ChatGPTの広告はどう選ばれる?OpenAIが仕組みを公開|使う側・広告を出す側の注意点
この記事でわかること
- OpenAIが公開したChatGPTの広告の仕組みの要点
- 会話の流れから広告が選ばれるまでの手順
- 回答と広告を切り離す作りと、広告が出ない場面
- 日本で無料版・Goを業務に使うときに気をつけること
- 広告を出す会社・自社の商品を知ってもらいたい会社にとっての意味
OpenAIは2026年10月21日(米国時間)、ChatGPTに表示される広告をどのように選んでいるかを、技術者向けの記事で公開しました。
ChatGPTの広告は、無料版と低価格の「Go」プランで表示されているもので、日本でも出ています。
記事によると、広告事業は始めてから約8か月で、年間に換算した売上が10億ドルを超え、10万を超える広告主が出稿しました。
検索サイトの広告は、入力されたキーワードに合わせて出ます。
ChatGPTでは、会話が何往復も続くうちに目的がはっきりしていくため、同じやり方は使えません。
この記事では、公開された仕組みを分かりやすく整理し、ChatGPTを仕事で使う会社と、広告を出す・自社の商品を知ってもらいたい会社のそれぞれにとっての意味をまとめます。
内容は2026年10月26日時点の情報です。
公開された内容

記事は、OpenAIの技術者2人が書いたもので、ChatGPTのために一から作った広告の仕組みを説明しています。
中心にあるのは、広告の仕事のために追加で学習させた専用のAIです。
このAIが会話を読み、広告の候補を探す・順位をつける・合っているかを確かめる・入札で最終的に決める、という作業を、道具を呼び出しながら進めます。
| 項目 | 公式の内容 |
|---|---|
| 公開日 | 2026年10月21日(OpenAIの技術記事) |
| 広告が出るプラン | 無料版とGo。Plus・Pro・Business・Enterprise・Eduには出ない |
| 広告が出ない人 | 18歳未満と判断されたアカウント |
| 提供している国 | 89か国(2026年10月21日の発表時点。日本を含む) |
| 規模 | 年間に換算した売上が10億ドル超、広告主は10万超 |
| 作り方 | 開発にはOpenAIのCodexを全面的に使ったと説明 |
記事の後半では、1年前には広告の仕組みがまったくなく、少人数で考え始めたところから、Codexを使って短い期間で作り上げたことも紹介されています。
AIに開発を任せる体制を最初から組み、安全に出すための決まりも用意したとしています。
広告が選ばれるまで

記事では、マラソンの練習について質問した人が、何往復かあとに靴の相談を始める例が挙げられています。
最初の質問だけで広告を選ぶと、本当に知りたいこととずれてしまいます。
そこでChatGPTの広告は、会話のあいだ情報を覚えておき、目的がはっきりしてから広告を選ぶ作りになっています。
| 段階 | していること(公式の説明より) |
|---|---|
| 1. 意図を読む | 会話を短い文にまとめ、買い物に関係する目的を取り出す。旅行の相談なら「移動」「宿」「遊び」のように、目的を分けて扱う |
| 2. 候補を広く集める | まとめた目的に意味が近い広告を、たくさんの中からすばやく集める |
| 3. 条件で絞る | 配信中か、地域の指定、広告の規約、予算の残り、1日の中での使い方、会話との相性、同じ広告主が出すぎないか、を確かめる |
| 4. 点数をつける | 会話との関係の深さ、見られ・押されそうか、これまでの成果で順位をつける |
| 5. 入札で決める | 関係の深さと価値が一定を超えた候補だけが入札に進み、質を加味した順位と価格で最終的に決まる |
| 6. 表示するか決める | 会話の流れにそぐわない広告は止める。ChatGPTの回答に間に合わなければ表示しない |
広告は、回答の下に「スポンサー」と分かる形で表示されます。
広告と一緒に、その広告が会話とどう関係するかを短く説明する前置きの文も付きます。
この前置きは、広告主の文とは分けて作られ、ChatGPTの中立な言い方を保つためだと説明されています。
回答と広告は別の仕組み

