補助金

デジタル化・AI導入補助金の申請方法とは?流れ・必要書類・マイページ入力の手順

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • 申請者・IT導入支援事業者・事務局の役割分担と、申請から入金までの流れ
  • 申請前に確認する要件と、申請できないケース
  • GビズIDプライム・SECURITY ACTIONなど事前準備と所要日数
  • 法人・個人事業主ごとの必要書類と、書類ごとの確認ポイント
  • 申請マイページの入力手順、SMS認証、提出後の通知と不備訂正
  • 交付決定後の契約・支払い・実績報告・入金・効果報告
目次
  1. 申請の全体像
  2. 申請者・IT導入支援事業者の役割分担
  3. 自社だけでは申請できない
  4. 申請から入金までの期間
  5. 申請前に確認すること
  6. 主な申請要件
  7. 申請できない事業者
  8. 申請は1回だけ。同時に出せる枠にも決まりがある
  9. 事前に済ませる準備
  10. GビズIDプライム
  11. SECURITY ACTION
  12. 加点につながる任意の取り組み
  13. 必要書類
  14. 法人の場合
  15. 個人事業主の場合
  16. 該当する場合だけ出す書類
  17. 個人情報は黒塗りにする。IT導入支援事業者は閲覧できない
  18. 申請マイページでの手順
  19. 入力する項目
  20. 数字の入力で迷いやすい点
  21. 入力画面を使うときの注意
  22. SMS認証・提出
  23. 提出後の流れ
  24. 通知メール・ステータス
  25. 不備があったとき
  26. 審査で見られること・採択の目安
  27. 不採択になったとき
  28. 交付決定後の手続き
  29. 支払い方法の決まり
  30. 実績報告で必要な書類
  31. 資金繰りの考え方
  32. 入金後に続く手続き
  33. よくある質問
  34. まとめ

「デジタル化・AI導入補助金に申請したいが、何から始めればよいのか分からない」「誰が何を入力するのか、どんな書類が要るのか知りたい」という経営者や担当者の方は多いと思います。この補助金は、申請書を自社だけで作って出す仕組みではありません。IT導入支援事業者と分担して、同じ申請データを順番に入力していきます。

流れを大まかに言うと、事前の準備(GビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言)、IT導入支援事業者とITツールの選定、申請マイページでの入力と提出、審査、交付決定、ITツールの契約・導入・支払い、実績報告、補助金の入金、という順です。申請を出して終わりではなく、入金のあとも効果報告が続きます。

この記事では、通常枠を中心に、申請者がやることを順番に説明します。制度の全体像や補助額は「デジタル化・AI導入補助金とは」の記事、締切の一覧と第7次の変更点は2026年版の記事で説明しているので、ここでは申請の手続きに絞ります。申請の可否や税務の判断は、事務局・IT導入支援事業者・税理士などの専門家に確認しながら進めてください。

この記事で確かめた資料

事務局のサイトで公開されている資料を、2026年10月16日に確認しました。第7回公募〜の通常枠の公募要領(2026年10月9日新規作成)、交付申請マニュアル(2026年9月29日改訂)、事業実施・実績報告マニュアル(2026年10月13日改訂)が中心です。公募回によって変わる点は、本文中にどの回の話かを書いています。インボイス枠・セキュリティ対策推進枠・複数者連携枠の細かい書類や数値は、それぞれの公募要領で確認してください。

申請の全体像

事務所の机で、申請の流れを書いたメモを見ながらノートPCを開く経営者

この補助金の申請は、申請者(会社・個人事業主)、IT導入支援事業者、事務局の3者で進みます。公募要領の「補助事業の流れ」を、申請者の目線で並べ直したのが次の表です。

段階主な内容動く人
1 ITツールの選定補助事業の内容を理解し、導入したいITツールとIT導入支援事業者を選んで、見積りを依頼する(契約ではない)申請者
2 事前の手続きGビズIDプライムの取得、SECURITY ACTIONの宣言申請者
3 マイページへの招待申請者を申請マイページに招待するIT導入支援事業者
4 入力①マイページを開設し、基本情報・財務情報を入力、書類を添付する申請者
5 入力②導入するITツールの情報と、事業計画の数値を入力するIT導入支援事業者
6 入力③・宣誓申請要件の確認、賃金に関する情報の入力、宣誓申請者
7 SMS認証・提出本人確認をして、事務局へ提出する申請者
8 審査・交付決定審査のうえ採否を決定し、採択なら交付決定事務局
9 契約・導入・支払いITツールの契約・発注、導入、代金の支払い申請者・IT導入支援事業者
10 実績報告契約・請求・支払いの証憑を添えて報告する申請者・IT導入支援事業者
11 確定検査・交付報告内容の検査、補助金額の確定、補助金の交付事務局
12 効果報告事業計画の期間中、生産性や賃金の数値とITツールの利用状況を報告する申請者

公式サイトの手続きフローは、STEP01〜06の6段階で、STEP05が交付決定、STEP06が交付決定後の手続きです。上の表は、申請の入力や、交付決定のあとの手続きを、もう少し細かく分けたものです。

申請者・IT導入支援事業者の役割分担

どちらが何を入力するかは、交付申請マニュアルのページ上部の色で分けられています。申請者が受け持つのは、会社の基本情報、財務情報、書類の添付、賃金に関する情報、宣誓、SMS認証と提出です。IT導入支援事業者が受け持つのは、マイページへの招待、導入するITツールの情報、事業計画の数値の入力です。

