決めておく
  • 自社で用意した写真・ロゴを預けるときは、使ってよい範囲を書面に残す

素材の利用条件は、あとから確認しにくい項目です。公開前に、使われている素材の一覧と、その条件を聞いておくと、引き継ぎや作り直しのときに困りません。

制作実績の見方

制作会社やフリーランスの実績ページは、品質を確かめる手がかりになります。見るときは、次の点に注意してください。

  • 掲載されているホームページのURLを自分で開いて、実際に動いているかを確かめる
  • スマホでも開いて、表示が崩れていないかを見る
  • 自社と近い業種・規模のホームページがあるか
  • どの部分をその会社が担当したのか(デザインだけか、構築もか、文章もか)
  • 公開後に更新されているか。放置されたままではないか

実績の数だけでは、担当者が誰か、自社に近い仕事かは判断できません。気になる実績があれば、担当者本人に、その仕事の進め方や苦労した点を聞いてみると、仕事ぶりが見えてきます。

契約前に確認することの一覧

ここまでの内容を、安さの理由ごとにまとめます。見積書や契約書を受け取ったら、この表の項目を順に見ていくと、確認漏れを減らせます。

安さの理由後で困りやすいこと契約前の確認
ひな形を使う要望が通らず、思っていた見た目にならない同じひな形の制作例を見る。変更できる範囲を聞く
範囲を絞ったパッケージ範囲外の作業が、別料金で積み上がる範囲外の作業の単価を、書面にしてもらう
原稿・写真は発注側用意が間に合わず、公開が遅れるいつまでに何を用意するか。頼む場合の費用
月額で回収する契約が長く、やめたら使えなくなる契約期間、中途解約、データの引き渡し
制作者の単価が低い連絡が取れなくなる。品質にばらつきがある連絡手段、対応時間、実績のURL

契約までの確認の流れ

  1. 作業範囲を書面にしてもらうページ数、機能、修正の回数、スマホ対応、原稿・写真の担当を、見積書または別紙に書いてもらいます。
  2. 著作権と利用範囲を確かめる契約書に、著作権の扱い(譲渡か許諾か)と、利用できる期間・範囲が書かれているかを見ます。
  3. ドメイン・サーバーの名義を決める自社の名義で契約すること、ログイン情報を自社でも持つことを確認します。
  4. 公開後の費用を確かめる保守・更新・サーバーの費用と、含まれる作業、別料金になる作業を確認します。
  5. 解約のときの扱いを確かめる契約期間、中途解約の費用、データの引き渡しの方法を確認します。
  6. 支払いの時期を確認する着手金・完成後の支払い・月額の支払い日を確認し、支払い条件を書面で残します。

納品を受け取るときの確認

格安のサービスでは、納品のときの確認が簡単に済まされがちです。公開する前に、自社でも次の点を確かめてから、「受け取り」の連絡をします。

確認すること見方
表示パソコンとスマホの両方で、全ページを開く。文字が切れていないか、画像が崩れていないか
文章の内容社名・住所・電話番号・料金・サービス名に誤りがないか。仮の文章が残っていないか
リンクメニュー・ボタン・本文中のリンクが、正しいページに移動するか
問い合わせフォーム実際に送信して、受信側のメールが届くか。自動返信の文面は問題ないか
通信の暗号化アドレスが「https」で始まるか。ブラウザに警告が出ていないか
引き渡すもの管理画面のログイン情報、ドメイン・サーバーの契約情報、素材のデータ
公開後の連絡先不具合があったときの連絡先と、対応できる時間

確認の結果は、メールなど文字で残します。公開後に不具合が見つかったとき、「公開前に確認してもらった内容」として、やり取りの記録が役に立ちます。

困ったときの動き方

契約したあとで、説明と違う、約束した作業が行われない、連絡が取れないといったことが起きた場合は、次の順で動きます。

  1. 事実を整理するいつ、誰と、何を決めたのか。見積書・契約書・メールを時系列に並べます。
  2. 書面で伝える電話ではなく、メールなど文字で、どこが違うのか、どう対応してほしいのかを伝えます。
  3. 期限を決めて返答を待つ「○日までに回答をお願いします」と、日付を入れて伝えます。
  4. 第三者に相談する解決しないときは、よろず支援拠点や商工会・商工会議所、弁護士などに相談します。

