Claude

Claude Skills(スキル)とは?使い方・作り方と業務での活用例を解説

INTERCREATE JAPAN 編集部公開 2026.10.15

この記事でわかること

  • Claude Skillsとは何か、どんな仕組みで動くのか
  • プロジェクト・指示・MCP(コネクタ)・プラグインとの違い
  • スキルを有効にする方法と、最初から入っているスキル
  • 会話で作る方法と、SKILL.mdを書いて作る方法
  • 社内で共有・配布するときの設定
  • 業務での活用例と、安全に使うための注意点
目次
  1. Claude Skillsとは
  2. 仕事の手順をまとめた「手順書のフォルダ」
  3. 必要なときだけ読み込まれる仕組み
  4. スキルが役立つ場面の見分け方
  5. 使える場所
  6. 公式に紹介されているスキルの例
  7. ほかの機能との違い
  8. プロジェクトとの違い
  9. 指示(毎回の依頼文)との違い
  10. コネクタ(MCP)との違い
  11. プラグインとの違い
  12. サブエージェントとの違い
  13. 迷ったときの判断のしかた
  14. 組み合わせて使う例
  15. スキルでできること
  16. 最初から入っているスキルを使う
  17. 社内の書式・ルールに合わせる
  18. 決まった手順の作業を、同じ品質でくり返す
  19. プログラムを使った正確な処理
  20. 複数のスキルを組み合わせる
  21. ExcelやPowerPointの中で使う
  22. Coworkで使う
  23. 向いていないこと
  24. 使い方
  25. 使えるプランと前提
  26. 個人のプランで有効にする手順
  27. Team・Enterpriseの場合
  28. スキルを探して追加する
  29. 共有されたスキル・組織のスキルを使う
  30. スキルを使うときの頼み方
  31. スキルが使われないとき
  32. 使わなくなったスキルを止める・削除する
  33. スキルの作り方
  34. 会話で作る
  35. SKILL.mdを自分で書く
  36. 名前のつけ方
  37. 説明文の書き方
  38. 本文の書き方
  39. 付属のファイルを入れる
  40. ZIPにしてアップロードする
  41. 作ったスキルを試す
  42. 画面を録画して作る
  43. 社内のマニュアルからスキルを作る
  44. 使いながら直していく
  45. うまく作るコツ
  46. 業務での活用例
  47. 営業:見積書・提案書を自社の書式で作る
  48. 総務:社内文書・お知らせの言い回しをそろえる
  49. 経理:月次の集計表を同じ形で作る
  50. Web担当:ブログ記事の表記ルールを守らせる
  51. 管理部門:契約書の一次チェック
  52. 人事・採用:求人票や面接の案内をそろえる
  53. 顧客対応:問い合わせへの返信の下書き
  54. 見積書のスキルの中身の例
  55. スキルにしない方がよい仕事
  56. 効果を確かめる
  57. 社内でスキルを増やしていく進め方
  58. 社内での共有・安全な使い方
  59. 特定の人やグループに共有する
  60. 組織のライブラリに公開する
  61. 管理者が全員に配る
  62. 作れない・共有できないとき
  63. Claude Codeとのつながり
  64. 信頼できる配布元のスキルだけ入れる
  65. 組織で決めておくこと
  66. Enterpriseの中身のスキャン
  67. よくある質問
  68. まとめ

「Claudeに資料を頼むたびに、社内の書式や言葉づかいを一から説明している」「同じ指示文をメモ帳に保存しておいて、毎回貼り付けている」という方は多いのではないでしょうか。説明を忘れると書式がばらばらになり、直す手間がかかります。

Claude Skills(クロード スキル)を使うと、こうした仕事の手順や決まりごとを一度まとめておき、Claudeに必要なときだけ読み込ませることができます。毎回同じ説明をしなくても、Claudeが自社のやり方で仕事を進めてくれるようになります。

この記事では、スキルの仕組み、プロジェクトやMCPとの違い、有効にする方法、会話で作る方法と自分で作る方法、業務での活用例、社内での共有と安全に使うための注意点までを順に解説します。チャット画面(claude.ai)とデスクトップアプリでの使い方が中心です。内容は2026年10月時点の公式情報をもとにしています。

Claude Skillsとは

会社員がノートPCでClaudeに資料づくりを頼み、社内の書式どおりに仕上がったかを確かめている場面

Claude Skillsは、Claudeに特定の仕事のやり方を覚えさせるための仕組みです。Anthropicは、スキルを「指示・スクリプト(小さなプログラム)・資料をまとめたフォルダで、Claudeが作業に関係するときに見つけて読み込むもの」と説明しています。

仕事の手順をまとめた「手順書のフォルダ」

スキルは、新しく入った社員に渡す業務マニュアルに近いものです。中身は1つのフォルダで、少なくとも「SKILL.md」という説明書のファイルが入っています。SKILL.mdには、スキルの名前と「何をするスキルか・いつ使うか」の説明、そして具体的な手順や決まりごとを書きます。

必要に応じて、フォルダの中に次のようなものも一緒に入れられます。

  • テンプレート:見積書のExcel、提案書のPowerPointのひな形など
  • 参考資料:表記ルールの一覧、商品の価格表、社内規程など
  • 例:よくできた報告書の見本、良い例・悪い例
  • スクリプト:集計や変換など、毎回同じ結果を出したい処理のプログラム

たとえば、見積書を作るスキルなら、フォルダの中身は次のようになります。

quote-maker(スキルのフォルダ)
├ SKILL.md(名前・説明文と、見積書を作る手順)
├ template.xlsx(見積書のひな形)
├ price-list.csv(商品ごとの単価表)
└ rules.md(値引きや端数処理のルール)

Claudeは、見積書を頼まれたときにSKILL.mdを読み、手順に書かれているとおりにひな形と単価表を開いて作業します。値引きの相談が出てきたときだけrules.mdを開く、といった使い分けも、SKILL.mdに書いておけばClaudeが判断します。

数行の指示だけの小さなスキルもあれば、ファイルやプログラムをいくつも含む大きなスキルもあります。公式ヘルプでは、よいスキルの条件として、決まったくり返しの作業を対象にしていること、指示が明確なこと、必要に応じて例があること、いつ使うかが書かれていること、1つの仕事に絞っていることが挙げられています。

必要なときだけ読み込まれる仕組み

スキルの大きな特長は、必要なときだけ中身が読み込まれることです。Claudeはふだん、有効になっているスキルの名前と説明文だけを把握しています。依頼の内容が説明文に合うと判断したときに、はじめてSKILL.mdの本文を読み、さらに必要なら付属のファイルを開きます。

公式の説明では、名前と説明文は1つのスキルあたり約100トークン(AIが文章を数える単位)で、本文は5,000トークン未満が目安とされています。付属のファイルは、作業に必要なものだけが読み込まれます。スクリプトは中身を読み込まずに実行され、結果だけがClaudeに返ります。

段階読み込まれるタイミング中身
1. 名前と説明文いつも(会話の始まりから)スキルの名前と「何をするか・いつ使うか」
2. 本文依頼がスキルに合ったときSKILL.mdに書いた手順や決まりごと
3. 付属のファイル本文の指示で必要になったときテンプレート、参考資料、スクリプトなど

この仕組みのおかげで、スキルをたくさん有効にしておいても、ふだんの会話が重くなりにくくなっています。見積書用、議事録用、報告書用と、仕事ごとにスキルを分けて用意しておけるのはこのためです。

スキルが役立つ場面の見分け方

次のような状況に心当たりがあれば、スキルを作る価値があります。

  • Claudeに頼むたびに、同じ前置きや条件を書いている
  • 保存しておいた依頼文を、毎回コピーして貼り付けている
  • Claudeの仕上がりを、毎回同じところで直している(言葉づかい、表の形、日付の書き方など)
  • 人によってClaudeへの頼み方が違い、できあがりがばらばらになっている
  • 新人に教えるときに使っているマニュアルやチェックリストがある

反対に、毎回内容が違う相談や、一度しかしない作業なら、スキルを作るより、その場で詳しく頼む方が早く済みます。「同じ説明を3回以上した」と感じたら、スキルにする目安と考えるとよいでしょう。

