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Claude Codeチームのコードレビュー公開|AIが先に見て、人は危ない所だけ見る

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.18

この記事でわかること

  • Anthropicが公開したコードレビューの考え方
  • AIの確認と人の確認をどう分けているか
  • 変更の危険度で人の確認を変える表
  • 小さな会社で「AIの成果物の確認」に置き換える方法
  • 公式に書かれていないこと
目次
  1. 何が公開されたのか
  2. 考え方:「人が読んだか」ではなく「何が起きうるか」
  3. AIの確認と人の確認の分け方
  4. 変更の危険度で、人の確認を変える
  5. AIレビューを良くし続ける仕組み
  6. 日本の小さな会社では、どう置き換えられるか
  7. 注意点・まだ分からないこと
  8. まとめ

Anthropicは2026年10月15日、Claude Codeの開発チームが日々行っているコードレビューのやり方を、公式ブログで公開しました。
題名は「How the Claude Code team does code review」で、筆者はAddy Osmani氏ら3名です。

ブログによると、Claude Codeのコードの約9割はClaude自身が書いています。
そのため「これだけの量の変更を、人はどう確かめているのか」という疑問が出ますが、記事はその答えを具体的に書いています。

開発者向けの話ですが、「AIが作ったものを、人がどこまで確かめるか」という問題は、資料づくりやWebサイトの更新を任せている会社にもそのまま当てはまります。
この記事では、公式の内容を整理したうえで、当社の解釈として、小さな会社でのあてはめ方を書きます。内容は2026年10月18日時点の情報です。

何が公開されたのか

何が公開されたのか

公開されたのは、新機能の発表ではなく、Anthropic自身の運用の記録です。
ブログに書かれている数字のうち、要点は次の3つです。

  • Anthropicの社内の大きなコード置き場では、1日に取り込まれる変更が、5月の約2,500件から9月には3万件を超えた
  • Claude Codeのコード置き場では、6月から9月にかけて、取り込まれた変更(プルリクエスト)が2倍を超えた
  • 同じ期間に、あとから取り消された変更の割合は4割以上減った

つまり「確認を減らして速くした」のではなく、確認の中身をAIと仕組みに移し、人の時間を減らしても、取り消しや事故は増えていないというのが公式の主張です。
これらはAnthropic自身の観測値で、第三者が検証した数字ではありません。

考え方:「人が読んだか」ではなく「何が起きうるか」

考え方:「人が読んだか」ではなく「何が起きうるか」

ブログは、コードレビューには2つの仕事があると整理しています。
ひとつは出荷前に問題を見つけて直すこと、もうひとつはチームにコードの理解を広げることです。

そのうえで、「人がコードを読んだか」という確認は、本来知りたいことの代用品にすぎないと述べています。
本当に知りたいのは「この変更で何が起こりうるか。それを止めるのに適した確認は、自動のものか人のものか」という点です。

この見方に変えたことで、レビューの時期も変わりました。
以前は、書き終えて提出してから同僚を待つ「最後の関所」でした。
いまは、書いている途中から続けて確認が走る形で、人に見てもらう前に、たいていの変更はClaudeが一度は確認して直しています。

公式が置いている目標

Claude Codeのコード置き場では、多くの変更が「人は最大1人(書いた本人でもよい)」で取り込まれることを目標にしています。
人の時間は、確認にかかる時間と、悪い変更が壊したものを直す時間の合計で数え、取り消しや事故の件数を歯止めの指標にしています。

AIの確認と人の確認の分け方

AIの確認と人の確認の分け方

公式は、確認を一枚の関所ではなく、何層にも重ねた形で説明しています。
ひとつの層が見逃しても次の層が拾い、最後は取り消しで戻せるようにしている、という考え方です。