申請マイページの開設も提出も、申請者本人が行う手続きです。公募要領の留意事項には、ログインIDとパスワードをIT導入支援事業者を含む第三者に渡さないこと、基本情報や連絡先のメールアドレス・携帯電話番号を申請者自身が管理するものにすることが書かれています。申請者本人が行うべき手続きを別の人が行ったと事務局が判断した場合は、補助金の交付(申請を含む)が取り消され、支援したIT導入支援事業者の登録も取り消されることがあります。

自社だけでは申請できない

IT導入支援事業者は、事務局に登録申請をして審査を受けた事業者で、ITツールの提供と申請の支援を行います。申請者は、導入したいITツールと同時に、そのツールを扱うIT導入支援事業者を選ぶことになります。

探す方法は、事務局サイトの「ITツール検索」を使うほか、「資料ダウンロード」に掲載されているIT導入支援事業者の一覧(法人・コンソーシアム)から探す方法があります。すでに取引のある会計ソフトや販売管理ソフトの会社が登録していれば、まずそこに相談するのが早いでしょう。なお、2026年のIT導入支援事業者に登録されている(登録予定を含む)事業者は、補助事業者として補助金を受けられません。両方を兼ねることはできないためです。

申請から入金までの期間

通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠で、これから申請できる6次と7次の日程です。日付はいずれも事務局のスケジュールページに載っているもので、交付決定日と期限は「予定」と書かれています。

項目6次7次
申請の締切2026年10月30日(金)17:002026年12月1日(火)17:00
交付決定日(予定)2026年12月10日(木)2027年1月19日(火)
事業実施・実績報告の期限(予定)2027年5月31日(月)17:002027年7月30日(金)17:00
当てはまる公募要領第1〜6回公募のもの第7回公募〜のもの

補助金の入金は、実績報告を出し、事務局の確定検査を経て補助金額が確定してから、約1か月程度で行われると実績報告マニュアルに書かれています。入金日そのものは、公式には案内がありません。実績報告の期限ぎりぎりに出すと、そこから検査と入金までさらに時間がかかります。

8次以降の日程は、2026年10月16日時点で公表されていません。事務局は確定した回のスケジュールだけを公表しているため、年内に申請するなら6次か7次を前提に準備するのが確実です。

交付決定の前に、契約・発注・支払いをしない

交付決定を受ける前に、一部でも契約・発注、納品、支払いをしたITツールは、補助金を受けられません。「申請の準備中に、先に契約しておく」という進め方はできません。見積りを取り、比較するところまでにとどめてください。

申請前に確認すること

会議室のテーブルで、チェックリストに印をつけながら要件を確認する担当者2人

手続きを始める前に、自社が申請できるかを確かめます。ここでは、通常枠の公募要領(第7回公募〜)に書かれた申請者の要件のうち、主なものを整理します。対象になる業種ごとの資本金・従業員数の基準や、補助額の計算は「デジタル化・AI導入補助金とは」の記事にまとめています。6次(10月30日締切)で申請する場合は、第1〜6回公募の公募要領が当てはまるので、数値はそちらで確認してください。

主な申請要件

要件内容(公募要領の言いかえ)
事業の場所日本国内で法人登記され、国内に本社と補助事業の実施場所がある法人、または国内に補助事業の実施場所がある個人
最低賃金交付申請の直近月に、事業場内の最低賃金が地域別最低賃金以上であること
GビズIDプライム取得していること
SECURITY ACTION「★一つ星」か「★★二つ星」のどちらかを宣言していること
労働生産性の計画交付申請日の属する事業年度の前事業年度を基準にして、申請時点の翌事業年度からの3年間の計画を立てて実行する。1年後に3%以上、3年間の年平均でも3%以上向上させる(IT導入補助金2023〜2025で通常枠などの交付決定を受けた事業者は4%以上)
賃上げの計画補助金額が150万円以上の申請や、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けたことがある事業者の申請では、1人当たり給与支給総額を引き上げる計画を立て、従業員に表明しておく。目標の数値は申請額と過去の交付の有無で異なる。医療機関・介護サービス事業者・社会福祉事業者・学校など、対象外の事業者も決められている
数値の報告営業利益、人件費、減価償却費、事業者当たりの総労働時間、1人当たり給与支給総額、事業場内最低賃金などを、IT導入支援事業者と確認のうえ事務局に報告する
携帯電話申請者自身が管理する携帯電話番号を1つ登録し、事務局から連絡があれば応じる
他の補助金との重複国や中小機構などの他の補助金と重複する事業を含まない

労働生産性は「(営業利益+人件費+減価償却費)÷年間の事業者当たり総労働時間」で計算します。賃上げの要件は、第7回公募から「1年後」の目標が加わりました。変更点と、6次・7次のどちらで出すかの考え方は、2026年版の記事で解説しています。

申請できない事業者

中小企業の基準を満たしていても、公募要領の「申請の対象外となる事業者」に当てはまると申請できません。主なものは次のとおりです。

  • 発行済株式の2分の1以上を同一の大企業が持っている、または3分の2以上を大企業が持っている
  • 役員の2分の1以上が大企業の役員・職員を兼ねている
  • 直近3年分の課税所得の年平均額が15億円を超えている
  • グループ内で、親会社が議決権の50%超を持つ子会社など「みなし同一法人」に当たる別の会社がすでに申請している(1社のみ申請できる)
  • 2026年のIT導入支援事業者に登録されている、または登録しようとしている
  • 経済産業省または中小機構から補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けている

株主や出資比率を、補助金を受ける目的で変えて申請することも認められていません。判断に迷うときは、公募要領「2-1-2」を読んだうえで、IT導入支援事業者か事務局のコールセンターに確認しましょう。

申請は1回だけ。同時に出せる枠にも決まりがある

通常枠の申請は、1つの法人・1つの個人事業主につき1回だけで、同時に複数の申請はできません。一度提出した申請は、事務局から再提出を指示された場合を除き、結果が公表されるまで取り下げられません。

