Codexのサブエージェントとは?使い方・自作の方法・設定項目を解説
この記事でわかること
- サブエージェントの仕組みと、使えるアプリ・環境
- 頼み方と、進み具合の見方・止め方
- 標準のエージェント(default・worker・explorer)と向いている作業
- 自作(カスタムエージェント)のファイルの書き方と置き場所
- [agents] 設定と、モデル・思考の深さの決まり方
- 使用量・権限の注意点と、動かないときの対処
目次
「Codexにサブエージェントという機能があるらしいが、何のことか分からない」「調査やレビューを同時に進められると聞いたが、どう頼めばいいのか」と感じている方は多いのではないでしょうか。
サブエージェントは、Codexが別のエージェント(作業を担当するAI)を呼び出し、調査やレビューなどを分担して並行して進めさせ、結果だけをまとめて受け取る機能です。メインの会話に細かい作業の記録が積み上がらないので、長い作業でも話の筋がぶれにくくなります。
この記事では、サブエージェントの仕組み、頼み方、標準のエージェント、自分で作る方法、設定項目、使用量と権限の注意点までを順に解説します。内容は2026年10月時点のOpenAI公式ドキュメントにもとづいています。名称や画面は変わることがあるので、設定の前に公式ページもあわせて確認してください。
Codexのサブエージェントとは

公式ドキュメントでは、サブエージェントを「特定のタスクを担当させるために、Codexが起動する委任先のエージェント」と説明しています。たとえば「セキュリティの観点」「テストの抜け」「コードの読みやすさ」を別々のエージェントに同時に確認させ、最後に1つの報告にまとめる、といった使い方です。
非エンジニアの方には、担当を分けて同時に動いてくれる助手と考えると分かりやすいでしょう。1人のAIが順番に調べるより、手分けした方が早く、しかも「どの視点の指摘か」が整理された形で返ってきます。
用語の整理
公式ドキュメントで使われている言葉を、この記事での呼び方とあわせて整理します。
| 用語 | 意味 | たとえ |
|---|---|---|
| サブエージェントの作業(subagent workflow) | Codexが並行してエージェントを動かし、結果をまとめる流れ全体 | プロジェクト全体 |
| サブエージェント(subagent) | 特定の仕事を担当させるためにCodexが起動するエージェント | 担当者 |
| エージェントスレッド(agent thread) | サブエージェントが作業している会話の場所。対応する画面では開いて進み具合や結果を見られる | 担当者の作業メモ |
| 親(parent) | サブエージェントを呼び出した、元のCodexの会話 | 取りまとめ役 |
なぜ役に立つのか
公式ドキュメントは、1つの会話で長く作業すると起きる問題として、次の2つを挙げています。
- コンテキストの汚れ:調べた途中経過、テストのログ、エラーの記録などがたまり、大事な情報が埋もれる
- コンテキストの劣化:会話が長くなり、関係の薄い情報が増えるほど、回答の質が落ちる
サブエージェントは、こうした「ごちゃごちゃした作業」をメインの会話の外で行い、親には要約だけを返します。親は要件の整理と判断に集中できます。もう1つの利点は、互いに関係のない作業を同時に進められること、大きな仕事を区切りのある小さな仕事に分けられることです。
向いているのは「読む・調べる」作業
公式ドキュメントは、並行させるのに向いている作業として、調査・テスト・仕分け・要約のような読むことが中心の作業を挙げています。一方、複数のエージェントが同時にコードを書き換える作業は、変更がぶつかりやすいので注意が必要とされています。
使える場所
公式ドキュメントによると、現在のCodexではサブエージェントは初期状態で有効です。サブエージェントの動きは、次の場所で確認できます。
| 場所 | サブエージェントの扱い |
|---|---|
| ChatGPTデスクトップアプリ | サブエージェントの活動が表示される |
| Codex CLI | 活動が表示され、/subagentsでスレッドを切り替えられる |
| IDE拡張 | バックグラウンドエージェントの表示が使える場合、入力欄の上に動作中のサブエージェントが表示される |
| Web | サイドバーで活動を確認できる。個別の停止や指示の操作はない |
| ChatGPT Work | サブエージェントを使える。実行は提供側の環境で行われ、手元のサンドボックスや承認モードの設定は表示されない |
