Codexに学習させない設定|手順・プラン別のデータの扱い・会社での対策
この記事でわかること
- Codexの入力内容が学習に使われる条件(プラン・サインイン方法ごと)
- 学習をオフにする手順(ChatGPTの設定とプライバシーポータル)
- Codex独自の「Include environments」設定の位置づけ
- オフにしても使われるケースと、保存期間・削除の扱い
- 手元のパソコンに残るデータと、Codex側の設定(メモリー・分析・履歴)
- 会社で使うときに決めておきたいルール
目次
- Codexは入力内容を学習に使うのか
- プランとサインイン方法で扱いが違う
- サインイン方法がデータの扱いを決める
- 「学習」と「保存」は別のこと
- 学習に使う前の処理
- 学習させない設定の手順
- パソコン(Web)の手順
- スマホアプリの手順
- プライバシーポータルでオフにする
- オフにすると何が変わるか
- 設定が反映されているかの確かめ方
- Codex独自の「Include environments」
- ChatGPTの設定とは別に切り替える
- 「環境」とは何か
- 確かめる手順
- オフにしても使われる・残るケース
- オフでも使われうるケース
- 保存期間と削除
- 一時チャットの扱い
- 手元のパソコンに残るデータ
- Codexの設定ファイルで決められること
- メモリー(Memories)の扱い
- Computer History(macOSのみ)
- 共有する前に確かめること
- プラン・サインイン方法ごとの違い
- プランごとの比較
- Business以上でも、確認したい点
- APIキーで使う場合の保存
- 会社で使うときの対策
- 業務のデータはBusiness以上で扱う
- 渡してよい情報を決める
- 導入前のチェックリスト
- 社内で広げる手順
- よくある質問
- まとめ
「社内のコードや資料をCodexに渡しても、AIの学習に使われないのか」「学習を止める設定はどこにあるのか」と気になっている方も多いのではないでしょうか。仕事でAIに作業を任せるなら、渡したデータがどう扱われるかは最初に確かめておきたいところです。
結論から言うと、個人向けのChatGPTプランでCodexを使う場合は、学習に使うかどうかを自分で設定できます。ChatGPTの設定を1か所オフにすれば、Codexのタスクにも同じ設定が適用されます。ただし、Codexには別に「Include environments」という設定があり、これはChatGPT側の設定を変えても変わりません。Business・Enterprise・Edu、およびAPIの業務データは、既定では学習に使われないとOpenAIは説明しています。
この記事では、学習に使われる条件、設定をオフにする手順、Codex独自の設定、オフにしても使われるケースと保存期間、手元のパソコンに残るデータ、プランごとの違い、会社で使うときの対策までを順に解説します。内容は2026年10月時点のOpenAI公式情報をもとにしています。公式のヘルプセンターは英語版が基準で、日本語版は表記が揺れる箇所があるため、画面の表示と見比べながら確認してください。
Codexは入力内容を学習に使うのか

Codexに入力した内容が学習に使われるかどうかは、どのプランで、どの方法でサインインして使っているかで決まります。OpenAIは、個人向けのサービスと、会社向けのサービス・APIで、データの扱いを分けて案内しています。
プランとサインイン方法で扱いが違う
公式ヘルプと料金ページの内容を、使い方ごとに整理すると次のとおりです。
| 使い方 | 学習の扱い(公式の案内) |
|---|---|
| 個人向けChatGPTプランでサインイン(Free・Go・Plus・Pro) | 学習に使われることがある。「Improve the model for everyone」の設定で選べる。この設定はCodexのタスクにも適用される |
| ChatGPT Business・Enterprise・Eduでサインイン | 既定では学習に使わない(別の契約で許可した場合を除く) |
| APIキーでサインイン(API組織の利用) | 学習に使わない。API組織の所有者がデータ共有を有効にした場合を除く |
同じCodexでも、個人で契約したPlusで使うのか、会社で契約したBusinessで使うのかで、前提が大きく変わります。社員が自分のアカウントで業務に使っている場合は、会社の契約とは別の扱いになる点に注意してください。