同じ期間中に、インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)やセキュリティ対策推進枠を申請して、交付を受けることは可能です。ただし、補助対象経費を二重に計上したと疑われれば、交付決定の取消しや全額の返還を求められることがあるので、複数の枠に出すときはIT導入支援事業者とよく相談してください。また、IT導入補助金2025の通常枠などで交付決定を受けた事業者は、交付決定日から12か月以内は、2026年の通常枠に申請できません。

あわせて読みたいデジタル化・AI導入補助金とは?対象・補助額・申請の流れを解説デジタル化・AI導入補助金は、旧IT導入補助金が2026年に名前を変えた制度です。5つの申請枠の補助率・補助額、対象になる会社とITツール、申請までの流れ、第7次公募からの制度変更、ホームページ制作や生成AIは対象になるのかまで、2026年10月時点の公式情報で整理しました。

事前に済ませる準備

自宅の机でノートPCに向かい、アカウント登録の画面を操作する個人事業主

申請の前に済ませておく手続きのうち、必須なのは2つです。加点につながる任意の取り組みもあり、締切の前月末までに終えておく必要があるものもあります。

準備必須・任意日数の目安手続きの場所
GビズIDプライム必須おおむね2週間(事務局の案内)GビズIDのサイト
SECURITY ACTION必須宣言済みのIDが出るまでおおむね2〜3日(事務局の案内)IPAのSECURITY ACTION管理システム
IT戦略ナビwith任意(加点)公式資料に日数の記載なし中小機構「デジwith」
IT経営サポートセンター任意(加点)締切日の前月末日までの利用が条件中小機構
デジタル化セカンドオピニオン任意(加点・通常枠)提出前に面談を終える手順は申請者向けマニュアル

GビズIDプライム

GビズIDは、1つのアカウントで複数の行政サービスにログインできる仕組みです。申請マイページの開設とログインに、GビズIDプライムのIDとパスワードを使います。事務局は、発行までおおむね2週間と案内しています。

GビズIDのサイトでは、申請方法がオンライン申請と書類申請に分かれていて、どちらを選べるかは事業区分やマイナンバーカードの有無で決まると説明されています。オンライン申請にはマイナンバーカードと、対応するスマートフォン・GビズIDアプリが必要です。書類申請の審査期間は最大1か月、オンライン申請の審査は速やかに行われると案内されています(2026年10月16日確認。実際の所要時間は状況で変わります)。事務局の「おおむね2週間」より長くかかることもあるので、持っていない場合はすぐに申し込みましょう。

すでに持っている場合も、IDとパスワードが使えるか、有効期限が切れていないかを先に確かめます。申請の途中でGビズIDを作り直すと、古いIDに紐づく申請情報は自動では引き継がれず、コールセンターへの連絡が必要になります(引き継ぎに3〜5営業日程度)。

SECURITY ACTION

SECURITY ACTIONは、IPA(情報処理推進機構)の制度で、中小企業が情報セキュリティ対策に取り組むことを自分で宣言するものです。「★一つ星」は、OSやソフトウェアを最新にする、ウイルス対策ソフトを導入する、パスワードを強化する、共有設定を見直す、バックアップを取る、脅威や攻撃の手口を知る、という6か条に取り組むことを宣言します。IPAのページでは、対策を実施する前でも申し込めると説明されています。「★★二つ星」には、自社診断の実施と、情報セキュリティ基本方針の外部公開が必要です。

2026年4月1日から、宣言は「SECURITY ACTION管理システム」で申し込む形になり、GビズIDプライム(またはメンバーアカウント)でのログインが必須になりました。そのため、順番はGビズIDプライムが先、SECURITY ACTIONが後です。申込が終わると、件名「【SECURITY ACTION】 自己宣言の手続完了のお知らせ」のメールで自己宣言IDが届きます。申請マイページには、この宣言済みのID(事務局の資料では「アカウントID」「自己宣言ID」と書かれています)を入力します。入力したIDが誤っていると不採択になるとマニュアルに書かれているので、コピーして貼り付けるなど、間違いのない方法で入力してください。

補助金の申請では、宣言内容を確かめるために、事務局が一部の交付申請情報をIPAと共有することへの同意も、申請要件の1つになっています(公募要領)。

加点につながる任意の取り組み

審査で加点される取り組みのうち、申請者が事前に行うものを挙げます。通常枠の公募要領(第7回公募〜)の内容です。

  • IT戦略ナビwith:交付申請の前に実施し、本事業の申請に使うGビズIDプライムを入力して、結果(IT戦略マップ)が表示された画面をPDFにして添付する
  • IT経営サポートセンター:2026年8月1日以降に利用を申し込み、交付申請日以前で、かつ締切日の前月末日までに利用した記録が確認できること。IT戦略ナビwithと両方を使っても、加点はどちらか一方
  • デジタル化セカンドオピニオン:ITベンダー以外の第三者とオンラインで面談し、デジタル化の目的を説明する。面談を終えてから申請する
  • 省力化ナビ:締切日時点で、「解決策」のPDFをダウンロードしていること(GビズIDプライムを入力して利用する)
  • 賃上げの計画:賃上げの計画を従業員に表明し、事業場内最低賃金を一定額以上にする。申請額が150万円未満の事業者では加点、150万円以上の事業者では要件

IT経営サポートセンターは、各回の締切日の前月末日までの利用が条件です。7次(12月1日締切)なら11月30日までで、6次(10月30日締切)の前月末日(9月30日)はすでに過ぎています。加点が欲しいからといって、達成できない賃上げの計画を立てるのは避けてください。加点を受けて採択されたのに、申請した加点要件を達成できなかった場合は、効果報告で未達が報告されてから18か月の間、中小企業庁が所管する他の補助金の申請で大きく減点されると、公募要領に書かれています。