感情的なやり取りは避け、事実と希望だけを伝えると、話が進みやすくなります。支払いを止めるかどうかなど、契約に関わる判断は、契約書の内容を確かめてから行ってください。

その場で契約を求められたら、一度持ち帰る

「今日契約すれば特別価格」「この条件は今日までです」と契約を急がせる場合は、一度持ち帰り、他社の見積りと比べてください。納得できる提案であれば、数日の検討で条件が変わることは、ふつうありません。契約前に確認する時間を、自分で確保することが大切です。

頼み先別の安さ・注意点

机の上に頼み先の種類ごとのカードを並べて比べている担当者

誰に頼むかによって、安さの理由も、気をつける点も変わります。「安いから」だけで選ばず、自社の状況に合う頼み先かを確かめてください。

頼み先安くなる理由の例向く場合気をつける点
制作会社(格安パッケージ)ひな形・ページ数・修正回数を決めたパッケージで売っている内容が決まっていて、小規模に始めたい範囲外の作業が別料金。保守・更新の費用と契約期間
フリーランス・個人事務所や営業の経費が小さく、相談しながら範囲を調整しやすい担当者と直接やり取りして進めたい1人で対応するため、忙しい時期や病気などで連絡が滞ることがある。引き継ぎの方法
クラウドソーシング複数の応募者から、金額と内容を比べて選べる作業の範囲が明確で、比べて決めたい条件の明示は発注側の責任。手数料や支払いの仕組みはサービスごとに違う
作成サービス+設定の代行ひな形があるため、作業が少ない自社で更新したいが、最初の設定だけ頼みたいサービスのプランの制限。代行業者とサービス提供元は別なので、不具合の問い合わせ先を確認
知人・親族関係性があり、費用を抑えてもらえる身近で、気軽に相談できる条件が口約束になりやすい。補助金では対象外になる場合がある

制作会社の選び方は、「ホームページ制作会社の選び方」の記事で詳しく解説しています。ここでは、格安の依頼に関わる点を整理します。

フリーランスに頼むときは、条件を文字で残す

個人のフリーランスに仕事を頼むときは、2024年11月1日に施行された「フリーランス・事業者間取引適正化等法」が関わります。公正取引委員会のパンフレットによると、この法律は、事業者が従業員を使用しない個人や、役員が代表者1人だけで従業員がいない法人(特定受託事業者)に業務を委託するときのルールを定めたものです。

発注する側(会社や個人事業主)には、取引の条件を、書面または電磁的方法(メール・SNSやチャットのメッセージなど)で明示する義務があります。電話などの口頭だけで伝えることは認められていません。明示する事項は、次のとおりです。

明示する事項ホームページ制作での書き方の例
発注者と受注者の名称会社名・氏名(屋号でも、識別できるもの)
業務を委託した日合意した日付
給付の内容(委託する業務)ページ数、機能、修正の回数、素材の扱いなどの具体的な範囲
納品の期日と場所○月○日までに、データを渡す。公開の作業を行う日
検査を行う場合の完了期日確認して、問題がなければ○日までに検収する
報酬の額と支払期日金額(税込・税抜)と、具体的な支払日
金銭以外で支払う場合の方法該当する場合のみ

パンフレットには、報酬の支払期日は、納品を受けた日から60日以内のできる限り短い期間で、具体的な日として定めると書かれています。また、フリーランスの知的財産権(著作権など)を、業務の目的で使う範囲を超えて譲渡・許諾させるときは、その範囲を明記して、対価を報酬に含める必要があるとされています。

この法律は、フリーランス同士の取引にも適用されます。発注側にとっては、条件を文字にすることが義務であるとともに、トラブルを防ぐ手段でもあります。見積書や発注書、メールの文面に、上の表の項目が入っているかを確認してください。なお、相手が法律上の「特定受託事業者」に当たるかどうかは、相手の状況によって変わります。当たるかどうかにかかわらず、条件は文字で残しておきましょう。