なお、公式ヘルプの学習の説明に書かれている個人向けプランは「Free・Plus・Pro」です。Goについては、この説明に個別の記載がありません。設定画面は同じ「データコントロール」にあるので、Goの方も画面で状態を確かめておくと安心です。
サインイン方法がデータの扱いを決める
Codexには、ChatGPTのアカウントでサインインする方法と、APIキーでサインインする方法があります。公式の認証のページでは、サインイン方法によって、適用される管理機能とデータの扱いが変わると説明されています。
| サインイン方法 | Codexの利用に適用されるもの |
|---|---|
| ChatGPTでサインイン | ChatGPTのワークスペースの権限・ロール、Enterpriseの保持期間と保存地域の設定 |
| APIキーでサインイン | API組織の保持期間とデータ共有の設定 |
Codexのクラウド上で動かす作業(Codex cloud)は、ChatGPTでのサインインが必須です。APIキーで使えるのは、CLI・SDK・IDE拡張などの手元で動かす使い方です。
「学習」と「保存」は別のこと
このテーマで混同しやすいのが、「学習に使われる」ことと「サーバーに保存される」ことの違いです。
学習とは、たくさんの文章をもとにAIモデルを改良することです。一方、保存は、履歴を表示したり、不正利用を調べたりするために、会話や作業の記録をサーバーに置いておくことです。学習をオフにしても、会話は履歴に残りますし、削除した後もしばらくはサーバー側に残ります。「学習をオフにしたから、どこにも残らない」わけではない点を押さえておきましょう。
学習に使う前の処理
学習を許可していても、会話がそのまま使われるとは限りません。OpenAIは、対象となるユーザーのコンテンツを学習に使う前に、学習用データに含まれる個人情報の量を減らす措置を講じていると説明しています。ただし、これは「入れても問題ない」という保証ではありません。機密の情報は、設定とプランの選び方で、そもそも学習に回らないようにしておくのが基本です。
初期値(オンかオフか)は公式ヘルプに書かれていない
「Improve the model for everyone」が最初からオンなのかオフなのかは、今回確認した公式ヘルプには書かれていませんでした。ヘルプには「有効にすると、対象となるコンテンツをモデルの改善に使う場合がある」とだけあります。自分のアカウントがどちらになっているかは、次の章の手順で画面を開いて確かめてください。
学習させない設定の手順

個人向けプランで学習をオフにする方法は2つあります。ChatGPTの設定でオフにする方法と、OpenAIのプライバシーポータルで「Do not train on my content」を選ぶ方法です。公式ヘルプでは、どちらか一方で、ChatGPTの会話とCodexのタスクの両方に足りると案内されています。両方行う必要はありません。
パソコン(Web)の手順
- メニューを開くChatGPTにサインインし、アカウントのメニューを開きます。
- 設定を開くメニューから「設定(Settings)」を選びます。
- データコントロールを開く「データコントロール(Data controls)」を選びます。
- 設定をオフにする「Improve the model for everyone」(日本語版のヘルプでは「すべての人のためにモデルを改善する」)を選び、オフにして「完了」を選びます。
Codexのデスクトップアプリから使っている場合も、設定はChatGPTのアカウントに紐づいています。サインインしているアカウントで上の設定を行ってください。
スマホアプリの手順
- サイドバーを開くChatGPTのアプリでサイドバーを開きます。
- 設定を開くプロフィールのアイコンを選び、設定を開きます。
- データコントロールを開く「データコントロール」を選びます。
- 設定をオフにする「Improve the model for everyone」をオフにします。
サインインしている場合、この設定はアカウント単位で、端末をまたいで適用されます。パソコンかスマホのどちらかで変えれば、ほかの端末にも同じ設定が使われます。サインインせずにChatGPTを使っている場合は、選んだ内容がそのブラウザにだけ保存されます。