あわせて読みたいデジタル化・AI導入補助金2026のスケジュールと第7次からの変更点デジタル化・AI導入補助金2026の締切と交付決定日を、1次から7次まで一覧にしました。12月1日締切の第7次公募から変わる賃上げ要件、IT導入補助金2025から変わった点、これまでの申請数と交付決定数、締切から逆算した準備の進め方まで、2026年10月15日時点の公式情報で整理しています。

必要書類

机に並べた書類を一枚ずつ確認して、クリップでまとめる経理担当者

交付申請に必要な書類は、法人は3種類、個人事業主は4種類です。公募要領には「代替書類は一切認められない」とあり、審査の中で追加の書類を求められることもあります。以下は通常枠の内容です。

法人の場合

用途書類確認ポイント
実在の確認履歴事項全部証明書交付申請日から遡って3か月以内に発行されたもの。全ページがそろっていること。登記情報提供サービスのものや、現在事項証明書は認められない
事業実態の確認法人税の納税証明書(その1またはその2)税務署が発行した直近分。税目が法人税であること(消費税は不可)。納税した領収書は不可。電子納税証明書は、PDF形式で発行されたものだけ有効で、XML形式のデータシートは認められない。第1期の決算を迎えてから提出する
財務状況の確認直近分の貸借対照表と損益計算書(またはそれに類する書類)直近の事業年度のもの

個人事業主の場合

用途書類確認ポイント
本人の確認運転免許証、運転経歴証明書、住民票のいずれか1点運転免許証は交付申請日が有効期限内であること。裏面に変更履歴があるときは裏面も提出する。住民票は3か月以内に発行されたもので、マイナンバーが記載されていないものが原則
事業実態の確認①所得税の納税証明書(その1またはその2)税務署が発行した直近分。税目が所得税であること
事業実態の確認②確定申告書の控え令和7年分。やむを得ない事情があるときに限り、令和6年分も認められる。税務署が受領したことが分かること
財務状況の確認所得税の青色申告決算書、または収支内訳書直近分。青色申告なら青色申告決算書、白色申告なら収支内訳書

確定申告書の「税務署が受領したことが分かる」とは、次のどちらかです。

  • 確定申告書の第一表の控えに、受付番号と受付日時が印字されている(電子申告)
  • 確定申告書の第一表の控えと、電子申告の「受信通知(メール詳細)」の両方を添付できる

税理士の印だけが押された書類は、適切な書類として扱われません。上のどちらでも確認できないときは、同じ年分の「納税証明書(その2所得金額用)」を一緒に出すことで代わりにできます。氏名が旧姓や通称名で書かれた書類がある場合は、本人確認書類と合わせて、旧姓と現在の氏名(通称名と本名)の両方が分かる書類も添付します。

該当する場合だけ出す書類

次の書類は任意です。補助率2/3以内の適用や、加点を希望する場合に提出します。様式は事務局のサイトの「資料ダウンロード」から入手し、Excelのまま添付します。

書類提出する場合(通常枠・第7回公募〜)
賃金状況報告シート(補助率引上げ・加点措置①用)令和7年10月〜令和8年9月に、「地域別最低賃金以上〜令和8年度改定の地域別最低賃金未満」で雇っている従業員が全従業員の30%以上の月が3か月以上あり、補助率2/3以内の適用や加点を希望する
賃金状況報告シート(加点措置②用)交付申請の直近月の事業場内最低賃金を、令和8年6月の事業場内最低賃金+55円以上にしており、加点を希望する
IT戦略ナビwithの結果(PDF)IT戦略ナビwithの実施による加点を希望する

審査の内容によっては、賃金台帳などの追加の証憑を求められることがあります。なお、交付申請マニュアル(9月29日改訂)の賃金状況報告シートの説明は、第6回公募までの基準(令和7年度改定の地域別最低賃金、令和7年7月の事業場内最低賃金+63円)のままです。第7回公募以降の基準は、公募要領で確認してください。

個人情報は黒塗りにする。IT導入支援事業者は閲覧できない

添付する書類は、原則としてマイナンバーや保険者番号などの個人情報が記載されていないものを提出します。記載がある場合は、黒塗りにするなどして判別できないようにします。個人情報が見えたままだと、事務局が添付書類を削除します。

また、個人情報保護の観点から、履歴事項全部証明書を除く交付申請の書類は、IT導入支援事業者は閲覧できません。申請者が自分でマイページに添付し、内容を確かめる必要があります。IT導入支援事業者に「確認してもらう」ことはできない書類だと考えておきましょう。

書類の取得や税務の判断は、専門家に確認する

納税証明書の種類(その1・その2)の選び方、確定申告書の受領の確認、決算書の数値の扱いなどは、会社の状況によって判断が分かれることがあります。この記事は公式資料の内容を整理したもので、個別の申請の可否や税務上の判断を示すものではありません。税務署や顧問税理士、IT導入支援事業者、事務局のコールセンターに確認してください。