使える場所

スキルは、チャット画面だけでなく、Claudeのさまざまな場所で使えます。

場所使い方
チャット(Web・デスクトップアプリ)「カスタマイズ」→「スキル」で有効にしたスキルを、Claudeが依頼に応じて使う
Claude Coworkチャットと同じスキルが使える。組織のスキルの一覧からインストールもできる
Microsoft 365のアドインExcel・PowerPoint・Word・Outlook向けのClaudeで、有効にしたスキルが使える。サイドバーで「/」を入力して選ぶこともできる
Claude Code同じアカウントでログインすると、Claudeの設定で有効にしたスキルが読み込まれる。Claude Code独自のスキルも作れる
Claude API開発者がプログラムからスキルを使う。コード実行の機能と組み合わせて使う

公式ヘルプによると、スキルは使う場所に合わせて動き方を変えます。たとえば調べもののスキルは、Coworkでは文書を作り、Excelでは細かいデータの表を作る、といった具合です。

公式に紹介されているスキルの例

Claude Academyのチュートリアルでは、スキルで作れるものの例として、次のようなものが挙げられています。

  • 顧客管理(CRM)の入力を自動化するスキル:連絡先の作成や商談情報の更新を、データの決まりに沿って行う
  • 契約書を確認するスキル:標準的な条件と比べて、リスクのある条項を見つけ、守りの文言を提案する
  • SEO記事のスキル:検索の意図に合わせて構成を考え、ブランドの文体を守りながら書く
  • レポートを自動で作るスキル:毎月のデータを集めて計算し、グラフを作ってテンプレートに整える
  • スキルを見直すスキル:ほかのスキルの指示を読み、改善点や抜けている場面を指摘する

また公式ヘルプでは、ひな形として使えるスキルの見本が、AnthropicのGitHub(プログラムの公開場所)で公開されていると案内されています。自分で書くときの参考になります。

スキルの形式は公開された仕様

スキルの形式は「Agent Skills」という公開仕様(agentskills.io)にもとづいています。公式ヘルプでは、この仕様に沿って作っておけば、同じ仕様を採用したほかの道具でもスキルを使えると案内されています。Claude専用の書き方を覚える必要はなく、一度作った手順書を使い回しやすいのも利点です。

ほかの機能との違い

会議室のホワイトボードの前で、担当者がノートPCを見ながら機能の違いを説明している場面

Claudeには、スキルのほかにも「プロジェクト」「指示」「コネクタ(MCP)」「プラグイン」など、使い方をカスタマイズする機能がいくつもあります。どれも「Claudeに何かを覚えさせる」ように見えるので混乱しやすいところです。Anthropicの解説記事「Skills explained」をもとに、違いを整理します。

プロジェクトとの違い

プロジェクトは、特定の仕事のための作業部屋のようなものです。資料をアップロードしたり、そのプロジェクトだけの指示を書いたりすると、プロジェクトの中のすべての会話でその情報が使われます。有料プランで使えます。

Anthropicは、プロジェクトは「その仕事の背景知識」、スキルは「仕事のやり方」と説明しています。たとえば「新商品の発売準備」プロジェクトには市場調査や商品の仕様書を入れ、「社内の文章ルール」や「報告書の書き方」はスキルにする、という分け方です。同じ指示を複数のプロジェクトにコピーしているなら、それはスキルにすべき合図だとも書かれています。

指示(毎回の依頼文)との違い

会話の中で伝える指示は、その場かぎりのものです。会話が変われば、また同じことを伝える必要があります。設定で登録しておく全体の指示は毎回読み込まれますが、内容が増えると、関係のない会話でもすべて読み込まれることになります。

スキルは、関係する依頼のときだけ読み込まれるので、長い手順や細かいルールを入れておいても邪魔になりにくいのが違いです。公式の解説では、いくつもの会話で同じ依頼文をくり返し入力しているなら、スキルにする時期だとしています。

使い分けの例を挙げると、「文章はです・ます調で」「回答は短めに」のような、どの会話にも当てはまる短い好みは設定の指示に書きます。「報告書は、結論・背景・数字・次の行動の順に書く」「数字は前年同月と比べる」のような、特定の仕事のときだけ必要な手順はスキルに書きます。指示が長くなってきたら、その中に「特定の仕事の手順」が混ざっていないかを見直し、混ざっていればスキルに移すと整理しやすくなります。

コネクタ(MCP)との違い

MCP(Model Context Protocol)は、Claudeを外部のサービスやデータにつなぐための共通の仕組みで、Claudeの画面では「コネクタ」として使います。たとえばGoogleドライブとつなげば、Claudeがドライブの文書を検索して読めるようになります。

Anthropicの説明では、MCPは「データにつなぐ」もの、スキルは「そのデータで何をするかを教える」ものです。「売上データを集計するときは、必ず税抜で、店舗コード順に並べる」といった扱い方の決まりはスキルに、売上データのあるシステムにつなぐ部分はコネクタに、という分担になります。両方を組み合わせて使うのが基本です。

プラグインとの違い

プラグインは、スキルやコネクタなどをひとまとめにして配るための入れ物です。たとえば「営業向け」のプラグインに、提案書のスキル、顧客管理システムのコネクタなどをまとめて入れておけば、1回の追加で必要なものがそろいます。Enterpriseプランでは、複数のスキルをプラグインにまとめて特定のグループだけに配る、という使い方もできます。

サブエージェントとの違い

サブエージェントは、Claude CodeやAgent SDK(開発者向けの道具)で使う、特定の作業を受け持つ別の担当のようなものです。独自の指示と使える道具を持ち、まとまった作業を任されて結果を返します。公式の解説では、いくつもの担当や会話で同じ専門知識を使いたいならスキル、独立して作業を任せたいならサブエージェント、と使い分けを示しています。

機能入れるものいつ使われるか向いている用途
スキル仕事の手順、決まりごと、テンプレート、スクリプト依頼が説明文に合ったとき書式や手順をそろえたい、くり返しの作業
プロジェクトその仕事の資料と、プロジェクトだけの指示プロジェクト内のすべての会話特定の案件や取り組みの背景知識
指示(依頼文・設定)その場の指示、または全体に効かせたい好みその会話だけ/毎回一度きりの依頼、短い好みの指定
コネクタ(MCP)外部サービスへの接続Claudeがそのサービスのデータを使うとき社内外のデータを読み書きしたい
プラグインスキル・コネクタなどのまとまり中に入っている機能ごとに異なる職種や部署ごとに、必要なものをまとめて配る

迷ったときの判断のしかた

どの機能を使えばよいか迷ったら、次の質問に順に答えてみてください。

  • Claudeが読めないデータ(社内のシステムやクラウドの文書)が必要か → 必要ならコネクタ
  • 特定の案件の資料を、その案件の会話でだけ使いたいか → そうならプロジェクト
  • 仕事の手順や書式を、いろいろな会話で同じように使いたいか → そうならスキル
  • 今回だけの希望や条件か → それなら依頼文で伝える
  • 部署ごとに必要なスキルやコネクタをまとめて配りたいか → それならプラグイン

組み合わせて使う例

Anthropicの解説記事では、競合調査を例に、これらの機能を組み合わせる方法が紹介されています。中小企業の仕事に置きかえると、たとえば次のような形になります。

  1. プロジェクトを作る「来期の販促計画」というプロジェクトを作り、昨年の販促の結果や、商品の資料をアップロードします。
  2. コネクタでつなぐGoogleドライブなどのコネクタをつなぎ、最新の売上の資料をClaudeが読めるようにします。
  3. スキルで書き方をそろえる「社内の企画書の書き方」のスキルを有効にして、構成や言葉づかいを自社の型にそろえます。
  4. 依頼文で細かく指示する「とくに既存のお客様向けの施策を厚めに」のように、その回だけの希望は依頼文で伝えます。

このように、背景の資料はプロジェクト、データへの接続はコネクタ、仕事の型はスキル、その場の希望は依頼文、と役割を分けると、それぞれの設定が整理され、あとから直すときも迷いにくくなります。

あわせて読みたいClaude MCPとは?コネクタの使い方・Claude Codeでの設定・安全に使うコツを解説Claude MCPは、Claudeを外部のツールやデータにつなぐ共通の仕組みです。コネクタとの関係、claude.aiとデスクトップアプリでのつなぎ方、Claude Codeの設定コマンド、安全に使うための確認点を2026年10月時点の公式情報でまとめました。