クラウドソーシングで頼むとき

クラウドソーシングは、依頼内容を掲載して、応募してきた人の中から選ぶ仕組みです。複数の提案を比べやすい反面、依頼文が曖昧だと、提案の内容も金額もばらつき、比べにくくなります。

依頼文には、「費用が決まる要素・見積りの見方」の章で紹介した、見積りを頼むときに伝える項目(目的・ページ構成・原稿と写真・機能・公開後・納期と予算)を書きます。応募者を選ぶときは、金額だけでなく、次の点を見ます。

  • 依頼内容を読んだうえで、質問や提案が返ってきているか
  • 過去に作ったホームページのURLを示せるか(開いて確かめる)
  • 作業の範囲と、範囲外になる作業を説明しているか
  • 公開後に問題があったとき、連絡が取れる期間と方法

手数料の負担者や決済の仕組みは、サービスによって違います。依頼を出す前に、そのサービスの料金ページで、支払う総額と、費用がかかるタイミングを確認してください。

知人・親族に頼むとき

知り合いや親族に頼むと、費用を抑えやすく、相談もしやすいという良さがあります。一方で、関係が近いほど、条件が曖昧になりがちです。作業の範囲、納期、費用、公開後の修正の頼み方、著作権、ドメインの名義などを、メールなど文字で残しておきましょう。

補助金を使う予定がある場合は、特に注意が必要です。持続化補助金の公募要領には、社内の役員・従業員や、代表者・役員の親族(3親等以内)への発注、また親族が代表または役員に就いている事業者への発注は、補助の対象外とされています。補助金を考えているなら、発注先を決める前に、対象になるかを確認してください。

最初の相談で聞いておきたい質問

依頼先の説明を聞くだけでなく、こちらから質問することで、安さの理由と進め方が分かります。次の質問は、どの頼み先にも使えます。

質問聞く理由
このプランでは、何ができて、何ができませんか範囲外の作業を、契約前に知るため
追加で費用がかかるのは、どんなときですか見積りの金額が、最終の支払いと一致するか確かめるため
公開までに、こちらで用意するものと、いつまでですか原稿・写真の準備に必要な時間を見込むため
公開後に、自分で更新できますか。できない場合の費用は更新のたびにかかる費用を、見込むため
契約をやめたとき、ホームページとドメインはどうなりますか引き継げるかどうかを確かめるため
制作は、どなたが担当されますか。連絡は何で、いつ返信がありますか連絡の取りやすさを見るため

質問に対して、具体的な数字や期間で答えてくれるか、書面に残してくれるかに注目します。「大丈夫です」「何とかなります」だけの答えは、書面にしてもらえるかを確かめてください。

依頼前にまとめておく「依頼メモ」

どの頼み先でも、依頼メモを作っておくと、見積りの精度が上がり、比べやすくなります。A4で1枚程度の簡単なもので十分です。

【依頼メモの例】
・会社名・業種:(会社名)/(業種)
・目的:取引先や求職者が、事業内容と連絡先を確認できるようにする
・見てほしい人:取引先の担当者、採用に応募する人
・ページ構成:トップ/事業内容/会社概要/お問い合わせ(4ページ)
・原稿・写真:文章は自社で用意。社屋と代表の写真は撮影を依頼したい
・機能:問い合わせフォーム。スマホ表示に対応
・参考にしたいホームページ:(URLを3つ)
・公開後:お知らせは自社で更新。保守は別に相談したい
・希望の公開日と、予算の上限:○月○日/○万円まで

メモに書くことで、自社の中でも「何を作りたいのか」が整理できます。依頼先から追加で質問されたときに答えやすくなるのも利点です。

あわせて読みたいホームページ制作会社の選び方|比べる8つのポイントと契約前の確認事項ホームページ制作会社の選び方を、依頼前に決めること、依頼先の種類と向き不向き、比べる8つのポイント、見積もり・提案書の見方、契約前に確認したい著作権・ドメイン・保守の条件、依頼から公開までの流れ、よくある失敗の順に解説します。初めて制作会社を選ぶ中小企業の担当者向けです。

