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クリニックのホームページ制作|医療広告の規制と載せる内容、依頼先の選び方

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • クリニックのホームページが医療広告の規制の対象になる理由と、違反したときの扱い
  • 禁止される表現と、広告できる内容(広告可能事項)の範囲
  • 自由診療ページに入れる項目と見せ方(限定解除の要件)
  • 患者さんが知りたい情報を軸にしたページ構成
  • 予約・問い合わせ・個人情報まわりの注意点
  • 制作会社に確認すること、補助金の対象になるか、公開後の運用
目次
  1. ホームページも医療広告の規制の対象
  2. ホームページも「広告」として扱われる
  3. 規制の対象になる人と媒体
  4. 違反したときの扱い
  5. 確認先と最新の資料
  6. 禁止される表現・広告できる内容
  7. 禁止されている広告
  8. ありがちな表現と、書き方の見直し
  9. 広告できる内容(広告可能事項)
  10. 数字を載せるときの決まり
  11. 診療内容ページの書き方
  12. 限定解除とは
  13. 保険診療が中心のクリニックの場合
  14. 自由診療のページに入れる項目
  15. 見せ方の決まり
  16. リスティング広告・バナー広告の場合
  17. ページ構成と載せる情報
  18. 見る人ごとに、知りたいこと
  19. トップページに置くもの
  20. ページ構成の例
  21. 医師・スタッフの紹介
  22. 院内・設備の写真
  23. 症状の解説・コラム
  24. 採用ページ
  25. 予約・問い合わせ・個人情報
  26. 予約までの道を短くする
  27. 問い合わせフォームと個人情報
  28. HTTPSで通信する
  29. 予約システム・オンライン診療を入れるとき
  30. 口コミ・Googleマップの扱い
  31. 制作会社の選び方・費用・補助金
  32. 医療機関のサイトで確認すること
  33. 依頼から公開までの流れ
  34. 院内の確認の体制
  35. 費用の考え方
  36. 補助金は使えるか
  37. 公開後の運用
  38. 更新が必要な情報
  39. 医療情報ネット(ナビイ)と内容をそろえる
  40. 検索・Googleビジネスプロフィール
  41. 公開前・公開後のチェックリスト
  42. ガイドライン改正への対応
  43. よくある質問
  44. まとめ

クリニックや歯科医院のホームページを作る、または作り直すときに、「医療広告の規制があるらしいが、どこまで書いてよいのか分からない」と迷う院長・事務長の方は多いのではないでしょうか。

病院や診療所のホームページは、一般の会社のホームページと違い、医療法にもとづく広告規制の対象です。厚生労働省の「医療広告等ガイドライン」は2026年(令和8年)3月30日に最終改正されており、ウェブサイトでの具体的な事例をまとめた解説書も、同じ月に第6版が出ています。規制の内容を知らないまま作ると、公開してから直すことになりかねません。

この記事では、規制の考え方、禁止される表現と載せてよい内容、自由診療ページの書き方、ページ構成、予約・個人情報の扱い、制作会社の選び方、補助金、公開後の運用を順に説明します。内容は2026年10月時点の、厚生労働省などの公式資料にもとづいています。個別の表現が規制に当たるかどうかは、所管の保健所など(都道府県・保健所設置市・特別区)に確認してください。

ホームページも医療広告の規制の対象

院長と事務長が机の上でホームページの印刷物を見ながら、原稿の内容を確認している

ホームページも「広告」として扱われる

以前は、医療機関のホームページは広告に当たらないものとして、規制の対象外でした。ガイドラインによると、ホームページの内容は関係団体の自主的な取り組みに任されていました。しかし美容医療に関する相談が増えたことを受けて、2017年(平成29年)の医療法改正で、ホームページなどの「医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」も規制の対象になりました。施行は2018年(平成30年)6月1日です。

ガイドラインでは、次の3つをすべて満たすものが医療広告に当たるとされています。

  • 患者さんの受診を誘引する意図があること(誘引性)
  • 医療機関の名称などが特定できること(特定性)
  • 医業・歯科医業、または病院・診療所に関する内容であること

医療機関自身が運営するホームページは、通常この3つを満たします。「これは広告ではありません」と書いても、医療機関の名前や、住所・電話番号などから医療機関が分かる場合は、広告として扱うとガイドラインに書かれています。

規制の対象になる人と媒体

規制を受けるのは医療機関だけではありません。ガイドラインは「何人も」対象としており、マスコミ、広告代理店、アフィリエイター、患者さんや一般の人も含まれます。Q&Aには、広告を作った広告代理店やサイトの運営会社にも、是正命令や罰則が科されることがあると書かれています。

ホームページ以外の媒体の扱いを、ガイドラインとQ&Aから表にまとめました。

媒体・情報規制の対象か補足
医療機関のホームページ・ブログ対象日本語でも外国語のみでも対象。海外の事業者が日本向けに出すものも対象
QRコードで開くページ、医療機関のアプリ対象ホームページと同じ扱い。限定解除の要件を満たせば、広告可能事項以外も載せられる
患者さん限定の会員ページ対象閲覧できる人を限っても対象
メールマガジン、患者さんの求めで渡すパンフレット対象患者さんの希望で配っても広告として扱われる
リスティング広告、バナー広告対象広告可能事項の範囲に限られる(後述)
院内の掲示、院内で配るパンフレット広告とはみなされない受け手が通常は受診中の患者さんに限られるため
職員の募集広告対象外受診を誘引するものではないため
患者さんが自分で書いたSNSや口コミサイトの投稿通常は対象外医療機関が費用負担などで掲載を頼んでいる場合は別

違反したときの扱い

ガイドラインによると、広告の違反が見つかった場合は、通常はまず行政指導で、広告の中止や内容の是正を求めます。指導に従わない場合や、違反を繰り返す場合は、中止命令・是正命令が出されます。

内容が虚偽の広告は直接罰の対象で、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金が定められています。命令に従わない場合も同じ罰則です。悪質な場合は、管理者の変更命令や、開設許可の取り消しなどの行政処分も考えられるとされています。

厚生労働省は2017年度から「医業等に係るウェブサイトの調査・監視体制強化事業」としてネットパトロールを行っています。医療機関のホームページは、継続して確認される対象です。