スキルでできること

経理担当が自席のノートPCで、できあがったExcelの表を確かめている場面

最初から入っているスキルを使う

Anthropicは、すべての利用者が使えるスキルをいくつか用意しています。公式ヘルプで紹介されているのは、次の4つです。

  • Excelの表の作成と編集
  • Wordの文書の作成
  • PowerPointのスライドの作成
  • PDFの作成と処理

これらは、コード実行とファイル作成の機能をオンにしておけば、名前を出さなくても自動で使われます。たとえば「第3四半期の結果についてのスライドを作って」と頼めば、ClaudeがPowerPointのスキルを使ってファイルを作ります。

見本のスキルの動きを確かめるには、次のような依頼を試してみるとよいでしょう。

  • Excel:「この売上データから、月別・店舗別の集計表を作って。合計と前月比は計算式で入れて」
  • Word:「この箇条書きのメモを、A4・2ページほどの社内報告書にまとめて。見出しをつけて」
  • PowerPoint:「この報告書の内容を、5枚のスライドにまとめて。1枚目は結論にして」
  • PDF:「このPDFの申込書から、氏名・住所・申込日を読み取って表にして」

ファイルができあがったら、実際に開いて中身を確かめてください。見本のスキルでどんな仕上がりになるかを知っておくと、自社用のスキルで何を足せばよいかが見えてきます。

社内の書式・ルールに合わせる

自社用のスキルを作ると、Claudeの仕上がりを社内の書式やルールにそろえられます。公式ヘルプの見本では、会社の色・フォント・ロゴの使い方をまとめた「ブランドガイドライン」のスキルが紹介されています。プレゼン資料や社外向けの文書を作るときに、Claudeが自動でこのルールを当てはめる、という使い方です。

中小企業なら、見積書の書式、メールの言葉づかい、報告書の構成、商品名の正しい表記など、ふだん新人に教えていることがそのままスキルの材料になります。

決まった手順の作業を、同じ品質でくり返す

月次の集計、議事録の整形、週報のまとめなど、手順が決まっている仕事はスキルに向いています。手順をスキルに書いておけば、誰が頼んでも同じ順番、同じ形でできあがります。担当者によって仕上がりが変わる、手順の一部が抜ける、といった問題を減らせます。

スキルがある場合とない場合で、仕事の進み方がどう変わるかを比べてみます。

スキルなしスキルあり
頼むときの手間毎回、書式や条件を説明する「〇〇を作って」と頼むだけ
仕上がり説明の書き方や、頼む人によって変わるスキルに書いた型にそろう
あとからの修正毎回同じところを直す直したい点をスキルに書けば、次から反映される
担当者の交代頼み方のコツを引き継ぐ必要があるスキルを共有すれば、同じ手順で頼める

プログラムを使った正確な処理

計算や変換のように、毎回同じ結果を出してほしい処理は、スクリプトとしてスキルに入れられます。Claudeが毎回その場で考えて処理するより、決まったプログラムを動かす方が結果が安定します。公式の説明では、スクリプトの中身は会話に読み込まれず、実行した結果だけが返るので、効率もよいとされています。

スクリプトを自分で書く必要はありません。Claude Academyのチュートリアルでは、会話でスキルを作るときに、毎回同じように行う必要がある処理をClaudeが見つけて、プログラムを自動で用意すると説明されています。

複数のスキルを組み合わせる

スキルどうしは、互いを直接呼び出すことはできませんが、Claudeが1つの依頼の中で複数のスキルを自動的に組み合わせて使うことはできます。たとえば「報告書の書き方」のスキルと「社内の表記ルール」のスキルを両方使って、1つの報告書を仕上げる、といった具合です。公式ヘルプでも、何でもできる大きなスキルを1つ作るより、目的ごとに分けた小さなスキルを組み合わせる方がうまくいくとしています。

ExcelやPowerPointの中で使う

Claudeの設定で有効にしたスキルは、Excel・PowerPoint・Word・Outlook向けのClaudeのアドインでも使えます。作業中に関係するスキルがあれば、Claudeが自動で当てはめます。サイドバーで「/」を入力すると使えるスキルの一覧が出るので、名前を選んで呼び出すこともできます。

公式ヘルプによると、特定のExcelやPowerPointのテンプレートを入れたスキルを作っておくと、ExcelとPowerPointのアドインでは、そのテンプレートを今開いているファイルにそのまま読み込めます。会社の決まったスライドのひな形や、集計表の形をスキルにしておけば、アドインの中から同じ形で作業を始められます。

Coworkで使う

Claude Cowork(Claudeに仕事を任せて、ファイルの完成まで進めてもらう機能)でも、チャットと同じスキルが使えます。Coworkは、パソコンのフォルダのファイルを読み書きしながら作業できるので、スキルとの相性がよい機能です。たとえば「月次の集計」のスキルを有効にしておき、Coworkに「このフォルダのCSVから今月の集計表を作って」と頼めば、スキルの手順どおりに集計してExcelのファイルを保存してくれます。

定期実行(決まった時間に作業を動かす機能)と組み合わせれば、毎週・毎月の決まった資料づくりを、同じ手順で自動的に進めることもできます。

向いていないこと

スキルは「やり方」をまとめる仕組みなので、次のような用途には向きません。

  • 毎回内容が違う相談や、その場かぎりの依頼:ふつうに会話で頼む方が早い
  • 最新の外部データが必要な作業:データを取ってくる部分はコネクタやWeb検索の役目
  • 特定の案件の資料をまとめて参照したい場合:プロジェクトの方が向いている
作業スキルに入れるもの期待できる効果
見積書の作成見積書のExcelテンプレート、単価表、書き方のルール書式と計算方法がそろい、確認の手間が減る
議事録の整形議事録の型(日時・参加者・決定事項・宿題)、良い例誰が頼んでも同じ形でまとまる
社外向け文書ブランドの色・フォント・ロゴ、言葉づかいのルール会社としての見た目と表現がそろう
月次の集計集計の手順、集計用のスクリプト、出力の形計算のやり方が毎回同じになる
記事の校正表記ルール、禁止している表現の一覧表記ゆれやルール違反を見つけやすくなる

使い方

自宅の机でノートPCの設定画面を開き、スキルを有効にしている人を肩越しに見た場面

使えるプランと前提

公式ヘルプによると、スキルはFree・Pro・Max・Team・Enterpriseのすべてのプランで使えます。料金ページの比較表でも、すべてのプランで「Skills」が使えると示されています。

ただし、スキルを使うには「コード実行とファイル作成」の機能がオンになっている必要があります。スキルは、Claudeがプログラムを動かせる環境の中で動く仕組みだからです。

公式ページによって説明が違うことがある

開発者向けのドキュメントには、claude.aiのカスタムスキルは「Pro以上」「組織での一括管理はできない」と書かれた部分があります。一方、ヘルプセンターでは「Freeから利用可」「TeamとEnterpriseでは組織に配布できる」と案内されています。この記事は、利用者向けのヘルプセンターの案内に合わせています。画面の名前や提供状況は変わることがあるので、実際の画面もあわせて確認してください。

個人のプランで有効にする手順

Free・Pro・Maxでは、次の手順でスキルを使えるようにします。

  1. 設定を開くClaudeの画面で「設定」を開きます。
  2. コード実行をオンにする「機能(Capabilities)」を開き、「コード実行とファイル作成」がオンになっているか確認します。
  3. スキルの一覧を開く左のメニューの「カスタマイズ」から「スキル」を開きます。
  4. 使うスキルをオンにする一覧から、使いたいスキルのスイッチをオンにします。最初は、Anthropicが用意している見本のスキルを試してみるとよいでしょう。
  5. ふだんどおりに頼むあとは、ふだんどおりに依頼するだけです。依頼の内容がスキルの説明に合えば、Claudeが自動でスキルを使います。

Claudeがスキルを使っているかどうかは、Claudeの考えている過程の表示で確かめられます。Claude Academyのチュートリアルでは、「Using(スキル名)」のように表示されると説明されています。

Team・Enterpriseの場合

TeamとEnterpriseでは、まず組織のオーナーが設定を確認します。「組織設定」→「プラグインとスキル」の「ポリシー(Policy)」タブで、クラウドでのコード実行とファイル作成、スキルの両方がオンになっている必要があります。Teamでは、スキルは初期状態で組織全体で有効になっています。

組織で有効になっていれば、メンバーは「カスタマイズ」→「スキル」から、見本のスキルをオンにしたり、自分で作ったスキルを追加したりできます。オーナーが組織全体に配布したスキルも、この一覧に表示されます。