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申請マイページでの手順

事務所でノートPCの入力画面を見ながら、IT導入支援事業者の担当者とオンラインで打ち合わせをする経営者。画面は経営者の方を向いている

ここからは、申請マイページでの入力から提出までを、申請者の目線で順に説明します。画面の細かい名称は、今後の改訂で変わることがあります。

  1. ITツールとIT導入支援事業者を決める導入したいITツールと、それを扱うIT導入支援事業者を選び、見積りを依頼します。この段階では契約しません。見積りの中で、補助の対象になる部分と、ならない部分が分けて書かれているかも確認しておきます。
  2. 招待メールを受け取るIT導入支援事業者が申請マイページへ招待すると、「【IT導入補助金】申請マイページ招待のお知らせ」というメールが届きます(旧名称のままの件名です)。メールのURLの有効期限は、招待から72時間です。過ぎた場合は、IT導入支援事業者に招待をやり直してもらいます。
  3. マイページを開設するメールのURLから開設ページを開き、GビズIDでログインします。通常枠では、補助金額が「150万円未満」か「150万円以上」かを選び、補助率2/3以内の適用を希望するか(該当する場合)も答えます。
  4. 基本情報・財務情報を入力し、書類を添付する(入力①)会社の情報、役員、財務の数値、SECURITY ACTIONの自己宣言ID、経営状況の設問に答え、必要書類を添付します。内容を確認して「交付申請情報入力完了」を押すと、IT導入支援事業者に引き継がれます。
  5. IT導入支援事業者の入力を待つ(入力②)IT導入支援事業者が、申請者の入力内容を確認し、担当者情報と導入するITツールの情報、事業計画の数値を入力します。訂正が必要なら、IT導入支援事業者から訂正の依頼が届きます。完了すると「交付申請IT導入支援事業者入力完了メール」が届きます。
  6. 申請要件の確認・賃金情報・宣誓(入力③)マイページにログインして、申請要件をすべて確認してチェックを入れ、「宣誓する」を押します。続けて、事業場内最低賃金、1人当たり給与支給総額、労働生産性の計画数値、賃上げの表明を入力します。
  7. 最終確認、SMS認証、提出入力内容を確認し、携帯電話に届く認証コードを入力して「事務局へ提出」を押します。完了の画面が出たら、提出は終わりです。

ステップ4から6は、申請者とIT導入支援事業者が交互に入力します。どちらかの入力が終わらないと次に進めないので、IT導入支援事業者と、いつまでに誰が入力を終えるかを決めておくと止まりません。

入力する項目

入力項目は、組織形態(法人・個人事業主)や申請区分で一部異なります。主なものは次のとおりです。

段階主な入力項目
入力①(申請者)GビズID、法人番号、商号・事業者名、本店所在地、業種・業種コード、設立年月日、事業開始年月日、資本金、従業員数(正規雇用・契約社員・パート・アルバイト・派遣社員など)、店舗・事業所数、事業者URL、事業内容、決算月、代表者の役職・氏名・電話番号、担当者情報、役員情報、過去の類似の補助金での交付申請の有無、財務情報、経営状況、申請類型、書類の添付
入力②(IT導入支援事業者)IT導入支援事業者の担当者情報、導入するITツールの情報、補助金申請額
入力③(申請者)申請要件の確認、主たる事業所の所在地、事業場内最低賃金、1人当たり給与支給総額の計画値、労働生産性の計画数値(通常枠)、賃金引上げ計画の表明、宣誓
提出(申請者)担当者の携帯電話番号によるSMS認証

数字の入力で迷いやすい点

交付申請マニュアルには、数字の入力のしかたも書かれています。決算書のどの項目を使うかを、先に確認しておくと入力が進みます。

項目入力の考え方
売上高・粗利益・営業利益・経常利益・減価償却費直近の事業年度の損益計算書の数値。粗利益が損益計算書にないときは、売上高から売上原価を引いた金額。個人事業主は青色申告決算書か収支内訳書を基にする
人件費損益計算書の「給与手当」「旅費交通費」「賞与」を合算した数値。個人事業主は決算書の「給与賃金」「旅費交通費」を合算する
従業員数労働基準法第20条の「予め解雇の予告を必要とする者」。従業員を雇っていないときは0を入力し、代表者・役員数を入力する
資本金法人は、履歴事項全部証明書に書かれた現在の資本金。個人事業主は0
事業内容255文字まで。業種は、令和5年(2023年)7月改定の日本標準産業分類を参照して入力する
事業者当たりの総労働時間タイムカードや勤怠システムの記録から算出した1年分の時間。従業員がいなければ、代表者・役員が対象
1人当たり給与支給総額給与支給総額を従業員数で割った額。パート・アルバイトは正社員の就業時間に換算する(週20時間勤務で、正社員が週40時間なら0.5人)。全月分の給与を受けていない従業員は、その事業年度に限り計算から除く
事業場内最低賃金交付申請時点の直近月の、事業場内で最も低い賃金を時間当たりの金額(円)に換算して入力する。判定に使う地域別最低賃金は改定後のもの
計画の対象期間例:交付申請日が2026年10月1日、事業年度が1月〜12月の場合、前年度の実績は2025年、1年度目は2027年、3年度目は2029年の数値

給与支給総額の実績は、法人は勘定科目内訳明細書(役員報酬手当等及び人件費の内訳書)、個人事業主は代表者の確定申告書の事業所得欄と、従業員分の賃金台帳を基に入力するとマニュアルに書かれています。従業員を雇っていない法人では、役員報酬と役員数で入力します。

入力画面を使うときの注意

  • ブラウザ:Windows環境のMicrosoft Edge、Google Chromeの最新版を使う。推奨以外のブラウザだと、正しい申請情報を提出できず、審査できないことがある
  • 途中保存:各画面で必須項目を入力して、画面が正常に切り替わると、そこまでの情報が一時保存される。入力の途中では保存されない
  • 同時編集:複数人で入力するときは、終わるたびに「入力完了」を押すかログアウトする。編集権限を持つ人が何もせずにタブを閉じると、誰も15分間は編集できなくなる。セッションのタイムアウトは1時間
  • 組織形態:IT導入支援事業者が招待時に選んだ組織形態が誤っていると、申請を破棄して招待からやり直しになる
  • メール:事務局からの通知は「@it-shien.smrj.go.jp」「@shinsei.it-shien.smrj.go.jp」から届く。受信できるように設定しておく