確認先と最新の資料

規制の原文は、厚生労働省の「医療法における病院等の広告規制について」のページから入手できます。ここに、次の資料が置かれています。

  • 医療広告等ガイドライン(正式名称は「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針」。2026年3月30日最終改正)
  • ガイドラインに関するQ&A(同じく2026年3月改定)
  • ウェブサイト等の事例解説書(2026年3月作成の第6版)
  • 各自治体の相談窓口の一覧

事例解説書は、ネットパトロールで見つかった実際の事例をもとに、不適切な例と改善例を並べたものです。制作担当者や制作会社には、ガイドライン本文より先にこの解説書を読んでもらうと、話が早くなります。

この記事は整理であり、個別の判断ではありません

記事の内容は、ガイドライン・Q&A・事例解説書の記述を読みやすく整理したものです。実際の表現が規制に当たるかどうかは、ホームページの全体の構成や医学的な状況を含めて判断されます。迷う表現は、所管の保健所などの医療広告の窓口や、医療広告に詳しい専門家に確認してください。

禁止される表現・広告できる内容

担当者が机でホームページの原稿を読み、気になる表現に付箋を貼っている

医療広告の規制は、「してはいけない表現」と「書いてよい内容の範囲」の2つで決まります。ホームページを作る前に、この2つを原稿の段階で確かめておくのが基本です。

禁止されている広告

医療法とガイドラインで禁止されているのは、次の広告です。

種類内容例(ガイドライン・Q&Aの例を含む)
虚偽広告事実と異なる内容。罰則つきで禁止「絶対安全な手術です」「どんなに難しい症例でも必ず成功します」。加工・修正した術前術後の写真。根拠を示さない「満足度○%」
比較優良広告他の医療機関と比べて優れていると示す広告。事実であっても禁止「日本一」「No.1」「最高」。「県内一の医師数を誇ります」。著名人が通院している・推薦しているという表示
誇大広告事実を不当に大きく見せる、人を誤認させる広告「知事の許可を取得した病院です」と許可を強調する。活動実態のない団体の認定。科学的根拠が乏しいのに特定の手術の有効性を強調する
公序良俗に反する広告わいせつ・残虐な表現、差別を助長する表現わいせつ・残虐な図画や映像
体験談患者さんの主観や伝聞にもとづく、治療の内容や効果の体験談「先生のおかげで症状がなくなりました」といった患者さんの声
ビフォーアフター写真治療の内容や効果について、患者さんを誤認させるおそれがある治療の前後の写真術前または術後の写真だけを載せ、説明が不十分なもの
広告可能事項以外の広告法律や告示で決められた事項以外。限定解除の要件を満たした場合は載せられる「専門外来」、死亡率・術後生存率、未承認医薬品による治療の内容

比較優良広告は、記載が事実であっても禁止されます。ガイドラインは、事実でも優秀さについて著しい誤認を与えるおそれがあるためとしています。

このほか、費用を強調した広告(「今ならキャンペーン実施中」など)や、治療とは直接関係のない特典を強調する広告は、品位を損ねるものとして、厳に慎むべきとされています。

ありがちな表現と、書き方の見直し

制作会社の見本サイトや、他院のホームページから、そのまま表現を持ってくると、規制に触れることがあります。ガイドライン・Q&A・事例解説書に出てくる例から、書き方の見直しを表にまとめました。

載せがちな表現問題になる理由見直しの方向
日本有数の実績を誇る病院です他の医療機関との比較で、比較優良広告に当たる実施している検査・治療の内容を、広告可能な範囲で事実として書く
最先端の医療を提供します「最先端」「最適」は誇大広告に当たる(Q&A)導入している機器を、一般的な名称(MRI、CTなど)と導入時期で示す
痛くない治療です(99%の満足度)科学的根拠がなく、虚偽・誇大広告のおそれがある。満足度は根拠を示せる必要がある(Q&A)行う処置の内容を事実として書く。調査の数字は、方法・対象・時期を併記する
糖尿病の専門外来「専門外来」は広告可能な診療科名と誤認させる。「専門」を外して「外来」としても認められない「糖尿病の検査・治療を行っています」のように、保険診療で行う検査・治療の内容として書く
期間限定で50%オフ、キャンペーン実施中費用を強調した広告は、品位を損ねるもの料金表に標準的な費用を掲載する。費用を太字や下線で分かりやすく示すのは差し支えない(Q&A)
患者様の声(「通ってよかった」など)治療の内容や効果に関する体験談に当たる体験談は載せない。ご意見・ご相談の受付窓口を案内する
厚生労働省認定の専門医専門医は学会や専門医機構が認定するもの。虚偽広告に当たる「日本専門医機構認定 ○○専門医」のように、認定団体の名称を資格名とともに書く
当院は医療広告ガイドラインを遵守しています(大きな文字で強調)遵守は強調すべきことではなく、過度な記載は誇大広告のおそれ。厚生労働省のシンボルマークも使えない書くとしても過度に強調しない(事例解説書の改善例)。マークは使わない
当院に来れば、どなたでも○○が受けられます診察の結果で治療内容が決まるため、虚偽広告に当たる(Q&A)診療内容と対象となる症状を説明し、診察のうえで判断する旨を書く

「最新の治療法」「最新の医療機器」は、医学的・社会的な常識の範囲で事実と認められるものであれば、禁止される表現ではありません。ただし、根拠を求められたときに示せることが条件で、より新しいものが定着した後に使い続けると、誇大広告に当たるおそれがあるとQ&Aに書かれています。

広告できる内容(広告可能事項)

医療広告として載せられるのは、法律と告示で決められた事項です。「項目のまとまり」で決められているため、広い範囲が含まれ、ホームページで普通に必要になる情報は、おおむね入っています。