プライバシーポータルでオフにする
もう1つの方法は、OpenAIのプライバシーポータルで「Do not train on my content」(私のコンテンツでトレーニングしない)を選ぶことです。ChatGPTの設定画面を開かなくても、学習への利用を止められます。
どちらの方法でも、効果は同じと案内されています。ChatGPTの設定をオフにしておけば、ポータルでの手続きは不要です。以前にサポートへの依頼やプライバシーに関する申請でオプトアウトしている場合も、OpenAIはそのアカウントに紐づくオプトアウトを引き続き尊重するとヘルプに書かれています。
オフにすると何が変わるか
公式ヘルプによると、オフにしたあとの動きは次のとおりです。
| 項目 | 設定をオフにしたあと |
|---|---|
| 新しい会話・タスク | OpenAIのモデルの学習に使われなくなる |
| チャット履歴 | オフにしても履歴には表示される。削除も非表示もされない |
| アーカイブ済みのチャット | アーカイブされたまま残る。アーカイブしても、学習に使えるかどうかは変わらない(設定が引き続き適用される) |
| プロジェクト内のチャット | それぞれのプロジェクトに残る |
ヘルプが説明しているのは、これから行う新しい会話とタスクの扱いです。設定を変える前の会話が、すでに学習に使われたかどうかについては、今回確認したページに案内がありませんでした。
設定が反映されているかの確かめ方
設定を変えたあとは、もう一度「設定」→「データコントロール」を開いて、「Improve the model for everyone」がオフの表示になっているかを確認します。会社のパソコンと自宅のパソコンなど、複数の端末で同じアカウントを使っている場合も、同じ表示になっているはずです。
画面の名称や並び順は、アプリの更新で変わることがあります。見つからないときは、ChatGPTの「設定」→「データコントロール」の周辺か、プライバシーセンター(OpenAIのヘルプにあるプライバシーの案内ページ)から探してください。
設定はアカウント単位。会話ごとに使い分けるなら一時チャット
この設定は、アカウント全体に効きます。「この相談だけは学習に使われたくない」という場面で、アカウントの設定は変えたくない場合は、一時チャット(Temporary chat)を使う方法があります。一時チャットの扱いは、次の「オフにしても使われる・残るケース」の章で説明します。
Codex独自の「Include environments」

ここまでの手順は、ChatGPTの会話とCodexのタスクに共通の設定でした。ところが、Codexにはもう一つ別の学習に関する設定があります。見落とされやすい点なので、独立した章で説明します。
ChatGPTの設定とは別に切り替える
OpenAIのヘルプセンターには、Codexの設定の中に「Include environments」という設定があると書かれています。日本語版のヘルプでは「環境を含める」と訳されています。この設定は、Codexの環境(environments)の追加コンテキストを、OpenAIのモデルの学習に使えるかどうかを管理するものです。
重要なのは、ヘルプに次の注意が書かれていることです。ChatGPTの設定を変えても、プライバシーポータルでオプトアウトしても、この設定は変わりません。つまり、前の章の手順だけでは、この設定は触っていないことになります。
「環境」とは何か
Codexの「環境」は、Codexのクラウドで作業するときの作業場の設定を指す言葉として、ドキュメントで使われています。公式のドキュメントでは、環境を使うと、クラウド上の作業で何をインストールして何を実行するかを制御できると説明されています。たとえば、必要なライブラリの追加、リンターなどのツールの導入、環境変数の設定などです。
| 環境に含まれるもの | 公式ドキュメントでの説明 |
|---|---|
| リポジトリ | 作業の対象にするコードの置き場所を指定する |
| セットアップスクリプト | 作業の前に実行する、ツールや依存関係の準備 |
| 環境変数 | 作業の間、プログラムから読める設定値 |
| シークレット | 追加の暗号化をかけて保存され、セットアップの実行時だけ復号される。エージェントの作業が始まる前に取り除かれる |
| インターネットアクセスの設定 | エージェントの作業中は既定でオフ。必要に応じて制限つきまたは無制限に変更できる |