SMS認証・提出

提出の直前に、申請者の携帯電話番号に届くSMSの認証コードで本人確認をします。この番号は、申請者自身が管理するものを登録します。他の交付申請や、IT導入支援事業者が使っている番号は登録できません。

認証コードが届かないときは、携帯電話番号とSMSの受信設定を確認し、30分以上あけて再発行します。コールセンターに問い合わせても、認証コードを答えることはできません。締切の直前はアクセスが集中して、画面の切り替えやSMSの認証に時間がかかることがあるため、締切日の当日ではなく、数日前に提出できる状態を目標にしてください。

最終確認の画面にある「備考欄」は、事務局から指示があった場合だけ使います。申請内容の変更の連絡や問い合わせを書いても、対応はされません。また、最終確認の画面に一度進むと、申請に締切の回が割り当てられると、マニュアルに書かれています。

提出前に直すことはできるが、提出後は直せない

提出前なら、最終確認の画面から「戻る」で前の画面に戻って直せます。提出した後は、事務局から再提出を指示された場合を除いて、結果が公表されるまで取り下げることも、内容を直すこともできません。数値や書類に誤りがないか、申請者とIT導入支援事業者の2人で読み合わせてから提出しましょう。

提出後の流れ

机の上のスマートフォンに届いた通知を見ながら、ノートPCのマイページを確認する担当者

提出したあとは、事務局が書類を中心に審査し、外部の審査委員会の意見を聞いて採否を決めます。申請者は、メールと申請マイページで進み具合を確かめます。

通知メール・ステータス

事務局からの連絡は、すべてメールで届きます。申請者に届く主な通知は次のとおりです。

通知内容
申請マイページ招待のお知らせIT導入支援事業者が招待を行ったことの通知。URLからマイページを開設する
IT導入支援事業者入力完了のお知らせIT導入支援事業者の入力が終わった通知。申請者は申請の作成を進めて提出する
SMSの本人確認提出のときに、携帯電話番号に届く認証コード
交付申請修正依頼IT導入支援事業者から、申請内容の修正を依頼された通知。速やかに修正する
交付申請不備通知事務局が申請を差し戻した通知。マイページで不備の内容を確認して訂正する
交付申請提出完了事務局への提出が完了した通知
採否結果の通知・不採択理由の通知審査の結果と、不採択になった場合の理由

マイページでは、申請のステータスも見られます。主な状態は次のとおりです。

ステータス状態手続きが必要な人
開設準備中IT導入支援事業者が、マイページを開設しているIT導入支援事業者
マイページ開設済申請者がマイページを開設し、申請の作成を始めている申請者
IT導入支援事業者交付申請IT導入支援事業者が申請情報を入力しているIT導入支援事業者
申請者交付申請提出待ちIT導入支援事業者の入力が終わり、申請者が入力・提出できる申請者
交付申請申請済提出が完了し、事務局に送られている事務局
交付決定/不採択審査が完了し、採択または不採択になった―

不備があったとき

審査の中で不備が見つかると、事務局から差し戻しの連絡があります。通知メールを受けたら、マイページで不備の内容を確認し、不備のある項目だけを直して速やかに再提出します。ステータスは「申請者不備訂正中」「IT導入支援事業者不備訂正中」「不備訂正再提出待ち」「不備訂正再提出済」と進みます。

注意したいのは、予定されている交付決定日の前に再提出しても、その締切回の交付決定日に結果が出るとは限らない点です。再提出の内容や審査の状況によっては、次の締切回の交付決定日以降に採否が公表されることがあります。不備の連絡は後回しにしないでください。

審査で見られること・採択の目安

通常枠の審査は、原則として提出された書類で行われます。見られる点は、自社の経営課題を理解しているか、導入するITツールの機能が改善したい業務に合っているか、労働生産性の向上率、国が推進する取り組み(賃上げなど)をしているか、といった内容です。審査の内容は、採否にかかわらず開示されません。不採択理由も、事務局から通知される事項以外は開示されません。

「採択率」を、事務局は発表していません。事務局が公表している申請数と交付決定数から計算すると、通常枠の1次〜4次は、申請7,656件に対して交付決定3,333件で、約44%でした(当社の計算で、2026年10月7日更新の数字です)。取り下げや差し戻しの扱いなどにより、審査の通りやすさとは一致しない可能性があります。回ごとの数字は、2026年版の記事に表でまとめています。

不採択になったとき

各締切回の結果で不採択になった場合は、次回以降の締切に向けて、もう一度申請できます。ただし、再申請の前に、マイページで「交付申請破棄」の手続きをしておかないと、再申請できない場合があるとマニュアルに書かれています。

手順は、マイページの「交付申請情報詳細」を開き、不採択通知書を確認したうえで「GビズID連携解除」を押し、「交付申請を破棄する」を押す、という流れです。なお、6次の交付決定日(12月10日予定)は、7次の締切(12月1日)より後です。6次の結果を見てから7次に出し直すことは、日程上できません。

提出前に申請をやめる場合も、マイページの「交付申請破棄」から行います。

交付決定後の手続き

事務所のデスクで、請求書と通帳を並べながらノートPCで報告書類を整える経理担当者

採択されると「交付決定」の通知が届き、申請者は「補助事業者」になります。ここからが補助事業の実施です。入金までの手続きが多く、順番を間違えると補助金を受けられなくなる点もあるので、流れを先に確認しておきましょう。