補助金・無料の相談先

商工会議所の窓口で担当者が相談員と書類を見ながら話している様子

費用を抑える方法として、補助金や、無料で使える相談窓口もあります。ただし、補助金には条件が多く、「格安で、早く作る」やり方とは相性が悪い面もあります。内容を確かめてから、使うかどうかを判断しましょう。

小規模事業者持続化補助金

ホームページの制作費に使われることが多い国の補助金が、小規模事業者持続化補助金です。小規模事業者が、経営計画をつくり、それにもとづいて行う販路開拓などの取組にかかる経費の一部を補助する制度で、ホームページの制作費は「ウェブサイト関連費」として計上します。2026年10月時点の、第20回公募(一般型・通常枠)の公募要領(第8版)の内容は、次のとおりです。

項目内容
補助率2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4)
補助上限50万円。インボイス特例で50万円、賃金引上げ特例で150万円、両方の特例で200万円の上乗せ(それぞれ要件あり)
ウェブサイト関連費ウェブサイトやシステムの開発・構築・更新・改修・運用にかかる経費。単独では申請できず、ほかの経費と一緒に申請する。申請額の上限は30万円(税込)
申請の受付2026年11月5日から12月15日17時まで(予定)。商工会・商工会議所への事業支援計画書(様式4)の発行依頼は12月4日まで
発注の時期交付決定の前に行った発注・契約・支払いは対象外
お金を受け取る時期補助金は後払い。事業者が先に全額を支払う
採択の発表2027年3月ごろの予定。交付決定まで、さらに1〜2か月ほどかかることがある

実質の負担を考えるときは、補助の対象になる経費に、補助率をかけて計算します。たとえば、ホームページの制作費として補助の対象になる経費が45万円の場合、2/3は30万円で、上限の30万円と同じです(仮の数字です。消費税の扱いなど細かい計算は、公募要領で確認してください)。この場合、実質の自己負担は15万円ほどになりますが、補助金は審査があり、採択されない場合もあります。支払いは後払いなので、一時的には全額を用意する必要もあります。

格安のやり方と、相性が悪い点

公募要領には、費用を抑えるやり方と合わない条件がいくつもあります。補助金を前提にするなら、次の点を確認してください。

公募要領の条件格安のやり方との関係
交付決定の前の発注・契約・支払いは対象外採択発表が2027年3月ごろの予定で、交付決定までさらに1〜2か月かかることがある。公開できるのは、早くても2027年の春以降になる
内訳が不明な経費(「諸経費」など)は対象外見積書の「諸経費一式」「制作費一式」は、そのままでは使えない。項目ごとの内訳が必要
売上や契約数に応じて課金される経費、成功報酬型の費用は対象外成果に応じて料金が変わる契約は、補助の対象にならない
1取引10万円(税抜)を超える現金支払は対象外。クレジットカードや分割払いは、補助事業期間内に引き落としが完了していること支払い方法を、あらかじめ制作会社と確認しておく
社内の役員・従業員、3親等以内の親族、親族が代表・役員の事業者への発注は対象外身内に安く頼む場合は、補助金を使えない
計画づくりに商工会・商工会議所以外の第三者の支援を受けた場合は、その相手と金額を記載する成功報酬型の「申請代行」には注意する。記載がないと不採択や交付決定の取消しになる

「補助金が使えるから、ホームページを作る」ではなく、「作ると決めた。補助金が使えれば助かる」という順番で考えると、失敗しにくくなります。公開を急ぐ事情があるなら、補助金を待たずに、費用を抑える方法で進める判断もあります。補助金の条件は公募回ごとに変わるため、申請の前に、最新の公募要領を読んでください。