スキルを探して追加する

「カスタマイズ」には、スキル・コネクタ・プラグインをまとめて探せる一覧(ディレクトリ)があります。スキルの場合は、「カスタマイズ」→「スキル」の「+」ボタンから「Browse skills」を選び、追加したいスキルの「Add」を押します。追加したスキルは初期状態でオンになり、Claudeが必要なときに自動で使います。

一覧から追加したスキルは閲覧専用で、中身は編集できません。自社に合わせて変えたい場合は、コピーをダウンロードして書き換え、自分のスキルとしてアップロードします。TeamとEnterpriseでは、「Your organization」のタブに、組織で公開・配布されているスキルが表示されます。

同じ一覧の「プラグイン」のタブからは、スキルやコネクタがまとまったプラグインも追加できます。追加したプラグインに入っているスキルは、チャット(Web版とデスクトップアプリ)、Cowork、同じアカウントでログインしたClaude Codeで使えます。部署向けにまとまったプラグインが組織で配られている場合は、個別にスキルを探すより、プラグインを追加する方が早く準備できます。

共有されたスキル・組織のスキルを使う

TeamとEnterpriseでは、「カスタマイズ」→「スキル」の一覧が3つに分かれています。

区分入っているスキル使い始め方
Personal skills自分で作った、またはアップロードしたスキル一覧でオン・オフを切り替える
Shared with you同僚から直接共有されたスキルオフの状態で届くので、使うときにオンにする
Organization skills組織に公開されたスキル、オーナーが配ったスキル組織の一覧(ディレクトリ)からインストールする

組織の一覧からのインストールは、たとえばCoworkなら、左のサイドバーの「カスタマイズ」を押し、「+」から一覧を開いて「Skills」のタブで目的のスキルの「Install」を押します。インストールしたスキルはオフにもでき、一覧に残っているので、あとからまたオンにできます。

スキルを使うときの頼み方

スキルは自動で選ばれるので、基本的にはふだんどおりに頼めば大丈夫です。ただ、スキルの説明文に書いてある言葉に近い頼み方をすると、スキルが使われやすくなります。

スキルが使われにくい頼み方スキルが使われやすい頼み方
これ、まとめておいてこのメモを議事録にまとめて
A社に出すやつ作ってA社向けの見積書を作って。商品Bを30個、来月納品で
文章見てくれる?このブログ記事の原稿を、表記ルールでチェックして

スキルを作った人と使う人が違う場合は、「どんな頼み方をすればこのスキルが使われるか」をスキルの説明と一緒に伝えておくと、社内で使い始めるときに迷いません。

スキルが使われないとき

スキルを有効にしたのに使われない場合は、公式ヘルプに沿って次の点を確かめましょう。

  • 「カスタマイズ」→「スキル」で、そのスキルがオンになっているか
  • スキルの説明文に、いつ使うのかがはっきり書かれているか
  • スキルの中の指示が、分かりやすく整理されているか
  • 依頼の中で、スキルの名前を出して頼んでみる(例:「ブランドガイドラインのスキルを使ってプレゼンを作って」)

スキルの項目がそもそも表示されない、またはグレーになっている場合は、コード実行がオフになっている可能性があります。個人のプランなら「設定」→「機能」、TeamとEnterpriseなら組織のオーナーに確認してください。

スキルは自動で選ばれる。確実に使いたいときは名前を出す

Claudeは依頼の内容とスキルの説明文を見比べて、使うスキルを自分で選びます。説明文と依頼の言葉が離れていると、スキルが使われないことがあります。確実に使ってほしいときは、依頼文の中でスキルの名前を出すのが近道です。

使わなくなったスキルを止める・削除する

スキルの一覧で、スイッチをオフにすれば、そのスキルはClaudeに使われなくなります。自分で追加したスキルを完全に削除したい場合は、スキルを開いて右上のスイッチでオフにしたあと、「…」から「削除」を選びます。削除したスキルは、ファイルをもう一度アップロードすれば戻せます。

スキルの作り方

担当者が自席のノートPCでClaudeと会話しながら、業務の手順を説明している場面

自社用のスキルを作る方法は、大きく分けて3つあります。プログラミングの知識がなくても作れる方法から順に紹介します。

会話で作る

いちばん手軽なのは、Claudeとの会話でスキルを作る方法です。Claude Academyのチュートリアルでは、技術的な知識がなくても誰でもスキルを作れる方法として紹介されています。自分の仕事の進め方をふつうの言葉で説明すると、Claudeが形式を整えてスキルにしてくれます。

Claudeは、スキル作成を手伝う「skill-creator」というスキルを読み込みながら作業します。うまく進まないときは、「カスタマイズ」→「スキル」でskill-creatorがオンになっているか確認してください。

  1. 新しい会話で目的を伝える「四半期の業績報告のスキルを作りたい」「お客様アンケートを分析するスキルがほしい」のように伝えます。
  2. 手元の資料を渡すいつも使っているテンプレート、よくできた過去の資料、表記ルールなどがあればアップロードします。何を渡せばよいか分からなければ、Claudeに聞いてもかまいません。
  3. Claudeの質問に答える「どんなときにこのスキルを使いますか」「どんな仕上がりなら合格ですか」といった質問が来ます。仕事を知らない人でも同じようにできるくらい、具体的に答えるのがコツです。
  4. Claudeがスキルを作るClaudeがSKILL.mdを書き、渡した資料を整理し、必要ならプログラムも用意して、スキルのファイルにまとめます。
  5. 保存して有効にするできたスキルを保存し、スキルの一覧でオンになっているか確かめます。
  6. 試して直すスキルを使うはずの依頼をいくつか試し、思いどおりに動くか確かめます。違うところがあれば「この部分をこう直して」とClaudeに頼み、くり返し調整します。

チャットでスキルを直すときは、会話の横に開いたスキルのファイルで直したい部分を選び、「Edit with Claude」を押して修正内容を書くこともできます。複数のファイルがあるスキルなら、それぞれのファイルに修正の依頼を残してまとめて送ると、Claudeが一度に反映してくれます。

SKILL.mdを自分で書く

中身を細かく決めたい場合は、自分でファイルを書いて作ります。1つのフォルダを作り、その中にSKILL.mdを置くのが基本の形です。SKILL.mdは、上の部分に「---」で囲んだ設定(名前と説明文)を書き、その下に手順や決まりごとを書きます。

項目必須か書く内容
name(名前)必須スキルの名前。ヘルプセンターでは64文字まで。フォルダ名と同じにする
description(説明文)必須何をするスキルか、いつ使うか。Claudeはこれを見て使うかどうかを決める。ヘルプセンターでは200文字まで
dependencies任意スキルが使うソフトウェアのパッケージ(プログラムを入れる場合)
本文-手順、決まりごと、例、付属ファイルの説明

名前は、英小文字・数字・ハイフンだけで書いておくのが確実です。開発者向けドキュメントではこの形式が求められており、「anthropic」「claude」という言葉は名前に使えないとされています。説明文と本文は日本語で書いてかまいません(日本語で書くことについて、公式に特別な注意書きはありません)。

たとえば、議事録を社内の型に整えるスキルなら、SKILL.mdは次のような内容になります。

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name: meeting-minutes
description: 会議のメモや文字起こしを、社内の議事録の型に整える。議事録の作成・整理を頼まれたときに使う。
---
## 議事録の型
1. 会議名・日時・場所・参加者
2. 決まったこと(箇条書き)
3. 宿題(担当者・期限をつけて表にする)
4. 次回の予定
## 書き方のルール
・です・ます調で書く
・発言者の名前は姓だけにする
・決まっていないことは「決定事項」に入れず「継続検討」に分ける
## 見本
良い例は examples.md を参照する

説明文には、何をするスキルかと、どんな頼み方のときに使うかを両方書くのがポイントです。Claudeは説明文を見て使うかどうかを決めるので、ここがあいまいだとスキルが使われません。

名前のつけ方

スキルの名前は、何の仕事のスキルかがひと目で分かるものにします。「helper」「my-skill」のような名前では、あとから一覧を見たときに中身が分かりません。「quote-maker(見積書)」「meeting-minutes(議事録)」のように、仕事の内容を表す英単語をハイフンでつなぐと分かりやすくなります。

社内で多くのスキルを共有する場合は、「sales-quote」「soumu-notice」のように部署名を頭につけるなど、名前のつけ方のルールを決めておくと、一覧で探しやすくなります。フォルダ名とスキルの名前は同じにそろえておきましょう。