  1. 交付決定通知書を保管するマイページの「交付申請情報詳細」から「交付決定通知書」をダウンロードして保管します。あとの手続きで使うことがあります。
  2. 契約・発注する事業は、必ず「契約・発注」から始めます。契約日や契約内容、金額が見積りと違っていないか確認します。
  3. 納品・導入する納品日や納品内容、導入の開始日を確認します。実績報告を出すまでに、すべてのITツールの利用・運用を始めておく必要があります。
  4. 請求を受けて、支払う支払いの前に、IT導入支援事業者から請求書が発行されている必要があります。支払い方法には決まりがあります(次の表)。
  5. 実績報告をする事業が終わったら、速やかにIT導入支援事業者と一緒に実績報告を作り、申請者が最終確認のうえSMS認証をして提出します。
  6. 確定検査を受け、補助金の確定内容を承認する事務局が報告の内容を検査します。確認や指摘があれば、指示された期間内に対応します。検査が終わると、確定内容の承認を依頼されるので、マイページで確認して承認します。
  7. 補助金が交付される承認後、補助金額の確定通知が届き、補助金が申請者に直接支払われます。
  8. 効果報告をする事業計画の期間中、決められた期間内に、数値目標と、ITツールを使い続けていることを報告します。

実績報告マニュアルによると、確定内容の承認をしないと補助金額が確定せず、補助金は交付されません。承認にはSMS認証が必要です。承認の依頼が届いたら、早めに手続きしましょう。

支払い方法の決まり

支払いの客観性を確かめるため、支払い方法は原則として「銀行振込」か「クレジットカードの1回払い」に限られます。これ以外の方法で払うと、補助金を受けられません。

支払い方法法人個人事業主
銀行振込補助事業者名義の法人口座から、IT導入支援事業者の口座へ振り込む。代表者個人の口座からの振込は不可個人事業主本人名義の口座から振り込む。家族・親族名義の口座や、他の法人口座からは不可
クレジットカード法人名義の口座から決済されるカード(法人カード・ビジネスカードなど)で、1回払い個人事業主本人名義のカードで、補助事業者名義の口座から決済されるもの。1回払い
  • 金融機関の窓口やATMで、引き出した現金を使って振り込むことは認められない
  • 銀行振込は、前金・中間金・完了時金のように分けて払ってもよいが、事業実施期間内に全額の支払いを終える
  • 複数のIT導入支援事業者に払う場合、担当者が同じでも、1つの法人口座から複数社分をまとめて払うことはできない
  • 振込手数料をIT導入支援事業者が負担するときは、請求書にそのことを明示してもらう

実績報告で必要な書類

実績報告では、IT導入支援事業者から受け取った請求書と、支払いの証憑などを提出します。必要な書類は、申請枠や導入したITツールによって異なります。通常枠の主なものは次のとおりです。

書類ポイント
請求書(請求明細書)IT導入支援事業者から補助事業者に発行されたもの。内容が「一式」の表記で詳細が分からないときは、請求明細書も必要
支払いの証憑銀行振込なら、振込明細書、振込受付書、インターネットバンキングの取引完了画面、通帳の表紙と該当ページなど。クレジットカードなら、カード会社が発行した利用明細。いずれも補助事業者側の書類のみ認められ、IT導入支援事業者の領収書や口座の明細は認められない
ITツールの導入・利用を確認できる資料導入したソフトウェア名が分かる画面のキャプチャなど。利用者が補助事業者であることが分かるもの
補助金を受け取る口座の情報通帳の表紙と表紙の裏面、またはインターネットバンキングの必要情報が分かる画面。日本国内の口座に限る。キャッシュカードは不可
取得財産等管理台帳取得したITツールの単価が50万円以上(ライセンス費用を除く)の場合に作成する

添付できるファイルは、10MB未満のjpg・jpeg・png・pdf形式です。書類は文字が鮮明に読めるように、全体が写った状態でスキャン(またはPDF化)します。法人の申請では、証憑に書かれる会社名の「株式会社」などの法人格を省略しないでください。事業に関する書類(契約書、注文書、納品書、導入通知書、請求書、振込受領書、領収書など)は、常に提出できる状態で保管します。

資金繰りの考え方

補助金は後払いです。ITツールの代金は、先に自社で全額を支払い、補助金は検査と確定のあとで、事務局から補助事業者に直接支払われます。

たとえば、消費税を除いた金額が100万円のITツールを、補助率1/2で導入する場合、補助金は50万円です。ただし、先に支払うのは、消費税を含めた代金の全額です。消費税は補助の対象にならないため、補助金が入金されても、手元の負担は50万円と消費税の分になります。入金までの期間(実績報告から検査・確定を経て、確定から約1か月程度)も考えて、資金の計画を立てておきましょう。

「自己負担をなくします」という提案には注意する

ポイントやクーポンで購入額を減らす、購入額の一部を口座振込や現金で払い戻す、といった方法で自己負担を減らしたり無償にしたりする販売方法は、公募要領で不正な行為の例として挙げられています。発覚すると、交付決定の取消しや補助金の返還を求められ、事業者名が公表されることもあります。見積りや契約の内容に疑問があれば、事務局のコールセンターに相談してください。

入金後に続く手続き

補助金を受け取ったあとも、手続きは続きます。

項目内容
効果報告の時期事業計画期間前:2027年3月〜(ITツールの活用状況)。1年度目:2028年4月〜2029年1月。2年度目:2029年4月〜2030年1月。3年度目:2030年4月〜2031年1月(公募要領。受付スケジュールは今後公表)
報告する内容営業利益、人件費、減価償却費、総労働時間、1人当たり給与支給総額、事業場内最低賃金、ITツールを継続して使っていることを示す書類。数値の根拠となる決算書などの提出も求められる
書類の保管補助事業の完了日の属する年度の終了後5年間、帳簿と証拠書類を保管する
変更の届け出住所や代表者名などが変わったときは、マイページから変更の手続きをする。廃業・倒産・事業譲渡などは、IT導入支援事業者に共有し、事務局へ報告する

導入したITツールを解約したり、使うのをやめたりした場合は、辞退の手続きが必要で、補助金の全部または一部の返還を求められることがあります。実績報告マニュアルには、ITツールの導入日から1年未満、または実績報告で申告した利用期間未満で利用をやめた場合は、交付された補助金の全部または一部が返還の対象になる、と書かれています。複数導入したツールの一部だけをやめた場合も、同様に扱われることがあります。

賃上げが必須の要件になっている申請では、効果報告の前や賃上げ要件の達成状況の判定前に辞退すると、要件を満たせなかったものとして、補助金の全額の返還になります。数年間は使い続けられるツールを選ぶことが、申請の段階で大切になります。

よくある質問

自社だけで申請できますか?