地域の商工会や商工会議所、都道府県・市区町村にも、独自の補助金や支援策があります。事業所のある地域の制度は、窓口に確認すると見つけやすくなります。

補助金を使うときの見積書の整え方

補助金を使う場合、見積書は審査と経費の確認に使われます。公募要領の内容から、制作会社に頼んでおきたい点をまとめます。

  • 内訳を項目ごとに書いてもらう:「諸経費」など、内訳が不明な経費は対象外とされています。デザイン費、構築費、機能の費用など、項目ごとに分けた見積書にしてもらいます。
  • コンサルティングやアドバイスの費用を分ける:公募要領では、コンサルティング・アドバイス費用は補助の対象外とされています。制作費と混ぜず、別項目にしてもらうと確認しやすくなります。
  • 公開の時期を、補助事業の期間に合わせる:補助事業の期間内に、ホームページを公開して取組を行っている必要があります。第20回公募の補助事業の期間や、実績報告の期限は、公募要領で確認してください。
  • 支払い方法を確認する:現金払いで10万円(税抜)を超える取引、補助事業の期間内に引き落としが終わらない支払いは対象外です。

こうした条件は、補助金を使わない場合にも、見積書を分かりやすくするために役立つ考え方です。「内訳が分かる見積書」を出してくれるかどうかは、制作会社を選ぶ基準にもなります。

無料で相談できる窓口

ホームページの前に、「そもそも何を載せればよいか」「予算をどう考えればよいか」を整理したいときは、無料の相談窓口が役に立ちます。

  • よろず支援拠点:国が設置した、無料の経営相談所です。公式ページには、経営上のあらゆる相談に、何度でも無料で対応すると書かれています。ホームページの活用や、販路開拓の考え方を相談できます。
  • 商工会・商工会議所:経営の相談に乗る担当者がいます。持続化補助金を使う場合は、事業支援計画書の発行を依頼する窓口にもなります。

制作会社に見積りを頼む前に、ここで「目的」と「載せる内容」を整理しておくと、見積りの比較も、依頼先とのやり取りも進めやすくなります。

無料で使える入口

ホームページの制作費とは別に、費用をかけずに始められる入口もあります。

  • Search Console:Googleが提供する無料のサービスです。自社のホームページが検索でどう表示されているか、クロール(Googleがページを読み取ること)に問題がないかなどを確認できます。
  • Googleビジネスプロフィール:マップと検索での表示を、無料で管理できます。営業時間・電話番号・写真・クチコミへの返信などを載せられます。対象は、営業時間中に顧客と対面でサービスを提供する事業(店舗、顧客先を訪問するサービスなど)で、オンラインだけの事業は対象外と、Googleのヘルプに書かれています。

地域の補助金や支援策を探す

国の補助金のほかに、都道府県や市区町村が、独自の補助金や支援策を用意していることがあります。ホームページの制作費が直接の対象になる制度は限られますが、条件が合えば使えるものもあります。

  1. 事業所のある市区町村の窓口に聞く商工担当の課や、産業振興の担当部署のホームページで、事業者向けの補助金の一覧を確かめます。
  2. 都道府県の支援制度を見る都道府県や、中小企業を支援する財団のホームページに、補助金の一覧があることがあります。
  3. 商工会・商工会議所に聞く会員向けの制度や、地域の最新の募集を教えてもらえることがあります。
  4. 対象と時期を確かめる対象の経費、対象となる事業者、募集の期間、申請の前に必要な手続き(発注の前の申請など)を、募集の案内で読みます。

制度は、年度や予算によって内容が変わり、募集期間が短いものもあります。ホームページを作ると決めたら、発注する前に、使える制度がないかを一度確かめておきましょう。発注したあとでは、対象にならなくなる制度が多くあります。

デジタル化・AI導入補助金について

「デジタル化・AI導入補助金」(旧IT導入補助金)は、ITツールを導入する費用を補助する制度ですが、対象は、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールです。2026年の通常枠の公募要領を確認した範囲では、会社案内のホームページの制作そのものを対象とする記載は確認できませんでした。ホームページの制作費をこの補助金でまかなえると考えて、計画を立てないようにしてください。