項目載せてよい例注意すること
診療科名内科、小児科、皮膚科、内科(循環器)など政令で定められた診療科名のみ。「糖尿病科」「ペインクリニック科」などは診療科名として使えない
名称・電話番号・所在地住所、郵便番号、最寄り駅からの道順、地図名称は正式名称(認識できる略称・英語名も可)。「○○医院 糖尿病クリニック」のような併記はできない
診療日・診療時間・予約診療日、休診日、予約の受付時間、予約のURL診療日・診療時間は、可能な限り記載するのが望ましいとされている
医師・スタッフ氏名、年齢、性別、役職、略歴、専門医(認定団体名つき)研修を受けた旨、学会の単なる会員である旨は広告できない。非常勤の場合は勤務する日時を示す
施設・設備院内や外観の写真、バリアフリー、MRI・CTなどの一般的な名称と台数、導入日医療機器の販売名・型式番号は載せない。持っていない機器のイメージ画像は虚偽広告
診療内容保険診療で行う検査・治療、往診、在宅医療、オンライン診療を実施している旨治療の成功率・治癒率などの効果は広告可能事項ではない
管理・運営電子カルテの導入、医療安全の取り組み、個人情報の取り扱い、相談窓口、平均待ち時間「万全の安全管理体制」など、客観的に評価できない表現は誇大広告
受診の便宜駐車場、クレジットカード・電子決済、対応できる言語、送迎駐車場の台数・料金なども載せられる
健診・予防接種健康診査、予防接種を実施している旨、費用ワクチンの商品名や、発症を防ぐ効果は載せない

自由診療でも、保険診療と同じ手技の治療や、国内で承認された医薬品・医療機器を承認の範囲で使う治療は、広告可能事項に含まれます。条件は、公的医療保険が適用されない旨(「全額自己負担」「自由診療」など)と、標準的な費用を併記することです。標準的な費用は、窓口で実際に支払う額が分かるように示す必要があります。

数字を載せるときの決まり

人数や件数などの数字は、載せ方の決まりがあります。広告可能な範囲でも、決まりを守らないと誇大広告になるので注意してください。

  • 人員の数・配置割合:いつ時点の数字かを、暦月の単位で併記する。広告した数字と実態が大きく離れないよう、少なくとも年に1回は更新する
  • 手術件数・患者数:集計した期間を暦月の単位で併記する。正しいかどうかを確かめられるよう、ウェブサイトや年報などで公表しておく。医師個人が行った手術の件数は、広告可能事項ではない
  • 平均待ち時間:前年度などの実績にもとづく数字を、診療科別や曜日別に載せられる。実際との差が出ないよう、更新する
  • 満足度などの調査結果:調査の方法を示さずに数字だけを載せると、虚偽広告として扱われる。ごく限られた患者さんだけを対象にした調査や、謝礼を払って誘導した調査も、公正なデータとは言えない
  • 患者満足度調査:調査を実施している旨や、結果の入手方法は載せられるが、結果そのものは広告可能事項ではない

迷ったときの見分け方

ガイドラインは、広告可能事項を「客観的な評価が可能で、あとから検証できる事項」に限る考え方に立っています。迷う表現は、事実として確かめられるか、患者さんが医療機関を選ぶときの助けになるか、効果を約束するような書き方になっていないか、の3点で見直すと判断しやすくなります。

診療内容ページの書き方

医師が診察室のパソコンで、診療内容と費用の説明ページを確認している

診療内容のページは、患者さんがいちばん読み込むページです。同時に、規制の判断がもっとも難しいページでもあります。ここでは、広告可能事項の範囲を広げる「限定解除」の仕組みを説明します。

限定解除とは

ホームページは、患者さんが自分で調べに来て読む情報です。詳しい診療内容など、患者さんが求める情報を載せられないと、かえって適切な選択ができなくなります。そこで、一定の要件を満たしたホームページでは、広告可能事項以外も載せられるとされています。これが「広告可能事項の限定解除」です。

要件は次の4つで、③と④は自由診療を紹介する場合に必要です。

要件内容ホームページでの対応
①患者さんが自ら求めて入手する情報を表示するウェブサイトなどであること一般的なホームページであれば、原則として満たす。リスティング広告・バナー広告は満たさない
②表示する情報について、患者さんが容易に照会できるよう、問い合わせ先を明示すること電話番号やEメールアドレスを、各ページから分かる場所に載せる
③自由診療の、通常必要とされる治療内容・費用などの情報を提供すること治療内容、標準的な費用、治療期間、回数を載せる
④自由診療の、主なリスク・副作用などの情報を提供すること利点だけでなく、主なリスク・副作用も分かりやすく載せる

限定解除をした場合でも、虚偽広告・比較優良広告・誇大広告や、体験談などの禁止は残ります。治療の効果を書く場合は、求められたときに裏付けとなる根拠を示し、客観的に実証できる必要があります。

保険診療が中心のクリニックの場合

保険診療が中心であれば、診療内容の多くは広告可能事項の範囲に収まります。限定解除を意識するのは、たとえば次のような情報を載せたいときです。

  • 広告可能な診療科名にない「○○外来」や、「総合診療科」などの表示
  • 厚生労働大臣に届け出た団体の認定ではない専門性の資格(学会の認定医・指導医など)
  • 雑誌や新聞、テレビで紹介された旨
  • 医師個人が行った手術の件数

これらは、問い合わせ先を明示するなど限定解除の要件を満たし、禁止される広告に当たらなければ、載せられます。事例解説書には、問い合わせ先の電話番号やメールアドレスを載せていないために要件を満たしていない例が、改善例とあわせて載っています。

自由診療のページに入れる項目

自由診療は、保険診療と違って、内容や費用が医療機関ごとに大きく異なります。ガイドラインは、料金などのトラブルを防ぐ観点から、治療の名称と最低限の内容・費用だけを載せて、患者さんを誤認させないよう求めています。ページごとに、次の項目を入れてください。

項目書くこと避けたい書き方
治療の内容何をする治療か。使う医薬品・機器が国内で承認されたものか治療の名称だけを載せて、内容を説明しない
標準的な費用窓口で実際に払う額が分かる形で書く。標準的な費用が定まらない場合は、最低金額から最高金額(追加費用を含む)までの範囲で示す。麻酔や併用する治療も含めた総額の目安も書く大きな文字で「1か所○○円」と書き、5か所同時の価格であることを小さな注記にしている
治療期間・回数通常必要な通院の期間と回数「1日で終了」と書いて、治療後の処置が必要なことを書かない
主なリスク・副作用起こりうる症状や、主なリスクを具体的に書く「時間とともに元に戻る」「数回の注射が必要な場合がある」だけの記載(Q&Aで不十分とされている)
問い合わせ先電話番号、Eメールアドレスなど。実際に問い合わせに応じられる窓口予約専用の電話番号だけ。自動音声のみで折り返しがない。受付の自動返信のみで返答がない