ただし、「Include environments」をオンにしたときに、このうち具体的に何が学習の対象になるのかは、ヘルプに詳しく書かれていません。ヘルプにあるのは「環境全体を学習に使えるようにする設定」「Codexの環境の追加コンテキスト」という説明までです。
確かめる手順
設定の画面上の位置や初期値は、公式の案内では確認できませんでした。そのため、次の順で自分の画面を確かめるのが確実です。
- ChatGPT側をオフにする前の章の手順で「Improve the model for everyone」をオフにします。
- Codexの設定を開くCodexのデスクトップアプリなど、使っているクライアントの設定を開きます。
- 「Include environments」を探す表示があれば、オンかオフかを確かめます。日本語の画面では「環境を含める」などの表記かもしれません。
- 方針に合わせて切り替える業務のコードや社内の情報を扱うなら、オフにしておくのが無難です。
- 確認した結果を記録する誰のアカウントで、いつ確認したかを社内の台帳などに残しておきます。
この設定が見当たらないときは
使っているプランやクライアントによっては、画面に表示がない可能性もあります。見つからない場合は、OpenAIのヘルプセンターで最新の案内を確認するか、OpenAIのサポートに問い合わせてください。画面で確かめられないまま「オフになっているはず」と判断するのは避けましょう。
オフにしても使われる・残るケース

学習の設定をオフにしても、次のようなケースでは、データが使われたり、サーバーに残ったりします。業務で使う前に、一度整理しておきましょう。
オフでも使われうるケース
| ケース | 公式の案内 | 気をつけること |
|---|---|---|
| フィードバックを送った | 応答に「良い」「良くない」を付けるなどのフィードバックを送ると、そのフィードバックに関連する会話全体が学習に使われることがある。オプトアウトしていても同じ | 機密を含む会話では、評価のボタンを押さない |
| OpenAIサポートとの会話 | 「Improve the model for everyone」が有効になっている場合、サポートとの会話は、モデルを含むサービスの改善に使われることがある | サポートへの問い合わせに、機密のログやファイルを貼らない |
| Codexの「Include environments」 | ChatGPTの設定とは別に管理される | 前の章のとおり、別に確認する |
評価ボタンを押す前に確認を
「良い回答だったから」と、社内の人が善意で評価のボタンを押す場面はよくあります。個人向けプランでは、その会話全体が学習に使われる可能性があります。業務でCodexを使う人には、機密を含む会話では評価のボタンを押さないよう伝えておきましょう。
保存期間と削除
学習とは別に、データがどのくらいサーバーに残るのかも整理しておきます。OpenAIのプライバシーポリシー(2026年7月30日更新)と、APIのドキュメントに書かれている内容をまとめました。
| 対象 | 扱い |
|---|---|
| 自分で削除した内容 | 削除すると、原則として30日以内にシステムから取り除かれる。ただし、法律上の義務や不正対策などで、より長く保持することがある |
| 一時チャット | 30日以内に自動で削除される。安全や法律上の理由で保持が必要な場合は除く |
| 利用規約の違反が確認された内容 | 不正や悪用から守るために保持することがある |
| 法的な要請があった内容 | 法的な義務の期間、保持することがある |
| API経由の不正利用監視ログ | 既定で最大30日。法律上必要な場合などは、それより長くなる |
プライバシーポリシーは、APIで処理する顧客のコンテンツには適用されず、そのデータの扱いは顧客との契約で決まると説明しています。個人向けのCodexの保存期間は、この表のとおり、削除の操作や一時チャットかどうかで変わります。
Codexのクラウドで動かしたタスクが、個人向けプランでどのくらいの期間保存されるのかについては、今回確認した公式ページに記載がありませんでした。保存期間を厳密に決める必要がある場合は、OpenAIに確認してください。
一時チャットの扱い
一時チャット(Temporary chat)は、ChatGPTの機能です。一時チャットである間は、次のように扱われます。