説明文の書き方

スキルがうまく使われるかどうかは、説明文でほぼ決まります。開発者向けドキュメントでも、説明文には「何をするか」と「いつ使うか」の両方を書く必要があるとしています。良い例と悪い例を比べてみましょう。

分かりにくい説明文分かりやすい説明文
議事録用会議のメモや文字起こしを、社内の議事録の型に整える。議事録の作成・整理を頼まれたときに使う
見積もりのスキル自社の見積書のExcelテンプレートと単価表を使って見積書を作る。見積書・見積もりの作成を頼まれたときに使う
文章チェック自社サイトの記事を、表記ルールと使わない表現の一覧で確認し、直す箇所を一覧にする。記事の校正やチェックを頼まれたときに使う

説明文には、社内で実際に使われている言い方を入れておくのがコツです。「見積もり」「見積書」「御見積」のように言い方が何通りかある場合は、よく使うものを入れておくと、どの言い方で頼んでもスキルが選ばれやすくなります。

本文の書き方

本文は、その仕事を知らない人が読んでも同じように作業できるくらい、具体的に書きます。「きれいにまとめる」「分かりやすく書く」のようなあいまいな言葉より、「見出しは4つまで」「1文は60字以内」「金額は税込で3桁ごとにカンマを入れる」のように、確かめられる形で書く方がClaudeも迷いません。

また、良い仕上がりの見本を入れておくと、Claudeが「何をもって完成とするか」をつかみやすくなります。見本が長い場合は、本文には入れずに別のファイルにし、本文で「見本は examples.md を参照する」と書いておきましょう。

付属のファイルを入れる

1つのSKILL.mdに書ききれない情報は、同じフォルダに別のファイルとして入れられます。たとえば、特定の場面でしか使わない詳しいルールをREFERENCE.mdに分け、SKILL.mdの中で「〇〇の場合はREFERENCE.mdを参照する」と書いておくと、Claudeは必要なときだけそのファイルを開きます。

Claude Academyのチュートリアルでは、スキルに入れられる資料の例として、次のようなものが挙げられています。

  • ブランドの素材:フォント、ロゴ、色の一覧、デザインのテンプレート
  • 参考文書:社内規程、業務の手順書、データベースの構成表
  • テンプレート:計算式入りの表計算ファイル、スライドのレイアウト、文書のスタイル
  • データ:一覧表のCSV、設定ファイル、価格のデータ
  • メディア:画像、音声、動画

会話でスキルを作る場合は、こうした資料をアップロードしておけば、SKILL.mdに書き込むか別のファイルとして入れるかを、Claudeが判断して整理します。

プログラムを入れる場合、公式ヘルプによると、Claudeのアプリではスキルを読み込むときに一般的なパッケージを自動でインストールできます。ただし、外部のパッケージを使うスキルは、何をインストールするのかを確かめてから使いましょう。

ZIPにしてアップロードする

自分で書いたスキルは、フォルダごとZIPファイルに圧縮してアップロードします。

  1. フォルダ名をそろえるフォルダ名とスキルの名前(name)を同じにします。
  2. ZIPにするフォルダごと圧縮します。ZIPを開いたときに、いちばん上にスキルのフォルダがある形にします(ファイルがZIPの直下に散らばっている形は誤り)。
  3. アップロードする「カスタマイズ」→「スキル」の「+」ボタンから「Create skill」→「Upload a skill」を選び、ZIPファイルをアップロードします。
  4. オンにして試すスキルの一覧に追加されたらオンにし、いくつかの依頼で試します。

アップロードに失敗する主な原因として、公式ヘルプでは、ZIPファイルが大きすぎる、フォルダ名とスキルの名前が合っていない、SKILL.mdがない、名前や説明文に使えない文字が入っている、の4つが挙げられています。

作ったスキルを試す

公式ヘルプでは、アップロードの前と後に、次のような確認をすすめています。

  • アップロードの前:SKILL.mdが分かりやすく書けているか、説明文がいつ使うかを正しく表しているか、本文で触れているファイルがすべてそろっているか
  • アップロードの後:スキルをオンにし、スキルが使われるはずの依頼を何通りか試す。Claudeの考えている過程を見て、スキルが読み込まれたかを確かめる
  • 使われないときは、説明文を直してもう一度試す

試すときは、ふだん社内で使っている言い方で頼んでみるのがポイントです。作った本人だけでなく、実際に使う予定の同僚にも試してもらうと、思っていなかった頼み方で使われないことなどに気づけます。

画面を録画して作る

Mac版のClaudeアプリのCoworkでは、自分が作業する様子を録画して、そこからスキルを作ってもらうこともできます。Pro・Max・Teamで使え、チャット画面、Windows、Free・Enterpriseでは使えません。

入力欄の「+」から「Record a skill」を選ぶか、「カスタマイズ」→「スキル」の「Add」から「Record your screen」を選んで録画を始めます。いつもどおりに作業し、終わったら「Done」を押すと、Claudeが録画を見てスキルの案を出します。内容を確認して「Save」を押せば保存されます。録画の内容がすでにあるスキルと重なる場合は、新しいスキルではなく、そのスキルの更新案が出てきます。その場合は「Update」を押すと変更が反映されます。録画は約10分まで、話しながら作業すると、画面だけでは分からない判断の理由もClaudeに伝わります。

録画中は画面と音声がすべて記録されるので、パスワードを入力したり、見られたくない情報を表示したりしないよう注意してください。公式ヘルプによると、録画の映像と音声は保存されず、あとに残るのは作業の画面写真だけです。

社内のマニュアルからスキルを作る

すでに社内に業務マニュアルや手順書がある場合は、それをもとにスキルを作ると早く進みます。ただし、人向けのマニュアルをそのまま入れるだけでは、うまく動かないことがあります。次の点を見直しておきましょう。

  • 「いつものように」「前回と同じく」など、社内の人にしか分からない書き方を、具体的な手順に直す
  • システムの画面操作など、Claudeが行わない手順は省き、Claudeがやることだけを残す
  • 例外のときの扱い(情報が足りない、ルールに当てはまらない)を書き足す
  • 古くなった情報(使っていない書式、改定前の規程)を入れない

会話でスキルを作る場合は、マニュアルのファイルをアップロードして「このマニュアルをもとに、Claudeが使うスキルにして。分かりにくいところは質問して」と頼むと、Claudeが足りない点を聞きながら形にしてくれます。

使いながら直していく

スキルは、一度作ったら終わりではありません。使っているうちに「この場合の扱いが書かれていない」「この言い回しは変えたい」といった点が出てきます。そのたびにスキルを直すと、仕上がりが少しずつ自社のやり方に近づいていきます。

直したい点は、気づいたときにメモしておき、ある程度たまったらまとめて直すと効率的です。社内で共有しているスキルの場合は、誰が直すかを決めておかないと、それぞれが別々にコピーを作って直し始め、どれが最新か分からなくなります。スキルごとに担当者を決めておきましょう。

うまく作るコツ

公式ヘルプのおすすめをもとに、スキル作りのコツをまとめます。

  • 1つのスキルには1つの仕事だけを入れる。小さなスキルを組み合わせる方がうまく動く
  • 説明文には、いつ使うのかを具体的に書く
  • まずは文章の指示だけで作り、必要になってからプログラムを足す
  • 良い仕上がりの例(入力と出力の見本)を入れる
  • 大きく変えたら、そのたびに試す

パスワードやAPIキーをスキルに書かない

公式ヘルプでは、APIキーやパスワードなどの機密情報をスキルに直接書かないよう注意しています。スキルは共有したりダウンロードしたりできるファイルです。外部のサービスにつなぐ必要があるときは、スキルに書かずにコネクタ(MCP)を使いましょう。

業務での活用例

小さな事務所で、社員がノートPCを見せながら上司に完成した書類を説明している場面

スキルは、ふだん新人に教えていることや、くり返し同じ説明をしていることから作ると効果が分かりやすくなります。部署ごとの例を紹介します。

営業:見積書・提案書を自社の書式で作る

見積書のExcelテンプレート、商品ごとの単価表、値引きのルール、送付のときの文面をスキルにまとめます。「A社向けに、商品Bを30個、来月納品で見積書を作って」と頼むだけで、自社の書式どおりの見積書と送付メールの下書きができます。提案書なら、構成(課題・提案内容・費用・スケジュール)と、過去のよくできた提案書を見本として入れておくと、たたき台を作る時間を短くできます。