国内で承認されていない医薬品・医療機器などを自由診療で使う場合は、上の項目に加えて、次の内容も十分に書く必要があるとガイドラインに定められています。

  • 未承認の医薬品等であることを明示する
  • 医師が個人輸入した場合は、その旨と、厚生労働省の「個人輸入において注意すべき医薬品等について」のページを案内する
  • 同じ成分・性能の国内承認の医薬品等があるかどうかを書く
  • 諸外国での承認状況や安全性に関する情報を、日本語で分かりやすく書く。情報が足りない場合は、重大なリスクが明らかになっていない可能性があることを書く
  • 医薬品副作用被害救済制度などの救済の対象にならないことを書く

見せ方の決まり

書くだけでなく、どう見せるかも要件に含まれます。Q&Aとガイドラインには、次のような決まりがあります。

  • 患者さんが容易に読める状態にする。極端に小さな文字、背景と同じような色の文字、必要な情報を見逃させるために意図的に情報量を増やしたページは、認められない
  • 費用やリスクの情報を、リンク先の別のページに置いたり、利点に比べて極端に小さな文字で書いたりしない。利点の近くに、並べて載せる
  • 患者さんから求められたときに、同じ内容を紙などで渡せるようにしておくのが望ましい

ビフォーアフター写真も、同じ考え方です。術前のみ、術後のみの写真も認められません。加工・修正した写真は虚偽広告です。治療内容、費用、主なリスク・副作用などの詳しい説明を付けた場合は、禁止される写真には当たらないとされていますが、治療の効果は広告可能事項ではないため、掲載できるのは、限定解除の要件を満たした場合に限られます。

リスティング広告・バナー広告の場合

検索結果に出る広告や、他のサイトに出るバナーは、ホームページと違い、患者さんが自分で調べたうえで見る情報ではありません。ガイドラインは、これらは限定解除の要件①を満たさないとしています。広告そのものには、広告可能事項しか書けません。

事例解説書によると、リスティング広告が一律に禁止されているわけではなく、広告可能事項の範囲であれば出せます。一方、広告から移動した先のホームページは、患者さんが自ら求めて入手する情報になるため、要件を満たせば限定解除ができます。広告の文面は、ホームページよりも厳しく見ておく必要があります。

SNS・動画も同じ考え方です

事例解説書の第2章では、SNSや動画の広告事例が扱われています。1つの投稿で情報が完結せず、返信やスレッドで補う場合でも、費用やリスクの情報を、患者さんが一体的に確認できる形で示す必要があるとされています。プロフィール欄や固定した投稿に必要な情報をまとめる方法が、解説書で示されています。

ページ構成と載せる情報

クリニックのスタッフが、受付のカウンターでスマホとパソコンのホームページを見比べている

規制を守ることと、患者さんが使いやすいサイトにすることは、別の話です。ここからは、規制の範囲内で何を載せるかを考えます。以降は公式の資料ではなく、一般的な考え方としての整理です。

見る人ごとに、知りたいこと

クリニックのホームページを見る人は、患者さんだけではありません。見る人ごとに、知りたいことは違います。

見る人知りたいこと載せる場所
初めて受診する人今日診てもらえるか、診療時間、場所、予約が必要か、持ち物、費用の目安トップページ、初めての方へ、アクセス、診療案内
症状に悩んでいる人この症状で受診してよい診療科か、どんな検査や治療をするのか診療案内、診療科ごとのページ
家族・付き添いの人駐車場、バリアフリー、付き添いの可否、対応できる言語アクセス、院内のご案内
紹介元・連携先の医療機関診療科、担当医、検査の体制、紹介の方法医師紹介、医療連携のページ
求職者仕事の内容、勤務時間、院内の雰囲気、応募方法採用ページ

来院前の患者さんは、体調が悪い状態でスマホから調べていることが多いため、診療時間・電話番号・場所・予約方法は、探さなくても分かる位置に置いてください。

トップページに置くもの

トップページには、次の情報が、スクロールしなくても見える場所にあると便利です。

  • 医療機関の名称と診療科名
  • 診療時間と休診日(臨時休診のお知らせを目立たせられる場所も含む)
  • 電話番号(スマホからタップして発信できるようにする)
  • 予約の方法(電話、Web予約など)
  • 場所が分かる情報(最寄り駅からの道順や地図)

文字の大きさにも気を配ってください。受診される方には高齢の方も多いため、小さな文字や、背景と色の差が小さい文字は避けた方が、見やすさの点でも安全です。

ページ構成の例

小規模なクリニックであれば、次のような構成から考えます。診療科が多い場合は、診療科ごとにページを分けます。

ページ載せる内容確認すること
トップページ診療時間、電話番号、場所、予約、お知らせ診療時間が他のページや医療情報ネットと同じか
診療案内診療科、検査・治療の内容、対象となる症状効果を約束する書き方になっていないか。診療科名は広告できるものか
自由診療・料金治療内容、標準的な費用、期間・回数、リスク・副作用限定解除の項目がそろっているか。見やすい場所にあるか
医師・スタッフ紹介氏名、役職、略歴、専門医(認定団体つき)非常勤医師の勤務日時。広告できない資格を載せていないか
院内のご案内待合室・診察室の写真、設備、バリアフリー機器の販売名・型式番号を載せていないか。保有していない機器の画像を使っていないか
初めての方へ受診の流れ、持ち物、予約方法、支払方法支払方法(クレジットカードなど)は広告可能
アクセス住所、地図、最寄り駅からの道順、駐車場駐車場の台数・料金は広告可能
お知らせ臨時休診、診療体制の変更、予防接種・健診の案内古いお知らせを残していないか
採用情報募集職種、勤務条件、応募方法診療の紹介を載せる場合は、診療案内と同じ基準で確認する
プライバシーポリシー個人情報の取り扱い、利用目的問い合わせフォームや予約と内容が合っているか