公式ドキュメントには、どのプランで使えるかを個別に示した記載がありません。利用できるのは「対象のアカウント」ということになるため、使えない場合はアカウントの種類や、アプリ・CLIのバージョンを確かめてください。
AGENTS.mdやスキルとの違い
公式ドキュメントでは、AGENTS.md(毎回守ってほしい決まりごと)、スキル(繰り返す手順)、MCP(外部のツールや情報との接続)、サブエージェント(専門の担当者への委任)は、競合するものではなく組み合わせて使うものとされています。サブエージェントは、作業が散らかりそうなとき、専門の視点が必要なときに使います。
サブエージェントの頼み方

サブエージェントを呼び出すための特別な操作はありません。入力欄に「サブエージェントを使って」と日本語で書くだけです。公式ドキュメントによると、Codexは直接の依頼があったとき、またはAGENTS.mdやスキルの指示に書いてあるときに、サブエージェントを起動します。
頼まなければ使われないことがある
ChatGPT Workでは、多くの知能レベルで、サブエージェントは直接頼んだときに使われます。「Ultra」のレベルでは、並行して進めた方がよいと判断したときに、自分から委任することがあります。それ以外のときは、「サブエージェントで」「1つの観点につき1つのエージェントで」と書いておくのが確実です。
依頼文に入れる3つのこと
公式ドキュメントは、よい依頼文には次の3つが入っているとしています。
- どう分けるか観点ごと、ファイルごと、機能ごとなど、仕事の分け方を書きます。「1つの観点につき1つのエージェント」のように書くと伝わります。
- 待つかどうか全員の結果がそろうのを待ってからまとめるのか、先に出たものから報告するのかを書きます。「全部の完了を待ってから」と書くのが基本です。
- 何を返すか最終的な報告の形を書きます。「観点ごとにまとめて、ファイル名も添えて」のように具体的にします。
公式ドキュメントに載っている依頼文を、意味が分かるようにまとめると、次のような形です。
このブランチを、サブエージェントを並行して使ってレビューしてください。セキュリティ上の危険、テストの抜け、保守のしやすさについて、1つの観点につき1つのエージェントを起動し、3つとも終わるのを待ってから、観点ごとに指摘をまとめ、該当するファイルも添えてください。
公式にはこのほか、レビューしたい点を並べたうえで「1つの点につき1つのエージェントを起動し、全部を待って、点ごとに結果をまとめて」と頼む例も載っています。
進み具合の見方と、止め方
サブエージェントが動いている間は、画面で状況を確認できます。公式ドキュメントでは、Subagentsの表示に動作中(Active)と完了(Done)の一覧が出ると説明されています。完了したものを選ぶと、詳しい内容と結果を見られます。この一覧は見るだけで、ここから操作はできません。
| 場所 | 見方 | 止める・指示する方法 |
|---|---|---|
| CLI | /subagentsで、動作中のスレッドを切り替えて中身を見る | Codexに「止めて」「こう直して」と頼む |
| IDE拡張 | 入力欄の上のパネルで状況を見る。個別のスレッドも開ける | パネルから動作中のものをまとめて停止できる。細かい指示はCodexに頼む |
| ChatGPTデスクトップアプリ | Subagentsの表示で、動作中と完了を見る | Codexに頼む |
| Web | サイドバーで活動を確認する | 個別の操作はない。Codexに頼む |
どの画面でも共通なのは、走っているサブエージェントへの指示・停止・終了は、Codexに言葉で頼むという点です。「3番目のエージェントは止めて」「完了したエージェントのスレッドは閉じて」のように、普通に書けば伝わります。
「/agents」は別のコマンド
CLIには/subagentsのほかに/agentsがあります。公式のコマンド一覧では、/agentsは共有しているサーバー上のチャットを一覧して、エージェントを切り替えるための「エージェントのコマンドセンター」を開くものとされています。いま動いているサブエージェントのスレッドを切り替えるのは/subagentsです。
標準のエージェント

Codexには、最初から使える3種類のエージェントが用意されています。自分で何も作らなくても、依頼文に書けば役割に応じて使い分けられます。