できません。事務局に登録されたIT導入支援事業者と一緒に申請します。IT導入支援事業者が申請者を申請マイページに招待し、ITツールの情報と事業計画の数値を入力します。申請者は、会社の情報や書類を入力・添付し、最後に宣誓して提出します。

申請マイページの招待メールが届かないときは?

事務局からのメールは「@it-shien.smrj.go.jp」「@shinsei.it-shien.smrj.go.jp」から届きます。迷惑メールのフォルダや受信拒否の設定を確認してください。招待のURLの有効期限は72時間なので、期限が切れている場合は、IT導入支援事業者に招待をやり直してもらいます。

GビズIDプライムは、何日くらいでできますか?

事務局はおおむね2週間と案内しています。GビズIDのサイトでは、書類申請の審査期間は最大1か月とされ、マイナンバーカードを使うオンライン申請は、審査が速やかに行われると案内されています。締切に間に合わせるには、余裕をもって申し込んでください。

提出したあとに、内容を直せますか?

事務局から再提出を指示された場合を除き、提出した申請は結果が公表されるまで取り下げられません。不備があれば、事務局からの差し戻しを受けて、不備のある項目を訂正して再提出します。提出前に、内容を十分に確認してください。

不採択になったら、すぐ再申請できますか?

次回以降の締切に向けて、再申請できます。ただし、再申請の前にマイページで「交付申請破棄」の手続きをしておかないと、再申請できない場合があります。不採択の理由は、事務局から通知される事項以外は開示されません。

IT導入支援事業者に、申請マイページのIDとパスワードを教えてもよいですか?

教えてはいけません。公募要領に、ログインIDとパスワードはIT導入支援事業者を含む第三者に渡さないこと、と書かれています。申請マイページの開設や提出は、申請者本人が行う手続きです。

申請の手伝いに費用はかかりますか?

費用の金額は、IT導入支援事業者によって異なり、公式には統一した金額の案内はありません。なお、補助金の申請や報告にかかる申請代行費は、補助の対象外です。見積りで、補助の対象になる部分とならない部分を確認してください。

交付決定の前に、ITツールを契約してもよいですか?

契約してはいけません。交付決定の前に、一部でも契約・発注、納品、支払いをしたものは、補助を受けられません。見積りを取る段階までにとどめてください。例外が設けられる場合は、その制度の公募要領で個別に定められるので、確認してください。

補助金は、IT導入支援事業者に支払われますか?

補助金は、事務局から補助事業者(申請者)に直接支払われると公募要領に書かれています。ITツールの代金は、申請者が先にIT導入支援事業者へ支払います。

申請の準備は、何から始めればよいですか?

まず、GビズIDプライムの取得と、導入したいITツールの候補探しを並行して始めるのがよいでしょう。GビズIDプライムは日数がかかります。SECURITY ACTIONは、GビズIDプライムを取得してから宣言します。IT経営サポートセンターによる加点を狙うなら、7次(12月1日締切)では11月30日までの利用が条件です。

インボイス枠やセキュリティ対策推進枠でも、手順は同じですか?

交付申請マニュアルは、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠で共通ですが、入力項目や必要書類の一部が異なります。複数者連携デジタル化・AI導入枠は、別のマニュアルと申請の方法があります。申請する枠の公募要領とマニュアルを確認してください。

個人事業主でも、同じ手順ですか?

基本の流れは同じですが、必要書類が法人と異なります(本人確認書類、所得税の納税証明書、確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書)。従業員がいない場合の賃金の入力などにも違いがあります。個人事業主向けの記事も参考にしてください。

まとめ

この記事のまとめ

  • 申請は、申請者とIT導入支援事業者が分担して入力し、提出は申請者本人がSMS認証で行う
  • 事前準備はGビズIDプライム(おおむね2週間)とSECURITY ACTIONの宣言。GビズIDが先で、SECURITY ACTIONはそのあと
  • 書類は、法人が3種類、個人事業主が4種類。納税証明書や確定申告書は、種類・年分・受領の確認に決まりがある
  • 提出後は取り下げられない。不備の連絡には速やかに対応し、不採択のあとの再申請には「交付申請破棄」が要る場合がある
  • 交付決定の前に契約・発注・支払いをしない。支払いは銀行振込かカードの1回払いで、補助事業者名義の口座から行う
  • 補助金は後払いで、入金後も効果報告が続く。賃上げの計画や利用の継続を、申請の段階で無理なく立てる

申請の手続きは、決まりが細かく、途中でIT導入支援事業者と何度も確認する場面があります。まず自社の課題と、導入したい業務を整理したうえで、締切から逆算して準備を進めるのがおすすめです。

INTERCREATE JAPANはIT導入支援事業者ではないため、この補助金の申請手続きの支援や代行はしていません。補助金の対象になりにくいホームページの制作や、業務のどこをIT化するかの整理については、ご相談いただけます。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典