医師・スタッフの紹介

医師の紹介は、患者さんが安心して受診するための重要な情報です。氏名、年齢、性別、役職、略歴は広告可能事項で、写真を添えることもできます。略歴は、出身校、学位、免許の取得日、勤務した医療機関などを、一連の経歴として書くものです。特定の経歴だけを強調するものではない、とQ&Aにあります。

専門医などの資格は、書き方に決まりがあります。

  • 認定団体の名称を資格名とともに書く(例:医師○○(日本専門医機構認定 ○○専門医))
  • 単に「○○専門医」とだけ書くと、誇大広告として指導の対象になる
  • 日本専門医機構が認定する専門性について、同じ領域の学会認定を重ねて書くことは、原則としてできない(経過措置あり)
  • 研修を受けた旨や、学会の単なる会員である旨は広告できない。学会の役員は、現任で、学会のサイトで役員名簿が公開されていれば広告できる
  • 医学博士である旨は、取得年・取得大学とともに略歴の一部として書くのが望ましい
  • 非常勤の医師は、常勤と誤解されないよう、勤務する日時を示す

院内・設備の写真

外観や内装、待合室、診療風景の写真は、広告できる範囲の内容であれば載せられます。医療機器は、MRIやCTなどの一般的な名称、写真、導入台数、導入日を載せられます。

注意するのは、次の点です。

  • 医療機器の販売名や型式番号は載せない
  • 実際に持っていない機器のイメージ画像は、虚偽広告になる
  • 患者さんが回復して元気になる姿のイラストは、効果を保証すると誤認させるおそれがあり、誇大広告に当たる
  • 風景写真やイラスト、背景の音楽は、通常は医療に関する内容ではなく、制限されない。ただし他の病院の建物の写真や、芸能人が受診していると分かる表示は規制の対象
  • ドメインやメールアドレスの文字列が、効果や「No.1」を暗示する場合も、広告として判断される

症状の解説・コラム

症状や病気の解説ページは、検索で見つけてもらうために有効です。ただし、自院のホームページに載せる以上、受診を促す内容であれば広告として扱われる可能性があります。ガイドラインでは、次のような書き方が誇大広告の例にあげられています。

  • 「○○の症状のある人は二人に一人が○○のリスクがあります」のように、科学的な根拠が乏しいのにリスクを強調して受診を促す
  • 「こんな症状が出ていれば命に関わりますので、今すぐ受診ください」
  • 医学的・科学的な根拠に乏しい文献や、テレビの健康番組の紹介にもとづく治療や生活改善法の紹介

解説を書くときは、根拠となる出典を示し、一般的な情報であることを明確にします。自院の治療の効果を強調する内容や、他院との比較を混ぜないようにしてください。

採用ページ

職員の募集広告は、受診を誘引するものではないため、ガイドラインの対象となる広告ではないとされています。そのため、採用情報には、勤務条件や職場の様子を、自由に書くことができます。ただし、同じページで診療内容を紹介する場合は、その部分を診療案内と同じ基準で確認しておくと安全です。

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予約・問い合わせ・個人情報

受付スタッフがパソコンで予約の画面を確認している

クリニックのホームページは、症状や通院の状況といった、特に配慮が必要な情報が入力される場所です。予約や問い合わせの仕組みを入れるときは、規制だけでなく、個人情報の扱いも決めておく必要があります。

予約までの道を短くする

予約の方法は、電話、Web予約、LINEなど、クリニックによって異なります。どの方法でも、各ページの同じ場所に、予約の入口を置くのが基本です。次のような情報を、予約のボタンの近くに書いておくと、患者さんは迷いません。

  • 予約が必要か、予約なしで受診できるか(初診と再診で違う場合は、それぞれ書く)
  • 予約の受付時間と、電話の受付時間
  • 初診に必要な持ち物(保険証など)
  • 急ぎの場合や、診療時間外の連絡方法

予約の受付時間や、予約を受け付ける電話番号・URLは、広告可能事項です。診療時間と予約の受付時間が違う場合は、混同されないように分けて書いてください。

問い合わせフォームと個人情報

個人情報保護法は、本人の病歴などを「要配慮個人情報」として定めています(第2条第3項)。要配慮個人情報を取得するときは、法令にもとづく場合などを除き、あらかじめ本人の同意を得なければならないとされています(第20条第2項)。

問い合わせフォームに症状や持病を書いてもらう場合は、この点を意識する必要があります。実務では、次のような工夫が考えられます。

  • フォームに、症状の詳細な記載を求めない。必要な場合も、任意の入力欄にする
  • 入力された情報の利用目的を、フォームの近くに明示する
  • プライバシーポリシーのページを用意し、フォームから読める位置にリンクを置く
  • 緊急の症状の相談は、フォームではなく電話や受診を案内する

同意の取り方や、文言の作り方など、具体的な運用は、個人情報保護委員会などの公式の資料や、専門家に確認してください。

HTTPSで通信する

問い合わせフォームや予約の入力欄があるページは、通信が暗号化されている(HTTPSの)状態にしておきます。Google Chromeのヘルプによると、HTTPSでないサイトでは、アドレス欄に「保護されていない通信」と表示され、送受信する情報が第三者に見られたり、変更されたりするおそれがあるとされています。患者さんが「保護されていない通信」の表示を見ると、入力をためらう原因にもなります。

ドメインやサーバーの契約で、HTTPSが標準で使えるかどうかは、制作会社やサーバーの提供会社に確認してください。

予約システム・オンライン診療を入れるとき

Web予約のシステムやオンライン診療のサービスは、多くの場合、外部の事業者が提供します。患者さんの情報を預けることになるため、事業者を選ぶときは、安全管理の考え方を確認しておく必要があります。

厚生労働省は、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を公表しています。2026年(令和8年)6月に見直され、第7.0版になっています。システムの提供会社が、このガイドラインにどう対応しているかを、契約前に尋ねてください。

オンライン診療については、2025年(令和7年)の医療法改正で、法律上の位置づけが明確になりました。2026年(令和8年)4月1日の施行で、オンライン診療を受ける場所として「オンライン診療受診施設」が創設されています。オンライン診療を実施している旨は広告可能です。ガイドラインにはオンライン診療受診施設の広告についての章も加わっているため、実施する場合は最新の資料を確認してください。