総務:社内文書・お知らせの言い回しをそろえる

社内のお知らせ、規程の改定の案内、行事の案内など、総務が作る文書は形が決まっているものが多くあります。文書の種類ごとの構成、言葉づかい、日付や金額の書き方をスキルにしておくと、誰が作っても同じ調子の文書になります。

経理:月次の集計表を同じ形で作る

会計ソフトから書き出したCSVを、決まった形の集計表にまとめる作業は、スキルとスクリプトの組み合わせに向いています。勘定科目のまとめ方、前月比の計算方法、表の体裁をスキルに入れておけば、毎月同じ手順で表ができます。最後の数字の確認は、必ず担当者が行いましょう。

Web担当:ブログ記事の表記ルールを守らせる

自社サイトのブログ記事やお知らせを書くとき、表記のルール(「ください」と「下さい」の使い分け、数字の全角・半角など)、使わない表現、見出しの付け方をスキルにまとめます。下書きを作るときにも、できた原稿を確認するときにも同じルールが使われるので、表記のばらつきが減ります。

確認を頼むときは、「この原稿を表記ルールでチェックして、直す箇所を『元の文・直した文・理由』の表で出して。原稿そのものは書き換えないで」のように、結果の形まで指定しておくと、どこを直すかを人が判断しやすくなります。この結果の形自体をスキルに書いておけば、毎回指定する必要もありません。

管理部門:契約書の一次チェック

自社の契約書のひな形と、確認するときのチェック項目(支払条件、損害賠償の範囲、契約期間と自動更新、解約の条件など)をスキルにしておくと、取引先から届いた契約書を、自社の基準と比べて気になる箇所を洗い出す作業を任せられます。Claude Academyでも、契約書を標準的な条件と比べて、リスクのある条項を見つけるスキルが例として挙げられています。ただし、法的な判断は必ず担当者や専門家が行い、Claudeの結果は確認の手がかりとして使いましょう。

人事・採用:求人票や面接の案内をそろえる

求人票の構成、仕事内容の書き方、応募者への連絡メール(書類選考の結果、面接日程の案内など)の型をスキルにしておくと、採用の担当者が変わっても、応募者に届く文面の調子をそろえられます。応募者の個人情報は、スキルの中には入れないようにしましょう。

顧客対応:問い合わせへの返信の下書き

よくある問い合わせと答え方、返信メールの型、言ってはいけない表現(できない約束や、確定していない納期など)をスキルにしておくと、返信の下書きを同じ品質で作れます。送信する前には、担当者が内容を確かめる流れにしておきます。

部署スキル名の例入れるもの頼み方の例
営業quote-maker見積書のテンプレート、単価表、値引きのルールA社向けに商品Bを30個で見積書を作って
総務notice-writerお知らせの型、言葉づかいのルール来月の健康診断のお知らせを作って
経理monthly-report集計の手順、集計用スクリプト、表の型このCSVから9月の月次集計表を作って
Web担当blog-style-check表記ルール、使わない表現の一覧この記事の原稿を表記ルールでチェックして
顧客対応reply-draftよくある質問と答え方、返信の型この問い合わせへの返信の下書きを作って

スキルを用意したあとの依頼文は、短くて済みます。たとえば総務のお知らせのスキルがあれば、次のように頼むだけで、社内の型に沿った文書ができあがります。

来月の健康診断のお知らせを作ってください。
・日にち:11月12日と13日(どちらか選択)
・場所:本社3階の会議室
・申込の締切:10月31日

文書の構成、あいさつの書き方、日付の書き方、問い合わせ先の載せ方などはスキルに書いてあるので、依頼文には「その回だけの情報」を書けば十分です。

スキルの材料は、すでに社内にあることがほとんどです。新人向けのマニュアル、チェックリスト、過去のよくできた資料を集めて、Claudeとの会話でスキルにしてもらうところから始めると、短い時間で形にできます。

見積書のスキルの中身の例

営業の見積書のスキルを例に、SKILL.mdの本文に何を書けばよいかを具体的に見てみましょう。

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name: quote-maker
description: 自社の見積書テンプレートと単価表で見積書を作る。見積書・見積もり・御見積の作成を頼まれたときに使う。
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## 手順
1. 宛先の会社名、商品、数量、納期を確認する。足りない情報があれば作成前に質問する
2. price-list.csv から単価を読み、template.xlsx に記入する
3. 小計・消費税・合計は、テンプレートの計算式をそのまま使う
4. 有効期限は発行日から30日後にする
5. 送付メールの下書きも作る
## 決まりごと
・値引きは rules.md の範囲内だけ。範囲を超える場合は記入せず、担当者に確認するようメモを残す
・単価表にない商品は空欄にし、作成後にその旨を伝える

「足りない情報があれば質問する」「範囲を超える場合は記入しない」のように、迷ったときにどうするかまで書いておくと、Claudeが勝手に数字を補って間違える、といったことを防げます。この例の有効期限や値引きのルールは一例なので、自社の決まりに合わせて書き換えてください。

スキルにしない方がよい仕事

反対に、次のような仕事はスキルにしても効果が出にくいか、スキルにすること自体に注意が必要です。

  • 担当者ごとに判断が大きく違い、手順として書き出せない仕事
  • 年に一度しか行わない、毎回条件が大きく変わる仕事
  • スキルの中に個人情報や機密情報を書き込まないと成り立たない仕事
  • 最終的な判断に責任が伴う仕事(採否の決定、法的な判断など)を、確認なしに任せる使い方

判断が必要な仕事でも、「判断の材料をそろえる」「確認すべき点を洗い出す」ところまでならスキルにできます。どこまでをClaudeに任せ、どこから人が判断するかを、スキルの本文に書いておきましょう。

効果を確かめる

スキルを使い始めたら、効果があったかを簡単に確かめておくと、次にどの仕事をスキルにするかを決めやすくなります。難しい計測は必要ありません。たとえば次のような点を、スキルを使う前と後で比べてみましょう。

  • 1件の資料ができあがるまでにかかった時間
  • Claudeの仕上がりを直した回数や箇所
  • 上司や同僚から書式について指摘された回数
  • 担当者以外の人が同じ仕事をできるようになったか

効果が見えにくい場合は、スキルの対象が広すぎるか、説明文があいまいでスキルが使われていないことがよくあります。対象を絞る、説明文を直す、といった見直しをしてみてください。

社内でスキルを増やしていく進め方

社内でスキルを使い始めるときは、次の順番で進めると無理がありません。

  1. くり返している説明を洗い出す各部署で「Claudeに毎回同じことを説明している仕事」「新人に毎回同じことを教えている仕事」を書き出してもらいます。
  2. 1つ選ぶ回数が多く、手順がはっきりしていて、間違えても大きな問題にならない仕事を1つ選びます。
  3. 材料を集めて作るマニュアル、テンプレート、よくできた過去の資料を集め、Claudeとの会話でスキルにします。
  4. 担当者が試す実際の仕事で数回使い、仕上がりを直してほしい点をスキルに反映します。
  5. 共有するうまく動くようになったら、同じ仕事をする同僚に共有するか、組織に公開します。

最初は「よくくり返す説明」を1つだけスキルにする

はじめから多くのスキルを作ろうとすると、どれも中途半端になりがちです。まずは「毎回同じことを説明している」と感じる仕事を1つ選んでスキルにし、何度か使って直してみましょう。うまくいったら、同じやり方で2つ目、3つ目と増やしていくのが確実です。

社内での共有・安全な使い方

会議室で管理担当がノートPCを見ながら、同僚にスキルの共有の設定を説明している場面

TeamとEnterpriseでは、作ったスキルを社内で共有したり、組織全体に配ったりできます。便利な反面、スキルは「Claudeに新しい能力を与えるもの」なので、扱いには注意も必要です。ここでは共有の方法と、安全に使うための決めごとをまとめます。

特定の人やグループに共有する

自分で作ったスキルは、同僚に共有できます。「カスタマイズ」→「スキル」で共有したいスキルの「…」を押し、「Share」を選んで、相手の名前かメールアドレスを入力します。Enterpriseでは、組織で用意したグループ単位でも共有できます。