| 名前 | 役割 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| default | 汎用の予備 | どれにも当てはまらない作業 |
| worker | 実装・修正 | 決まった範囲のプログラムの修正や追加 |
| explorer | 読むことが中心の調査 | コードの構造の把握、どこに何があるかの調査 |
名前は、依頼文の中で「explorerでコードの構造を調べて、workerで修正して」のように使えます。名前を指定しなくても、Codexが仕事の内容を見て選びます。
向く作業と向かない作業
| 作業 | 向き・不向き | 理由 |
|---|---|---|
| コードや文書の調査(読むだけ) | 向いている | 同時に読んでも互いに影響せず、要約だけが親に返る |
| テストの実行・ログの確認 | 向いている | 長いログがメインの会話に残らない |
| 観点別のレビュー | 向いている | 観点ごとに担当を分けると、指摘が整理される |
| 別々のファイルの小さな修正 | 注意が必要 | 範囲を分けて頼まないと、同じ箇所を触る |
| 同じファイルを同時に書き換える作業 | 向いていない | 変更がぶつかる |
| 手順が1本道の短い作業 | 向いていない | 分担するぶん、使用量が増えるだけになりやすい |
書き込む作業は範囲を分けて頼む
公式ドキュメントは、複数のエージェントが同時にコードを書き換えると衝突が起きうると注意しています。書き込みを任せるときは、「Aさんはこのフォルダ、Bさんはこのフォルダだけ」のように担当範囲を分けて頼み、読むだけの作業と分けて進めるのが安全です。
自分で作るカスタムエージェント

標準の3つでは足りない場合は、自分で担当者を作れます。作り方は簡単で、役割と指示を書いた小さなファイルを1つ置くだけです。公式ドキュメントでは「カスタムエージェント」と呼ばれています。
ファイルの形と必須項目
1つのエージェントにつき、TOML形式(設定を書くための簡単な形式)のファイルを1つ作ります。必須の項目は次の3つです。
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| name | Codexがこのエージェントを呼ぶときの名前。名前の本体はこの項目で、ファイル名と同じにするのは慣習 |
| description | 人が読むための説明。「どんなときに使うか」を書く |
| developer_instructions | このエージェントの振る舞いを決める中心の指示 |
次の項目は任意です。書かない場合の決まり方は、次の章で説明します。
model:使うモデルmodel_reasoning_effort:思考の深さmodel_reasoning_summary、model_verbosity:思考の要約や回答の詳しさ
置く場所
| 置き場所 | 使える範囲 |
|---|---|
~/.codex/agents/ | 自分用。どのプロジェクトでも使える |
.codex/agents/(プロジェクトの中) | そのプロジェクト用。リポジトリに入れればチームで共有できる |
チームで同じ基準のレビューをしたいなら、プロジェクトの.codex/agents/に置くのがおすすめです。公式ドキュメントの例も、すべて.codex/agents/に置く形で書かれています。
作ってみる:文書をチェックするエージェント
ここでは、文書の誤字や数字の食い違いを確認するだけのエージェントを例にします。以下の内容は、この記事のために作った例で、公式ドキュメントに載っているものではありません。名前や指示は自社に合わせて変えてください。
- 置き場所を決めるプロジェクトのフォルダの中に
.codex/agents/を作ります。 - ファイルを作るたとえば
doc-checker.tomlという名前で、下の内容を保存します。 - 名前で呼び出す依頼文に「doc_checkerのエージェントで、このフォルダの文書を確認して」と書きます。
- 結果を確認する返ってきた一覧を、人が目で確かめて直します。
name = "doc_checker"
description = "社内向けの文書で、誤字・表記のゆれ・数字の食い違いを確認するときに使う。ファイルは変更しない。"
model = "gpt-6-luna"
model_reasoning_effort = "high"
developer_instructions = """