口コミ・Googleマップの扱い

自院のホームページに、体験談や口コミを載せることはできません。患者さんの感想を選んで載せることも、虚偽広告や誇大広告に当たるとQ&Aに書かれています。

一方、患者さんが個人のSNSや口コミサイトに書いた投稿は、医療機関が広告料などの費用負担をして依頼しているのでなければ、広告には当たりません。次の点を押さえておいてください。

  • 医療機関が、有償・無償を問わず、肯定的な体験談の投稿を患者さんに依頼すると、その投稿には誘引性が生じ、体験談として禁止の対象になる
  • 口コミサイトの運営者が、肯定的な口コミを上位に表示するなどの編集をしていて、それが医療機関の依頼によるものだった場合も、同様に誘引性が生じる
  • 口コミをもとにランキングを付けて特定の医療機関を強調するサイトは、比較優良広告に当たるおそれがある

Googleビジネスプロフィールは、無料で、営業時間・電話番号・ウェブサイトの情報の管理や、口コミへの返信ができるサービスです。口コミへの返信は医療機関自身の発信なので、治療の効果に触れず、お礼と相談窓口の案内にとどめるのが、安全な運用と考えられます。受診の事実や症状に触れないことも、患者さんの情報を守るうえで大切です。

口コミの投稿をお願いするとき

肯定的な口コミの投稿を患者さんに依頼すると、その投稿に誘引性が生じるとQ&Aに書かれています。依頼する方法は避けた方が無難です。待ち時間の短縮や、予約のしやすさ、説明の分かりやすさなど、患者さんの使いやすさを高める取り組みなら、規制を気にせず進められます。

制作会社の選び方・費用・補助金

院長と事務長が、パソコンの画面越しにオンラインで制作会社と打ち合わせをしている

ホームページの制作を外部に依頼する場合、制作会社の選び方は、一般の会社のサイトと共通する部分も多くあります。制作会社の探し方や契約全般は、別の記事でも説明しています。ここでは、クリニックに固有の確認点を中心に説明します。

医療機関のサイトで確認すること

見積もりや提案を受ける段階で、次の点を確認してください。

確認すること理由
医療広告ガイドラインと事例解説書を理解しているか制作会社も、規制の対象になる。原稿や写真、キャッチコピーを提案する側が規制を知らないと、公開後の修正が増える
医療広告の確認を、誰がどの段階で行うか広告を出す責任は、医療機関にある。制作会社の確認の範囲と、院内の確認の役割を分けておく
修正の依頼や、指摘を受けた場合の対応範囲と費用公開後に保健所の指導を受けて直す場合に、追加の費用がかかるかを確かめておく
「厚生労働省の審査済み」をうたっていないか医療広告ガイドラインを遵守している旨を、行政機関が認証しているように誤認させる表現は、事例解説書で誇大広告の例として示されている
診療時間やお知らせを、院内で更新できるか診療時間の変更や臨時休診は頻繁に発生する。制作会社に毎回頼むと、反映が遅れる
ドメイン・サーバーの契約名義医療機関(法人または院長)の名義にしておかないと、制作会社の変更や契約終了のときに、サイトを移せなくなるおそれがある
写真・イラスト・文章の権利著作権の帰属と、再利用できる範囲を確認する。スタッフの写真は、掲載の同意を得ておく
予約・フォームで預かる個人情報の扱い保存先、委託先、安全管理の方法を、導入前に確かめておく
解約するときのデータの引き渡し契約終了後に、サイトのデータを受け取れるかを、契約書で確認する
あわせて読みたいホームページ制作会社の選び方|比べる8つのポイントと契約前の確認事項ホームページ制作会社の選び方を、依頼前に決めること、依頼先の種類と向き不向き、比べる8つのポイント、見積もり・提案書の見方、契約前に確認したい著作権・ドメイン・保守の条件、依頼から公開までの流れ、よくある失敗の順に解説します。初めて制作会社を選ぶ中小企業の担当者向けです。

依頼から公開までの流れ

クリニックのホームページは、一般的な制作の流れに、医療広告の確認の工程を加えた形で進めます。

  1. 目的と対象を決める新規の患者さんを増やしたいのか、診療の案内を正確に伝えたいのかなど、ホームページの目的を1つに絞ります。診療科やサービスのうち、何を伝えたいかも決めます。
  2. 載せる情報を洗い出す診療時間、診療科、医師の経歴、設備、料金、予約方法など、載せる情報の一覧を作ります。広告できる内容か、限定解除が必要かを、この段階で仕分けます。
  3. 構成案を作るページの構成と、各ページに入れる情報を決めます。制作会社と一緒に、見る人ごとの知りたいことを確認します。
  4. 原稿・写真を用意する院内で用意する原稿と、制作会社が書く原稿を分けます。写真は、院内の撮影か、プロの撮影かを決めます。
  5. 医療広告の確認を行う原稿とデザインの案を、ガイドラインと事例解説書にもとづいて確認します。迷う表現は、所管の保健所などに確認するか、専門家に相談します。
  6. デザインと動作を確認するスマホ・パソコンの両方で、診療時間・電話・予約の導線と、表示を確かめます。
  7. 公開する公開前の最終確認を院長か事務長が行い、公開します。HTTPSで表示されるか、フォームが届くかも確認します。
  8. 公開後の運用を始める更新の担当者と、見直しの頻度を決めて、運用を始めます。

院内の確認の体制

制作会社に任せきりにしないために、院内での確認の役割を決めておいてください。

  • 最終的な確認の責任者(院長または事務長)を1人決める
  • 原稿の確認では、規制に関するチェックリストを使う(記事の最後に例があります)
  • 公開した内容と、確認した日付を記録しておく
  • 診療体制が変わったときの更新の担当者を決める

広告の内容に責任を持つのは医療機関です。「制作会社が作ったから問題ない」とは言えないので、確認の工程を、院内の仕事として組み込んでおく必要があります。

費用の考え方

ホームページの制作費に、公的な相場の数字はありません。見積もりの金額を比べるときは、何が含まれているかを確かめる必要があります。クリニックの場合は、次のような項目が出てきます。