- チャット履歴に表示されない
- メモリー(記憶)を作成・更新しない
- OpenAIのモデルの改善には使われない
- 安全上の理由から、最大30日間保持されることがある
一時チャットを保存すると、通常のチャットになります。その場合は、アカウントのパーソナライズ設定とモデル改善の設定に従います。Codexの作業で一時チャットが使えるかどうかは、今回確認したヘルプに記載がありません。コードを扱う作業の学習対策としては、ここまでの設定を基本にしてください。
手元のパソコンに残るデータ

学習の設定とは別に、Codexは手元のパソコンにも、作業の記録や設定を保存します。これは「OpenAIに学習される」話ではありませんが、パソコンの貸し借りやフォルダの共有で情報が漏れる原因になりうるため、あわせて押さえておきましょう。
Codexの設定ファイルで決められること
Codexの設定は、設定ファイル(config.toml)で変えられます。データの扱いに関係する主な項目は次のとおりです。
| 設定項目 | 内容 | 公式の案内 |
|---|---|---|
history.persistence | セッションの記録(履歴)を history.jsonl に保存するかどうか。save-all か none を選ぶ | 既定値は設定リファレンスに明記がない |
features.memories | Codexのメモリー機能(過去の作業の要点を次回に引き継ぐ) | 既定でオフ |
analytics.enabled | 匿名の利用状況・動作状況の送信 | Codex CLIでは、false にすると停止できる |
feedback.enabled | /feedback でフィードバックを送る機能 | 既定でオン |
otel | OpenTelemetry(利用状況の記録を社内の収集先に送る仕組み) | 既定でオフ。有効にすると、自分で決めた送信先に記録を送る |
ここでの「分析(analytics)」は、AIの学習とは別の話です。公式ドキュメントによると、Codexは既定で匿名の利用状況と動作状況のデータを定期的にOpenAIへ送っています。個人を特定する情報は含まれないと説明されています。止めたい場合は、設定ファイルに次のように書きます。
[analytics]
enabled = false
Codex CLIでは、これでカスタムの指標の送信(OTLP)も止まります。履歴を残したくない場合は、history.persistence を none にする方法があります。
メモリー(Memories)の扱い
Codexには、過去のチャットの要点を次の作業に引き継ぐ「メモリー」の機能があります。公式ドキュメントでは、ローカルのCodexのメモリーは既定でオフと説明されています。デスクトップアプリでは「設定」→「パーソナライズ」にある「Enable Codex memories」で、オンとオフを切り替えます。
オンにした場合、メモリーは手元のパソコンのCodexのホームフォルダ(既定では ~/.codex)の中に保存されます。Codexは生成するメモリーから秘密情報(シークレット)を除こうとしますが、公式でも「メモリーに秘密情報を保存しない」「Codexのホームフォルダを共有する前に、メモリーのファイルを確認する」よう案内されています。
| 設定 | 効果 |
|---|---|
/memories コマンド | そのチャットで、既存のメモリーを使うか、将来のメモリーの元にするかを決める。全体の設定は変わらない |
memories.generate_memories | false にすると、新しく作ったチャットはメモリー生成の入力に使われなくなる |
memories.disable_on_external_context | true にすると、MCPツールの呼び出しやWeb検索を使ったチャットを、メモリーの生成から外す |
| 「Delete Codex memories」 | 選んでいるパソコンのメモリーをまとめて削除する |
ヘルプセンターでも、メモリー機能とモデルの学習は別の設定として説明されています。メモリーをオフにしても学習の設定は変わらず、学習をオフにしてもメモリーは残ります。両方を確認してください。
Computer History(macOSのみ)