文書の誤字脱字、表記のゆれ、数字や日付の食い違いを確認する。
ファイルは編集しない。
見つけた点は、ファイル名・該当箇所・理由の順で一覧にして返す。
確実でないものは「要確認」と書き、断定しない。
"""
モデルと思考の深さは、公式ドキュメントの例で使われている組み合わせにそろえています。モデルがアカウントやアプリで選べない場合は、この2行を書かなければ、親と同じ設定で動きます。
「編集しない」と書いても、書き込めなくなるわけではない
公式ドキュメントでは、エージェントの指示に「ファイルを編集しない」と書いても、読み取り専用のサンドボックスが作られるわけではないと注意されています。サンドボックス(作業できる範囲の制限)や承認の設定は、カスタムエージェントのファイルでは変えられません。厳密に書き込みを防ぎたいときは、親の権限の設定で制限してください。
名前が標準と同じ場合
カスタムエージェントのnameをexplorerのように標準の名前と同じにすると、自作の方が優先されます。標準のexplorerの振る舞いを、自社のルールに合わせて置き換えたいときに使えます。
設定の選び方

サブエージェント全体の動きは、設定ファイル(config.toml)の[agents]で決められます。公式ドキュメントと設定リファレンスに載っている項目を整理します。
| 項目 | 初期値 | 内容 |
|---|---|---|
agents.enabled | 有効(true) | サブエージェントなど、複数のエージェントを使うためのツールの入り切り |
agents.max_concurrent_threads_per_session | 未設定(Codexが決める) | 同時に開いておける、サブエージェントのスレッドの上限。親のスレッドは数えない |
agents.max_threads | 未設定 | 上の項目の古い名前(旧名称) |
agents.default_subagent_model | 公式に記載なし | サブエージェントの標準のモデル。呼び出し時に指定があればそちらが優先 |
agents.default_subagent_reasoning_effort | 公式に記載なし | サブエージェントの標準の思考の深さ。呼び出し時に指定があればそちらが優先 |
agents.interrupt_message | 有効(true) | エージェントの作業が中断されたとき、そのことをモデルに見える形で記録する |
同時に動かせる数の具体的な初期値は、公式には数字で書かれていません。「設定しなければCodexが決める」とされています。数を絞りたい場合だけ、上限を設定します。
設定リファレンスには、このほかにagents.<名前>.descriptionとagents.<名前>.config_fileがあります。役割の説明と、その役割に当てる設定ファイルのパスを、config.tomlの側で宣言するための項目です。
モデルと思考の深さの決まり方
サブエージェントが使うモデルと思考の深さは、次の順で決まります。上に書いてあるものほど優先されます。
- 呼び出し時の指定依頼やCodexの呼び出しの中で、はっきり指定された値
- カスタムエージェントのファイルそのファイルに
modelやmodel_reasoning_effortが書かれていれば、その値 - [agents]の標準値
default_subagent_modelなどの値 - 親の設定どれも指定がなければ、親と同じモデルと思考の深さ
注意したいのは、モデルだけを指定して思考の深さを書かなかった場合です。呼び出しや[agents]の標準値でモデルだけを選ぶと、そのモデルの標準の思考の深さが使われます。一方、カスタムエージェントのファイルにmodelだけを書いた場合は、それまでに決まっていた思考の深さがそのまま残ります。モデルによって使える深さが違うので、組み合わせて書いておく方が確実です。
モデルの選び方の目安
| モデル | 公式の位置づけ | サブエージェントでの使いどころ |
|---|---|---|
| gpt-6.1-sol | 複雑でぼんやりした条件の、複数手順の仕事に。「まずここから」と案内されている | レビュー、計画づくり、検証まで含む作業 |
| gpt-6-luna | 範囲が狭く、繰り返しや大量の処理が多い仕事に | コードの調査、要約、決まった形式の抽出 |
思考の深さ(model_reasoning_effort)は、公式ドキュメントでは次のように説明されています。高くするほど質が上がることがある反面、時間と使用量が増えます。