公開後の費用・作り直し

担当者がカレンダーに更新作業の予定と契約の更新日を書き込んでいる様子

ホームページは、公開したあとも費用と手間がかかります。格安で作ったとしても、公開後の費用を見落とすと、総額は思ったより大きくなります。

毎月・毎年かかる費用を書き出す

契約が決まったら、公開後に続く費用を一覧にしておきます。更新日が来て、慌てて支払うということを防げます。

費用かかる時期確認すること
ドメイン(住所)の更新費毎年(または契約期間ごと)無料特典の対象期間。更新費はいくらか。自動更新か
サーバー・作成サービスの利用料毎月、または契約期間ごとのまとめ払い契約期間と、更新時の金額。キャンペーン価格は更新後も続くのか
保守・更新の代行費毎月含まれる作業。別料金になる作業
有料の機能・プラグイン毎年、または毎月使わなくなったものを解約できているか
写真・イラストの素材使う都度、または年額ライセンスの範囲と、期間
社内の更新の時間月に数時間誰が担当するか。担当が代わったときの引き継ぎ

エックスサーバーの公式ページでは、キャンペーン価格は期間限定とされています。更新するときの金額が契約時と同じかどうかは、サービスごとの料金ページや規約で確認できます。月額が安く見えるプランほど、更新後の金額を確認しておくと安心です。

契約情報を1か所にまとめる

ドメイン・サーバー・作成サービス・問い合わせフォーム・メールなど、契約が複数になると、担当者が代わったときに分からなくなります。次の項目を、社内の共有できる場所に、1つの表にまとめておきましょう。

  • サービス名と、何のために使っているか
  • 契約者の名義と、連絡用のメールアドレス
  • 更新日と、更新費用、支払い方法
  • 管理画面の入口(パスワードそのものは、パスワード管理の仕組みで別に管理する)
  • 困ったときの問い合わせ先

更新の担当と頻度を決める

公開したあとに更新されないホームページは、情報が古くなります。営業時間、料金、担当者、取扱いの内容が実際と違っていると、問い合わせの前に、不信感を持たれてしまいます。

難しいことは必要ありません。月に1回、15分程度で、会社概要・営業時間・料金・連絡先・お知らせが今の状況と合っているかを見るだけでも、古い情報が残るのを防げます。更新を自社でできないなら、更新の代行を頼むのか、頼む場合の費用と、依頼の方法を、最初に決めておきます。

問い合わせが来ないときに見ること

公開してしばらくしても問い合わせが来ない場合、すぐに作り直すのではなく、次の順で原因を確かめます。費用をかけずにできることがほとんどです。

  1. 自社名で検索して、表示されるか確かめるSearch Consoleで、ホームページが検索の対象になっているか、検索での表示回数を確認できます。表示されていなければ、まず登録の状況を見ます。
  2. スマホで、問い合わせの入口が見つかるか見る電話番号やフォームへの入口が、最初の画面で分かるかを確かめます。見つけにくければ、配置を見直します。
  3. 問い合わせフォームが届いているか確かめる実際に送信して、受信できるかを確認します。迷惑メールのフォルダに入っていないかも見ます。
  4. ホームページの入口を増やす名刺・メールの署名・見積書・会社案内にURLを載せます。来店型の事業なら、Googleビジネスプロフィールにもホームページのアドレスを載せます。
  5. 内容を見直すお客様が知りたいこと(料金の決まり方、依頼の流れ、対応できる範囲)に答えているかを確認します。

問い合わせが来るかどうかは、制作費の高さではなく、見つけてもらえるか、見つけたあとで連絡したくなるかで決まります。作り直す前に、ここまでを試すと、費用を抑えながら改善できます。

作り直すときは、URLに気をつける

格安で始めて、事業が大きくなってきたら、あとで作り直したくなることもあります。作り直しは、悪いことではありません。ただし、URL(ページの住所)が変わると、検索結果やほかのサイトからのリンクに影響します。