macOSのデスクトップアプリには、許可したアプリやWebサイトでの操作を記録して、メモリーと履歴にする「Computer History」という機能があります。公式ドキュメントでは、操作の記録は一時的にMacに保存され、48時間後に削除されると説明されています。OpenAIは、この記録を処理した後は、法律上必要な場合を除いて保持せず、学習にも使わないとしています。
ただし、生成されたメモリーが将来のチャットで文脈として使われた場合、そのチャットの内容は、ChatGPTのデータコントロールで許可していれば、モデルの改善に使われることがあります。この機能を使う場合は、学習の設定をオフにしておく意味が大きくなります。
共有する前に確かめること
Codexのホームフォルダ(~/.codex)には、設定、履歴、メモリー、ログなどが入っています。ログの保存先は log_dir で変えられ、既定では $CODEX_HOME/log です。チームで環境を共有したり、バックアップや不具合調査のために渡したりするときは、中に会話の記録や社内の情報が含まれていないかを確認してから渡しましょう。
プラン・サインイン方法ごとの違い

会社で使うかどうかを判断するときは、プランごとの違いを知っておく必要があります。公式の料金ページと、データに関するヘルプの内容をまとめました。
プランごとの比較
| プラン | 学習の扱い | 管理機能・保持の制御 |
|---|---|---|
| Free・Go・Plus・Pro | 設定で選べる(個人向け) | 個人が自分のアカウントで設定する |
| Business | 業務データは既定で学習に使わない | 専用のワークスペース、SAML SSO、MFAなどの基本的な管理機能 |
| Enterprise・Edu | 既定で学習に使わない | Businessの機能に加え、SCIM、EKM、役割ごとの権限、Compliance APIと監査ログ、保持期間と保存地域の制御 |
| APIキー | 学習に使わない(組織で共有を有効にした場合を除く) | API組織の保持・データ共有の設定に従う。Codexのクラウド機能は使えない |
公式ヘルプには、「Business・Enterprise・Eduでは、別の契約で許可しない限り、プロンプト・応答・ファイルを学習に使わない」と書かれています。Businessは、料金ページでも「業務データを既定で学習に使わない」と案内されています。
Business以上でも、確認したい点
会社向けのプランを選べば、すべてが解決するわけではありません。次の点は、導入前に確認しておきましょう。
- フィードバック:Business・Enterprise・Eduでは、フィードバック(高評価・低評価)の送信は、その会話の学習を許可するものではないと明記されています。管理者は、管理コンソールの「Allow response feedback」でフィードバックの機能自体を有効・無効にできます。
- 厳密なゼロデータ保持ではない場合:ChatGPT Workで、ローカルのコンピューターへのアクセスをWork Cloudと併用する場合は、厳密なゼロデータ保持(記録を一切残さない運用)は提供されないと、管理者向けのFAQに書かれています。
- つないだサービスの扱い:プラグイン・リポジトリ・外部のシステムをつないだ場合は、つないだ先のサービス側の保持・ログの規則が別にあります。ChatGPT側の設定だけでは決まりません。
- ログの保持期間:Enterprise・Eduの監査用のログ(Compliance Logs Platform)の保持は30日とされています。長く残したい場合は、組織の保管用のシステムに書き出す必要があります。
APIキーで使う場合の保存
APIの学習の扱いは、2023年3月1日以降、API経由で送ったデータは、明示的に共有を選ばない限り、モデルの学習や改善に使われないと公式に書かれています。一方で、不正利用を調べるためのログ(abuse monitoring logs)は、既定ですべてのAPI機能の利用について生成され、最大30日間保持されます。
このログに顧客のコンテンツを残さない運用として、Zero Data RetentionとModified Abuse Monitoringがあります。どちらも、OpenAIによる事前の承認と追加の要件への同意が必要です。Codexを自動化や社内システムに組み込む目的でAPIキーを使う場合は、これらの制度の対象になるかも確認材料になります。