| レベル | 公式の説明 |
|---|---|
| ultra | モデルが対応している場合の、最も深い思考 |
| max・xhigh | 特に難しい推論。対応しているモデルで使える |
| high | 複雑な論理をたどる、前提や例外を確かめる作業(レビューやセキュリティの確認など) |
| medium | 速さと深さのバランス |
| low | 単純で、速さが大事な作業 |
なお、公式のモデルのページには、Ultraは、複雑な作業の別々の部分をサブエージェントで並行して進めるレベルだと書かれています。また、gpt-6-lunaはMaxまでの思考に対応し、Ultraには対応していません。モデルは「アカウントやアプリで選べる場合」に使えるものなので、選択肢にない場合は無理に指定しなくて構いません。
機能を減らしたいとき
カスタムエージェントには、できることを絞る設定もあります。公式ドキュメントは、次の機能のキーをfalseにすると、その機能を減らせると説明しています。
features.shell_tool(コマンドの実行)features.appsfeatures.pluginsfeatures.memoriesfeatures.request_permissions_tool
スキルを個別に無効にする[[skills.config]]という書き方もあります。pathにスキルのファイルの場所、enabled = falseを書きます。ただし、これらをどこにどう書くかは、公式のサブエージェントのページには例がありません。使う前に、設定リファレンスで書き方を確かめてください。
親の設定は変えられない
sandbox_mode、approval_policy、model_provider、mcp_serversは、カスタムエージェントのファイルに書いても親の設定を上書きしません。MCPサーバーは、親のセッションの側で設定します。
活用例

どんな場面で使うと得なのかを、場面ごとに整理します。サブエージェントは、「同時に調べる」「観点を分ける」「長いログを親に残さない」のいずれかに当てはまる作業で効果が出ます。
| 場面 | 分け方 | 返してもらうもの |
|---|---|---|
| 変更内容の確認(レビュー) | セキュリティ・テストの抜け・読みやすさで担当を分ける | 観点ごとの指摘とファイル名 |
| 引き継いだコードの調査 | 機能ごと、フォルダごとに調べる担当を分ける | 構造の説明と、気になる箇所の一覧 |
| 不具合の原因調査 | コードの調査担当と、再現して確認する担当に分ける | 原因の候補と再現の手順 |
| 公式資料の確認 | 使うライブラリごとに調べる担当を分ける | 変更点と、自社のコードに関係する箇所 |
| 文書の見直し | 誤字、数字、表記のゆれで担当を分ける | 該当箇所の一覧 |
公式の例:PRレビュー
公式ドキュメントには、プルリクエスト(変更の取り込みを確認してもらう依頼)をレビューする3つのエージェントが載っています。
| エージェント | 役割 | 設定の特徴 |
|---|---|---|
| pr_explorer | 実際の処理の流れをたどって、関係する箇所を地図のように整理する。ファイルは編集しない | gpt-6-luna・high |
| reviewer | 正しさ、セキュリティ、動作の後退、テストの不足を優先して確認する | gpt-6.1-sol・medium |
| docs_researcher | ドキュメント用のMCPサーバーを使って、APIの仕様やバージョン固有の動きを確かめる | gpt-6-luna・high |
調べる役は軽いモデルで、判断が必要なレビュー役は高いモデルで、と役割ごとにモデルを分けているのが特徴です。
公式の例:画面の不具合の調査
もう1つの例は、画面の不具合を直すための3人組です。
- code_mapper:不具合の出る画面の流れを担当しているコードを整理する
- browser_debugger:ブラウザで不具合を再現し、正確な手順と実際の画面の動きを報告する
- ui_fixer:原因が分かったあと、最小限の修正をする。無関係なファイルは触らず、変更した部分だけを確認する
修正を担当するのは1人だけ、調べる役は読むだけ、という分け方になっています。書き込む人を絞ることで、先ほどの衝突を避けやすくなります。
依頼文の例
非エンジニアの方がよく使うのは、「調べてもらう」使い方です。次のような依頼文が、そのまま使えます。