使う人にとっていちばん気になるのは、広告のせいで回答の中身が変わらないかです。
記事では、広告を選ぶ仕組みは、ChatGPTの回答を作る仕組みとは別のサービス・別のAI・別のプログラムで動いていると説明されています。
広告の仕組みが止まったり遅れたりしても、ChatGPTの回答はふだんどおり出ます。
また、「広告を出さない」ことは、失敗ではなく普通の結果として扱われています。
使う人と広告主の両方にとってはっきり役に立つときだけ広告を出す、というのが記事の説明です。
ヘルプセンターでも、次のような決まりが示されています。
| 決まり | 内容(OpenAIのヘルプセンターより) |
|---|---|
| 回答への影響 | 広告は回答に影響しない。広告主が回答を変えたり順位をつけたりすることはできない |
| 会話の扱い | 会話の内容を広告主と共有しない。データを広告主に売らない。広告主はチャット・履歴・メモリ・個人情報を見られない |
| 出ない話題 | 健康、心の健康、政治などのデリケートな話題の近くには出ない |
| 自分で決められること | 広告のパーソナライズを切る、広告を閉じて意見を送る、表示された理由を見る、広告に使うデータを消す |
| パーソナライズを切ったとき | ほかの会話や広告の履歴は使われなくなるが、いま開いている会話の内容に合わせた広告は出る |
メモリと広告
広告のパーソナライズがオンで、メモリもオンのときは、メモリの内容が広告選びに使われることがあります。
広告を押したり閉じたりしたことは、メモリには残りません。
メモリを使わずに話したいときは「一時チャット」を使う、とヘルプセンターで案内されています。
日本の会社への影響

ここからは当社の見立てです。
まず、ChatGPTを仕事で使う側から考えます。
社員が個人の無料版やGoで仕事の相談をしている場合、その会話の内容に合わせた広告が出ることがあります。
広告主に会話が渡ることはないと公式に書かれていますが、会社の情報を入れる場所として、無料版を使うかどうかは別の問題です。
- 業務で使うなら、広告が出ないBusinessなどの会社向けプランにそろえ、だれがどのプランを使っているかを把握する
- 個人の無料版で仕事をする場合は、取引先名や顧客の情報を入れない、という社内の決まりを先に決めておく
- 広告として表示された商品やサービスは、ChatGPTのおすすめではない。比べるときは公式の情報で確かめる
次に、広告を出す側・自社の商品を知ってもらいたい側から考えます。
OpenAIの広告の申し込みページには日本語の案内があり、日本の会社も広告管理の画面から出稿を始められます。
ChatGPTの広告は、決まったキーワードではなく、相手が何を比べて何に迷っているかという会話の流れで選ばれます。
そのため、広告を出す場合でも出さない場合でも、自社のサイトに「どんな人の、どんな悩みに向いた商品か」「ほかとどう違うか」がはっきり書かれていることが大切になります。
記事でも、広告を選ぶときに、広告の飛び先のページや説明文を手がかりにしていると説明されています。
AIに自社の情報を正しく読み取ってもらうための準備は、AIの検索結果に自社が出るための対策(LLMO)とも重なります。
注意点・未確認のこと

今回の記事は、仕組みの考え方を説明したもので、広告の料金の相場や、日本での配信の細かい条件は書かれていません。
日本で広告を出す場合の費用や、どのくらいの成果が見込めるかは、公式には示されておらず未確認です。
出稿を考えるときは、広告管理の画面と、OpenAIのヘルプセンターの最新の案内で確かめてください。
変わっていく前提で見る
OpenAIは、広告を出す国や表示のしかたは、テストを広げるにつれて変わる可能性があるとしています。
記事でも、今後は広告の形を増やし、広告から直接お店と話せるような形も試すと書かれています。
社内の決まりを作るときは、「無料版とGoには広告が出る」という今の前提を、ときどき見直す必要があります。
また、パーソナライズを切っても、いま開いている会話に合わせた広告は出ます。
「広告が出ないようにしたい」ときは、広告のないプランを使うのが確実です。
18歳未満かどうかは、アカウントの年齢の情報や、使い方からの推定で判断されるため、家族で共有しているアカウントなどでは思わぬ判定になることもあり得ます。
まとめ
この記事のまとめ
- OpenAIが2026年10月21日、ChatGPTの広告を選ぶ仕組みを技術記事で公開した。広告は無料版とGoに出て、日本も対象に含まれる
- 専用のAIが会話の流れから目的を読み、候補集め・絞り込み・点数・入札を経て広告を選ぶ。回答に間に合わなければ出さない
- 広告の仕組みは回答を作る仕組みと別に動き、会話の内容は広告主に渡らない。健康や政治などの話題には出ない
- 仕事で使うなら、広告が出ない会社向けプランにそろえ、無料版に入れてよい情報の決まりを作っておく
- 広告はキーワードでなく会話の意図で選ばれるため、自社サイトに「だれのどんな悩みに向くか」をはっきり書いておくことが大切になる
AIのチャットの中で商品が比べられる場面は、これから増えていきます。
INTERCREATE JAPANでは、AIに自社の情報を正しく伝えるためのサイトづくりや、ChatGPTの社内での使い方の整理も手伝っています。
参考・出典
INTERCREATE JAPAN