会社で使うときの対策

ここまでの内容を、会社でCodexを使うときの進め方にまとめます。設定だけでなく、「どのプランで、何を渡してよいか」を先に決めておくと、使う人によるばらつきを防げます。
業務のデータはBusiness以上で扱う
個人向けのプランで、各自が自分のアカウントで業務のデータを扱う形は、会社として管理しにくくなります。誰がどの設定で使っているのかが分からず、学習の設定もそれぞれが自分で行うことになるためです。
業務のコードや資料を扱うなら、学習に使わない扱いが既定になっているBusiness以上を選び、会社の契約で使うのが基本です。数人の試験運用の段階からBusinessにしておけば、あとで広げるときも設定を引き継げます。
渡してよい情報を決める
プランを選んだうえで、Codexに渡してよい情報と、渡してはいけない情報を決めておきます。学習に使われない設定でも、外部のサービスに情報を送る以上、渡す範囲は絞るのが基本です。
| 区分 | 例 | 扱い |
|---|---|---|
| 渡さない | 顧客の個人情報、従業員の個人情報、パスワード・APIキーなどの認証情報、契約書の原本 | 作業用のフォルダに入れない。環境変数やメモリーにも保存しない |
| 確認してから渡す | 未公開の数字、取引先の名前が入った資料、社外秘の設計書 | Business以上のアカウントで、上長の確認のうえで使う |
| 渡してよい | 公開済みの情報、社内の一般的な手順書、サンプルのデータ | 通常どおり使う |
作業用のフォルダを新しく作り、必要なファイルだけをコピーして渡す運用にすると、うっかり渡してしまう事故を減らせます。
導入前のチェックリスト
| 確認する項目 | 確かめる場所 |
|---|---|
| どのプランで契約しているか | 契約内容、ChatGPTの管理画面 |
| 個人アカウントで業務利用していないか | 社員への聞き取り、利用ルールの周知 |
| 「Improve the model for everyone」の状態 | 各アカウントの「設定」→「データコントロール」 |
| 「Include environments」の状態 | Codexの設定画面 |
| メモリー・分析・履歴の設定 | Codexの設定画面、config.toml |
| フィードバックのルール | 社内ルール、管理コンソールの設定 |
| 外部につないだサービスの範囲 | プラグイン・MCP・GitHubなどの連携設定 |
社内で広げる手順
- 試す人と範囲を決めるまず2〜3人で、公開してよい情報だけを使って試します。
- プランと設定を整える会社の契約を用意し、上のチェックリストの項目を確認して記録します。
- 利用ルールを文書にする渡してよい情報、評価ボタンの扱い、記録を共有するときの注意をまとめて周知します。
- 定期的に見直す画面や規約は変わります。四半期ごとなど、決まった時期に設定と公式の案内を見直します。
社内の規定づくりの考え方は、生成AI全般の利用ルールにも共通します。Codexの業務での使い方や権限の設定は、「Codexを業務で使うときの注意」の記事で詳しく解説しています。
よくある質問
Codexに入力した内容は、AIの学習に使われますか?
個人向けのChatGPTプラン(Free・Plus・Pro)では、設定で許可していれば学習に使われることがあります。Business・Enterprise・Edu、およびAPIの業務データは、既定では学習に使われないと、OpenAIのヘルプに書かれています。
ChatGPTの設定をオフにすれば、Codexも対象外になりますか?
個人向けプランでは、ChatGPTの「Improve the model for everyone」がCodexのタスクにも適用されます。ただし、Codexの設定にある「Include environments」は別の設定で、ChatGPT側の設定を変えても変わりません。Codexの設定画面でも確かめてください。
学習をオフにする設定は、どこにありますか?
ChatGPTの「設定」→「データコントロール」にあります。パソコンのWeb版では、アカウントのメニューから開きます。スマホでは、サイドバーのプロフィールのアイコンから設定を開きます。ほかに、プライバシーポータルで「Do not train on my content」を選ぶ方法もあります。
設定をオフにすると、過去の履歴は消えますか?