このフォルダのREADMEとドキュメントを読んで、引き継ぎ用の説明を作ってください。サブエージェントを3つ使い、1つ目は「何をするシステムか」、2つ目は「動かし方と必要な設定」、3つ目は「注意が必要な箇所」を担当してください。3つとも終わるのを待ってから、1枚の説明にまとめてください。
使用量・権限・困ったとき

使用量は増える
公式ドキュメントは、サブエージェントは1つ1つがモデルによる処理とツールの操作を行うため、1つのエージェントだけで進めるより、使用量(トークン)が増えると明記しています。1つのエージェントあたりの使用量の数字は、公式には示されていません。
また、CodexとChatGPT Workは使用量を共有しています。公式の料金ページでは、ChatGPT Workでの使用量は、Codexと同じ料金・クレジット・上限の仕組みで扱われると説明されています。サブエージェントを多用した日は、ほかの作業に使える量も減ります。使用量の確かめ方は、別の記事でまとめています。
使い始めは小さく、3つ以下から
最初は、「3つの観点で確認して」のように少ない数で試し、返ってきた結果と使用量を見てから増やすのがおすすめです。同時に動かせる数を絞りたいときは、agents.max_concurrent_threads_per_sessionで上限を決められます。
権限は親からそのまま引き継がれる
公式ドキュメントが特に強調しているのは、サブエージェントは親の会話のサンドボックスと承認の設定を引き継ぐ点です。たとえば/permissionsで権限を変えた場合や、確認を飛ばす起動の仕方(--yolo)にした場合も、その設定が子にも及びます。
| 項目 | サブエージェントでの扱い |
|---|---|
| サンドボックス・承認の設定 | 親の設定を引き継ぐ。カスタムエージェントのファイルでは変えられない |
| MCPサーバー | 親のセッションの設定。カスタムエージェントのファイルでは変えられない |
| スキル | 親から引き継ぐ。スキルごとに無効にする設定はある |
| モデル・思考の深さ | 指定がなければ親と同じ |
| サービスのティア | 最上位の会話(ルート)の設定に従う |
つまり、「サブエージェントだけ権限を広げる」「サブエージェントだけ書き込みを禁止する」といったことは、エージェントのファイルではできません。全体の権限をどうするかは、親の会話の設定で決めることになります。
会社で使うときは、先にルールを決める
サブエージェントは、人が見ていないところで複数の作業が同時に進みます。親の権限が広いと、そのぶん子のできる範囲も広くなります。社内で使うなら、「確認なしで動かす設定は使わない」「書き込みを任せるのは決まったフォルダだけ」「顧客情報を含むフォルダは対象にしない」といったルールを、先に決めておきましょう。
確認が必要な操作は、失敗することがある
公式ドキュメントでは、対話のできない実行(自動で流す処理など)や、新しい確認を画面に出せない場合に、確認が必要な操作は失敗し、そのエラーが親に返されると説明されています。サブエージェントが止まったように見えるときは、この動きになっていないかを疑ってください。
うまく動かないときの対処
| 症状 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| サブエージェントが起動しない | 依頼文に書かれていない。または機能が無効になっている | 「サブエージェントで」と明示する。agents.enabledとfeatures.multi_agentが有効か確かめる |
| カスタムエージェントを呼び出せない | 置き場所や項目の書き忘れ | .codex/agents/に置いたか、name・description・developer_instructionsがそろっているかを確かめる |
| 指定したモデルで動かない | アカウントやアプリでそのモデルが使えない | modelの行を外して、親と同じ設定で動かす |
| 作業が途中で止まる | 確認が必要な操作が、対話できない場面で失敗している | 親の権限の設定を見直す。エラーの内容を親の会話で確認する |
| 変更がぶつかる | 複数のエージェントが同じ箇所を書き換えた | 担当範囲を分けて頼む。書き込む担当は1つに絞る |
| 使用量がすぐ減る | 並行して動かす数が多い、思考が深すぎる | 数を絞る。調べる担当の思考の深さを下げる |
よくある質問
サブエージェントは自分で有効にする必要がありますか?