層内容(公式の説明を当社で要約)
1. 提出前の自己確認テストやビルド、画面の見比べなど「実行できる確認」をClaudeに渡し、結果を見せさせる。別のAI(サブエージェント)が、前提を持たない状態で差分を見直す
2. 全件のAIレビューすべての変更にClaudeのレビューが付く。複数のAIが同時にバグを探し、別のAIたちが投票して、本物と判断されたものだけを投稿する
3. 止められるセキュリティ確認バグ確認とセキュリティ確認の指摘が1つでも未解決なら取り込めない。直すか、理由を書いて閉じる
4. 自動チェック書式の検査、型の検査、各環境でのテスト、ビルド。提出時に「どう確かめたか」「どう元に戻すか」も書く
5. 危険度に応じた人の承認変更の内容で、承認不要・1人・2人を分ける(次の見出しの表)
6. 順番待ちと段階的な公開取り込む前にもう一度全部の検査を通す。新機能は先に社内で使い、公開も段階的に行う

さらに、最後の層として、問題が出たときにすぐ気づいて戻す仕組みがあります。
機能のスイッチは、作り直しなしで切れるようになっています。
事故のあとには「どの層が止めるべきだったか」を振り返ります。

AIのレビューについては、公式の中で次の点が目を引きます。

  • 指摘はすべて返事が必要で、「直す」か「理由を書いて閉じる」のどちらかにする
  • 文体や掃除だけの指摘は、投稿前に捨てる。実際に自分たちのレビューで比べてから採用した
  • 指摘は「重要」「細かい点」「以前からあった問題」に分けて表示し、変更した人の責任に見えないようにする
あわせて読みたいClaude Codeのセキュリティ対策|権限・サンドボックス・学習設定を解説Claude Codeは手元のファイルを書き換え、コマンドを実行できるため、使い方を決めずに導入すると誤操作や情報漏えいが心配です。標準の安全機能、権限モードと権限ルール、サンドボックス、データの扱いと学習設定、脆弱性やMCPへの備え、会社で決めるルールを公式情報でまとめました。

変更の危険度で、人の確認を変える

変更の危険度で、人の確認を変える

人の承認は、書いた人の肩書きではなく、変更の中身で決めます。
公式の表を、当社で要約すると次のようになります。

危険度例人の承認
低い文書、文言、社内向けの機能、スイッチの裏に隠れた追加AIの確認とセキュリティ確認が通れば不要
中くらい通常の製品の変更、キャッシュや自動更新、AIへの指示文などの重要な部分1人
高い最も危険なコードと、必ず2人が必要と決めた場所2人

決め方にも工夫があります。

  • 危険度は、変更を読む分類用のAIが判断する。さらに別の分類が「この変更だけは人が必要か」を確かめる
  • 請求や自動更新、検査の設定ファイルなど、持ち主が重要と決めた場所は、常に人が必要
  • 軽い手続きを使えるのは、信頼できる作者の一覧に載った人だけ。それ以外は2人目の承認が要る
  • AIの承認は、人の承認の代わりにならない
  • AIに指示して作らせた場合は、指示した人が「書いた人」と同じ責任を負う
  • 承認は特定の1回の変更にだけ有効。あとから追加の変更が入れば、承認し直す

AIレビューを良くし続ける仕組み

AIレビューを良くし続ける仕組み

公式は、AIレビュー自体の質を測り続けていることも書いています。

過去の事故を「試験問題」にしている点が特徴です。
事故につながった過去の変更と、その修正・取り消しを集め、詳しい技術者が「どのバグがどこにあったか」を確定させ、レビューのAIに毎日解かせています。
事故が増えるたびに問題集も増え、レビューの仕組みを変えるたびに、その全部で採点し直します。

もうひとつは、うるさすぎるレビューを避ける取り組みです。
指摘への反応(直した、間違いと言われた、意図どおりと言われた、どうでもよいとされた)を分類して、見当はずれな指摘の割合を数えています。
書き手がAIの場合は、細かい指摘にも修正と再確認が走るので、うるささのコストが人より大きくなります。

実際に、あるコマンドライン版の変更では、夜のあいだにレビューと修正が50回以上繰り返された例が挙げられています。
調べると、レビューが指摘し続けていたものの約59%は、最初の確認の時点からあったコードでした。
新しいバグを見つけていたのではなく、古い問題を毎回少しずつ見つけていたことになります。