消えません。オフにしても、保存済みのチャットは削除も非表示もされません。履歴を消したいときは、チャットやアカウントを別の操作で削除します。
オフにする前に入力した内容は、学習に使われませんか?
ヘルプが説明しているのは、オフにしたあとの新しい会話とタスクの扱いです。設定を変える前の会話がすでに学習に使われたかどうかは、今回確認した公式ページに案内がありません。心配な場合は、OpenAIのプライバシーに関する窓口に問い合わせてください。
評価ボタン(良い・良くない)は押さない方がいいですか?
個人向けプランでは、フィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われることがあると公式に書かれています。機密を含む会話では押さない方が安全です。Business・Enterprise・Eduでは、フィードバックの送信は学習の許可にはならないと案内されています。
学習をオフにすれば、OpenAIのサーバーには残りませんか?
残ります。学習をオフにしても、会話は履歴として保存されますし、削除した場合も、原則として30日以内に取り除かれるまでは残ります。不正利用の調査や法的な要請で、より長く保持されるケースもあります。
APIキーでCodexを使えば、学習に使われませんか?
APIで送ったデータは、明示的に共有を選ばない限り学習に使われないと、OpenAIのAPIドキュメントに書かれています。APIキーで使うときは、API組織の保持とデータ共有の設定が適用されます。ただし、不正利用の監視のためのログは、既定で最大30日間保持されます。
無料プランでも、学習をオフにできますか?
公式ヘルプの学習の説明では、個人向けのFree・Plus・Proがオフにできる対象に含まれています。サインインしていないときも、設定を開いてオフにでき、その選択はそのブラウザに保存されます。
会社のパソコンで、社員が個人アカウントを使っています。どうすればよいですか?
業務のデータを扱う場合は、会社の契約(Business以上)に切り替えるのが基本です。切り替えるまでの間は、各自のアカウントで「Improve the model for everyone」がオフになっているかを確認し、機密情報は渡さないというルールを決めて周知してください。
まとめ
この記事のまとめ
- 個人向けのChatGPTプランでは、学習に使うかどうかを設定で選べる。この設定はCodexのタスクにも適用される
- オフにする方法は、ChatGPTの「設定」→「データコントロール」か、プライバシーポータルの「Do not train on my content」。どちらか一方で足りる
- Codexには「Include environments」という別の設定がある。ChatGPT側の設定を変えても変わらないので、Codexの設定画面でも確かめる
- フィードバックを送ると会話全体が学習に使われることがある。学習をオフにしても、会話は保存され、削除後も30日ほどは残る
- 手元のパソコンには、履歴・メモリー・ログが残る。メモリーは既定でオフで、分析の送信は設定で止められる
- 会社の業務データは、既定で学習に使われないBusiness以上で扱い、渡してよい情報のルールを決めておく
学習の設定は、一度オフにすれば終わりではなく、プランや画面が変わるたびに確かめ直すものです。まずは自分のアカウントの設定と、Codex側の設定を実際に開いて、現在の状態を確認するところから始めてみてください。
社内でCodexを使い始める段階では、プランの選び方、渡してよい情報の線引き、社員の方への説明など、決めることが一気に増えます。INTERCREATE JAPANでは、Claude CodeやCodexなどの導入から、社内で使い続けられるルールと仕組みづくりまでをお手伝いしています。
参考・出典
- How your data is used to improve model performance(OpenAI ヘルプセンター)
- Data controls in ChatGPT(OpenAI ヘルプセンター)
- Privacy policy(OpenAI)
- Data controls in the OpenAI platform(OpenAI API ドキュメント)
- Authentication(Codex ドキュメント)
- Configuration reference(Codex ドキュメント)
- Advanced Configuration(Codex ドキュメント)
- Memories(Codex ドキュメント)
- Pricing(Codex ドキュメント)
- ChatGPT Work admin FAQ(Codex ドキュメント)
INTERCREATE JAPAN