項目内容継続してかかるか
企画・構成目的の整理、ページ構成の設計初回のみ
デザイン・制作画面のデザイン、パソコン・スマホへの対応、更新の仕組み(CMS)の組み込み初回のみ
原稿作成・撮影文章の作成、院内・スタッフの写真の撮影初回のみ(追加で発生)
医療広告の確認原稿・デザインの表現のチェック初回と、修正のたび
予約システム・フォームWeb予約、問い合わせフォームの導入と設定システムの利用料が毎月かかることが多い
ドメイン・サーバーURLの取得、サイトを置く場所の契約毎年または毎月
保守・更新ソフトの更新、バックアップ、診療時間などの更新作業毎月

金額の目安や、費用を抑える考え方は、ホームページ制作の費用の記事で説明しています。

あわせて読みたいホームページ制作費用の相場の見方|内訳・見積りの計算方法・費用が変わる要素ホームページ制作費用の相場は、公的な統計では確かめられませんでした。そのため金額ではなく、費用の内訳、見積りの計算方法、費用が変わる要素、依頼先別のかかり方、公開後の総額の出し方、税と支払い、補助金までを解説します。

補助金は使えるか

ホームページの制作に使える補助金として、小規模事業者持続化補助金やデジタル化・AI導入補助金が思い浮かぶ方が多いと思います。ただし、医療機関の場合は、対象になるかどうかの確認が必要です。2026年10月時点の公募要領で確かめた内容を説明します。

補助金公募要領で確かめたこと注意
小規模事業者持続化補助金(第20回)補助対象者の範囲の表で、「補助対象にならない者」に「医師、歯科医師、助産師」と「医療法人」が挙げられている診療所の開設者が医師個人・医療法人の場合は、対象外と読める。個別の事情は、事務局に確認する
デジタル化・AI導入補助金2026(通常枠)補助の対象は、事務局に登録されたITツール(ソフトウェア)の導入費用など。「中小企業・小規模事業者等」の定義に、医療法人(常時使用する従業員300人以下)が含まれる。ホームページの制作そのものを補助対象とする記載は、公募要領では見つからなかった予約受付台帳のITツールは対象になりうるが、顧客側の画面を新規に制作する費用は対象外

デジタル化・AI導入補助金は、申請する事業者が登録されたITツールを選んで、IT導入支援事業者と一緒に申請する仕組みです。ホームページの制作費をまとめて補助する制度ではない点に注意してください。自治体が独自に設けている補助金や助成金は、地域によって異なります。市区町村や都道府県の窓口で、確認してください。

公開後の運用

事務長がパソコンで診療時間のお知らせを更新している

公開した後に更新を怠ると、診療時間の変更が反映されていない、古いお知らせが残っているといったことが起こり、患者さんの混乱につながります。数字を載せている場合は、規制の面でも更新が必要です。

更新が必要な情報

更新の時期と注意点を、情報ごとにまとめます。

情報更新するとき注意すること
診療時間・休診日変更のたび。年末年始・お盆・臨時休診トップページ、アクセス、Googleビジネスプロフィール、医療情報ネットを同じ内容にそろえる
医師の担当表・非常勤の勤務日変更のたび非常勤の医師を、常勤のように見せない
医師・スタッフの紹介入職・退職のとき退職した人の掲載を残さない。氏名・経歴の掲載は本人の同意を得る
人員の数、患者数・件数などの数字少なくとも年に1回時点(暦月)を併記する。実態と離れた数字を残さない
料金・自由診療の内容変更のたび費用の掲載場所が見やすいままか。リスクの記載も同時に見直す
お知らせ随時古いお知らせを整理する。キャンペーン的な表現を入れない
導入した機器・新しい治療導入のたび販売名や効果を書いていないか。承認の状況を確認する

医療情報ネット(ナビイ)と内容をそろえる

医療機関は、医療機能情報提供制度にもとづいて、診療科や診療日、提供する医療の内容などを、都道府県知事に報告しています。報告された情報は、2024年(令和6年)4月から、全国統一のシステム「医療情報ネット(ナビイ)」で公表され、患者さんは、診療日、診療科目、対応できる疾患・治療内容などから医療機関を検索できます。

ホームページの診療時間と、医療情報ネットの情報が食い違っていると、患者さんは迷います。診療体制が変わったときは、ホームページだけでなく、医療情報ネットの報告内容も、同じ内容に更新してください。

検索・Googleビジネスプロフィール

Googleは、健康や安全など、人の生活に大きく影響するトピックを「Your Money or Your Life(YMYL)」と呼んでいます。公式のガイダンスでは、このようなトピックでは、内容が正確で、確立された専門家の見解と一致していることが必要とされています。また、経験・専門性・権威性・信頼性(E-E-A-T)のうち、信頼性がもっとも重要とされています。なお、E-E-A-Tそのものはランキングに直接影響する要因ではない、と明記されています。

クリニックのホームページでは、次の点が、読み手の信頼を得るうえで役立ちます。

  • 運営している医療機関の名称、所在地、連絡先、院長の名前を、はっきり示す
  • 医学的な情報には、根拠となる出典を添える
  • 更新日を記載し、古い情報を放置しない

Googleマップや検索に表示される情報は、Googleビジネスプロフィールで管理できます。営業時間・電話番号・ウェブサイトの情報の更新や、口コミへの返信ができ、利用は無料です。診療時間の変更の際は、ホームページと一緒に更新してください。

公開前・公開後のチェックリスト

公開前と、年に1回の見直しで使える、チェックの項目を挙げます。ガイドラインやQ&Aの内容をもとに、まとめました。

  • 「日本一」「最高」「最先端」など、他院との比較や最上級の表現がない
  • 「絶対」「必ず」「痛くない」など、効果や安全性を約束する表現がない
  • 患者さんの体験談や、ビフォーアフター写真を載せていない(載せる場合は、限定解除の要件を確認した)
  • 診療科名は、広告できる診療科名か。「専門外来」「○○センター」の表記は適切か
  • 医師の資格は、認定団体名とともに書いてあるか。広告できない資格を載せていない
  • 人数・件数などの数字に、時点や期間を併記し、公表している
  • 自由診療のページに、治療内容・標準的な費用・期間・回数・リスク・副作用がある
  • 問い合わせ先(電話・メール)が各ページから分かり、実際に応答できる
  • 費用やリスクの記載が、小さな文字、薄い色、リンク先ページになっていない
  • 費用を強調する表現(キャンペーン、割引など)がない
  • 医薬品・医療機器の販売名や型式番号を載せていない
  • HTTPSで表示され、プライバシーポリシーがある
  • 診療時間・休診日が、ホームページ、Googleビジネスプロフィール、医療情報ネットで一致している