Googleの公式ドキュメントでは、URLが変わるサイトの移転では、旧URLから新URLへ、サーバー側の永続的なリダイレクト(301または308)を設定することが推奨されています。旧URLは、対応する新URLへ1つずつ対応づけ、関連性の低いトップページへまとめて転送するのは避けること、リダイレクトは一般に1年以上保持することが案内されています。また、移転の間は検索順位が一時的に変動し、中小規模のサイトでも、反映に数週間以上かかることがあると書かれています。

作り直しの費用を抑えるためにも、最初の段階で次のことを決めておくと安心です。

  • ドメインは自社名義で取得し、作り直しても同じドメインを使い続ける
  • 作り直すときに、制作会社から文章・画像・設定のデータを受け取れるようにしておく
  • 作り直す前に、今のホームページのURLの一覧を保存しておく(リダイレクトの設定に使う)

3年ごとの見直しの観点

公開から2〜3年たったら、続けるか、作り直すか、費用を見直すかを考えます。次の観点で振り返ると、判断しやすくなります。

観点見ること
目的当初の目的(会社の確認先、問い合わせの獲得など)を満たしているか
情報の鮮度古い情報、使われていないページが残っていないか
制約ページ数・機能の上限で、やりたいことができなくなっていないか
費用3年間にかかった総額と、当初の想定の差
運用更新の担当者が決まっていて、続いているか

よくある質問

格安でも、問い合わせが来るホームページは作れますか?

作れますが、制作費の安さと、問い合わせの数は別の問題です。問い合わせを増やしたいなら、載せる内容(お客様の困りごとに答えているか、料金や流れが分かるか)と、公開後の改善に時間をかける必要があります。制作費を抑えた分を、内容づくりに回す考え方もあります。

無料のサービスだけで、会社のホームページにしてもよいですか?

お試しとして使うのは問題ありません。ただ、公式の料金ページを見ると、WordPress.comの無料プランは独自ドメインが使えず、訪問者に広告が表示されます。Wixも、独自ドメインの接続と広告の削除は、プレミアムプランの特典です。会社の看板として使うなら、独自ドメインと広告なしの状態を前提に、有料プランで比べるのが現実的です。

月額制と、最初にまとめて払う方式では、どちらが安いですか?

契約期間と、含まれる内容で変わるため、一概には言えません。初期費用と月額、更新費、オプションをすべて足して、3年分の総額で比べてください。月額制は、解約したときに、ホームページやドメインを引き継げるかも確認が必要です。

見積りは何社に頼めばよいですか?

2〜3社が目安です。同じ条件(目的・ページ構成・原稿と写真の担当・機能・公開後の運用)で依頼すると、金額の差が何から来るのかが分かりやすくなります。依頼メモを作っておくと便利です。

知り合いに安く頼んでも大丈夫ですか?

大丈夫ですが、作業の範囲、納期、費用、著作権、ドメインの名義、公開後の修正の頼み方は、メールなど文字で残してください。また、持続化補助金では、社内の役員・従業員や3親等以内の親族への発注は対象外とされているため、補助金を使う予定がある場合は、先に確認が必要です。

ドメインやサーバーは、自分で契約したほうがよいですか?

会社のホームページなら、自社の名義で契約するのが基本です。制作会社に契約の手続きを代行してもらう場合も、名義が自社になっているか、ログイン情報を自社でも持てるかを、契約前に確認してください。

補助金を使えば、制作費は大きく下がりますか?

下がる場合がありますが、条件があります。持続化補助金のウェブサイト関連費は、単独では申請できず、申請額の上限は30万円(税込)です。交付決定の前の発注は対象外で、補助金は後払いです。審査もあるため、採択されるとは限りません。

ホームページを作らず、Googleビジネスプロフィールだけでもよいですか?

店舗や、顧客を訪問するサービスなど、対面で提供する事業であれば、無料で使えるため、まず始める価値があります。ただし、オンラインだけの事業は対象外です。取引先や求職者が会社を確かめる場所としては、ホームページがあるほうが伝えられる内容が多くなります。

契約したあとで、思っていたのと違うと気づいたらどうすればよいですか?