公式ドキュメントでは、現在のCodexでは初期状態で有効と案内されています。agents.enabledとfeatures.multi_agentは、どちらも初期値は有効です。無効にしたいときだけ設定を変えます。
無料プランでも使えますか?
サブエージェントのページには、プランごとの対応は書かれていません。使えるかどうかは、アカウントの種類とアプリ・CLIのバージョンによります。公式の料金ページでは、Codexは複数のプランに含まれると案内されていますが、サブエージェントを個別に対象外とする記載は確認できていません。
サブエージェントはいくつまで同時に動かせますか?
公式には具体的な数字がありません。agents.max_concurrent_threads_per_sessionを設定しない場合は、Codexが決めるとされています。
サブエージェントを使うと料金が増えますか?
使用量は増えます。公式ドキュメントでは、1つのエージェントで進めるより多くのトークンを使うとされています。従量課金のAPIではなくChatGPTのプランで使う場合は、プランの使用量の枠を早く使うことになります。
ChatGPT Workでも使えますか?
使えます。ただしChatGPT Workは提供側の環境で動き、手元のサンドボックスや承認モードの操作は表示されません。多くの知能レベルでは、直接頼んだときに使われます。
カスタムエージェントは何個まで作れますか?
公式ドキュメントには、個数の上限の記載がありません。1つのファイルが1つのエージェントになります。
親と子で、モデルを変えることはできますか?
できます。カスタムエージェントのファイルのmodel、[agents]のdefault_subagent_model、呼び出し時の指定のいずれかで決められます。何も指定しなければ、親と同じモデルを使います。
サブエージェントに書き込みをさせないようにできますか?
エージェントの指示に「編集しない」と書くだけでは、読み取り専用にはなりません。サンドボックスは親の設定を引き継ぐため、書き込みの権限は親の設定で決めます。
動作中のサブエージェントを止めるには?
Codexに「止めて」と頼みます。IDE拡張では、パネルから動作中のものをまとめて停止することもできます。Webのサイドバーには、個別の停止や指示の操作はありません。
Claude Codeにも同じ機能がありますか?
Claude Codeにも、サブエージェントという同名の機能があります。考え方は近いですが、設定のファイルや項目は異なります。Claude Code側の説明は、別の記事でまとめています。
まとめ
この記事のまとめ
- サブエージェントは、Codexが別のエージェントに調査やレビューを分担させ、結果だけを親に返す機能。初期状態で有効
- 使うときは「サブエージェントで」と頼む。どう分けるか、待つか、何を返すかを書くと意図が伝わる
- 標準のエージェントはdefault・worker・explorerの3つ。読むだけの作業に向き、同時に書き込む作業は衝突に注意する
- 自作は
.codex/agents/にTOMLファイルを置く。必須項目はname・description・developer_instructionsの3つ - 全体の設定は
[agents]で決める。モデルと思考の深さは、呼び出し時の指定、ファイル、標準値、親の順に決まる - 使用量は増え、権限は親からすべて引き継がれる。会社で使うときは、確認の設定と対象のフォルダを先に決める
サブエージェントは、調べものやレビューのような「読む作業」から試すのが無理のない始め方です。まずは3つ以下の担当で頼み、返ってきた結果と使用量を見ながら、自社の使い方に合う分け方を見つけていってください。
社内で使う権限の決め方や、チームで共有するエージェントの作り方など、導入の段階で決めることは意外と多くあります。INTERCREATE JAPANでは、Claude CodeやCodexの導入から、社内で使い続けられる仕組みづくりまでをお手伝いしています。
参考・出典
INTERCREATE JAPAN