共有されたスキルは、受け取った人のスキルの一覧の「Shared with you」に、オフの状態で表示されます。受け取った人は使うことはできますが、中身を編集することはできません。作った人がスキルを更新すると、受け取った人も次に使うときから自動で新しい版になります。共有はいつでも取り消せ、相手が組織を離れると自動で外れます。共有はチャットとCoworkの両方で使えます。

自分で追加したスキルは、共有するまで同僚からは見えません。管理者もスキルの名前と共有の状態は確認できますが、ファイルの中身は見えないと公式ヘルプに書かれています。

組織のライブラリに公開する

特定の人だけでなく、社内の誰でもインストールできるようにしたい場合は、組織のライブラリに公開します。スキルを開いて「Publish to org」を押すと、公開の手続きが始まります。公開すると、スキルは作った人の手を離れて組織のものになり、作った人が退職してもライブラリに残ります。

組織が確認を必要とする設定の場合は、公開を申請するときに、スキルをどう提供したいか(Available to install=インストールできる、Installed by default=最初からインストール済み、Required=必須)を選び、確認する人へのメモを添えて送ります。申請の状態は「pending(確認待ち)」「changes requested(修正の依頼)」「published(公開済み)」で表示され、承認されるとメールで知らせが届きます。確認を待つ間も、自分のスキルは使ったり直したりできます。

公開したスキルを更新するときは、もう一度公開の手続きをします。新しい版が承認されるまで、利用者は承認済みの版を使い続けます。

公開のルールは、オーナーが「組織設定」→「プラグインとスキル」の「ポリシー」タブの「Publishing」で選びます。

設定動き方
Requires review(レビューが必要)メンバーが申請し、オーナーなどが内容を確認して承認すると公開される。更新のたびに同じ確認が入る
Open(公開)確認なしで、すぐに組織のライブラリに公開される
Off(オフ)メンバーは公開できない。オーナーは直接追加できる

初期設定は、Teamでは「Open」、Enterpriseでは「Off」です(以前の設定によって異なる場合があります)。公式ヘルプによると、設定を選んでいない組織は、2026年10月2日に「Requires review」に切り替わるとされています。Teamで「Open」のままだと、誰かが公開したスキルが確認なしで全員に届くので、自社に合った設定になっているかを一度確かめておきましょう。

管理者が全員に配る

オーナーは、「組織設定」→「プラグインとスキル」の「Add」から、スキルをアップロードまたは作成して、組織の全員に配れます。配ったスキルはすぐに全員のスキルの一覧に表示され、初期状態でオンになります(各自でオフにはできます)。社内で必ず使ってほしい書式やルールのスキルは、この方法で配るのが確実です。

オーナーなどが公開の申請を確認するときは、「組織設定」→「プラグインとスキル」の「Requests」タブを開きます。申請ごとに、提供のしかた、セキュリティの検査結果(Enterpriseで検査を有効にしている場合)、すべてのファイル、更新の場合は前の版からの変更点が表示されます。似たスキルがすでにある場合は「Possible duplicate」という目印も出ます。内容を確認して、全員に配るか特定のグループに配るかを決めて承認するか、修正を依頼します。自分の申請を自分で承認することはできません。

組織のスキルは「Inventory」タブで一覧でき(「Source」を「Your organization」にすると自社のものだけに絞れます)、版の履歴の確認、提供のしかたの変更、ライブラリからの削除ができます。削除できるのはオーナーだけで、メンバーは配られたスキルを自分の一覧でオフにすることだけができます。

Enterpriseでは、複数のスキルをプラグインにまとめてグループに割り当てると、そのグループのメンバーだけに配ることもできます。たとえばマーケティング部向けのスキルを10個まとめて、マーケティング部のグループにだけ配る、という使い方です。

作れない・共有できないとき

TeamやEnterpriseでスキルの操作ができない場合は、組織の設定が原因のことが多くあります。公式ヘルプに沿って、よくある原因をまとめました。

症状考えられる原因
スキルを作る・アップロードする項目がないオーナーが「User-created skills」をオフにしている。Enterpriseのカスタムの役割で、スキルを作る権限がない
「Share」ボタンが出ない組織で共有のスイッチがオフになっている。Enterpriseのカスタムの役割で、共有の権限がない
「Publish to org」ボタンが出ない組織の公開の設定がオフ。または、自分で作ったスキルではない(共有されたもの、Anthropicのもの、組織から入れたものは公開できない)
共有したいグループが出てこないそのグループで、共有を受け付ける設定がオンになっていない
スキルがグレーになっている組織または個人の設定で、コード実行がオフになっている

どの場合も、メンバーが自分で直すことはできないので、組織のオーナーに確認してもらいましょう。なお、医療情報向けの設定(HIPAA)などを使っている組織では、スキルとスキルの共有が初期状態でオフになっていて、管理者が有効にする必要があります。

Claude Codeとのつながり

Claudeの設定で有効にしたスキル(自分で作ったもの、組織で配られたものを含む)は、同じアカウントでログインしたClaude Codeにも読み込まれます。ターミナルで使うClaude Codeの場合はバージョン2.1.273以降が必要で、/skillsと入力すると「claude.ai sync」の下に一覧が表示されます。

スキルはClaude Codeの作業を始めたときに同期され、その後も約10分ごとに変更がないか確認されます。この同期は一方向で、Claude Code側でスキルを書き換えても、Claudeのアカウントには反映されません。同期を止めたい場合は、Claude Codeの設定でsyncClaudeAiSkillsをfalseにします。組織で止めたい場合は、管理用の設定で同じ項目を指定できます。APIキーでログインしている場合や、Amazon Bedrockなどのクラウドサービス経由で使っている場合は同期されません。Claude Codeで作るスキルの置き場所や書き方は、Claude Code向けの記事で詳しく解説しています。

あわせて読みたいClaude Code Skillsとは?作り方・使い方と、業務で役立つ例を解説Claude Code Skills(スキル)は、よく使う手順や決まりごとをSKILL.mdにまとめ、Claudeに必要なときだけ読み込ませる仕組みです。CLAUDE.mdとの違い、最初のスキルの作り方、置き場所、設定項目、チームでの共有方法、うまく動かないときの直し方、安全に使う注意点まで、2026年10月時点の公式ドキュメントをもとに解説します。
できることFree・Pro・MaxTeamEnterprise
見本のスキルを使う・自分のスキルを追加する○○○
特定の人に共有する-○○
グループに共有する--○
組織のライブラリに公開する-○○
オーナーが全員に配る-○○
スキルの中身の自動スキャン--○

信頼できる配布元のスキルだけ入れる

スキルは、指示やプログラムでClaudeに新しい能力を与えます。裏を返せば、悪意のあるスキルは、説明とは違う動きをClaudeにさせることもできるということです。開発者向けドキュメントでは、自分で作ったものか、Anthropicから入手したものなど、信頼できる配布元のスキルだけを使うよう強くすすめています。

公式ヘルプでは、スキルを使うときの主な危険として、Claudeを操って意図しない操作をさせる「プロンプトインジェクション」と、悪意のあるプログラムなどによる「データの持ち出し」を挙げています。同僚から共有されたものも含め、信頼しきれない配布元のスキルは、有効にする前に中身を確かめるよう案内されています。確かめるときのポイントは次のとおりです。

  • SKILL.mdと付属のファイルをすべて読み、何をするスキルかを理解する
  • プログラムが含まれていないか、何をインストールしようとしているか
  • 外部のサイトやサービスに接続するよう指示していないか
  • 説明文と中身が食い違っていないか

同僚から共有されたスキルは、オフの状態で届きます。オンにする前に、スキルを開いて中身と説明文を読み、自分の仕事に合っているか、知らないプログラムや外部への接続の指示が入っていないかを確かめましょう。共有されたスキルは編集できないので、自分用に変えたい場合は、作った人に修正を頼みます。

また公式ヘルプでは、スキルの中に外部のソフトウェアのパッケージが含まれていたり、Claudeにパッケージをインストールさせる指示が書かれていたりする場合があると注意しています。スキルはClaudeがプログラムを動かす環境の中で使われるので、何をインストールし、何を実行するスキルなのかを知らないまま有効にしないことが大切です。

インターネット上には、スキルを集めて配布しているサイトもあります。便利な見本が見つかることもありますが、中身を確かめずにそのまま入れるのは避けましょう。参考にする場合も、中身を読んで自社用に書き直してから使うのが安全です。