まず契約書と見積書で、どこまでが作業の範囲かを確認し、相手に書面(メールなど)で、違いを伝えます。事業用の契約は、クーリング・オフのような制度が使えないことがあるため、早めに行動することが大切です。判断に迷うときは、よろず支援拠点や商工会・商工会議所、弁護士などの専門家に相談してください。

公開したあと、自分で更新できますか?

作成サービスや、WordPressなどの管理画面(CMS)を使うホームページなら、自分で文章や写真を差し替えられます。更新できるかどうかは、契約前に必ず確認してください。「更新はすべて制作会社に依頼する」仕組みだと、1回ごとに費用と時間がかかります。

格安で作ったあと、あとから作り直せますか?

作り直せます。ドメインを自社名義で持っていて、文章や画像のデータを受け取れるなら、作り直しの負担は小さくなります。URLが変わる場合は、旧URLから新URLへ永続的なリダイレクトを設定することが、Googleの公式ドキュメントで推奨されています。

AIだけでホームページを作ってもよいですか?

作ることはできますが、内容の確認は人が行う必要があります。AIが作った文章や数字は、会社名・住所・料金・実績などを、必ず自分で確かめてください。公開先によっては、商用での利用が禁止されている無料プランもあるため、公式の規約も確認しましょう。

格安の制作会社を選ぶとき、最も大切な点は何ですか?

金額そのものより、「安さの理由を説明してもらえるか」です。何が含まれて、何が含まれないのか、公開後の費用はいくらかを、質問に対して具体的に答えてくれる会社かどうかを見てください。説明が曖昧な場合や、契約を急がせる場合は、他社と比べ直すのが安全です。

「諸経費一式」という項目は、削ってもらえますか?

何に対する費用かを聞いて、納得できなければ、内訳を出してもらうか、項目を外せるかを相談してください。持続化補助金のように、内訳が不明な経費を対象外とする制度もあるため、内訳が分かる見積書にしておくと、後の確認もしやすくなります。

スマホで見たときに、表示が崩れていたらどうなりますか?

見積書や契約書に「スマホ表示に対応」と書かれているなら、直してもらうよう依頼できます。書かれていない場合は、追加費用になることがあります。契約前に、スマホ表示への対応が含まれているかを確認し、納品のときにも、実際のスマホで確かめてください。

費用を抑えて作ると、会社の信用は下がりますか?

制作費の金額が、そのまま会社の信用に結びつくわけではありません。取引先や求職者が見るのは、会社の情報が正確か、連絡先が分かるか、スマホで見やすいか、古い情報が残っていないか、といった点です。費用を抑えても、これらを丁寧に整えれば、信頼できる印象を保てます。

まとめ

この記事のまとめ

  • 格安の安さには理由がある。作業を減らす・素材を依頼側が用意する・範囲を絞る・公開後に回収する・制作者の単価が低い、のどれかを確かめる
  • 見積りは、費用が決まる要素(ページ数・デザイン・原稿と写真・機能・公開後)を同じ条件にそろえ、2〜3社で比べる。月額制は3年分の総額で見る
  • 費用を抑えるには、ページ数を絞る、原稿と写真を自社で用意する、作成サービスや一部だけの依頼を使う。ただし、名義・スマホ表示・バックアップは削らない
  • 契約前に、著作権の扱い、ドメインとサーバーの名義、解約とデータの引き渡し、別料金になる作業を書面で確認する
  • 持続化補助金のウェブサイト関連費は、単独申請不可・上限30万円(税込)・交付決定前の発注は対象外。無料の相談はよろず支援拠点や商工会・商工会議所で受けられる
  • 公開後は、ドメインや契約の更新、更新担当、作り直し時のURLを決めておく

ホームページは、安く作ること自体が目的ではなく、会社の目的に合う形で、無理なく続けられることが大切です。安さの理由を確かめ、削ってよい部分と削らない部分を分けておけば、費用を抑えながら、あとで困らない形にできます。

INTERCREATE JAPANでは、ホームページの制作と、公開後の保守・運用のご相談をお受けしています。ページ数や機能を絞った小さな構成で、ご予算に合う進め方を一緒に考えることもできます。お見積りは無料です。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典