そこで次のような変更をしています。

  • 3回までで、書き手に「やり方を考え直す」よう促す
  • 数回のあとは、新しく加わった差分だけを再確認する
  • 同じ種類のバグは1行ごとでなく種類として指摘し、同種のものを全部直させる
  • すでに投稿した指摘は繰り返さない

日本の小さな会社では、どう置き換えられるか

日本の小さな会社では、どう置き換えられるか

ここからは、公式の内容をもとにした当社の解釈です。
公式に書かれているのは、あくまでAnthropicの開発チームの運用です。

プログラムを書かない会社でも、AIに資料やWebページ、メールの下書きを作らせる場面は増えています。
そのとき、公式の考え方は次のように置き換えられます。

公式の考え方小さな会社での置き換え例
実行できる確認を先に渡すAIに資料を作らせるとき、「数字の出どころを一覧にして」「元データと合計が合うか自分で確かめて」と頼む
別のAIが前提なしで見直す作ったAIとは別の会話で、完成物だけを渡し、誤りや抜けを探させる
危険度で人の確認を変える社内メモは本人確認だけ、お客様への見積書や公開するWebページは担当者と責任者の2人、と先に決める
AIの承認は人の承認の代わりにならないAIの「問題ありません」を、責任者の確認として扱わない
指示した人が責任を負うAIに作らせた資料も、依頼した人が内容に責任を持つ
戻せるようにしておく公開前のページで確認し、更新前の版を残しておく

プログラム開発の現場では、公式ブログが勧める準備のうち、次のものはすでに誰でも始められます。

  • 短い指示ファイル(CLAUDE.md)に、プロジェクトの前提と守ることを書く
  • 提出前に、ローカルで/code-reviewや/security-reviewを実行する
  • 確認が必要な場所(認証・請求・公開手順など)は、必ず人の承認が要るように設定する
あわせて読みたいClaude Codeのauto modeとは?仕組み・設定方法・注意点を解説Claude Codeのauto mode(オートモード)は、確認の画面を減らし、危険な操作だけを別のモデルが止める権限モードです。ほかのモードとの違い、使える条件、切り替え方、止められたときの対処、設定、注意点を2026年10月時点の公式ドキュメントで解説します。

注意点・まだ分からないこと

注意点・まだ分からないこと
  • 数字は、Anthropicが自社の運用で観測した値です。自社と同じ結果になるとは限りません
  • 公式の中で、問題に気づくための歯止め(数字が悪化したら承認を厳しくする仕組み)は「まだない」と書かれています
  • 公式はレビューの量を減らすことが目的ではなく、「人の時間を減らしても、取り消しを増やさない」ことが目標だと述べています。確認を飛ばしてよい、という話ではありません
  • AI用のレビュー製品「Code Review for Claude Code」は、TeamとEnterpriseプランで一般提供されていると書かれています。料金や日本での提供条件は、確認したブログには書かれていません(未確認)

公式に書かれていないこと(未確認)

非エンジニア向けの業務(資料や文章)にこの仕組みをそのまま使えるかは、公式には書かれていません。
前の見出しの置き換えは、当社の解釈です。まずは影響の小さい作業で試し、効果を自社で確かめてください。

まとめ

この記事のまとめ

  • Anthropicは2026年10月15日、Claude Codeチームのコードレビューのやり方を公式ブログで公開した
  • 多くの確認をAIと自動チェックに移し、人は危険な変更とAIが苦手な判断に集中している
  • 人の承認は、書いた人ではなく変更の危険度で決め、AIの承認は人の承認の代わりにしない
  • 公式の数字では、6月から9月に変更が2倍超になり、取り消しの割合は4割以上減った(Anthropic自身の観測値)
  • 小さな会社では「別のAIで見直す」「危険度で確認者を変える」「依頼した人が責任を持つ」が参考になる

AIに任せる範囲が広がるほど、「誰が何を確かめるか」を先に決めておくことが大切になります。
まずは、影響の小さい作業から確認の手順を決めて試してみてください。

INTERCREATE JAPANでは、AIを仕事で使うときの確認ルールづくりや、業務へのあてはめ方の相談を受けています。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典