組織で決めておくこと

社内でスキルを使い始める前に、オーナーと担当者で次の点を決めておくと安心です。

  • 誰がスキルを作ってよいか:オーナーは「User-created skills」をオフにして、メンバーが自分でスキルを作れないようにできる。この場合も、配られたスキルとAnthropicのスキルは使える
  • 公開に確認を入れるか:「Requires review」にして、オーナーが中身を確認してから公開する
  • 共有を許すか:「Skill sharing」「Share with groups」のスイッチで、メンバー同士の共有を許すかを決める
  • 外部のスキルの扱い:インターネットで見つけたスキルを入れてよいか、入れる前に誰が確認するか

決めたことは、生成AIの社内ルールに書き加えておくと、社員が迷わずに済みます。スキルについて書いておきたい項目の例をまとめました。

項目書き方の例
作ってよい人全員が個人用に作ってよい。社内に公開するものは各部署の担当者が申請する
入れてはいけない情報パスワード、APIキー、顧客の個人情報、未公開の決算情報
外部のスキルインターネットで見つけたスキルは入れない。参考にする場合は中身を読んで書き直す
公開前の確認作った人以外の1人が中身を読み、問題がなければ申請する
担当者と見直しスキルごとに担当者を決め、半年に1回、内容が古くなっていないか確認する

スキルの共有の記録は、監査ログに残ります。誰が、誰に、どのスキルを共有したかは確認できますが、スキルの中身までは記録されません。

Enterpriseの中身のスキャン

Enterpriseプランでは、メンバーがアップロードしたり編集したりした外部のスキルとプラグインを、使う前に自動で検査する機能があります。検査の結果、問題がなければふつうに使え、危険の可能性があるものは注意書きを確認したうえで使え、悪意のある内容が見つかったものはブロックされます。公式ヘルプによると、この機能は2026年10月2日から、設定を選んでいないEnterpriseの組織では使える範囲で初期状態オンになりました。

なお、データを保存しない契約(ZDR)や、医療情報向けの設定(HIPAA)などを使っている組織では、スキャンが使えないなどの制限があります。また、スキル機能はZDRの対象外と開発者向けドキュメントに明記されています。

スキルを入れるのは「ソフトを入れる」のと同じ

スキルは、パソコンにソフトをインストールするのと同じように扱いましょう。とくに顧客情報や売上データなど、業務のデータに触れるスキルは慎重に選び、中身を確かめてから有効にしてください。社内で配るスキルは、作った人以外の人が中身を確認してから公開する流れにしておくと安心です。

あわせて読みたい生成AIの社内ルールの作り方|決める項目と文例、運用のコツを公的資料から解説生成AIの社内ルールに入れる項目(目的・使えるサービス・入力してよい情報・出力の確認・相談窓口)と、作り方の手順、文例、運用のコツを、AI事業者ガイドラインや個人情報保護委員会の注意喚起など公的資料に沿って解説します。

よくある質問

無料プランでもスキルは使えますか?

使えます。公式ヘルプでは、スキルはFree・Pro・Max・Team・Enterpriseのすべてのプランで使えると案内されています。ただし、設定の「機能」で「コード実行とファイル作成」をオンにしておく必要があります。チームでの共有や組織への配布は、TeamとEnterpriseの機能です。

スキルとプロジェクトは、どちらを使えばいいですか?

特定の案件や取り組みの資料をまとめて参照させたいならプロジェクト、仕事のやり方や決まりごとをいろいろな会話で使い回したいならスキルが向いています。同じ指示を複数のプロジェクトにコピーしているなら、その指示はスキルにするとよいでしょう。両方を組み合わせて使うこともできます。

プログラミングができなくてもスキルは作れますか?

作れます。Claudeとの会話で、自分の仕事の進め方を説明すると、Claudeがスキルの形に整えてくれます。計算などの処理が必要な場合も、Claudeがプログラムを用意します。Mac版のCoworkでは、作業を録画してスキルを作ってもらう方法もあります。

作ったスキルを社員に配れますか?

TeamとEnterpriseなら配れます。特定の人に共有する、組織のライブラリに公開する、オーナーが全員に配る、の3つの方法があります。Enterpriseでは、グループ単位で共有したり配ったりすることもできます。Free・Pro・Maxでは、スキルは自分のアカウントだけで使います。

Claude Codeのスキルと同じものですか?

形式は同じで、どちらもSKILL.mdを中心にしたフォルダです。Claudeの設定で有効にしたスキルは、同じアカウントでログインしたClaude Codeにも読み込まれます。一方、Claude Codeでパソコンの中に作ったスキルは、Claudeのチャット画面には自動では入りません。置き場所と共有のしかたが違う点に注意してください。

スキルはいくつまで入れられますか?

ヘルプセンターには、チャット画面で使えるスキルの数の上限は書かれていません。ふだんは名前と説明文だけが読み込まれる仕組みなので、仕事ごとに分けて複数のスキルを入れておいても、会話が重くなりにくいとされています。ただし、使わないスキルはオフにしておくと、似た説明文のスキルどうしで取り違えが起きにくくなります。

共有したスキルを直したら、相手にも反映されますか?

反映されます。共有したスキルを更新すると、受け取った人は次に使うときから自動で新しい版を使います。組織のライブラリに公開したスキルは、更新をもう一度公開の手続きに通し、承認されると利用者に届きます。

自分で作ったスキルの中身は、同僚や管理者に見られますか?

自分で追加したスキルは、共有するまで同僚には見えません。TeamやEnterpriseの管理者は、スキルの名前と共有の状態は確認できますが、ファイルの中身は見えないと公式ヘルプに書かれています。共有したり組織に公開したりすると、相手はスキルの中身を確認できるようになります。

スキルを使うのに、Claude Codeは必要ですか?

必要ありません。チャット画面(Web版・デスクトップアプリ)やCoworkだけで、スキルを有効にしたり、会話で作ったり、ZIPでアップロードしたりできます。Claude Codeは、プログラミングの作業でもスキルを使いたい場合や、パソコンの中でスキルのファイルを管理したい場合に使います。

Windowsでも使えますか?

スキルを有効にして使うことや、ZIPでアップロードすることは、Web版やデスクトップアプリから行えます。ただし、作業を録画してスキルを作る機能は、Mac版のClaudeアプリのCoworkでだけ使え、Windowsでは使えないと案内されています。

スキルを使うと、使用量は増えますか?

スキルを使うときは、本文や付属のファイルを読み込むぶんの処理が加わります。一方で、ふだんは名前と説明文だけが読み込まれる仕組みなので、使っていないスキルが大きな負担になることはないとされています。チャット画面でどれだけ使用量が増えるかの具体的な数字は、公式には案内されていません。

ネットで配られているスキルは安全ですか?

安全かどうかは、中身を確かめないと判断できません。公式では、自分で作ったものか、Anthropicから入手したものなど、信頼できる配布元のスキルだけを使うようすすめています。使う場合は、すべてのファイルを読み、プログラムや外部への接続の指示がないかを確かめてからにしてください。

まとめ

この記事のまとめ

  • Claude Skillsは、仕事の手順や決まりごとをフォルダにまとめ、Claudeに必要なときだけ読み込ませる仕組み
  • プロジェクトは背景知識、コネクタはデータへの接続、スキルは仕事のやり方。組み合わせて使う
  • すべてのプランで使える。「コード実行とファイル作成」をオンにし、「カスタマイズ」→「スキル」で有効にする
  • 会話で作る、SKILL.mdを書いてZIPでアップロードする、Mac版Coworkで録画して作る、の方法がある
  • TeamとEnterpriseでは共有・公開・全員への配布ができる。信頼できる配布元のスキルだけを、中身を確かめてから使う

スキルを使うと、Claudeを「その都度説明する道具」から「社内のやり方を覚えた同僚」に近づけられます。まずは毎回同じ説明をしている仕事を1つ選び、会話でスキルを作ってみてください。

どの仕事をスキルにするか、社内でどう共有して管理するかを決めるには、業務の整理も必要になります。INTERCREATE JAPANでは、Claudeの導入から、社内用のスキルづくり、安全に使い続けるためのルールづくりまでをお手伝いしています。

この記事を書いた人

INTERCREATE JAPAN 編集部

Web制作、業務システムの開発、Claude Code・Codex の導入支援を行う INTERCREATE JAPAN の編集部です。実際の制作や導入の現場で確かめた手順をもとに、AIツールの使い方やホームページの運用について解説しています。

参考・出典