ガイドライン改正への対応

ガイドラインやQ&A、事例解説書は、必要に応じて改訂されています。事例解説書の改訂履歴には、2021年7月の作成後、2023年、2024年、2025年、2026年に改訂したことが載っています。直近の2026年3月の改訂では、自由診療の限定解除の事例と、SNS・動画の事例が拡充されました。

年に1回は、厚生労働省の広告規制のページで、最新の資料と改訂内容を確認し、ホームページの表現を見直す習慣をつけておくと、公開後の修正を小さく抑えられます。制作会社と保守契約を結んでいる場合は、改訂への対応を含めるかどうかも確認してください。

よくある質問

ホームページに、患者さんの口コミや「患者様の声」を載せてもよいですか?

治療の内容や効果に関する体験談は、医療機関のホームページに載せられません。患者さんの感想を選んで載せることも、虚偽・誇大広告に当たります。感想を紹介したい場合は、診療内容に関係しない、施設や接遇への意見の受付窓口を案内する形にとどめてください。

制作会社が作ってくれたものなら、規制には触れませんか?

制作会社が作った場合でも、広告を出す責任は医療機関にあります。ガイドラインでは、広告を企画・制作する広告代理店なども、違反があれば、広告依頼者とともに指導の対象になりうるとされています。医療機関と制作会社の双方が、規制を理解しておく必要があります。

歯科医院の場合も、同じ規制ですか?

医業と歯科医業は、同じガイドラインの対象です。歯科では、たとえば「審美治療」という表現は、含まれる治療が明確でないため広告できません。インプラントやホワイトニングは、国内で承認された医療機器・医薬品を使い、自由診療である旨と標準的な費用を併記する場合に、広告できるとQ&Aに書かれています。

整骨院・接骨院、鍼灸院も同じ規制ですか?

あん摩マッサージ指圧、はり、きゅう、柔道整復の施術所は、医療法の対象ではありません。それぞれの法律と、別の広告に関する指針が適用されます。Q&Aに案内があるので、厚生労働省の該当ページを確認してください。

割引やキャンペーンの案内は載せられますか?

費用を強調した広告は、品位を損ねるものとして、厳に慎むべきとされています。「今なら半額」といった表現は避けてください。標準的な費用を、分かりやすく料金表に載せる形が基本です。費用を太字にしたり下線を引いたりして見やすくするのは、差し支えないとされています。

診療科名に「糖尿病内科」や「ペインクリニック」と書いてよいですか?

診療科名は、政令で決められたものと、その組み合わせに限られます。「糖尿病内科」「ペインクリニック内科」は例として挙がっています。一方で「糖尿病科」「ペインクリニック科」は、診療科名としては認められていません。名称として「糖尿病クリニック」を使うことは、広告可能とされた範囲であれば可能です。

ホームページに「ガイドラインを遵守しています」と書いた方がよいですか?

ガイドラインを守っていることは、特に強調するべきことではないとされています。過度な記載は誇大広告に当たるおそれがあり、行政機関が認証しているように見える表現も認められません。厚生労働省のシンボルマークも使えません。

リスティング広告を出す場合は、何に注意しますか?

広告の文面は、広告可能事項の範囲に限られ、限定解除はできません。「業界最安値」のような比較の表現や、効果をうたう表現は載せられません。広告から移動する先のホームページは、要件を満たせば限定解除ができます。

InstagramやYouTubeも、規制の対象ですか?

医療機関が運営するSNSや動画も、同じ規制の対象です。事例解説書の第2章に、SNS・動画での事例と、費用やリスクの情報を一体的に示す方法が載っています。

英語や中国語などのページを作る場合も、規制の対象ですか?

日本語でも外国語でも、日本向けの広告であれば規制の対象です。対応できる言語や、通訳の配置は、広告可能事項として載せられます。

保健所などから指摘を受けたら、どうすればよいですか?

ガイドラインでは、広告の違反が見つかった場合、通常はまず行政指導で、中止や是正を求めるとされています。指摘された箇所を直し、直した内容を報告します。指導に従わない場合や、繰り返す場合は、命令や罰則の対象になりえます。まず所管の窓口に、指摘の内容を確認してください。

持続化補助金は、クリニックのホームページに使えますか?

第20回の公募要領では、「補助対象にならない者」に「医師、歯科医師、助産師」と「医療法人」が挙げられています。個別の事情は、商工会議所・商工会などの窓口に確認してください。デジタル化・AI導入補助金は、事務局に登録されたITツールの導入が対象で、ホームページ制作そのものを補助する制度ではありません。

まとめ

この記事のまとめ

  • クリニックのホームページは、2018年6月から医療法の広告規制の対象。制作会社や広告代理店も、規制を受ける
  • 虚偽・比較優良・誇大の広告、体験談、誤認させるビフォーアフター写真は禁止。「日本一」「最先端」「痛くない」などの表現に注意する
  • 載せられる内容は、診療時間・場所・医師の経歴・設備・診療内容など、広告可能事項の範囲。数字には時点や期間を併記する
  • 自由診療のページは、治療内容・標準的な費用・期間・回数・リスク・副作用と、問い合わせ先を、見やすく載せる
  • 予約・問い合わせフォームでは、個人情報の扱いとHTTPSを決める。持続化補助金は、医師・歯科医師・医療法人が対象外とされている
  • 公開後は、診療時間や数字を更新し、医療情報ネット・Googleビジネスプロフィールとそろえる。ガイドラインの改訂も年1回確認する

クリニックのホームページは、患者さんが最初に見る窓口であり、医療法の規制を受ける広告でもあります。載せる情報と表現を、公式の資料に沿って先に整理しておけば、公開後の修正を減らせます。迷う表現は、所管の保健所などに確認しながら進めてください。

INTERCREATE JAPANでは、Webサイトの制作から、公開後の運用や業務の省力化までをお手伝いしています。ホームページの目的の整理や、載せる情報と構成の整理、更新しやすい仕組みづくりなど、お気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典